跡地の全貌、奧の工事中の建物は警察病院警大跡地開発の前提にされてきた「開発者負担」論 

 

 2003年6月、防災公園を中心にした警察大学校跡地計画が、田中区政のもとで高層ビル中心にすすめる「中野駅周辺まちづくり計画」へと変質して調査委託が開始されました。
 この計画では、都市計画公園を中心にするのか、それとも高層ビルを中心にした計画にするのかが、大きな争点となりました。それにたいして、田中区政は、公有地のほとんどを民間へ売却する、その際に都市計画道路と都市計画公園の都市基盤整備について「開発者負担」でやり、開発者ばかりが優遇されないようにするとの方針を示しました。その手法として例示されたのは、「区画整理事業」でした。(注1)
 また、この開発計画の調査委託を(財)新都市建設公社と特命随意契約しましたが、その最大の理由付けも「区画整理事業」に精通している優秀な企業だということでした。このように、開発計画をつくる調査委託先も、「区画整理事業」開発の事業手法が前提で決められました。(注2)
 その後も、田中区長は、警大跡地の都市計画道路と都市計画公園は「開発者負担」とする財源政策を区議会の予算を審議する毎年2月の定例会で、繰り返し明らかにしてきました。
 ところが、2007年5月から警大跡地の売買契約がすすむと、都市計画道路、都市計画公園の土地取得・整備も中野区がおこなうとして、これまでの区民への公約をご破算にしてしまうことがわかりました。
 となると、これまで田中区政のもとで、4年間に渡りすすめられてきた「開発者負担」前提の開発計画をそのまま活かして良いのかが問われます。なぜなら、住民要望がもっとも強い防災公園をわずか1.5haしか確保しなかった根拠について、中野区は「開発者負担をした場合の現実的な広さ」なととしてきたからです。
 「あらたなプロジェクトで公有地にふさわしく、10万人の避難場所となる防災緑地を核にした計画につくりなおそう」という区民の声は当然の要求です。
 そこで、この頁では、中野区が中心になって進めてきた警大跡地開発についての4年間の「開発者負担」論はなんだったのか、検証していきたいと思います。

目次

(1) 
「開発者負担」論がもたらした問題点
   1、
住民合意でつくったとされた計画もコロコロ変化
   2、
ゼネコンとの「勉強会」、非公開の開発協議会
   3、
高層ビルの谷間のわずかな都市計画公園
   4、
杉並区との区界道路など区画街路問題
(2) 
警大跡地開発と「開発者負担」論の簡単な経緯
(3) 
土地区画整理事業を想定しても成り立たない「開発者負担」論
   1.
開発許可制度又は土地区画整理事業など
   2.
土地区画整理事業の手法でも開発者に都市計画公園、都市計画道路の整備負担がない
   3.
開発許可制度でも
   4.
現実性がなかった開発者負担という土地区画整理事業
(4) 
実現性が担保されていなかった「開発者負担」論
   1.
「中野駅周辺まちづくり計画」以前の考え方は「(都市計画道路は)区が整備」
   2.
区の内部で正式に検討されずに導入された「開発者負担」論
   3.
調査委託先コンサルの報告書を無視
   4.
開発者負担に反対の地主=財務省との調整過程がない
   5.
団体間の公費負担の原則など、法的な根拠があいまい
   6、
負担を求める=寄附行為の強要は、法律に違反
(5) 
公的検討をしていなかった「開発者負担」論
(6) 
「開発者負担」論への固執が生む新たな矛盾
   1.
「まちづくり交付金」を使って、別の開発資金に回すカラクリ
   2.
開発者にも求められる中野駅前開発への寄附金の説明責任
(7) 
破綻が明らかになってからの「開発者負担」論
   1、
区長自身も説明不能な「開発者負担」手法
   2.
2007年9月区長対話集会
   3.
責任逃れをする担当責任者、区長
   4.
責任のがれからでてくる矛盾
   5、
都市計画と事業手法の混乱
   6.
「開発者協力金」40億円
(8) 
「開発者負担」論が、結果的に果たした役割
   1、
「開発者負担」論が生み出した問題点
   2、
「開発者負担」論は、実行より喧伝に目的があったのか
   3.
税金による都市基盤整備で、進出事業者は大助かり
   4.
全面的調査が求められる警大跡地開発の調査委託契約
   5.
「開発者負担」論を導入した理由・・・・「財政が厳しい」も成り立たない
(9) 
あらなたプロジェクトで住民要望に応えた計画につくりなおそう

<資料>

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(1)「開発者負担」論がもたらした問題点

 中野区、東京都、財務省等は「開発者負担」論が破綻したにもかかわらず、それを前提にした青写真を活かす方向で動いています。それで良いのか、見直しの必要性がないのか。このままいったら住民にとってどんな問題を引きずっていくことになるのかなど、これから見ていきたいと思います。

「開発者負担」論がゆがめた開発計画

 「開発者負担」論のもとでつくられた計画をみると、数多くの問題を起こしています。それを、東京都は住民からの警告をことごとく無視して都市計画決定したわけですから、都の責任は重大です。(参照

1、住民合意でつくったとされた計画もコロコロ変化

 この開発の大きな矛盾は、実際に土地を所有する地権者がまだ確定していない段階で、青写真をつくらざるを得ないということです。たとえ東京都、中野区が「住民参加でつくった」と強調しようしても、この開発計画の基本は、民間開発を軸にした計画のために、将来の地権者の意向がはいると変えざるを得ないという構造的な弱点をもっており、その度に変更が迫られることになりました。(注16 2006年3月の国有財産審議会答申を受けてのその後の動向を当時の時点で分析。その他、注17

 2005年5月に発表された「中野駅周辺まちづくり計画」は、2006年3月6日に発表された財務省国有財産関東地方審議会の土地処分方針とでは、大きな食い違いがでています。(参照

 さらに、そこから2007年4月6日に都市計画決定された地区計画になるまでにも、大きな食い違いがでています。(参照

 そして、都市計画決定された地区計画さえも、地権者が決まると「地区計画の変更」が課題になりました。(参照

2、ゼネコンとの「勉強会」、非公開の開発協議会

 警大等跡地開発で、中野区は、2006年5月「まちづくりの提案及び地区の立地評価及び施設需要、市場動向についての意見交換」をおこなう事業者を公募し、@大成建設(株)、A三井不動産(株)、B(株)大林組・積水ハウス(株)、C三菱地所(株)・(株)三菱地所設計、D鹿島建設(株)の5社を選定しました。この勉強会の内容については、情報開示請求しても、区議会でも「非公開」として、公開されてきておりません。(参照 資料部分のリンク含め参照してください

 中野区は、民間大手を呼び込んだ非公開の勉強会をするだけではうまくいかなかったのか、2007年2月15日、さらに「都市計画およびまちづくり事業の総合推進、調整」を職務内容とした、課長級職員の公募までしました。(参照 多くの批判を前に直接的にゼネコン職員採用することは避けざるをえませんでした

 さらには、新たな地権者が決まると、コーディネート業務を都市再生機構都心支社へ委託、そこから日建設計に再委託され、地権者と開発の具体化をすすめる開発協議会は、非公開となっています。(参照

3、高層ビルの谷間のわずかな都市計画公園

 警大跡地開発のゆがみを象徴するもの、計画の杜撰さを象徴するものとして、多くの方が高層ビルに囲まれた中央防災公園を例示します。「なぜ、あんな公園になってしまったのか」と驚きます。

 2004年4月21日中野区議会で担当部長は「ここの基盤整備は、あくまで原則として開発者負担で行う、そのインセンティブがとれる範囲で基盤整備を行う」、2005年2月4日区議会で担当課長は「(1.5haの公園に公開空地は)開発者負担という事業手法を想定した場合であれば、一番現実的な広さ」と説明しています。

 14haの公有地に、わずか1.5ha(新規にはわずか1.0haしか増えていない)の公園しか確保できない理由は、この開発を事業手法を「開発者負担」論を前提にしてきたからにほかなりません。(参照

 参照 この公園の問題点の詳細を見てください。

 さらに、この公園は10万人の避難場所を確保する核としての機能、安全性が確保されるかどうか重要になります。もともと周辺住民10万人の避難場所のため、従前の2001年につくった開発計画では、避難有効面積15ヘクタールをめざしました。

 ところが、高層ビル中心に変質した今の計画は、民間開発を優先させるために、避難場所として必要な10haの場所の核となる都市計画公園は、わずかに1.5haしか確保されておりません。大きな首都直下型地震が来ることがわかっているのに、4年間たっても未だに避難場所がどうなるかは不明です。住民の命を守ることよりも、民間開発が優先されています。

