各地で進められている公有地を使った開発
足立区・・・都市計画マスタープラン(2006年3月)より
足立区においては、大規模工場跡地などの土地利用転換や密集市街地における防災性の向上等、各地区の特性や課題に応じたまちづくり事業の展開と、安全性や快適性、利便性の向上等、生活環境の改善ニーズに対応した事業手法の導入を検討していきます。
千住地域では、北千住駅前西口再開発事業により、演劇を中心にした劇場「シアター1010」が開設されました。さらに、旧本庁舎跡地には、文化産業・芸術の拠点となる黒澤明シネマシティや天空劇場を含む「あだち産業芸術プラザ」が、平成18年春に開設します。また、適正配置によって生み出された学校跡に、「足立区リエゾンセンター」を建設し、東京藝術大学(音楽学部音楽環境創造科、大学院音楽文化学専攻)を誘致しました。さらに、旧区立第二中学校においては、提案型事業プロポーザルにより「東京未来大学」(仮称、平成19年4月開設予定)を誘致しました。
葛飾区・・・ (2005年2月21日第1回定例区議会区長挨拶より
次の3つの「明日の元気な葛飾づくり」に向けた事業経費を当初予算に計上いたしました。
先ず、第一には、「大学誘致調査の実施」であります。
「明日の元気な 葛飾」を目指し、多くの若者が集い、あらゆる世代の区民が生きがいを持って学ぶとともに、地域や経済の活性化を図るために、本区の大規模工場跡地や学校跡地等に、大学等の文教施設を誘致することも一つの重要な手段であると考え、平成17年度については、大学等の誘致の具体的な実現に向けた調査検討を実施いたします。
江東区・・・都市計画マスタープランより
再開発の想定される大規模な工場、工場跡地等が残っています。
国際・文化施設や大学等の教育機関の整備・誘致などを含め、全区的な産業振興、生活・文化交流機能の充実を図ります。
こうした似たりよったりの計画は、どこの自治体も民間大手のシンクタンク、設計会社に調査委託する結果によるものだろうか。
その計画にもとづいて、大規模工場跡地、大規模公有地の売却によるマンション開発、大型商業施設の建設がすすみ、トラブルが続出している。少数の土地所有者と自治体とによる地区計画がなし崩し的に進められ、その犠牲は後世に、取り残されるのは多くの住民、残された手段は裁判闘争というは、いかがなものだろうか。地域の都市計画づくりをすすめる自治体は、そのあり方を真剣に考えて欲しい。
◆学校跡地に複合施設/設計者選定でプロポーザル検討/渋谷区・・・・・・・「建設通信新聞」(05/5/19)
東京都渋谷区は、旧大和田小学校跡地複合施設の基本構想を、今夏にもまとめ、設計業務を委託する予定だ。委託方式は、プロポーザル方式を中心に検討している。基本設計と実施設計を一括して委託する可能性もある。05、06年度で設計を進め、07年度にも工事発注したい考えだ。複合施設は、健康センターや演劇兼音楽用ホールの機能を備えた施設を計画している。建設地は、桜丘町53−1の敷地4938m2。用途地域は商業地域で、建ぺい率80%、容積率500%。このため、延べ2万m2程度の施設建設が可能となる。同区では、04年に基本構想策定業務を八千代エンジニヤリングに委託し、PFIや定期借地権方式などの民間活力の導入可能性を含めて検討した結果、費用対効果などを理由に、PFI方式などの民間活力の導入を断念して区の直接施行で進めることを決めていた。
新宿区・清掃工場予定だった国有地に44Fの超高層マンション開発計画
新宿区市谷本村町の新宿地区清掃工場予定地だった国有地を、大手デベロッパー8社が入札、落札。 8社は、住友不動産、大京、三井不動産、三菱地所、野村不動産、東急不動産、リクルートコスモス、長谷工コーポレーション 。 中でもリーディングカンパニーである三井不動産、三菱地所、野村不動産が建築主となった44Fの超高層マンション計画(一部38Fに変更)
新宿区市谷本村町で計画されている高層マンション建設について、都は十二日、住民公聴会を開いた。周辺住民からは「区が予定している建築物の高さ制限をはるかに超えている」として、都に建築を許可しないよう求める声が上がった。
計画によると、旧厚生省庁舎跡地約六千二百平方メートルの敷地に、野村不動産など三社が高さ約百三十メートル、三十八階建てのマンション(四百四十戸)の建設を予定。同不動産などは昨年三月に土地を購入し、今年三月に都に建築許可申請した。
公聴会には約五十人が参加。住民七人が建設反対の意見を述べ、一人が賛成を表明した。
反対住民らは、新宿区が昨年末に発表した都市計画決定の原案で、建設予定地は四十メートルの高さ制限が設けられている点を指摘。「原案の正式決定を前にした駆け込み着工は許せない。都は計画を変更するよう指導すべきだ」などと訴えた。
2005年4月26日、東京都の旧都営住宅跡地(中央区勝どき1丁目)の再再発に着手することを発表した。詳細はこちらを参照。契約は、「誘導目標を実現する提案を事業者から受け、最も優れた提案を具体化」というように、いわゆるプロポーザル方式で、都の再開発方針に最も適した案を提案した業者と契約することになる。
地元ではどういうことが問題とされてきたか?・・・東京都が「覚書」を一方的に反故した
中央区議会での質疑から 2003年・第4回定例会(2003年11月25日) 日本共産党・田辺七郎議員の一般質問から
最初に、勝どき1丁目・都営住宅地域の再開発についてです。
昨年11月の第4回定例会において、私が質問しましたように、2002年10月31日付都住宅局長の「勝どき1丁目団地における建替計画の見直しについて」という区長あて文書によって、99年1月12日に区長と都住宅局長の間で結ばれた「中央区公益施設整備に関する覚書」が、一方的に反故にされ、当初02年着工、04年竣工予定の保育園建設計画が宙に浮き、急がれている保育園整備のめどが立っていません。信義にもとる東京都の態度は、厳しく批判されなければなりません。
また、「新たな都営住宅は建設しない」という石原都政のもとで、都営住宅建設も反故にされ、区民が望んでいる都営住宅の建設を放棄し、民間住宅の建設を計画しています。
そこでお聞きします。
第1に、都営住宅の建替時に東京都と交わした「覚書」、また、東京都の「見直し」、それに対する11月8日の区長から都知事への「申し入れ」について、それぞれ詳細にその内容を、お聞かせください。
第2に、老朽化し建替が急がれる勝どき保育園、現在地で継続予定の勝どき西保育園、両園の今後について、どのような協議が行われていますか。お聞かせください。
第3に、廃業した公衆浴場の一角「C敷地」を、区有地として譲渡を受け、区民の複合施設用地として確保する方向で、東京都と協議すべきだと考えます。お答えください。
第4に、いまの社会情勢から、家賃が安く質の良い都営住宅は強い要望です。「民間の住宅」の建設による公的な責任の放棄を容認せず、跡地には都営住宅の建設を要求すべきだとかんがえます。見解をお聞かせください。
第5に、いま現在、中央区と東京都は、何を協議していますか、その到達点を明らかにしてください。
第6に、この地域にはすでに、2棟の高層都営住宅が建設され、従前居住者がもどり、さらに他区の都営住宅の建替の「仮住宅」としても活用されています。しかし、この住宅は通常の応募対象にはならず、なお多くの空き家があり、住民からは「なぜ募集しないのか」との問い合わせも頻繁です。積極的な活用が求められますが、現状と今後の活用について、見解をお聞かせください。
○ 区長(矢田美英君) 田辺七郎議員の質問に順次お答えいたします。
初めに、勝どき一丁目・都営住宅地域の開発についてであります。
平成十一年一月に締結した覚書については、当該地域内における区民館、敬老館、勝どき保育園の建てかえの内容や規模、整備主体などの基本的事項がその内容となっております。また、昨年十月に東京都から一方的に示された文書では、民間活力の導入により、かちどき西保育園のある建物も建てかえることとするものであり、工事期間中のかちどき西保育園の仮設施設は、現在の勝どき保育園の上部を利用することとされていました。しかしながら、区の保育需要の状況や、勝どき保育園の老朽化への対応がおくれることなど、区にとって多くの問題点を含んでいたことから、直ちに都知事に対し、区が納得できる建てかえ事業を早急に推進するよう、強く申し入れたところであります。
公共施設の整備については、地域全体の総合的なまちづくりの観点から、保育園の早期建てかえや、公共施設の適正配置、近接する勝どき駅前地区再開発事業との一体的整備など、勝どき地区全体の発展という視点を基本に置いて、主体的に敷地の活用を図ることも含め、協議を行っております。
