本をつくる

 本を買って、本を読んで、書棚を買って、本を並べて、そうやって何年も暮らすうちに、本をつくりたくなってきた。といっても本のつくり方など判らないので、本をつくるための本を買った。何冊かつくってみたが、なかなか思ふやうな出来にはならなかった。できたものも、人に贈ってしまって、一冊も手元には残ってゐない。

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栃折久美子『手製本を楽しむ』(4095円・大月書店) amazon, bk1, 紀伊國屋

栃折久美子『ワープロで私家版づくり』(2310円・創和出版) amazon, bk1, 紀伊國屋

ワープロで本文を印刷して、それをどのやうに製本するかが丁寧に記されてゐる。『ワープロで私家版づくり』の方は、ワープロで出力したものを版下に使ってゐる。写真が多く、手順の説明が詳しいので、実際に自分で本をつくらうといふときに参照しやすい。私も大いに参考にしたが、この人の本に載ってゐる糸を使ったかがり方は難しく、私は一回だけ挑戦して途中で嫌になってしまった。私はもっと簡単な方法でかがることにしてゐる。
 この人の、ブリュッセルで製本を学んだときのことを書いた『モロッコ革の本』といふ本がちくま文庫から出てゐるのだが、残念なことに現在は新刊書店では手に入らないやうだ。


岩崎博『手づくり製本術』(1427円・雄鶏社) amazon, bk1, 紀伊國屋

〈日曜日の遊び方〉というシリーズの一冊。革製本から和綴じ本、改装本、雑誌の合冊まで、簡潔にして要領良く解説されてゐる。書物の歴史から始まって、必要な道具の説明まであるので、これ一冊で本づくりに必要な智識を一通り得ることができる(ような気がする)。


アルレット・ル・ベイリィ『ルリユール入門』(2345円・沖積舎) amazon, 紀伊國屋

革製本への手引きといふ副題がついてゐて、モロッコ革を使った本格的な製本、すなはちルリユールの解説である。写真は少なく手順の説明は全部挿し絵である。仕上がった本の写真が数点ある。ドイツ人のもとで学んだフランス人が著者なので、日本人とは違った視点で書物と製本を見てゐるに違ひなく貴重だとは思ふが、その視点が出るほど詳しい文章ではないのが残念。この本を読んだだけで、革製本ができるやうになるとはとても思へないのだが。


上田徳三郎・武井武雄『製本』 Amazon(4830円・大日本印刷株式会社ICC本部)

〈HONCOレアブックス―紀田順一郎セレクション (3)〉といふ副題のやうなものがついてゐる。昭和16年にアオイ書房から刊行されたものの復刻である。日本の製本の職人の製本術である。和本の部、洋本の部とに分かれてをり、数多くの挿し絵とともに手順や注意点を説明してゐる。綴じ方の説明はこの本が判りやすいと感じた。巻末の「製本六十年」という上田徳三郎の語りは特に興味深い。工芸でも趣味でもなく、職人として本をつくってきた人の言葉である。


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Paola Rosati"Bookbinding Basics"($16.95・Sterling) amazon, 紀伊國屋

カラー図版が多く、手順が判りやすい。英語だけど。紐をかける専用の台がなくても、椅子を逆さにして使へるのを示してくれてゐる。歴史から始まって、紙の性質の説明、用具の解説とお決まりのコースで進んでいく。続いて本のタイプ別につくり方が載ってゐる。これで一通りのことができさうだ。カラー写真が多いわりには、値段も高くない。文字の入れ方に関する記述が全くないのは残念である。


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Edward R. Lhotka"ABC of Leather Bookbinding: An Illustrated Manual on Traditional Bookbinding"($39.95・Oak Knoll Pr) amazon, 紀伊國屋

革製本の解説書である。写真は一切なく、すべて挿し絵。説明は丁寧であるが、英語である。英語が苦にならない人にはいいかも知れない。文字入れに関する説明もある。しかし、写真もないのに、値段が少々高い。他に、"Hand Bookbinding: A Manual of Instruction"といふ本も買ってみたが、これはいろいろな本のつくり方を簡潔に説明してくれてゐる。箱のつくり方や、文字の入れ方も書いてある。でも、字は手書きですか?と狼狽へてしまった。


 英語の本は、bookbindingで検索すると沢山出て来る。数冊買へばあとは変はらないかも知れない。私たちに問題になるのは、製本に使ふ道具をどこで買へばいいのかといふことだらう。私は渋谷の東急ハンズで買ふことが多い。通販で便利なのは、Bookist
だらうか。紙は竹尾が通販もやってゐるやうだが、私は買ったことはない(東急ハンズで買へるから)。革はどこで買ったらいいか全然判らなかったので、LeatherCraft.jpで買ってみた。製本に使ふといふことは想定してゐないやうで、製本向きの革があるわけでない。




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