 避難場所は民間が提供する公開空地が頼りとなる計画に変質したため、将来にわたって避難場所が確保される担保もありません。公開空地の提供は、容積率のボーナスと一体ですから、避難場所としての安全性が担保されるのかとの問題も生じています。公開空地の寄せ集めと、わずかな公園で、避難有効面積を稼ごうとするために、高層ビルで囲うという姑息な手段をとりました。( 詳しくは、こちらを参照

4、杉並区との区界道路など区画街路問題

・・・・都市計画道路と区画街路に見る「開発者負担」の不公平

 この計画がもつ大きな矛盾の一つとして、以前からこのHPで、区画街路問題を指摘していました

 たとえば、杉並区との区界道路ですが、中野区が住民合意でつくったといっている「中野駅周辺まちづくり計画」で確認された区画街路は、16m道路として確定しました。それが、地区計画が提案される段階では、12mにまで縮小してしまいました。

 高円寺北1丁目の住環境を配慮するなら、大幅な壁面後退、公園などの緑地空間干渉帯の設置が求められるというのに、区界の道路幅は12mに縮小。しかも、歩行者、自転車、大学、複合施設の車両数からいって、20m幅の都市計画道路より交通量が多いのに。これによって、開発者側は約4億円の負担が浮いたことになります。

 この区画街路は、もともと開発者が造ることになっていましたので、東京都と中野区は、周辺住民との合意形成を大切にして環境に配慮することよりも、きわめて現実的な計算で開発業の負担を減らす算段をして都市計画決定したというわけです。

 囲町との区界道路も、「中野駅周辺まちづくり計画」の段階ですでに12mしかありませんでした。こちらの道路には、マンション、商業施設などの複合施設が入りますから、相当の交通量のはずです。こんな狭い道路で、歩行者の安全、自転車の安全は確保できるのでしょうか。

 この各区画道路全体の土地代は、約28億円相当です。しかし、学校法人は容積率1%増を得るだけで400u(2億円相当)、複合施設は容積率1%得るだけで300u(1.5億円相当)の面積相当分を手に入れるわけですから、周辺住民の生活と環境を配慮するつもりがあるなら、負担などと言えるものではありません。住民の環境、安全、歩行者の安全を確保すべきです。

 一方、都市計画道路=F字道路は、「道路構造令に従い20m」にしますと2003年に早々と変更しています。もし、「開発者負担の原則」ですすめれば、これによって増える負担は約8億円にもなるというのに、大変簡単に、F字道路の拡幅をすすめました。まるで、F字道路の拡幅を希求していた方々は、負担が及ぶことはないということをその時点で、すでに知っていたかのようです。(注18 参照1 参照2

 いずれにしても、F字道路が20m幅、高円寺北・囲町との区界道路が12m幅というのは、なんともちぐはぐな計画です。

 警視庁は、上記の区画街路の問題について「法令上問題はない」と言い切れず、地区整備計画をつくる段階で、「法令に基づいた協議を実施する予定」と答えざるを得ませんでした。これは、東京都、中野区がすすめた都市計画決定が、道路を巡る法律に照らしても、いかに杜撰なものであるかの証拠でもあります。(道路図面 住民団体の質問状 警視庁の回答

(注)それぞれの金額は、50万円/uで試算したものです。

 以上、この警大跡地の開発計画には「開発者負担」論を前提にした数々の問題点があることがわかっていただけたと思います。「開発者負担」論が破綻したわけですから、この計画は早急に見直す必要があります。(以上の問題は、こちらとも関連の深いものがあります

(2)警大跡地開発と「開発者負担」論の簡単な経緯

 次に、数々の問題点を生み出してきたこの「開発者負担」論は、警察大学校等跡地の開発計画にどのような経過で導入されてきたのか、見ていきたいと思います。

   2003年6月 高層ビル中心構想と「開発者負担」論が突如出される

 これまで、東京都、杉並区、中野区、そして住民との間で確認されてきた警大跡地の開発計画は、2001年6月の「土地利用転換計画案」です。これは、大震災時の「避難地としての役割」「応急対応活動、復旧活動等の総合的拠点」との位置づけで、中央部に防災公園を整備し、有効避難面積約15ヘクタールの確保を目指すというものです。(参照

 ところが、2003年6月30日、中野区が高層ビルを誘致する動きを始めたことを初めて公表しました。その際に、都市計画道路と都市計画公園への「開発者負担」方式による整備手法をとることを合わせて示しました。計画づくりの調査委託先も、この整備手法であるからと特命随意契約で発注したと説明しました。(注1) (注2)

   2004年2月 開発者負担方式に「財務省(=地主)も承知」と発表

 2004年2月23日の本会議で田中区長が、区が都市計画道路と公園の用地を取得せずに、開発者に負担させる方式について、「財務省は概ね承知」という認識であると公表しました。(注3)

   2004年5月 財務省が開発者負担の責任ある説明を求める・・・・日建設計、財務省、中野区が打ち合わせ開始

 2004年5月12日、日建設計を在籍させて、財務省、中野区が打ち合わせ。(参照

 この打ち合わせの中で問題となったのが、都市計画道路と都市計画公園の開発者負担。財務省は開発者負担を承知しておらず、中野区の責任ある説明を求めた。

   2005年5月 「開発者負担」方式の「中野駅周辺まちづくり計画案」発表

 2005年5月、「区の財政負担がない」都市計画道路と都市計画公園の「開発者負担」の手法として「中野駅周辺まちづくり計画案」を発表。(参照

   2006年2月 道路・公園は区が整備し、「開発者に応分の負担を求める」方式に変更と発表

 2005年8月からはじまった「警大等跡地の有効活用を促進するための4者協議会」で、財務省は「過度な負担はこまる」と、開発者負担方式に反対。杉並区も反対。(参照

 4者協議会」でどうまとまったかは不明であるが、財務省国有財産関東地方審議会への諮問を前に、2006年2月21日区議会本会議で田中区長が、区民にたいして「(都市基盤整備は)区が施行し、後から応分の負担を求めるという方法が最も適切である」と説明。区報、HPでも公報した。(注4

   2007年2月 2007年度予算執行するも「開発者負担」を担保する仕組みがない

 「開発者負担」を担保する仕組みがないのに、田中区長は、2007年2月の議会初日の所信表明で、みずからは「開発者負担」の政策変更を語りませんでした。区議会での質問への答弁でも、都市計画公園、都市計画道路に公金を投入後、「応分の負担の求める」かどうか、説明しませんでした。「開発者負担」は、4年まえから区長が口にしてきた警大跡地の財源政策ですが、まったく説明不能状態に陥りました。そして、2007年度予算を執行。(注5

   2007年5月 「開発者負担」破綻を正式に認める

 住民団体からの追究で中野区が破綻を認める。(注6

   2007年6月 区長区議会の場で、「開発者負担」が無いことを認める

 第2回定例会で、区長が警大跡地の都市計画道路と都市計画公園について全面的に公金でまかなうことを認める。(注21

(3)土地区画整理事業を想定しても成り立たない「開発者負担」論

 「開発者負担」の出発点となった事業手法について、その実現性が、どうなっていたのかを検証してみたいと思います。

 最初に、当初検討されていた開発許可制度、土地区画整理事業という手法が、この警大跡地に適用した場合に、都市計画公園、都市計画道路が「開発者負担」でできるのかという点を見ていきます。

1.開発許可制度又は土地区画整理事業など

 警大跡地開発については、2003年6月に調査委託が始まって、2005年5月に完成、「中野駅周辺まちづくり計画」として発表されました。

 2005年4月に区議会に報告された調査委託の納品書の、「基盤整備手法について」では様々な手法が例示され「土地購入者による共同施行の土地区画整理事業」が「◎」とされました。ちなみに、開発許可制度が「○」、組合施行による土地区画整理事業が「○」、道路・公園担続整備事業が「△」など。また道路・公園単独整備事業=道路・公園を区が直接整備では、「区が全部負担(国庫補助等利用は可能)することについては、公平な負担のあり方から見て問題がある」としています。(注26

 2005年5月「中野駅周辺まちづくり計画」として発表する直前におこなわれたパブリックコメントでも、区民の要望の強かった防災公園について、区の考え方を見ると「開発者負担」の立場が明確になっています。