区といたしましては、これらの考え方を東京都に伝え、それについて実務的な検討が深められているところでありますが、残念ながら、現時点においても、東京都側の事情で、最終的な結論を得るに至っておりません。
次に、都営住宅跡地には都営住宅を建設すべきではないかとのお尋ねであります。
都から提出された見直し計画では、区域内に民間住宅建設や福祉・商業機能の導入のほか、公営住宅の建設が計画されております。また、既に完成している勝どきアパート一号棟と五号棟は、現在約八十戸が空室となっておりますが、御指摘のとおり、入居募集が行われておりません。これらの空室については、本区内の都営住宅も含めた、建てかえ時における移転、仮移転用住宅として活用を図っていくと聞いております。
いずれにいたしましても、都営勝どき一丁目団地の建てかえについては、一日も早く、地域全体の発展につながる、本区の目指すまちづくりに寄与するものとなるよう、適切に対応していきたいと考えております。
○ 十九番(田辺七郎議員) それぞれ答弁いただきましたが、なお、再質問をさせていただきたいと思います。
まず、勝どき一丁目の問題でありますけれども、今の区長さんの答弁では、実務的な検討がやられているけれども、都の事情で具体的な合意に至っていないと、こういう御答弁でございました。大変重大な問題だというふうに思います。もともと事の発端は、東京都が区との合意を破ったわけでありますから、そうした点で、東京都の責任を厳しく追及するということが必要だろうというふうに思いますし、同時に、区行政の進展にとっても、さまざまな施設がここにはかかわっているわけでありますから、そうした点で積極的なこれからの強力な話し合いといいますか、交渉が必要だろうというふうに思います。
そこで、私も先ほど提案をしましたけれども、廃業した公衆浴場の一角、これはC敷地と言っておりますけれども、ここを区有地として譲渡を受けるということ、区有地として譲渡を受けたならば、区がそれを、東京都の意向にかかわらず、自由に使える土地として確保するということができるわけでありますから、その姿勢にまず立つということが必要だろうというふうに思います。先ほどこの問題について、私の質問について明確なお答えがありませんでしたけれども、改めて、今の実務的な検討はやられているけれども、合意に至っていないという、そういう状況の中で、この問題についても提案をして、協議の検討事項にしているのかどうか、そのことも含め、C敷地を積極的に区有地として確保するという、その方向について、改めてお聞きをしておきたいと思います。
それから、あの敷地でA敷地というのがありますけれども、ここは、東京都はPFI方式で民間活力の導入だと、こういうことを言っているようでありますけれども、しかし、これはやはり区民の要求も大変強いところでありますけれども、都営住宅を建設するという、そういう視点で区は積極的に対応すべきだ、申し入れを行うべきだと、こう考えておりますけれども、改めて区の見解をお聞きしておきたい、こう考えます。
(略)
○ 区長(矢田美英君) 再質問に答弁させていただきます。
勝どき一丁目の整備問題でございますが、C地区を都から譲渡していただけばいいんではないか、そういう御指摘もございました。先ほど、主体的に、敷地の活用を図ることも含め、協議を行っておりますと述べましたけれども、そのことが、都からの無償貸与を含め、検討していると、こういう意味でございますので、検討しているということですね。
それから、東京都側の事情で最終的な結論を得るに至ってないわけでございまして、これは東京都の権利といいますか、主体が向こうですから、これはもちろん厳しく追及せよというのもわかりますけれども、話し合いを続けて、結論を得るようにしてまいりたいと、こういうふうに思っているわけでございます。
約8haを1800億円で売却、最高高さ260mで延べ床面積55haの開発
落札金額(土地取得費)は、総額で1,800億円(坪単価@7,590千円/坪)で、三井不動産株式会社(入札名義は複数特定目的会社名)、全国共済農業協同組合連合会、安田生命保険相互会社(入札名義は特定目的会社名)、積水ハウス株式会社、富国生命保険相互会社、大同生命保険相互会社の6社のグループが落札。
面積、78,393.60u。国有地の一括売却では過去最大規模。最高高さ260メートルの超高層オフィス・ホテル棟など5棟を建設、総延べ床面積約55万平方メートルにのぼる開発プロジェクト。
5棟のビルを囲むように、北側にある檜町公園と合わせた約4ヘクタールを、オープンスペースとして一体的に整備する。A棟(延べ床面積23万4000平方メートル)で、高さ約260メートルの超高層オフィス・ホテル棟。B棟(同約8万平方メートル)、オフィスと住宅を整備。C棟(同約3万7000平方メートル)は住宅。D棟(同約1万9000平方メートル)住宅、E棟(同約4万平方メートル)オフィスを配置。A、D、E棟の間にはショッピングモール(同約4万6000平方メートル)を設け、各棟とつなげる。
2004年3月2日 第1回定例会での石原都知事答弁から
南青山一丁目団地建てかえプロジェクトについてでありますが、これは画期的に、民間の事業者を活用してのプロジェクトでありますけれども、そもそも東京における大規模な開発というものの大きなネックでもありました容積率というのは、大分過去に決められたものでありまして、しかも、その論拠が基盤整備の水準次第ということで、これまた非常にある意味で抽象的な条件ともなっております。いずれにしろ、このプロジェクトは、都営住宅や民間住宅、公共施設などを民間事業者が一体的に整備するものであります。
しかも、青山一丁目という東京の都心の超一等地にふさわしい高度利用を実現するために、容積率を大幅に緩和することで民間の創意を引き出すことができたと思います。
当初、民間主導ということでもありましたが、しかし、私のもとに提出されました素案は極めて消極的といいましょうか、既存の容積率に迎合したものでありました。そこで、私は、君らの知恵じゃなしに民間の業者の差配で、これが仮に三十五階とするなら、あと何十階重ねても、つまり採算がとれるかということを聞いて、それをもとにした次の案をつくってこいということで、二つの案をそろえました上で、濱渦副知事などとも、建設省、それから後の国交省に根回ししまして、こういう開発に国の省庁が非常に古い権威を構えて古い規制で臨むならば、我々は戦いも辞さないぞ、恥をかくのはそちらになるぞといいましたら、向こうもこれを是といたしまして、そういう時代でないことはよくわかっていますということで、容積率が、やってみるもんですな、これ、四六〇%から七六〇%にふえました。よって、これによって都に入ってまいります年間賃貸料も二億三千万から五億一千万にふえたということであります。
東京の活力や魅力を高めるためには、本プロジェクトのように、公有地や民間活力を活用したまちづくりを進めることが重要でありまして、今後とも産業、文化、福祉など、さまざまな政策的視点に立って、こうした取り組みを積極的に進めていくつもりであります。
2005年3月14日 都議会予算特別委員会 日本共産党・古館和憲議員の質疑より
〇古館委員 そして、ことし新たな動きを見せているのが、大手町合同庁舎跡地の再開発計画です。大手町再開発は、国の合同庁舎が東京一極集中を是正する立場から埼玉へ移転することになり、その跡地を利用して、大手町地区の再開発を行うものです。
(パネルを示す)ちょっとここに地図をつくってまいりました。これが大手町の、ある意味で全体像の中の一つなんですけれども、ここに矢印がありますけれども、これが日本経団連の会館であるとか日経ビルとかJAビルなんですね。今回のこの計画では、この国の庁舎をつぶした跡に、そっくりこの日本経団連などのビルがこちらに移るという計画の中身であります。
この囲まれた地域が大手町地区なんですけれども、ここが今問題となっている合同庁舎を活用した連鎖型再開発の対象地域であります。この更地にした合同庁舎跡地に、まず、先ほどいいましたが、経団連と日経新聞のビル、JAビルが移転し、そのあいたところに今度は中小企業金融公庫などの公庫ビル、日本政策投資銀行ビルが移転するというものであります。
この合同庁舎は、いろいろいきさつもありましたけれども、この三月に随意契約で都市再生機構に千三百億円でこの国の庁舎が売却される、このことが決まったわけであります。
