跡地の売却区分

  この右図は土地利用の売却区分を示したものです。この跡地内の開発が、この売却先が新たな地権者となって進められます。この処分先は、2006年3月6日の財務省の国有財産関東地方審議会で答申されました。(注1

 2007年4月には、この跡地の土地利用計画の基本となる中野4丁目地区地区計画の都市計画決定がされました。(注2

 2006年5月末から、この土地処分計画を基本に財務省が土地処分を開始、新たな地主が決まって、その発意で「まちづくり」が具体的に進みます。2007年10月には、中野区が会長、地権者が参加、(独)都市再生機構東京都心支社がコーディネーターとなる開発協議会がつくられました。(注3

 貴重な緑をこわして、住民10万人の避難場所となっているにもかかわらず、閑静な住宅街のすぐ隣に、高層ビル群のまちづくりがすすめられようとしています。(注4

 2007年には、明治大学、平成帝京大学、昭栄・東京建物・東京開発Rグループが土地を取得したことが分かっています。(注5

 2008年3月には、中野区、2008年3月に道路、公園部分等を、民間をのぞくどこよりもっとも高く購入した。(注7

 2008年5月には、早稲田大学が警察病院西側を購入した。

<参考資料>

警大跡地の各新地権者の土地価格推定比較

新地権者 広さ 購入価格 u単価 購入時期
中野区購入の道路・公園等 約1.7ha

約132億円

約76万円/u 08年3月
杉並区特別養護老人ホーム 約5000u

約33億円

約66万円/u 07年8月
警察病院(自警会) 約2ha

約100億円

約50万円/u 04年3月
帝京平成大学 約1.7ha

約98億円

約57万円/u 07年5月
明治大学 約20ha

約141億円

約71万円/u 07年5月
早稲田大学 約0.8ha

約55億円

約69万円/u 08年3月
中野開発SPC 約3.5ha

約1370億円

約390万円/u 07年6月

注)杉並用地は、4000u=26億円、1000u=7億円として購入
  明治大学(08年3月末登記)、帝京平成大学(07年10月登記)、早稲田大学(08年5月末登記)ともに、抵当権設定の登記はされておりません。

 警大跡地を6月に落札した民間の価格は約3.5haを総額(税込み)1,437億円、約410万円/uです。近隣路線価(50万円/u〜80万円/u)と比較すると、なんと約5〜8倍の価格です。ということは、財務省の歳入は、何と見積りより1000億円以上も多いということになります。

 この差額は、財務省、中野区、地域住民へ今後どのような影響を与えていくことになるのでしょうか。注視していく必要があります。(注6

たとえば、路線価=80万円/uで見積もりの場合(税抜きで計算)

3.5ha*80万円/u=280億円 1369億円(実際の価格)―280億円=1089億円

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<資料>

(注1)

土地処分方針が決まる経過は、こちらを参照して下さい。

(注2)

都市計画決定に至る主な経過については、下記を参照して下さい

  1. 多くの問題をかかえたまま、東京都が都市計画手続きへ突入

(注3)

開発協議会の動向

(注4)

主な問題点については、こちらを参照

(注5)

 今回の警大跡地の土地取得をめぐる財務省への入札は、東京建物、昭栄、東京開発R(その後、中野駅前開発特定目的会社)でしたが、土地登記2007年8月15日すると同時に、東京建物、昭栄の持ち分については、中野駅前開発特定目的会社に移転していることが分かりました。したがって、現在の警大跡地の民間売却分については、中野駅前開発特定目的会社が所有者になっています。

  1. 警大跡地の処分状況(民間)

  2. 警大跡地の処分状況(学校法人)

(注6)

警大跡地の払い下げ価格にたいする、杉並区長の怒り・・・・・杉並区報07年9月1日号より

・・・・(略)・・・・・先日は、区が特別養護老人ホームを計画している国有地の払い下げについて、区の想定よりはるかに高い金額を国は提示してきました。そのため6月に議会で承認された予算額を約四億六千万円上回ることとなり、区の出費が膨らむことになります。国は、時価相当額で適正という考え方のようですが、収益をあげることを前提の民間への売却価格と、公益に利用する自治体へのそれとを同レベルで扱うことは、国有地という性格上適当とは思えません。・・・・(略)・・・・・「そりゃないでしょ」といいたくなるような、こうした地味ではあるが、地方の活力をそぎかねない実態にたいしても、地方重視の視点で、新たな国会では目を配ってほしいものです。( 全文はこちらから )

警大跡地周辺の路線価について

路線価の5〜8倍の価格の背景

不動産投資ファンドやJ-REITには、資金運用難に悩む金融機関に加え企業年金や外国人投資家の資金が流入してきている。こうした広義の不動産投資ファンドの投資対象は、東京の都心部を中心とするオフィスビルや福岡など一部の都市に集中する。それだけに優良物件を巡っては取得競争が激化しており、・・・・・・・・・・・(大幅に略)・・・・・・現在の不動産ブームは、こうした不安定な投資資金によって支えられてるのである。・・・・・「投資ファンドとは何か」(PHPビジネス新書)

こちらも関連資料としてご覧ください。

民間価格の仕掛け人について

東京建物の不動産証券化を活用した事業展開

(注7)

公有地は公共活用優先の原則がありますが、中野区は競争入札になったどこよりも一番高く購入したことになります。(ただし、東京建物グループを除く、)

 中野区は随意契約であったわけですから、財務省との間で、どのような交渉が行われたのか、その経過が公開される必要があります。なお、杉並区では、杉並区報で区長の話を掲載していますが(注6)、中野区は区民にどのように説明するつもりでしょうか。

2008年3月に道路、公園部分を購入したことを示す中野区議会建設委員会資料

2007年度予算では、中野区は87億円を見積もっていた。(2007年度当初予算参照

 それが、132億円も出さざるを得なくなった。とりあえず、この事実と、この目算が外れた要因はどこにあるのかということを、中野区は早急に区民に公表すべきではないのか。

土地購入の内訳

用地の用途

計画の広さ

無償貸与部分

購入対象

購入金額

都市計画道路 1.6ha 1.6ha*1/3 1.1ha 82億円
都市計画公園 1.5ha (1.5ha-囲町公園0.5ha)1/3 0.65ha 50億円

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