 「中野駅周辺まちづくり計画」本体を見ても、「警察大学校等跡地においては、開発許可制度又は土地区画整理事業などの手法により、土地の活用と都市基盤施設の活用を図る」(10頁)、まちづくり手法は「都市計画法に定める地区計画(再開発促進区)を決定し、法的に実効性を確保する」(27頁)「(警大跡地の)まちづくりは、開発者負担により公共施設の整備を行うことを原則とする。これには、まちづくりに関わる主体それぞれが受益に応じた負担をする手法である。土地区画整理事業や開発許可制度を活用する」(29頁)としました。

2.土地区画整理事業の手法でも開発者に都市計画公園、都市計画道路の整備負担がない 

 では土地区画整理事業がどういうものでしょうか。それは、土地区画整理法で規定されており、国交省ではわかりやすく解説しております。

 右図は、土地区画整理事業の解説本によく引用されている国交省作成の図ですが、土地区画整理事業で都市計画道路、都市計画公園などの土地取得費、整備費について公共側が支出する仕組みになっていることがわかります。

 それを解説している文章を見ると、「事業資金は、保留地処分金の他、公共側から支出される都市計画道路や公共施設等の整備費(用地費分を含む)に相当する資金から構成される。これらの資金を財源に、公共施設の工事、宅地の整地、家屋の移転補償等が行われる」としています。

3.開発許可制度でも

 また、開発許可制度については、都市計画法第40条で開発者が都市基盤整備をした場合に、その土地の取得費を負担すべきだと区に求めることができるという規定になっています。

 このように、田中区政のもとで、土地区画整理事業手法をとると必然的に、都市計画道路、都市計画公園などのインフラ整備が開発者負担になるかのような説明が、区民、区議会に説明されてきましたが、それは十分な情報提供であったのか、区民参加の十分な調査が求められるところです。

4.現実性がなかった開発者負担という土地区画整理事業

 上記に、細かい事は抜きにして、土地区画整理事業の基本的なことを紹介しました。

 実は、土地区画整理事業は、その施行者ごとに手続きがそれぞれ決められています。その施行者は、@個人、A土地区画整理事業組合、B区画整理会社、C地方公共団体・・・・と様々です。(注28

 その中で、土地区画整理事業手法を使う場合でも、場合によっては、ほとんど開発者負担になるケースもあります。

 2003年12月5日、中野区議会で都内各地の施行例の4つが担当課長から詳しく紹介されています。(注29

 そこで紹介されたのは、汐留、秋葉原、品川駅東口、千代田区飯田町の4つです。この内、総事業費の保留地処分金と施行者負担金でまかなっているものが、品川駅東口です。担当課長は、「(品川駅東口は)国鉄清算事業団が、こちらは個人施行の土地区画整理事業を事業化したというものでございます」と紹介しています。

 このように、個人施行の場合は、総事業費の保留地処分金、施行者負担金でまかなわれることがわかります。

 では、この警大跡地の場合は、個人施行の場合があり得るのでしょうか。地権者は財務省です。財務省の同意が得られない限り、その事業費のほとんどを保留地処分金でまかなうことは無理ではないでしょうか。また、上記でも説明したように、財務省の土地の処分ということは国民の財産の処分ですから、仮に財務省の承諾がとれたとしても、実態は税金による事業になってしまいます。開発者負担と土地区画整理事業手法は、警大跡地では矛盾したものであることは明らかです。

 2003年度の区議会では、特別委員会の場で開発者負担について何回にもわたってその実現性、公共性が質疑されてきました。今から振り返ってみると、区側から提供された情報が十分なものであったのか、土地区画整理事業と開発者負担の上記のような関係を区側が報告してこなかった理由など、区民から見れば調査していただきたいところです。

 このような仕組みになっているにもかかわらず、2004年度予算を審議する議会の場で、田中区長は「財務省は概ね承知」という答弁をしました。(注3

 しかし、この答弁にも、実現性にも、公的な根拠がなかったことが明らかになっています。

 2004年度予算では、中野駅周辺まちづくり計画の調査委託が前年度に継続して行われる予算が提案されていました。しかも、引き続き「開発者負担の事業手法を前提」が条件になっていました。したがって、上記の田中区長の答弁が、どのような重要な意味をもっているのか、また公的な根拠もない答弁を公的な場でおこなった彼の責任、いったい何を意図して答弁したのか等々、それを調査する必要性を、みなさんには理解していただけるのではないでしょうか。 ( 繰り返しになりますが、こちらも参照 )

 結局、以上見てきましたように、「中野駅周辺まちづくり計画」が土地区画整理事業を想定したとしても、開発者負担だという説明は成り立たないということがわかります。区議会、区民に、当時、このようなことが充分情報が提供されていたのでしょうか。

(4)実現性が担保されていなかった「開発者負担」論

 以上、理屈の上では「開発者負担」が成り立たないことが分かったわけですが、田中区政は「開発者負担」で実際にできるかのような説明を、区議会、住民にたいして何度も繰返してきました。そこで、それらの説明は本当に根拠があったのか、「開発者負担」を本当に実現するつもりがあったのかという点を、これから検証していきたいと思います。

 以下に明かにしたことは、区民自身の検証の努力の結果によって収拾した情報で、中野区から積極的に提供されてこなかったものです。しかし、こうして新ためて情報が区民の前に充分公開されると、実現性が担保されていたなかったことが誰の目にもよく分かります。

1.「中野駅周辺まちづくり計画」以前の考え方は「(都市計画道路は)区が整備」

 現行の都市計画道路は、「中野駅周辺まちづくり計画」以前の2001年「転換計画」と同一です。では、この時の事業手法は、どのように検討されていたのかという点についても、念のために見ておきたいと思います。

 区議会の議事録を見ると、担当者からは「基本的には区が整備する」と報告されています。都市計画事業となれば、国庫補助、財政調整交付金などもあり、金利負担程度に済むような話になっていることが分かります。(注33

 都市計画施設にたいする開発者負担という考え方が、如何に過去の検証、かつ各事業手法の基本的な仕組み、地主の財務省の意見も踏まえず、突拍子もなくでてきた話であるかがよくわかっていただけるのではないかと思います。

2.区の内部で正式に検討されずに導入された「開発者負担」論

 では、いったい2003年6月当時には、どのような検討を経て、「開発者負担」でいくことが持ち出されてきたのでしょうか。

 「開発者負担」論は、警大跡地に高層ビルを誘導する新たな開発計画づくりと一体のものとして、中野区から発表されました。しかし、その手法は関係者で協議して導入が決められたわけではありません。また、あらかじめどこかで検討された上で持ち込まれたのであれば、なぜ警大跡地開発に「開発者負担」が適切であるのか、その検討状況が説明され、議論によって認識が深まることもあるでしょう。しかし、それもされませんでした。中野区から開発計画に着手していることが発表された時にはすでに「開発者負担」論にもとづく計画づくりをすすめる調査委託業者も、「開発者負担」手法を理由に特命随意契約で選定ずみでした。

 なぜ「開発者負担」の事業手法か、唯一、理由らしき理由として示されているのは、「財政が厳しから」というぐらいなものです。しかし、その理屈が成り立たないことは、それ以前の2001年転換計画当時の議論を見るとわかります。

 その警大跡地に高層ビルを誘導する新たな開発計画づくりに着手したことが発表されたのは、2003年6月30日です。(注1

 その時の内容を見ると「具体的なビジョンづくりは、区民参加で決めていく」としながら、同時に、高層ビルを誘致すること、「開発者負担でいく」ことなど、区民参加どころか大手コンサルに依存して、大まかな構想がちゃっかりできあがっていました。区民参加の調査検討委員会であたかも計画を検討していたかのような話になっており、東京都も中野区も、調査検討員会で区民参加で計画を進めてきたかのように説明をしますが、その説明は成り立たないことがわかります。

 この調査検討委員会では最初から、区民の知らないところで開発者負担ですすめることが条件になっていました。(注1 後段)

 開発計画づくりをすすめる調査委託着手の公表は6月30日ですが、その起案は6月2日です。この起案書には「開発者負担」などという文言は出てきません、「実現可能な事業手法を含めた調査検討」となっています。「開発者負担」論が区の正式ルート内部で協議されたものではないといえる、もう一つの証拠です。(参照

 いずれにしても、2003年6月30日以前に、高層ビルを誘導する新しい警大跡地開発は公表されおりませんので、こうした開発計画の委託調査開始時に導入された構想は、区で公的に協議されたものではなく、どこからか持ち込まれたということになりますので、本来なら充分調査されてしかるべきです。

3.調査委託先コンサルの報告書を無視

「道路の整備主体は中野区であるという決断をする必要がある」(2003年度報告書)