問題はここからであります。この合同庁舎の土地は、今、容積率が七〇〇%なんですね。そして、土地を売却した後に容積率の見直しを行うということであります。都に聞きますと、まだ決まっていないというふうにいうんですけれども、もう話はついているのではありませんか。
この土地の開発の推進を国などに要望するとともに、日本経団連など地元地権者は、ここを一六九〇%の容積率の開発構想を既につくっております。仮に一六〇〇%とした場合に、今七〇〇%ですから、売却時点での容積率に九〇〇%も上乗せされるわけであります。
そうしますと、開発者側、これは主体は三菱地所などでありますけれども、ここは上乗せされた容積分の床を売るなりリースするなりして利益を上げることができる。もしくは、無料でビルを建てかえるなどということもできるようになります。
ということは、千三百億円で買った土地が二・三倍もの容積をもらえるわけですから、単純に考えれば、最大で千六百九十億円も価値がふえることになります。これではもう丸もうけということであります。
ところで、この区画整理事業の一環として、日本橋川沿いに遊歩道を設置するという計画があるようでありますけれども、その目的は何でしょうか。
〇梶山都市整備局長 大手町の都市再生に当たりまして、歩行者が主役となる緑豊かな歩行者専用道として位置づけ、日本橋川と一体となった親水空間を創出するために歩行者専用道を設けるものでございます。
〇古館委員 表向きはそうなんですけれども、私も現地を見ました。ちょっと違うんじゃないかというのを非常に強くしたわけです。現地を見ていただきたいんですが、この日本橋川の上には、ご存じのとおり高速道路が通っています。その横のところで川はかみそり護岸になっているんですね。地元の人は、あそこは夜など怖くて歩けるところじゃない、何であんなところに遊歩道などをつくるのかと首をかしげておりました。
本当の目的は、この遊歩道をつくることで、この地域の容積率を上乗せしてあげることではないんでしょうか。それでは至れり尽くせりではありませんか。
しかも、調べてみると、この遊歩道は、土地区画整理の減歩で生み出すのだそうであります。もともと十八メートル幅でつくろうということが、いつの間にか十二メートルに縮減されているんですね。つまり、たくさんの減歩をしなくてもよくなったんです。こんなこと、普通の土地区画整理ではあり得ない話なんですね。このように、この開発はおかしな話ばかりついて回っているんですね。
そこで知事にお尋ねしますけれども、国有地を舞台にこんな至れり尽くせりの大サービスが行われる、これでいいのかということが問われているんです。どうでしょうか。
〇梶山都市整備局長 事実誤認がございますので、ちょっと訂正させていただきたいと思います。
区画整理の仕組みからいきますと、道路の幅員が減れば逆に増進がやや落ちるということから、逆に容積率は上がってこない、これが一点。それからもう一つは、歩いて怖いとか、非常に道路の状況が悪い、地域の状況が悪いと。だからこそ区画整理をするんでございます。まちづくりをする。それで、かみそり護岸だからこそ、そういう意味では、一体的に整備をして、よりすぐれた、立派な、あるいは環境のよい、そういう道路をつくる、こういうことでございます。
〇古館委員 これは、実際にこのようにして減歩をしていきながら、そして、ここで再開発をしようとしている人に対しては、極めて有利になっていく。もう一つ、歩道があるんですね、歩く歩道が。もう一つつくってあげるという計画がありますね。そうなると、結局は、より高い容積率を保証することができるという仕掛けなんですね。
しかも、こういうことが都の旗振りでやられているんです。ここに国有財産中央審議会が九六年に出しました国の行政機関移転跡地の利用に関する基本方針というのがあります。これが文書でありますけれども、ここでは、国の行政機関移転跡地については、公用、公共用優先の原則のもとに、東京一極集中是正の趣旨を踏まえ、都区部の都市環境及び生活環境の改善に資するよう利用することを基本とする、このようにはっきりと書いてあるんですね。本来この立場から土地利用が図られるべきものですし、国もその立場でこのように通達を出しているわけです。
それが、一転して民間ディベロッパーによる大規模開発に姿を変えることを可能にしたのは、実は東京都の働きかけがあったからではないですか。違いますか。
〇梶山都市整備局長 東京の国際競争力を強化するための都市再生プロジェクトとして、都が本事業を積極的に推進する姿勢は当然でございます。
しかしながら、基本はあくまで民間活力によるプロジェクトであり、行政はそれを支援する立場でございます。都の主たる役割は、必要な都市計画決定や関係者調整を進めることであり、プロジェクトの推進に当たっては、民間からの提案や意向を踏まえ、協議、検討しながら進めているものでございます。
〇古館委員 実は、今いった説明なんですけれども、私、ここに、二〇〇二年の東京都が出した−−当時、財務大臣は塩川さんでしたけれども、申し入れを東京都が出したんですね、石原知事名で。
これによりますと、大手町が金融、情報産業の一大集積地だということで、高次の業務機能やにぎわいのある空間を備えた魅力ある都市の形成が必要として、そのための開発のために処分してほしい、こういうふうに要望しているんですね。
ここは要望書がちゃんとありまして、ですから、民間というふうにおっしゃいましたけれども、まちづくりの座長にはちゃんと都市整備局の方が座っているじゃありませんか。民間の開発に東京都がわざわざ要請を出して、しかも、そういう形で至れり尽くせりをやっている、これはおかしいと思いませんか。
ですから、公用、公共用優先の原則が外されたんではありませんか。これが事実だとしたら大変な問題であります。
いろいろいわれますけれども、この処分を検討した国の財政制度等審議会、国有財産分科会で国有財産中央審議会というところがあって、ある委員は、ここに持ってきておりますけれども、このようにいっているんですね。都市防災等を考えた場合、跡地は防災公園的な意味合いで貴重な存在、経済開発だけのために売り払うという発想を変えていくことが必要という発言も行われているんですよ。
都心に残された貴重な公有地を、防災拠点として、緑の拠点として活用することは極めて重要であります。
では、なぜそうならなかったのか。私はこの文書の中にキーワードがあると考えております。実は、この文書なんですけれども、これは日本経団連が二〇〇四年五月に開いた第三回定時総会の報告です。表題は新経団連会館建設についてというふうにあります。
この中でどういうことがいわれているか。再開発計画への参画の条件という項目があって、こう書かれています。日本経団連では、当初より、次の項目が満たされることを本計画の参画への条件としてきた。一つは、新たな資金拠出なしで、日比谷通り沿いに現会館と同等の床面積が確保できる。二番目、リスクは負わない。三番目、近年のリニューアル投資を現会館の資産価値に認める。このことが要件として認められなかったら自分たちは入らない。しかも、付加価値をここではつけろということをいっているんですね。
上記条件がいずれも達成できる見通しがついてきたということで、今度は参画しましょうと。これって本当におかしな話だというふうに思います。どこの世界に区画整理で全く持ち出しなしで、新しい建物がもらえるなんていうことが、普通は考えられないんですね。何で経団連だけがこんな優遇を受けるんですか。
結局、土地を売った後に容積率を上げてあげるのも、ただで経団連ビルを、それも一等地に建ててあげる。日比谷通りの前面に出るんですから。
しかも、大手町まちづくり株式会社が地権者と策定したという開発計画案では、日本経団連の余剰金または保留床取得費として五十一億円も日本経団連が受け取るということになっているんですね。これは本当に断じて認めることはできません。
約4haの土地を、長谷工が265億円で落札。
都立大学跡地を考える会 「けやき通信」NO1より
太陽と空と静寂を奪う、長谷工の巨大マンション計画!長谷工コーポレーションは、日商岩井不動産を始め11社の連合で都立大学理工学部跡地を東京都から購入し、巨大なマンションの建設を計画しています。その規模は周辺の低層住宅への配慮はまったくない、高さ19階を始めとした城壁のような建物が8棟。深沢2丁目の現世帯数を上回る791戸、800台分の駐車場。こんなマンションがどれだけ私たちの生活を変えてしまうのか、考えてみたことがありますか?