 区は2003年6月からのまちづくり調査委託で「実現可能な事業手法」も調査検討するよう依頼しています。では、上記のように理屈の上でも、都市計画の基本的考え方としても都市計画道路と都市計画公園の「開発者負担」は成り立たないということについて、調査委託されたコンサルはどのように報告していたのでしょうか。

 中野区が、「中野駅周辺まちづくり計画」に着手して最初に、その基本的な調査結果をまとまった形で公表したのは、2004年3月の報告書です。

 この報告書には、警大跡地開発の事業手法について以下の重要な2点が書かれています。

  1. 公共団体施行区画整理が有効。(114頁)

  2. 都市計画道路を民間事業者に土地取得+整備させることは非常に大きな負担となり、処分価格に影響する。また、都市計画施設であるため整備主体は公共が一般的である。そのため、道路の整備主体は中野区であるという決断をする必要がある(130頁)「中野駅周辺まちづくり調査」(2004年3月)の130頁です

 上記前段に土地区画整理事業について説明しましたが、公共団体施行区画整理事業ということは、都市計画道路、都市計画公園については、補助金が投入されるということになります。したがって、この事業手法をとるならば「開発者負担」とは言えないという結論になります。

 かつ、道路については、明確に「整備主体は中野区であるという決断をする必要がある」と、中野区は2004年3月の時点で調査委託先のコンサルから報告を受けていたことになります。

 では、このことがいったいどれだけの区民に知られていたのでしょうか。住民説明会でも、2004年1月28日の「中野駅周辺まちづくりフォーラム」でも、区議会でも、中野区は充分説明してきたということができるでしょうか。

 この報告書について、区議会で報告されたのは、2004年6月11日です。(注30

 A4一枚の資料が配付されています。このペーパー(2004年3月「中野駅周辺まちづくり調査」131頁と同一のものですが)を見ると、どういうわけか「@新規都市計画道路の整備主体」という囲みに「整備主体(中野区or開発者負担or財務省?)」「開発者負担とするならば地区計画の区域および見直し相当評価値などに影響」となっています。このように、上記の報告は、中野区役所1Fの区政資料室に保存されているだけで、区民には中野区から情報提供されずにきました。

 ということは、区民は、「中野駅周辺まちづくり計画」の調査委託を開始した初年度から、都市計画道路等の「開発者負担」の考え方の現実性について、中野区からは十分な情報が提供されていなかったということになります。情報提供されてこなかったばかりか、逆に「開発者負担」との言葉だけが、その現実性を抜きに繰返されてきたではありませんか。

 今から振り返ってみると、多額の税金をコンサルに使って調査委託をしたというのに、肝心な点が区民に充分情報提供されていないように思えます。

「一般に理解される検討を要する」(2004年度報告書)とした方法を採用

 2004年度の委託調査報告書との区の立場の関係にもおかしなものがあります。

 一つは、2005年5月にも「中野駅周辺まちづくり計画」ができあがる段階で、「公共施設整備事業方策検討に係わる報告書」が出されました。そこでは、土地区画整理事業による道路公園の整備を、「財務省は難色を示す可能性あり」としながらも、「◎」として、評価していました。(参照)(注11

 都市計画道路をもっとも待望していたのは、警察病院でした。区も、その要望に積極的に答えようとしていました。すでに土地を取得していまっている警察病院は、この土地区画整理事業方式では、その都市計画道路等の「開発者負担」を免れることになります。「開発者負担」を巡っては、警察病院がその対象になるかどうかが議論されてきましたが、実は警察病院は、しくみの上でも、意志の上でも、最初から開発者負担の対象外だったということになります。調査委託先のコンサルと充分情報交換すれば、簡単に分かるようなことも、はっきり認識されていなかったということは、「開発者負担」を本気でやろうとしていたかどうかが疑われます。

 2つ目は、そのことを裏付ける事態が、その2004年度委託調査報告書が出された翌年に起きました。2005年5月「中野駅周辺まちづくり計画」の委託調査報告書で区画整理事業等開発者負担手法が「もっとも適切」だとされながら、2006年2月には適切ではなくなってしまいました。「一般に理解されるか検討を要する」とされた方法をとるということにしました。(注24

 しかも、この間には、区における検討は何も無かったことがわかっています。 (注25

 このように、区は多額のコンサル料を払っておきながら、その成果を充分飲み込んで事を運んでいない、とにかく「開発者負担」論で突っ走ったということがよくわかります。

4.開発者負担に反対の地主=財務省との調整過程がない

地主の財務省は「開発者負担」に反対

 中野区は、「開発者負担」を繰り返し口にしてきましたが、もしそれを進めようとすると、地主の財務省と調整を図らなければなりません。では、中野区は財務省の意向について、どのように認識して、どのように調整を図ろうとしてたのかを見ていきたいと思います。

 中野区は、「中野駅周辺まちづくり計画」をつくる際に、「区民検討委員会」以外に「専門部会」を立ち上げました。こちらの資料をよく見て下さい。(注31

 専門部会は、行政機関13名で構成されています。調べたところ、2003年度に4回行われています。

 ここで、どんなことが議論されてきたのか、見てみます。実にいろんなことが読み取れます。話の流れの関係上、土地区画整理事業、「開発者負担」についての問題に限定して、特に財務省がどう考えていたのか、主なものをピックアップしておきます。

  1. 前回の都市計画案(2001年転換計画のこと)ができておりこれで動くと思っていた。今回、区画整理で10年かかるというのは待てなく、独自に開発せざるを得ない。

  2. 13年に計画案で現実に向けた話があって、これからも実現にむけて話を進めてほしい。以前の計画をどうして見直さなければならないのか明確にしてほしい。

  3. 都市計画施設まで、買った人が整備して下さいというのはできない。

  4. 都計道を整備しないでは売れない。

  5. 道路を開発者負担となると、まわりの土地を一括して売らないと開発者負担とすることはできない、分割するには道路を整備してからでないとできない。第3回専門委員会議事録の3頁です

  6. 道路は開発者が行うとして、そういう業者がいればいいが。

 2003年12月までの専門部会での財務省は、「開発者負担」を承知どころか反対で、上記「2003年報告書」では「道路整備の主体は中野区であるという決断をする必要がある」と書かざるを得なかったということがわかります。

 2003年度の調査後も、田中区政は財務省との調整が迫られる機会が2回ありました。その時に、どのような調整をしてきたのでしょうか。区民との関係でも、説明が求められていました。(注9 3つの事例を紹介)

 第1に、2004年5月からおこなわれた財務省との協議でも、「開発者負担」論が問題になり、財務省は「開発者負担」には反対の意向であることがわかります。(注10  参照

 第2に、財務省との関係で、もっとも窮地にたたされたのは、2005年8月から始まった、「警大等跡地の有効活用を促進するための4者協議会」でした。財務省から、「国損を生ずる(開発負担のため安価で売却する等)ような売却はできないことは当然である」「都市計画道路及び防災公園を全て開発者に整備させ区へ帰属させる案は、事業者(土地取得者)に過度な負担を求めるものであり、そのような条件で跡地を売却することは困難である」となり、3年間も言い続けてきた「開発者負担」論の検討状況が、試される形になりました。

 しかし、中野区としては「開発者負担」の論拠も示せずに、この「4者協議会」は2月に役割を終わりました。半年に渡って、これほどまでに財務省等から説明を求められた中野区ですが、このときも公的な検討に入ることはしませんでした。区民、区議会の前で説明されてきた「開発者負担」論が、地主の財務省を前にしては、空論でしかなかったことが実証されてしまいました。

財務省との関係が正確に情報提供されてこなかった

 ところが、2004年度の「中野駅周辺まちづくり計画」関連予算について議会の賛成が得られなければ執行できないという2004年2月中野区議会という場面で、開発者負担などについて「財務省も概ね承知」と田中区長は発言しています。その田中区長自身はその根拠となる公的資料を明らかにすることができず、その信憑性は担保するものはありません。

 2005年4月のパブリックコメントでは、「(開発者負担について)財務省と一定の協議をしてまとめた」としました。しかし、これも上記の財務省の立場は明らかですから、その信憑性を担保するものがないことになります。

 田中区政は繰り返し「開発者負担」を口にしながら、肝心の地主=財務省がまったく納得していなかったという、まったく無責任な対応をしてきました。(参照

5.団体間の公費負担の原則など、法的な根拠があいまい

 法的な問題については、きちんとチェックされてきたのでしょうか。 

 たとえば、住民説明会で、中野区は、「開発者負担」について、警察病院、杉並区にも求めると強がりを言っていました。もし仮に、杉並区に「開発者負担」を本当に求めるとしたら、どういうことが必要になるでしょうか。