長谷工は、住民ときちんとした合意が得られないまま、工事を強行するために行政的な手続きをしゃにむに進めているのです。私たちはこの企業利益を追求しただけの計画はもちろん、問答無用な長谷工の態度も許せません。このままでは、計画どおりのものが2年後には私たちの目の前に立ちはだかるのです。それ以前に工事が始まれば、震度三〜四の振動、則定器の針が飛ぶほどの騒音、数百台のダンプによる公害が連日2年間も続くのです。
2000年12月12日 東京都議会・財政委員会の日本共産党・松村友昭議員質疑から
◯松村委員 例えば都立大学の跡がありまして、私も見に行きました。長年、どういうふうに利用するかというのが大きな問題でしたけれども、例えばその隣には、本当にすばらしいというか、駒沢公園があるわけですよね。
今、東京の公園はどうなっているかといったら、都民一人当たりの都市公園面積は、東京区部で三平方メートルですね。ところが、ニューヨークは二十九・三平方メートル、ベルリンは二十七・四、ロンドンは二十六・九と、いずれも九倍から十倍で、都民一人当たりの公園面積をふやすというのは、当然大きな課題だというふうに石原知事もいっていると私は思うんですよ。
だから、都立大学のそういう跡地をどうするかというと、私はもっとそういう点での公園利用ということの考え方、都立大学という目的を終わってほかに移転したから、それは普通財産になった、だから、今いったそういう形の考え方はあってしかるべきじゃないのか。
一方では、同じ世田谷でも私、見させていただいたのですけれども、祖師谷公園という都立公園がありますね。今、もう民間でこれだけの住宅が張りついて、いい環境で住み続けたいと。戦後といいますか、もう戦前に近い都市計画の網がかぶっているという点で、いやというのに、一戸一戸買うために、まだ物すごい努力をしているというか──だから、同じ区内においても公園面積、都立公園をふやすのだったら、今ある貴重なそういうところをまず確保する。だからといって、公園の網が外せるとかいう意味ではなくても、そういう遅々として進まないというか、公園を広げられないという事情があったりとかいうことで、より広げていくご努力よりも、どんなに効率的で合理的かわからないですよ。
で、そこにまた、この前の委員会のあれもありましたけど、マンションがいきなり建つといったら、また住民はとんでもないとかいうことだけど、一般競争入札に回されれば、その利用がどういう利用になるか。この前の質疑でも足立区の例がありましたけれども、あとは、それはもう仕方がないというか、やむを得ないということは、決して都民のためにならないというふうに、私は思うんです。
ちょっとそういう例も挙げましたけど、私、局長にも聞くというか、総合政策研究会というのをご存じですか。私も初めて勉強させていただいたわけですけれども、これは一九五一年に故有沢広巳を会長に設立されたというもので、かなり幅広い提言を行って、理事などを見ると、財界も含めてそうそうたるメンバーなんです。この研究会が「国際競争力ある東京圏づくりへの提言」ということを、ことしの三月ですか、まとめられているんですよ。
そこで、この検討委員会のメンバーも、やはりそうそうたるメンバーなんですね。日本経済新聞社社長の鶴田さんが委員長になって、それこそ建設省の都市政策課長とか、住宅局市街地建築課長とか、あと大学だとか、日本のそうそうたる、ゼネコンも含めた、電力だとか製鉄だとかの会長さんや、主な各新聞の論説委員クラスが入って、東京に対する提言を行っている。
私は、これを全体読んでみたら、私たちの考え方が本当に多いわけですけれども、今、石原知事などがいろいろいっております東京構想二〇〇〇などに、本当にそのまま盛られているのじゃないかと思うぐらいのすごい提言だと思いますけれども、この中に「財政難の地方公共団体が所有する不動産を売却する動きがあるが、これは長い目で見ると得策ではない。土地は将来の再構築の種地としてできるだけ保有しておくべきである。」ということを、こういう方々も将来を見据えていっているわけです。
先ほど局長からも、財産の見方を今の社会情勢から変えるんだということで、確かに第二次の財産有効活用促進検討委員会ではその考え方が載っておりまして、それを引き継いでこの計画が出てきたというふうに思います。いろいろ立場が違う方々の提言ですけれども、土地という公有財産は、今度また必要に応じたらすぐに買えるとか、そういうものでは私はないと思うんです。しかも、この狭い、利用できる、しかも首都というか東京における、これはもういろいろな経過がありましたけれども、今ある土地というのは本当に貴重な財産で、将来的にも東京都民、首都に残していかなければならないし、いろいろな活用がある。
それが今いったみたいに、都民が見ていたら、本当に活用されていないという点での批判、意見、しかも、それがなかなか各局所管でわからなかったことを、財務当局が調査して、やろうといった点においては、部長さん初め、私は決して否定するものではありませんし、多としますよ。
だからといって、この前からいっているように、何が何でも今のこの時点で売り払うということは都民も望んでいないし、今、赤字財政団体になるから、本当にわらをもつかむ思いで財源をつくらなければならないということも確かにあるでしょう。でも、ご承知のとおり、幸いなことにというか、そうならないと私ども聞きましたし、そういう兆しもある中で、この計画の考え方に沿って進められても、ひとり歩きしますし、やはりいろいろあるのじゃないかということなので、もう一度再検討というか──再検討というより、今私が発言した趣旨に立って、その運用も含めて、考え方を組み立て直してほしいというふうに強く要望しておきます。
それで、あと、個別的に若干質問をさせていただきたいのですけれども、公園については、今指摘しました。一方においては、そういう隣接する絶好の、どう見ても公園とかそういうものに残しておくのがふさわしいところが売却という形になって、急ぐような形になっている。一方、新たに公園を買っているということにおいては、財務局の立場から、所管がいってこなければ云々というか、これはどういうことなんでしょうか。東京全体の立場から見ての、全庁的な活用というのもありますけれども、今後呼びかけて、こういう財産があるんだよ、各局の所管がもっと積極的に、必要とされるものを生かすべきじゃないかとかいうような進め方をされるのでしょうか、公園なら公園に限ってもいいですけれども。
◯橋本財産運用部長 財務局が所管しております未利用地につきましては、従来もお答え申し上げておりますように、まず、都において利用の見込みといいますか、利用計画があるか、将来的なものも含めてその利用予定を各局に聞きまして、それがないということになった後、地元の区市町村に対して利用希望があるかと、これも将来的なことも踏まえてそれらを聞いて、それで、利用予定がないという段階になって初めて売却ということを検討するわけでございます。
それから、先ほど、保有しているのも必要なのじゃないかというふうな話がございましたけれども、未利用のまま長年放置をしておくということにつきましては、都有財産はいうまでもなく都民の貴重な財産ですから、それについては、やはりいろいろな批判があり得るのかなと思います。それに、保有するにはコストがかかりますので、そういった面からも、利活用の見込みのない土地につきましては、売却も含めた処分を進めていくべきであろうというふうに考えます。
それから、公園との兼ね合いでございますけれども、公園について、ふさわしい土地、あるいは必要な土地ということにつきましては、都市計画などで定めまして、その都市計画に沿って計画的に整備を進めていくということを別のセクションでやっておりますので、それらの計画の範囲の中の都有地であれば、当然そういう利用の仕方が考えられますけれども、そうでないところにつきましては、別の利活用を考えていくべきであろうというふうに考えます。
◯松村委員 ただ、今いったみたく、例えば公園なら、そのためには改めて都市計画をしなければいけないとかいう、いろいろな手続の問題などはわかりますよ。しかし、やはり行政間を越えて、例えばそういうのが本当に都民の利用に、その計画になるまで暫定的にも利用しながら、東京都にとって必要なものは進めていくとか、そういう進め方も私はあり得ると思うんですよ。その間、私も、先ほどから部長さんがおっしゃるように、未利用のままでいいとは思わないし、それは積極的な活用なのだと。
しかし、今の、全庁的なことを呼びかけて、区市にも呼びかけて、利用計画がないとかいって、それで、都民に知れたときにはもう民間に売却して、マンションになってしまうとか、地元が改めて反対するとか、そういうことが余りにも多過ぎるからこそ、私はこの計画についてもただしているわけです。
2001年5月29日 東京都議会・都市・環境委員会 日本共産党・吉田信夫議員の質疑から
◯吉田委員 (略)二つだけ質問させていただきますが、一つは、そういう予防と復興との関係をどのようにとらえているのか。多分、皆さんのお考えとしては、予防については全力を尽くすというお考えだと思うんですよね。
しかし、現実的に、例えばオープンスペースの確保という点で見れば、場違いかもしれませんが、都立大の跡地が発生いたしました。あれはたしか公園に隣接した地域になると思うんですけれども、東京都の財産であったわけですけれども、これはたしか民間のディベロッパーに売却をされました。また、この前、私、質疑させてもらいましたけれども、六本木、港区の防衛庁本庁、これが国が移転をするということで東京都に打診があったけれども、東京都としては財政的理由で手を挙げなかった。
本当に今財政が大変であったとしても、一つ一つオープンスペースを確保する努力をしなければ、私は、予防にもならないし、いざというときの復興のための準備にもならないと思うんです。一般論じゃなくて、そういう具体的な事例を挙げて質問させていただきたいんですが、どういうふうにお考えなんでしょうか。
◯福島防災都市づくり推進担当部長 大規模な公共用地の売却等に関しましては、それぞれの都市づくり、土地利用の目標がありまして、そうした検討が進められて、一定の計画、管理のもとに処分がされていくというふうに考えてございます。
私たちが今考えますオープンスペースといいますものは、現在も、震災対策条例に基づきまして、震災後速やかに必要となる応急、復旧、救急という場面で、どのような土地を確保していくのか、これの調査にただいま総務局を中心に入ってございまして、こうした調査の中から、震災時に必要となる土地の需要なども早急に精査をいたしまして、必要な土地等の確保に現在から取り組んでいく、このような考え方で取り組んでいるところでございます。
◯吉田委員 今から取り組んでいくといわれますけれども、この間の経過を見れば、これも直接的には建設局になりますが、公園用地の整備費というのは年々減少してきたという経過を見れば、本当に震災問題にどれだけ東京都が真剣に取り組むのかという点では、今からやはりできる限りの公有地を確保するという努力を改めてされることをこの機会に求めておきたいと思うんです。
2001年10月26日 東京都議会・各会計決算特別委員会第1分科会 東京都議会自由民主党・大西英男議員の質疑から
◯大西委員 次に、都立大学跡地のことについて、少しお聞きしたいと思います。まず、都有地の売却について、都の基本的なお考えをお聞かせください。
◯小野田財産運用部長 都立大学跡地の関係でございますが、都有地売却の基本的考えにつきましては、都有地は、本来、都の事業に用いるためのものでございまして、貴重な都民の財産と認識しております。しかしながら、都財政の現状が極めて厳しい中で、都が利用する見込みのない不用な土地につきましては、地元区市町村に取得の意思を確認の上、財源確保のため、売り払いの促進に努めているところでございます。
◯大西委員 そういうわけで、今回も都立大学の深沢校舎の跡地もそういう対象になっていました。周辺とかけ離れた戸数七百九十一戸、十九階という大きなマンションがここに建つということが今起きているわけですけれども、そういう経過をたどったんでしょうか、教えてください。
◯小野田財産運用部長 都立大学深沢校舎跡地の利用につきましては、都市計画局、財務局、世田谷区などで構成いたします都立大学跡地利用計画検討会において検討が進められました。そこで、住居系を中心にした土地利用を目指す、このような基本方針が策定されました。財務局といたしましては、この方針及び世田谷区の意見を踏まえまして入札参加要領を作成し、平成十三年一月に入札を実施いたしました。その後、都議会の議決を経て、落札者と土地売買契約を締結いたしました。現在、開発者により、マンション建設計画が進んでいるところでございます。
◯大西委員 資料も見せていただいたんですが、その中に、確かに跡地利用についての都の基本的な考え方ということで、区と都市計画局、財務局で協議しているものがあります。これを見ますと、ある意味、非常にアバウトなんですけれども、そういう意味では、このような今回のもめごとが予測されることではないかというふうに考えてしまうんですけれども、その辺はどういうふうに考えていらっしゃいますか。なぜここに住民が参加しなかったのかというのが、何度も何度も紛争がいろいろ続いている現状の中で、大きな地権者の一つとして、こういうものはぜひとも基本的な部分だけではなくて、しっかりと住民参加のもとに作成すべきだったと思うんですが、その辺はどうだったんでしょうか。
◯小野田財産運用部長 この基本的な考え方につきましては、住居系を中心とした土地利用を図ること、生活支援サービスなど、公共性の高い機能を導入することを目標にいたしまして、地区周辺に開かれた生活支援サービス機能の導入、歩行者ネットワークと広場、緑地など、空間機能の確保等について規定しております。また、この基本的考え方は、地元世田谷区からの要望にも沿ったものでございまして、地域の実情を十分踏まえたものと考えております。
◯大西委員 先ほどもいいましたけれども、これを見ますと、環境共生を目指した建築物を整備すること、現行の用途、容積等による整備、それから周辺環境、自然環境、都市景観を配慮した整備と、確かに入っておりますので、それを踏まえて進んだ場合は、今回のこういうことが起きても仕方がないわけなんですけれども、せっかく都市計、財務、区を入れた協議の中でしたので、ある意味、もっと具体的に、景観はどうなのか、高さはどうなのかという、そういうものを住民参加で、これからもいろいろな場合が想定できるわけですから、ぜひ進めるべきだったと思いますけれども、もう一度その辺をお答えください。
◯小野田財産運用部長 財務局が入札参加要領で提示いたしました基本的な考え方は、財務局が入札参加の申し込みの条件の一つとして設けたものでございます。その作成は、専ら行政が行うものと考えております。
◯大西委員 そういう意味では、財務局としましては、先ほどの都有地の売却についての基本的な考え方というところで、財政再建というものがまず出てくると思うんですけれども、財政対策が優先するのか、そこに環境とどういうふうに整合性を図っていくかというのがこれから問われるわけですけれども、財務局としては財政再建対策が優先するんでしょうか。
◯小野田財産運用部長 本件土地につきましては、都としての利用が将来にわたって見込めないこと、あるいは地元世田谷区においても取得の意向がないこと、また、世田谷区の住居系を中心とした開発を進めるべき、このような区の意見を踏まえまして、民間への売却を決定したものでございます。さらに、都の財政が極めて厳しい状況が続く中で、利用予定がない遊休地の売却は、臨時的財源を確保する点で有効な手段でありまして、本件の売却はこれにかなったものととらえております。