 地方公共団体間における、都市基盤整備の負担については、法律上の規定があります。仮に警大跡地について、中野区が求める開発者負担を執行しようとすれば、杉並区との間で経費の負担についての合意形成がなされなければなりません。

 杉並区が仮に開発者負担を求められるとすると、多額のお金の問題が絡みますから、議会の承認を得なければならなくなるでしょう。その場合には、都市計画道路、都市計画公園については、その地元自治体が整備するという原則的な方法とは違い異例な財政負担方式であること、自分の自治体の財政圧迫の要因にもなること等で、議会にたいして、執行機関側からの合法性、合理性についての特別に詳細な説明が強いられることになるでしょう。

 一方、杉並区は対外的には、これまで国、都が入って跡地処分方針を協議してきた「4者協議会」の場では、「都市計画道路等の基盤整備については、地元行政において整備すべきと考える」との原則的立場を表明してきました。結果的に、中野区は開発者負担にたいする説明責任が果たせず、杉並区が主張してきた従来からの原則的な経費負担方法にそって、諮問、答申がでました。となると、杉並区議会に対して、どのように説明するのか、きわめて困難な状況にあることは明らかです。杉並区たいして、開発者負担を求めること、寄附金を求めることは、容易なことでないと想像ができます。

 杉並区等のこうした立場を理解することなく、中野区が一方的に、地方公共団体間の経費の負担関係を乱すことになれば、それこそ地方財政法に違反する行為になる恐れもありました。

 このことは、財務省に対しても、税金が補助金として入っている警察病院についても、同種の問題が生じる事になります。

 「開発者負担」論のこうした法的問題については、まったく説明責任が果たされずに、住民説明会などで、さかんに開発者負担について、警察病院、杉並区にも求めると強がりを言ってきたということがわかります。

6、負担を求める=寄附行為の強要は、法律に違反

 もう一つ法的な問題が問われるものに、負担の強要問題があります。

@実にずさんな仕組みの開発協力金要綱

 200612月4日の中野区議会建設委員会に、開発協力金等を積み立て、運用する仕組みをつくったことが報告されました。

 この仕組みは、2007年4月1日から施行されていますが、この提案には、5つの問題点があります。

第1に、「開発者負担」の最初の出発点は、警大跡地等開発の中央防災公園、F字道路=都市計画道路です。その「開発者負担」もできるかどうかはっきりしていないのに、中野駅周辺にまで広げて、すすめようとしています。ところが、条例ではなく「要綱」ですから、法的な拘束力もありません。こんなものが、開発者負担の担保に成り得るわけがありません。

第2に、提案された要綱には、肝心な寄付金を求める「開発事業者等」の定義が記載されていません。これでは、いったいだれが対象者=「開発事業者等」なのかがまったくわかりません。「要綱」としての体をなしていません。
 また、「中野駅周辺地区」は、第3条で区長がかってに決められるようになっています。要綱ですから、その改変についても法的な拘束力がありませんから、今回の「中野駅周辺まちづくり計画」についても、あれよあれよというまに、位置の改変がかってにされているようなことが、区長の一存で勝手にできるようになっています。
 ほんとうに、こんな「要綱」が関係機関でよく協議してつくられたものなのかと、これがさっそく区民の間で話題になっています。

第3に、しかも肝心な求めようとする「協力金」は払っても払わなくてもよい寄付行為です。

第4に、そもそも、地方財政法では、自治体が強制的に寄付金を集めることを禁止しています。したがって、「開発者協力金」を、「開発者負担」をもとめる担保には成り得ません。

第5に、住民団体が中野区に開発者負担の破綻を認めさせた文書によると、この「開発者協力金要綱」は、公開空地を提供することで再開発促進区による容積率のボーナス等で得た利益を、自分たちの次の投資先、駅前再開発につぎ込む仕組みであることがわかります。これでは、国の補助金を使って莫大な利益を得た業者から、寄附金を得ておいて、別の場所の開発の元本の一部するという仕組みをつくったことになります。こんな補助金=税金の使われ方が許されるのでしょうか。当時の要綱を発表した中野区議会(2006年12月4日建設委員会)の中でも、その直後に開催された区長対話集会でも、中野区はそのことを曖昧にしていました。本当に、姑息なことをするものです。(注9

 もともと、この「要綱」を起案し、検討を進めてきた中野区の担当者らは、「関係省庁と法的整合性などについて問い合わせ」などもしていないという杜撰なものです。区長の、政策検討の無責任さがよく分かると思います。

A「開発者協力金」の危ない橋

 この要綱の第4条では、「都市基盤施設等の整備により特に著しい利益を得る開発事業者は、中野区と開発協力金の協議が必要です」ということを説明しています。この「開発協力金」をよろこんで寄附する「特に著しい利益を得る開発事業者」とは、一体だれなのでしょうか。その利益は、いったいどこで、どのような形で得るものでしょうか。

 この開発者協力金要綱は、2006年12月に議会に報告されたわけですが、その3ヶ月前の2006年9月に議会で区長が「著しい利益を得る開発者」に負担金をはらってもらうためのインセンティブ、わかりやすくいえば報奨金を検討をしていました。その流れの中で、でてきたのが「開発者協力金要綱」です。(注19

 減税というのは、国の制度が絡みますから簡単には行かなかったようで、その後、その話はでなくなりました。3ヶ月後にでてきたのが、「開発者協力金要綱」でした。「特に著しい利益を得た開発事業者」が、その見返りとして寄附をするということは、「利益供与」「便宜供与」です。あらかじめ、寄附がくることがわかっていて、その寄附を期待して、業者への決定事項が左右される、そんなことは地方自治体の犯罪行為になってしまいます。

 業者は、寄附が本当にどういう意味をもつのか、妥当性・合理性があるのか、法律を相当程度吟味することが求められるでしょう。そもそも、そういう行為が寄附といえるのかということが問われるでしょう。純粋の寄付行為は、そんな要綱があろうがなかろうがするものです。(注20

 ある利益を得るために寄附をする、司直の手が入らない限りその行為の裏に実際に何があったかはわからないでしょう。しかし、客観的に疑われても仕方がないということであれば、それは潔くやめるというのが、法律の遵守を標榜するもののすることではないでしょうか。ましてや、「企業のコンプライアンス」がマスコミで話題になっている時代です。

 「著しく利益を得る業者」が寄附を行うことが、「利益供与」「便宜供与」とならないよう、不正な行為ではないという担保しようとしているしくみが「開発者協力金要綱」のではないか。この要綱は、例の「ゼネコン勉強会」で発想されたのではないか。いろいろ、区民の間では話題にこと欠きません。

(5)公的検討をしていなかった「開発者負担」論

 次に検証しなければならない点は、理屈の上でも現実性のない「開発者負担」、実現にむけての具体化もされていなかった「開発者負担」を、なぜ中野区は進めることができたのかということです。それは、「開発者負担」論が田中区政のもとで、公的な情報として、あたかも現実性があるかのように流されてきたからです。

 たとえば、都市計画道路と都市計画公園を「開発者負担」で整備するという手法をとるにあたって、警察病院が対象になるのかどうかが議論されました。(注7

 「負担させる」、「他の企業に負担させる」、区の回答は2転、3転していきます。ひとつひとつ詰められると、区としての考え方が定まっていないことがばれていきますが、「開発者負担」の方針が繰り返し流されてきました。2007年1月15日の住民説明会でも警察病院にも「公平に負担」させると、説明されました。

1.公的な検討をしていないのに公的な情報として流された

 しかし、「開発者負担」論については、いろいろ調べていくと、中野区は公的な検討をしていないことが分かっていきます。たとえば、この間、田中区長から「開発者負担」をめぐる重要な情報が、3回流されました。

 第1に、2004年2月23日、議会で区長は、中野区がすすめようとする開発者負担について「こうした考えを含めます検討状況については、財務省もおおむね承知をしていただいているというところであります。」といっていました。しかし、その根拠となる公的なものは、何もありません。財務省が承知していなかったことは、跡地処分方針を検討してきた「4者協議会」で明らかです。

 第2に、2005年2月22日、区議会本会議で区長は、「警察大学校等跡地全体のまちづくりにとって、最も効果的で、また区の負担もできるだけ少なくて済む手法を検討した結果、環境安全を確保しつつ、新たな都市機能を効果的に導入する方法として、用地や整備費など、公共施設を開発と一体で開発者が負担する開発者負担の方法によって、整備をすることとしたものであります」と言いました。