◯大西委員 そういう意味では、東京都は一つの事業者であり、消費者であるという特殊な立場があるわけですけれども、環境施策について、都として事業者責任をどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
◯小野田財産運用部長 売却後におきます環境施策につきましては、基本的には、買い受け者が関係法令に従いまして、みずから適切に行うべきものと考えております。なお、本件土地につきましては、売却に当たって基本的な考え方を明示いたしまして、その中で環境面に配慮した整備を入札参加条件にしたところでございます。
◯大西委員 そんな中、今いろいろな運動が出ておりまして、地域住民が用途規制をみずからかけるのは確かに本筋だと思うんですけれども、都も事業者として、地域住民として提案すべきではないかと思うんですが、その辺いかがですか。
◯小野田財産運用部長 この跡地売却に際しましては、都市計画を所管します都市計画局、地元の世田谷区の参加のもとに利用方針を決定いたしました。この利用方針は、地域にふさわしい土地利用を目指したものでございまして、隣接地域も第一種中高層住居専用地域に指定されておりまして、一部マンション等が立地している状況を考慮して、現行の容積率を適切としたものでございます。
◯大西委員 区の建築指導や環境条例上の手続が世田谷区にあるわけですけれども、都としてそれをしっかりと認識する必要があるんですけれども、見解を伺います。
◯小野田財産運用部長 先ほどお話しいたしましたが、売却後の土地利用につきましては、買い受け者が関係法令に従って、みずから適切に行うべきものと考えております。本件についても、現在、買い受け者が世田谷区の環境基本条例等に基づく必要な手続につきまして、区と協議、調整を行っていると聞いております。都としても、必要に応じて買い受け者が関係法令等を遵守するよう、要請を行っていきたいと考えております。
◯大西委員 先ほどもいいましたように、跡地利用というものを、大きな敷地を都が持っているし、地権者としても非常に重要な役割があると思います。もちろん財政的な面から、こういう行為が行われることは承知しますけれども、住民にとってどうなのか、それから環境都市構想、都市の景観、そういうものも含めた、もっと総合的な対策で進めていただきたいと思いますので、そういう場合には、基本的な、余りにもアバウトではなく、もう少し具体性のあるようなものを、それから、今後もめるようなことが予測されることはいっぱいあるわけですから、そういうものも、財務局としてもいろいろな横の関係を密にしながら、ぜひ取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。
一定の広さがあれば国庫補助、都市計画交付金など、さまざまな補助金をつかって、各自治体は、直接の負担も少なく取得しております。具体的にどうするかは、自治体の担当者とよく相談してみてください。これまで、他の方のHPに掲載していただいておりましたが、私もHPを立ち上げたのを機会に、紹介しておきます。
1.都議会・2000月3月16日
予算特別委員会
◯和田委員 九十ヘクタールといいますと、二十三区の中に、関東財務局が所管するのでしょうけれども、東京ドームで五十杯というか、五十個分の売り払ってもいいよという土地があるということがはっきりしたわけであります。
そこで、重ねてお伺いするのでありますが、この対象の中に、北区にあります陸上自衛隊十条駐屯地の赤羽地区の五・八ヘクタールが含まれていると思うのでありますが、これを東京都がもしかする計画があるのかどうかというのが一点。
二点目は、もしもなければ、地先の北区がこれを都市計画公園などに入手する場合には、どういう財政的な措置がとれるのか。二点についてお伺いいたします。
◯成戸東京都技監 現在、この地区の中には、都市計画道路補助第八六号線が決定されておりますが、まだ未整備でございます。そのほかの利用につきましては、今後、国から跡地利用についての照会があった時点で、地元区とともに土地利用のあり方について検討を行っていくことになろうかと存じます。
次の、もし仮にということで、公園化された場合の財源的措置につきましては、一般論としてでございますが、区が跡地等を公園として都市計画決定をして、知事の都市計画事業認可を取得いたしますと、用地費で三分の一、整備費で二分の一が国庫補助の対象となります。また、残りの事業費につきましては、都市計画交付金などの対象となります。
◯和田委員 ここにちょっと図を持ってきましたが、ここは、もう既に五・八ヘクタール、十一年三月に整備された自然観察公園というのがあります。そのすぐ隣に五・八ヘクタールの自衛隊の十条駐屯地があって、そこを間を裂くような形でもって補助八六号線が通っているわけであります。
そこで、今技監が説明されたような状況の中であるわけでありますが、区が具体的に財調なり都市計画交付金などを当てにしながらやりますと、ほぼ無償で、この五・八ヘクタールが自治体に入る可能性があるわけでありますから、平成十四年の売り払いの時期のようでありますので、当該区の相談には、よろしく乗っていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
2.目黒区議会・2003年11月19日 第4回定例会
○藥師寺克一区長 まず第一点目、平成十二年度から十五年度までの公園用地取得は、当初の公園計画本来から外れた過剰な整備ではないかについてでございますが、公園の整備は目黒区が掲げている「ともにつくるみどり豊かな人間のまち」を実現するための不可欠な施策であると考えております。現在、目黒区の公園整備は、一人当たりの公園面積が二十三区で二十番目前後であることなど、依然として十分とは言えない状況でございます。市街地における公園にはレクリエーション機能、防災機能など、さまざまな効用が期待されておりますが、常に区民の施策要望の上位にあるものでございます。公園用地の取得には多額の経費を要すること、地域にバランスよく整備する必要から、基本計画、実施計画に取り上げて、計画的整備に努めてまいりました。大規模公園の整備や木密地域内の公園整備は長年の課題でございますが、土地取引の性格から、必ずしも計画どおりに望む用地取得ができるわけではございません。
こうした状況の中で、平成十二年度以降、三つの大規模公園用地や木密地域内の公園用地を取得することにいたしましたのも、将来にわたり、このような物件が見込めないこと、一時的に多額の特別区債を発行いたしますが、償還財源として、議員御指摘のように国や都の補助金、あるいは都区財政調整交付金が交付されることなど、区にとりましても大変有利な財政計画が可能となりましたことから、区議会の御審議をいただき、取得に踏み切ったものでございます。
3.目黒区議会・2004年3月18日 予算特別委員会
○森委員 (略)これまで区は、「三大公園の整備や再開発のお金は国や都から全額お金が来るので区のお金は使わない」と言って区民に説明してきました。そこで聞きたいのは、高齢者福祉住宅も障害者福祉住宅もその整備には、公営住宅ですから国から二分の一、東京都から四分の一の補助金が出るんじゃないですか。まず確認したいと思います。それと、三大公園の整備や再開発の補助金、この財源措置はどうなっていますか。
○小笠原財政担当部長 それでは公園と再開発の財源ということでございますが、まず、本区が整備いたしました三つの都市計画公園につきましては、国庫補助金と都市計画交付金、それと財調で全額が賄われているものでございます。 それから再開発事業につきましては・・(略)・・