 第3に、2006年3月6日の財務省の国有財産関東地方審議会への諮問する段になり、「土地を高く売りたい」という地主・財務省を前に、都市計画道路と都市計画公園は「開発者負担」でやらせようという中野区の間で調整がされました。結論は、その論拠があいまいな中野区の「開発者負担」論が破綻しました。(参照

 しかし、その破綻の発覚をおそれた田中区長は、2006年2月21日区議会で「事業主体としては区が施行者となり、まちの骨格となる都市基盤の整備を行うことといたしまして、開発者からは、それぞれの利用状況を勘案しつつ、応分の負担を求めるという方法が最も適切であると判断をしたところであります」と説明しました。区報、HPを使って、区民に同様の宣伝をしました。(注4

 上記区長の「もっとも適切である」という言葉は、3つ以上の手法を比較した上で、一番適切な方法として選択したということを意味する言葉です。ところが、「もっとも適切」と判断した「区としてF字道路、都市計画公園の用地取得・整備の費用、負担を予定している開発者、各負担割合など、検討経過にかかわる資料」を情報公開請求しても、「不存在」となっています。(注 F字道路=警大跡地内の都市計画道路

 このように、田中区長が区議会本会議で明らかにした情報は、調べていくと、どれも公的な根拠がないことがわかりました。しかも、その情報は、毎年予算議会という各年度の予算の使い方、その年度の区政の方向を決める議会で流されてきました。こんなことが許されるのでしょうか。

(6)「開発者負担」論への固執が生む新たな矛盾

 「開発者負担」論が破綻しているにもかかわらず、田中区政は「開発者負担」前提の計画を進めています。そのために、現在でも「開発者負担」であるかのような説明するために、さまざまな矛盾が出ています。

1.「まちづくり交付金」を使って、別の開発資金に回すカラクリ

 田中区政は都市計画道路、都市計画公園の財源に公金を使うことにしたわけですが、その財源の4割が「まちづくり交付金」という税金が使われます。その一方で、開発者から「開発者協力金」を得るという問題があります。

 2007年5月22日、住民団体が、「まちづくり交付金」と「開発者協力金」の矛盾について担当者である国交省に質問しました。詳細は、質問状を見ていただければわかりますが、「まちづくり交付金」という補助金を使うことと、その一方で「開発者協力金」という寄附金をもらうことが、補助金の仕組みとして認められることなのかという問題が生じます。 (参照

 すなわち、ある場所の開発に国の補助金を使って、「特に著しい利益を得る開発事業者等」から区が寄附金をもらい、その寄附金を今度は、別の場所の開発の資金にするということでは、これでは補助金の詐取のようなものではないかという声が出ています。(参照

 さらに問題は、それで収まるのかということです。開発業者にとっては実に便利な仕組みを区がつくったというわけですが、国の補助金の使い方として、そんなことが許されるのでしょうか。仮に認められることになれば、ゼネコン各社は全国でこの事例をまねて、「まちづくり交付金」に群がることになるでしょう。

2.開発者にも求められる中野駅前開発への寄附金の説明責任

 中野区拠点まちづくり推進室は、2006年8月には区民の質問に答えて、「中野区としては、公平公正の観点から、警察大学校等跡地で開発を行う全ての者に対して、都市計画施設整備に関する応分の負担を求めていく考えです」といっていました。(参照

 それが、今では、「負担を求めると地方財政法に違反する」「あくまでも寄附です」と言うまでになっています。

 しかし、その寄附にしても、目的が駅前開発への寄附行為ですから、寄附する方は簡単にできるものではありません。

 07年11月30日付けで、、「警察大学校等跡地に緑と青空の公園をつくる会」と「高円寺の環境を守る会」は、警大跡地の開発者として現在確定している、2つの学校法人、3つの民間法人に質問状を提出しています。

その中で、開発者協力金について質問しています。たとえば、民間法人については下記のようになっています。

開発者協力金にたいする対応について

 警大跡地の開発条件として「開発者協力金に関わる中野区との協議」が、入札案内されていました。中野区は、開発者からの寄附金として今年度40億円を見積もっていると区民に説明しています。ご案内の通り、この開発者協力金は、中野駅前開発のために積立てるものです。
 しかし、中野区から求められているとは言え、開発会社が駅前開発のために寄附することは、法律の遵守という点からすると、安易に行えるものではないと思います。
 また、こうした寄附行為について、従業員、株主、住民にも納得できる説明が求められると思います。そこで、御社は、この協力金について、具体的にどのような対応をするのかお聞きします。

質問 中野区の要綱によれば、開発協力金は、「都市基盤施設等の整備等により特に著しい利益を受ける開発事業者等」から徴収することとしています。御社は、この開発により、どのような基準で「特に著しい利益」を得ていると判断されていますか。

質問 会社の予算を、このような寄附として使うことについて、その妥当性・合理性を、従業員、株主、住民にどのように説明するのですか。

 同様のものを学校法人についても提出しています。(参照

 「開発者負担」問題を、田中区政があいまいにしているが故に起きている問題です。

(7)責任逃れが始まった「開発者負担」論

 「開発者負担」論は、先に見てきましたように土地の売買が始まる時点になって完全に失敗しました。その後、区長自身は、この破綻についてどのように認識しているのかを見ていきたいと思います。

1、区長自身も説明不能な「開発者負担」手法

 田中区長は、2007年の6月区議会で、あいも変わらず警大跡地開発について「開発者負担」だと言っています。これほど無責任なことはありません。

  1.  そもそも警大跡地開発における「開発者負担」手法とは、田中区長自身が持ち出してきたものです。自らが最初に語った「開発者負担」手法というのは、区が都市計画道路と公園の用地を取得せずに、開発者に負担させ整備するという方式です。区長は、それを地主の「財務省も承知」だといって、区議会でも報告してきました。警大跡地開発計画の調査委託業者も、特命随意契約で、「その手法にきわめて優れた業者」として自ら選定してきました。(そのことは、会計監査で問題にされました。)

     2005年2月には、この「開発者負担」手法を「最も効果的」とし、5月に「区の財政負担がない」都市計画道路と都市計画公園の「開発者負担」手法をとる「中野駅周辺まちづくり計画案」を発表しました。

     現在の都市計画道路と都市計画公園の都市基盤整備には、この手法がとられていません。そのことの説明責任が問われます。

  2.  2005年8月から2006年2月の国有財産関東地方審議会への諮問へ向けての財務省、東京都、杉並区を入れた4者協議の場で、田中区長の「開発者負担」手法が焦点となり、頓挫しました。もともと、区長自身が公的な検討・検証もすることなくきわめて安易に持ち込んだ「開発者負担」手法ですから、うまくいくわけがありません。にもかからず、この「開発者負担」の破綻が明らかになった以後も、区長は政策責任を何ら省みることなく、何の公的な根拠もなしに、2006年2月、「(都市計画道路と都市計画公園は)区が施行し、後から応分の負担を求めるという方法が最も適切である」と区議会で説明しました。区報、HPでも30万区民に公報しました。しかし、都市計画道路と都市計画公園は公金を投入するわけですから、この食い違いの説明責任が問われます。

  3.  そして今度もちだしたのが、2003年6月に区長が持ち出した「開発者負担」手法というものがどういうものであるかということについてはうやむやにして、「著しく受益を受ける開発業者」に駅前の開発のために「協力金」を出してもらうから「開発者負担」だというわけですから、あきらかに都市計画道路と都市計画公園を開発者負担でつくるという公約は失敗に終わりました。

 従って、田中区長のいってきた「開発者負担」論(=警大跡地内の都市計画道路と防災公園を税金を投入せず開発者の負担でつくる)は、失敗に終わったわけです。(注22

 ところが、「開発者負担」論の破綻が明らかになっていくると、今度は責任逃れが始まっています。自警会、杉並区に駅前再開発のための寄附金を出させるなどといっても、負担への根拠は何もありません。開発者への寄附行為の強要は、法違反です。

 もし仮に区長が自らの公約に誠実に向き合う姿勢があるならば、財務省も入った4者協議(2005年8月〜2006年2月)の中で無策「開発者負担」論が困難になったことがわかった訳ですから、その時点で区長は「開発者負担」ですすめる計画をみなおすべきでした。

 それなのに見直さず、何の公的な検討・検証もせずに、「後から負担」論で区民を煙に巻き、見切り発車しました。結果的には土地の売買が始まり取り返しの付かない時点になって、田中区長は初めて現実を明らかにしたことになります。

2.2007年9月区長対話集会

 その後、この問題で区長自身が見解を明らかにする機会は、2007年9月13日の「区長と区民の対話集会」でした。その中で、警大跡地開発が質疑され、区長も下記の点を新たに明らかにせざるをえませんでした。

  1. どこだとは言っていませんが、協力金を出さないところがあることを認めました。
  2. 駅前開発に積立てる開発者協力金を「開発者負担」だといっていますが、その要綱に法的な効力がないことも認めました。
  3. 杉並区、自警会、財務省に「開発者負担」を求めることについて法的正当性など答えられず、とにかく財務省に土地売買の入札案内に協力金要綱があり協議するよう書いてもらったので、協力金をお願いするので、「開発者負担」だということにすぎないということになりました。
  4. 2004年2月23日の「財務省は概ね承知」というものが、裏話であったことを否定できませんした。

もはや、「開発者負担」だと田中区長がすがれるものはありません。(注23

3.責任逃れをする担当責任者、区長

 2007年9月10日の中野区議会建設委員会で、拠点まちづくり推進室の参事が以下のような説明をしています。

 要約すると3点になります。

@当初、区画整理を前提として検討してきた。その段階では、いわゆる都市基盤施設、道路・公園について、開発者負担ですすめてきた。ところが、区画整理が適用できないとの国の話を受けて、整備手法を変更した。それで、今回、都市計画に基づく再開発等促進区を活用して、改めて開発計画を作成してきた。

Aこの整備手法の変更後も、都市基盤整備経費について、区の負担にならないような検討を行ってきた結果、まちづくり交付金とか都市計画交付金、こういったもので賄っていくという考えを持った。

B当初からの開発者負担については、当該土地を取得して開発することによって当然受益を受けるので、駅前開発への費用として開発者負担をしていただく。従って、開発者負担の原則を貫いている。

 その後、2007年10月31日の区長対話集会で田中区長も、開発者負担の問題を質されて、同様の説明をしました。(注34

4.責任のがれからでてくる矛盾

 では、未だに、田中区政が「開発者負担」ということによる言い逃れの矛盾が、どのように出ていているのか、見ていきたいと思います。

 田中区長が、未だに「開発者負担」と言っている根拠は結局のところ駅前開発のための寄附金をしてもらうからだというだけのことです。これも、おかしな話です。

 第1に、それを開発者負担だというなら、寄附金ではなく、負担を求める=負担を徴収する行為になります。地方自治体が、駅前開発にために金銭を徴収するということがどういうことになるのかを、自治体の長ともあろう方が知らないというのでは困ったものです。(参照

 第2に、都市計画道路、都市計画公園などの都市基盤整備費は少なくとも100億円を越えます。しかし、田中区長が徴収しようとする駅前開発のための寄附金は2007年度40億円です。これでは、開発者にまけてやった金額の方が多くなってしまいます。これでは、開発者軽減ではないでしょうか。(注19

 このように、当初の都市計画道路と防災公園の整備には税金を投入せず開発者負担でやるという公約は破られ全面税金投入です。しかも、駅前開発のために寄附金をもらうという開発者負担にも問題があります。田中区長は、もう「開発者負担」などという言葉を使うべきではありません。さんざん区民に公約してきた「開発者負担」論失敗の責任こそとるべきです。

5、都市計画と事業手法の混乱

 9月10日の秋元参事の説明を見ると、拠点まちづくり推進室担当者は「中野駅周辺まちづくり計画」の内容がよく理解できていないのではないのか、あるいは「中野駅周辺まちづくり計画」の内容にウソがある、そのどちらかだということになります。

 9月10日の説明では、「中野駅周辺まちづくり計画」は土地区画整理事業ですすめてきたがそれができないことがわかったので再開発促進区で進めることにしたという理屈ですが、そんなことがなりたつのでしょうか。 

@再開発促進区と土地区画整理事業は矛盾しない

 「都市計画法に定める地区計画(再開発促進区)を決定し、法的に実効性を確保する」(27頁)として、「(警大跡地の)まちづくりは、開発者負担により公共施設の整備を行うことを原則とする。これには、まちづくりに関わる主体それぞれが受益に応じた負担をする手法である。土地区画整理事業や開発許可制度を活用する」(29頁)としているからです。

 田中区長をはじめとした、関係者は「中野駅周辺まちづくり計画」をよくお読みでないことがわかります。この「中野駅周辺まちづくり計画」の基礎資料となる、2005年4月に区議会に報告された調査委託の納品書でも、再開発促進区を決定するとした「中野駅周辺まちづくり計画」の時点で、土地区画整理事業は、もっとも有力な整備手法となっています。せっかく高い税金を支払った報告書ですから、よく目を通していただきたいものです。

A用語辞典で見ると

 担当者の言い逃れにある第2の無理は、都市計画手法と事業手法の理解に混乱があります。

 たとえば、エクスナレッジムック「都市・建築・不動産企画開発マニュアル2007〜08」を見ると、「地区計画は、区域の状況に応じて、計画対象地区の整備目標等を踏まえ、地区計画のタイプの策定・選択ができるようになっている」「地区計画で定めた内容の実現を図るには、次に掲げる制度を単独で、あるいは複合的に活用して、地区整備を進めていくと効果的である。・・・・・@土地区画整理事業や・・・・」という説明になっています。都市計画手法と、事業手法の違いが整理されています。

 ちなみに、中野区では、この「中野駅周辺まちづくり計画」に合わせて、用語集をつくっていますので、区長等にもじっくり読んでいただきたいものです。

B実際にもおこなわれている

 再開発促進区の地区計画にもとづいて、土地区画整理事業が現実に行われています。

 2003年12月5日の中野区議会での担当課長が説明しています。汐留土地区画整理事業では「再開発地区計画にもとづいて広場を整備」、秋葉原駅付近土地区画整理事業では「地区計画にもとづき広場、空地を整備」、品川駅東口土地区画整理事業では「再開発地区計画にもとづき公共空地を整備」、千代田区飯田町土地区画整理事業では「地区計画にもとづき広場を整備」となっています。土地区画整理事業と地区計画は、中野区自身が区議会で説明した資料を見ても、実際の事業として行われていることがわかります。

C「再開発促進区」が土地区画整理事業にかわる「開発者負担」の整備手法??

 田中区長らは、「再開発促進区」が土地区画整理事業にかわる、「開発者負担」の整備手法とでも言いたいのでしょうか。だとしたら、その都市基盤整備手法は、どういう法制度に基づく整備手法ということになるというのでしょうか。再開発促進区で定めることができるものには、都市計画道路と都市計画公園はのぞかれますが、そのことをいったいどう説明するというのでしょうか。

 「再開発促進区」と「土地区画整理事業」が、ここにきて区長、拠点まちづくり推進室参事がいうように、矛盾するものであるとすると、あの「中野駅周辺まちづくり計画」自体が、ウソを書いた文書ということになりますが、この点についてはどう説明するつもりなのでしょうか。

 ウソをかいた「中野駅周辺まちづくり計画」で区民からパブリックコメントを求めて計画を発表したとなると、計画の前提が崩れることになりますが、どのように説明していただけるのでしょうか。

 このように「開発者負担」論の破綻の責任を曖昧にして、区長らが言い逃れを試みればみるほど、その傷口は広がるばかりです。

 いま、田中区長がなすべきことは、区民に、計画づくりの当初から今日に至るまでの、真実を説明するという責任を果たすことです。そして、計画の見直しに全力をあげることです。

 「開発者負担」前提でつくられた現行計画のままにして、その犠牲を50年先、100年先に引きずることは、絶対に許されないことです。

6.「開発者協力金」40億円

@2007年度の見込み外れ

 中野区の07年度の「財政運営の考え方」では、基金計画について、「開発者協力金」は07年度に40億円を見積もっていました。しかし、結果は07年度は皆無でした。08年度として発表された「財政運営の考え方」を見ると、その見込みが外れたことについては、何の説明もありません。08年度の見込みに書き換えただけで終わっています。(注36

 2008年2月20日の中野区議会本会議で議員に質問された田中区長は「具体な金額につきましては、今後整備の過程で開発者と協議をしていくこととなる」と、見込み外れの事実を認めました。(注37

 しかし、なぜ、見込みが外れたのかがはっきりしないのでは、08年度には確実に寄付されるのかどうかは何とも言えないということです。「なぜ土地購入した時点での寄付の見込みが、『整備の過程で開発者と協議』で決まるということにずれたのか?」「08年度には大丈夫なのか?」、はっきり説明できませんでした。

 あげくの果てに、田中区長は、警察大学校等跡地の開発者には「区も含まれる」ということを明らかにしました。まさか、区民の税金を、「寄付金だ」といって「開発者協力金」にするつもりなのかと心配になります。