4.北区議会議・2003年06月18日 平成15年6月定例会
◎企画部長(山田統二君) 私からは、赤羽駅西地区の諸問題についてのうち、自衛隊十条駐屯地赤羽地区跡地の利用についてのご質問にお答え申し上げます。(略)なお、跡地の取得及び施設整備にあたっては、多額の財源を必要といたしますが、国や東京都の補助金等を最大限活用し、可能な限り区としての負担を軽減する方策を講じてまいります。
5.北区議会・2002年10月02日 平成14年9月決算特別委員会
◎(清正財政課長) ただいまの委員のご指摘は、かなり大規模な土地の取得あるいは公園の整備ということで、多くは国公有地にかかわる部分が基本かと存じます。そうした意味では、これまで大規模な国公有地の取得に関しまして、あるいは公園の整備につきましては、ふるさと北区づくり推進に当たりまして、区民の皆様、将来にわたる区民の皆様に、区民の財産として取得し、公園として整備をしていく、そうしたふるさと北区づくりの視点から計画をお示しさせていただいて、その上で、議会とご相談の上、予算化をさせていただいたものでございます。
整備に当たりましては、あるいは取得に当たりましては、可能な限り国庫あるいは都市計画交付金、あるいは財調制度といった仕組みを活用させていただきまして、特に二ヘクタール以上の都市計画公園につきましては、一定の財源の手当てがございますので、そうしたものを活用しながら、整備をさせていただいたところでございます。
6.葛飾区議会・2002年2月27日
第1回定例会
青木勇区長 これらのまちづくり事業はご存じのとおり、財源は都市計画事業であれば国庫補助金や都市計画交付金の対象となり、区の負担額につきましても、財調制度において都市計画交付金の対象事業であれば、翌年度以降の4か年の財源措置がなされ、総体的に見れば実質的な区の負担はほとんどありませんが、単年度で見ている限り、事業規模によっては一時的に立てかえとも言うべき負担が生じてまいります。そのための財源対策として、国庫補助金等の積極的な確保とともに、財調措置をされるまでの財源不足を埋めるためのまちづくり基金を十分確保し、活用することが必要となっているわけでございます。
7.品川区議会・2004年3月17日 予算特別委員会
市岡企画財政課長 しながわ中央公園の用地取得の経緯、それから財政問題についてお答えを申し上げます。しながわ中央公園は、ご案内のとおり三菱マテリアルの工場のあった跡地でございます。三菱マテリアルが移転を決めまして、その後、区の中央部にある非常に貴重な多分二度と出ないような用地ですので、これを何とかして活用したいということでさまざまな検討を行いました。利用の方法についても、いろいろ検討しました。その過程では、平成5年から8年にかけて戸越台中学校の改築の際に、仮校舎として利用したということもありました。その後、この用地がちょうど区の中央部にあること。それから、多くの区民の方、特に多世代の方に今後恒久的に使っていただける。あるいは、防災センターに隣接していて、防災機能としてもあれだけの空地は非常に貴重だということもいろいろ考え合わせまして、模索した結果、都市計画公園にしようという決定をしたのが平成10年度でございます。その後、平成11年度に都市計画決定をし、その後整備に入ったという経過でございます。
それから、財政的には、これもいろいろな検討があったんですが、都市計画公園でしかも2haを超えますと、基本的には国庫や都市計画交付金を除いた残りが財調で、これは実際に起債は少ししましたけれども、実際に起債をしなくても償還金相当として全部財調で措置をされると、こういう非常にいい仕組みがあります。何とかここへ持っていきたいと思って、いろいろ検討いたしまして、最大のネックは新たに取得したところだけでは2haに達しなかったわけです。そこで、旧トリム公園を入れたり、それから中小企業センターの体育館は、実は都市公園法では運動施設として公園の中にカウントしていいという、この辺にまちづくり事業部がヒントを得まして、ここも入れまして2.1haを確保いたしました。そのことによって、実質的にはほとんど純然たる一般財源負担なしで、この大きな公園ができたという経過でございます。
8.豊島区議会・2004年6月15日
第2回定例会
土木部長(増田良勝) 次に、癌研跡地に計画中の防災公園の用地取得等における費用の支払いについてのご質問にお答えいたします。
防災公園街区整備事業は、七月から独立行政法人都市再生機構となる都市公団が地元自治体からの要請を受け、同公団が用地取得費の三分の一、公園整備費の二分の一を国の補助金を受けて実施する事業でございます。残りの区負担分の用地費等の支払いは、平成十七年度に土地購入費九億円の三分の一となる三億円を、十八年度に土地購入費の三分の二となる六億円と公園整備費全額の八千三百万円を公団に支払いますが、これは全額起債で賄います。起債につきましては、三年据置で、平成二十年より十年間の分割で返済いたします。また、公団が立て替えた公園の設計費、整備費と用地費の一部は、五年据置で、平成二十四年度より十五年間の分割で返済いたします。区の負担額は、十三億一千百万円と起債償還利子分一億四千七百四十五万円を合わせた十四億五千八百四十五万円でございます。ただいま述べましたように、この制度で事業を進めることにより長期にわたる分割返済が可能になりますので、区財政への負担が軽減され、財政的に特段の問題はないものと考えております。
9.文京区の目白運動場跡地の取得の住民説明会
取得費用について05年10月の時点で、区は「「取得価格が100億を超えるので、当初区は取得は難しいという状況はありましたが、再度検討」「仕組みとして、国の補助金、都市計画交付金、都区財政調整交付金、区民公募債これらを活用して区の負担を減らします。」「区民に負担をかけないような検討をしています」など、区民に明らかにしてきました。詳細は、06年度当初予算の特徴的事業から、05年10月の住民説明会など参照。
まちづくり 建築基準法見直しが先決 東京大学大学院教授 神田順
阪神淡路大震災から10年、新潟県中越地震、福岡県西方沖地震を経て住宅の地震被害は相変わらずである。政府も耐震補強推進のかけ声をあげてはいるが、実効があがらない。
一般には知られていないが、03年6月に日本経団連が「住宅・まちづくり基本法」を提唱。政府・与党はこれを受けて、来年の通常国会で「住宅基本法」の成立を目指すとしている。
この経団連案は「『住みやすさ』で世界に誇れる国づくり」と題され、少子・高齢社会の到来に対応し、安全安心の確保や環境対策、行財政改革への対応などいいことずくめのように見える。
しかし、現実には問題も多い。昨今、建築関連法規が次々と作られ混乱が生じている状況をそのままにして、住宅産業や住宅金融などを活性化するだけでいいのかという疑問が呈されている。さらに言えば、国民的議論もないままにこうした「基本法」を決めていいのかとの疑問もわく。
基本法といわれる法律は理念と政策の原則をうたい、社会のあるべき方向を示すもので、その多くは補助金や税制改革も含む。そのこと自体に問題はないが、関連法規の間で整合性が保たれないまま導入されては、混乱を助長させるばかりだ。
これまで、住宅の性能は「建築基準法」が決めてきた。
1950 年に制定されたこの法律は、戦後の何もない時代に国民にいかに建物を供給するかを主眼とし、建築の最低基準を定めたものである。その結果、年間
100 万棟の単位で建物が造られてきた。
ところが、今や住宅の数は足りている。必要なのは今ある建物をいかに維持し保全するかであり、環境対策も欠かせない。にもかかわらず、建築基準法は拙速な改正で詳細規定ばかりが増し、専門家ですら全貌が把握できない一方で、責任の所在が見えない。
そしてなによりも既存不適格建物に遡及しない。「建築物を適法状態に保て」という条項があっても一般の人はその存在を知らないし、守られなくても罰則さえない、という状態なのである。
まちなみの問題にしても、昨年から「景観緑三法」が施行されたのに建物を建てられるか否かを決めているのは依然、「建築基準法」だ。法を満たせば建てる権利があるという認識から抜けられず、景観は市町村ごとにあり方を決めるという理念がなかなか実現に向かわない。
筆者らは経団連の提案の直後の03年8月に「建築基本法」の制定を目指す準備会を発足させた。建築の理念として安全、健康、地球環境など、あるべき姿をうったえたうえで、それを実現するために建築主や専門家のかかわりと責任を明確にし、かつ国と自治体の役割分担を明確にして、違反が放置されがちな建築基準法を根本から作り直すことが、政策の議論の第一歩だと考えたからである。
「住宅基本法」を制定する前に、まずは建築の理念、責務の分担を明確にすべきである。また、住宅を含めて建築はいかにあるべきか、その基本を議論することなしに、経済活性化政策のための「住宅基本法」が作られたとしたら、それは法律が本来目的とする、美しいまちなみへの取り組みとはならないばかりか、再び「最低の」基準の住宅の大量供給になってしまうのではないかと危惧するのである。
住宅地内の跡地問題 法改正で規制強化を 都市問題ジャーナリスト 小川明雄
本欄に載った「公的不動産 処分には街づくりの視点も」(3月31曰付)に、都市計画の研究者の一人として共感する部分か多かった。投稿者の鳥海基樹氏は、東京都世田谷区の旧都立犬学跡地で裁判にまで発展した「低層住宅地に出現した大規模マンション」を例に、公的不動産の処分前に財政面ばかりでなく、街づくりの視点から跡地利用を議論する場が必要だ、と主張した。
低層住宅地の大規模マンションは、民間企業がリストラなどで売却する研修所、保養所、運動場、工場などの跡地にも多い。民有地売却のケースも合め、住宅地を一変させかねない跡地の利用は、なんらかの規制強化が必要ではないか。
だが、現在の都市計画法や建築基準法では、売却前に跡地の規制を周辺の低層住宅他のレベル近くまで規制することは難しい。
たとえば、都市計画法では、ほぼ5年に一度、全国的に土地利用を見直すことになっているが、実際は、7、8年の間隔であり、臨機応変とはいかない。同法には、住民が規制を強化できる「地区計画」という制度もあるが、跡地の所有者は土地を高く売りたいので参加を拒否しがちだ。
建築基準法には、土地の所有者同士が規制の内容を話し合いで決める[建築協定」という制度があるが、跡地の所有者を含む全員の合意が条件なので、こちらも実現は至難だ。
こうした法的不備を埋めるため、自治体には利用方針を決めた後で売却する場合がある。都立大跡地でも、東京都と世田谷区は売却条件を検討する組織をつくり、協議の結果、「(事業者は)周辺の低層住宅地域と調和のとれた街並みの形成を図ること」とする売却の基本方針を決めた。01年1月に実施された一般競争入札の参加要領や土地売買契約書に明記された。
だが跡地には高さ60mの棟を含む大規模マンションが計画され、04年夏に完成した。筆者もその一人だが周辺住民は、マンションは都の利用方針に違反するなどの理由で、周辺と調和するように12m、少なくと20m以上の部分を撤去するよう求め東京地裁に提訴した。事業者側は、マンションは周辺の低層住宅に調和する街並みを形成していると主張し係争中である。
日本の都市計画では「建てる側」の利益を拡大するような規制緩和が図られてきた。つまり、「建てられる側」の景観破壊、資産価値下落、圧迫感やプライバシー侵害など生活や人生まで激変する被害には対策がないに等しい。各他の跡地に立ち並ぶ高層建築は、そうした事態の象徴である。
今後どうするか。都市計画の権限が強められた自治体から利用方針が示されれば、事業者は従うべきだ。だが、より実行性を確保するには、都市計画法などの改正が必要だろう。たとえば、@建築紛争調停の対象となる原則3千平方m以上の跡地処分には、周辺の低層住宅地と同じレベルまで規制強化してからの売却を義務づけるA周辺住民による跡地を含む[地区計画づくりを先行させ事業者に従わせる―−などだ。
欧米の都市の多くが建築物の高さや規模を同レベルに規制するのは、所有者間の平等を図ると同時に街の景観を守るためだ。曰本の各地で急増する建築紛争は、土地を経済の道具としか考えない時代に終止符を打つべきだと教えているのではないか。
公的不動産 処分には街づくりの視点も 都立大専任講師 鳥海基樹
身内の恥ではあるが、東京都世田谷区にある旧都立大キャンパス跡地で、紛争が起きている。低層住宅地に出現した大規模マンションに対し、周辺住民が景観や環境の悪化を訴え、訴訟にまで発展しているのだ。
一帯は、都市計画で低層住宅地区だったため、大学のキャンパス部分だけが、高度や容積の規制が緩い地区とされてきた。
ところが、都がキャンパス移転後の跡地を売却する際、周囲の低層住宅地並みに規制を強化せずに、売りに出した。そのほうが高く売れるからだ。そこに、大規模な建物が建って問題化している。
このように、公的不動産の処分が引き起こす問題は小さくない。
準公共機関と言える国鉄清算事業団が売却し再開発した東京の汐留操車場跡地には、多くの高層ビルが建てられ、にぎわっている。だが、隣接する浜離宮庭園の眺めが台なしになったほか、海風が遮られヒート・アイランド現象を起こしているとの指摘もある。
「郵政民営化会社」が東京中央郵便局を高層ビルに建て替え、賃貸事業に乗り出すという政府方針が出されている。だが、この建物は近代建築黎明期の作品として学術的価値が高い。この建築は、歴史的建造物が多く壊された東京・丸の内の記憶のよすがでもある。
無論、公共団体や公的機関の財政の健全化のため、遊休不動産を少しでも高く処分できるに越したことはない。雇用・能力開発機構が勤労者福祉施設を自治体などに異常な低価格で売却ししたことが「投げ売り」と批判されたが、地域の将来像どころか、財政健全化の視点もなかった。
公的不動産を処分する場合は情報を開示し、財政健全化と同時に、地域の将来像を明確にした、街づくりの視点からの議論が不可欠ではないか。そのためには、様々な関係者が発言できる協議の場が必要だ。
仮に、都立大跡地の規制を強めて低価格で売却したら、地元住民は満足したとしても、等しく財政難に直面する他地域の都民からは「地域エゴ」のそしりを受けたかもしれない。
つまり、紛争の要因は、公的不動産の処分を財政健全化と街づくりの両面から、大局的に議論する場がなかったことにあると言える。過去の失敗の経験は生かされるべきだろう。
かつて公的不動座の処理に際し良識が働いたこともあった。国の研究機関が都内から筑波研究学園都市に移転した時のことだ。計画当初から綿密に議論されただけでなく、国、都、区、住民がそれぞれに働きかけて、地域の将来にとって最適な用途を模索した。
その結果、林業試験場、蚕糸試験場、東京教育大学本部跡地などには都市公園が形成されている。
これらが地域住民の憩いの場としてだけではなく、防災公園にもなっていることは、甚大な被害が予測される首都圏の地震対策に、いかに大きな都市資産を残したかが分かる。
土他の売却価格を基準にして、街づくりによる価値を定量的に測定することは難しい。だが、地域性とかけ離れた開発は、周辺環境の悪化を招く可能性がある。その結果、土地などの資産価値が下落すれば、自治体は固定資産税などの減少にも見舞われかねない。
財源確保のため、自治体による遊休化した公的不動産の処分が相次いでいるが、街づくりを視点にした議論が急がれる。
以上
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