A値切られる「協力金」

 もともと、開発者負担というのは、道路と公園の取得費について、あとから負担してもらうという考え方で、田中区長が導入したものです。その「開発者協力金」の見積もり金額は07年度も08年度も同一ですが、その内容には大きな違いが2つあります。なんでしょうか。

 1つは、開発者の負担割合が、激減したことです。

 07年度には、負担されるべき対象となる土地の取得費は、87億円でした。従って負担割合は、40億円/87億円・・1/2以下に下げられていました。これが、08年度には、道路と公園の取得費を132億円に見積もったのに、開発者協力金は40億円しか見積もりませんでした。これでは、40億円/132億円・・・負担割合は1/3以下に負けてやったということになります。

もう一つは、それでも、まだ開発者からの不満があるのか、40億円のうち、「中野区が寄付する?」分があるというのです。右図は、中野区と開発者が結ぶ覚書案です。甲が中野区、乙が開発者です。

 これでは、開発者からの「協力金」が、いったいいくらになるというのでしょうか。

 負担割合を1/3までに引き下げられ、おまけに中野区の分もあるというのですから、一体区長が言い出した「道路と公園の取得費について、あとから負担してもらう」開発者負担論は、完璧なまでに砕け散ってしまったことになります。

 田中区長は、自らが打ち出した「あとから負担論」にたいして、どうけじめをつけるのか、区民の前にはっきりしていただきたいものです。

(8)「開発者負担」論が、結果的に果たした役割

 いろいろな角度から「開発者負担」論を見てきましたが、この4年間の「開発者負担」論とは、なんだったのかということになります。

1、「開発者負担」論が生み出した問題点

  1. 公園確保について「中野区の財政は非常に厳しい」と住民に困難さを納得させる論拠として使い、貴重な公有地のほとんどを民間に売却するために大きな役割を果たしました。
  2. その手法の特殊性を強調することによって開発計画の青写真をつくる業者について、特定なところを選定させてつくらせました。
  3. 「開発者負担」論は結局、架空の話で、警大跡地開発が区民のあずかり知らない=公的な担保がないところで、動かされてきていました。住民参加とはとんでもありません。
  4. @10万人の避難場所に指定されている貴重な公有地が高層ビル群のまちになる。A14haの公有地に、ふえた都市計画公園は1haに過ぎない。しかも、その公園の環境は、高層ビルの谷間で、最悪の環境。B中学校の南側に高層ビルを誘導する計画。C大型商業施設の誘致で、近隣商店街に深刻な影響。D7千台近い自動車が集中し大気が悪化。E住民との合意を軽視・・・・・などなど、警大跡地開発計画に数多くの問題をもたらした。

2、「開発者負担」論は、実行より喧伝に目的があったのか

 中野区はこの4年間、「開発者負担」論を繰り返し言い続けてきましたが、その実効性をまったく検証してきておりません。ということは、開発者に都市計画道路、都市計画公園の都市基盤整備費を実際に負担させることができるかどうかは問題ではなく、言い続けることによって、さも負担させることができるかのように住民に思わせること、言い続けることによる波及効果が、田中区政には大切だったということだと言われても仕方ありません。

 財務省、東京都、杉並区、中野区、地権者等の関係者の間での議論をみても、「開発者負担」させることが問題になっても、「開発者負担」ができないことが問題にされたことは一度もありません。田中区政がすすめる「開発者負担」論の実現性の乏しさを承知のうえで、その宣伝効果を期待し、動向を静観していました。

 しかし、「開発者負担」論の破綻を曖昧にすることは、住民からすれば、とんでもないことです。なぜなら、これまで見たきたように警大跡地開発計画の問題点は、この杜撰な「開発者負担」論と密接に結びついてきたからです。「開発者負担」という財源政策を前提に、ずさんな開発計画をつくっておいて、土地取引の段になったら、そんな財源政策はとらないというのは、住民だましです。

3.税金による都市基盤整備で、進出事業者は大助かり

 都市計画施設にたいする開発者負担との考えを突如もちこんできた中野区は、このまちづくり計画でどんな役割を果たしたことになるのでしょうか。

 この警大跡地では、地主が開発者負担で自ら都市基盤整備を進めて土地を分譲するとすると、地主は財務省ですから、その費用は全面税金投入です。地主の都合で分譲するわけですから、現状の容積率・建坪率、高さ制限、用途地域など都市計画の範囲内で、やらざるを得ないでしょう。それでは、土地販売者、購入者のメリットはありません。

 仮に、土地販売者、購入者のメリットのために、都市計画変更などということになれば、それこそ大問題になるでしょう。ましてや、ここは住民参加でつくってきた従前からの転換計画案があったわけですからなおさらです。

 そこに杜撰な「開発者負担」論をかかげた中野区が絡んで、どういうことになったでしょうか。多額の税金を投入して、わざわざ随意契約でコンサルに調査委託し、都の「都市づくりビジョン」、区の「都市計画マスタープラン」にも矛盾する計画も、もっともらしい理屈をつけて強引にすすめ、都市基盤整備にも全面税金投入してすすめることになりました。14haの公有地のうち、都市基盤整備に使われる土地をのぞけば、その3/4が民間に売却されました。中野駅前開発特定目的会社へは、近隣路線価の5〜8倍の価格で取引されるという事態になりました。(注27

 一方、区民のもっとも切実な要望であった防災緑地は、従来の4haの防災公園を核に有効避難面積約15ヘクタールの確保を目指す計画から、高層ビルの北側のわずか1.5haの防災公園を核に高層ビルの谷間の危険な避難場所に変質されてしまいました。

 これが、「適正」というわけですから、区民感覚からは想像もできません。

 中野区が介在するとはいえ、当初から全面税金投入で都市基盤整備ではあまりにも露骨な開発者支援で、土地の売買契約が始まるまでは、十分な情報提供、説明がされず、結果的には様々な理屈を含めた虚言で税金投入をしないと装ったに過ぎなかったということになります。

 区民の予想を超えて、警大跡地をめぐって千億円の単位のお金が動いてます。公共が間に入っているからこそ、厳しいチェックの目が求められます。

4.全面的調査が求められる警大跡地開発の調査委託契約

 この開発計画は、「開発者負担」事業手法にもなる「土地区画整理事業」に精通している専門コンサル会社に委託されてすすめられてきました。

 調査委託の発注内容の一つに「実現可能な事業手法」の検討が入っていましたが、結果的には、実際の土地取引を前に、その事業手法は破綻してしまいました。とすると、「開発者負担」前提にした委託調査は、高層ビルを中心にした民間開発中心の計画づくりの業者選定するには役立ちましたが、業者選定理由になった「開発者負担」論の事業手法の検討には役立たなかった。投入した税金が、事業手法の具体化には活かされなかったということになります。

 現在のすすめている杜撰な警大跡地の開発計画は、(財)新都市建設公社への契約から始まりました。

 第1に、この契約先とした理由は、「開発者負担」=「土地区画整理事業の手法にすぐれている」ということで、開発計画の青写真をつくってきました。

 警大跡地の調査委託契約は、中野区は最初から、他社との比較は考えずに(財)新都市建設公社を特定し調査委託の契約しました。特命随意契約です。その理由は、「土地区画整理事業の手法にすぐれている」、後日の那須井まちづくり総合調整担当部長の説明では「ここでなくては調査ができないと考えられる団体」とまで言われました。(参照

 どうしても「開発者負担」でなければならない理由とは何でしょうか。

 第2に、そうまでして契約した業者が肝心な調査委託を日建設計へ再委託していたことを監査委員が問題にしました。しかし、区では、監査委員が問題にしたことが問題にされるという異常な事態が起きました。

 「ここでなければできない」と特定して発注したにもかかわらず再委託されてしまったわけですから、本来なら、なぜ(財)新都市建設公社へ特命で契約する必要があったのかという問題につながります。ところが、この随意契約、再委託をめぐって、区の監査委員の努力でせっかく明らかにされたにもかかわらず、区としては大変中途半端な「調査」をして問題がないとの結論を出す画策をしました。(その全貌はすでにこちらで明らかにしてきました

 今の時点で、あらためて再調査の必要が求められます。

 第3に、再委託も終わると、今度は「開発者負担」の事業手法について、急転回していきます。2004年度には、「土地区画整理事業が有力な手法」が、「都市計画法第29条の開発行為制度等を検討」と方向転換します。そのため、当初予算700万円を1200万円に変更することまでしました。大変不可解な対応です。しかも、検討結果として報告書に書かれているのは、土地区画整理事業をもっとも有効な方法としています。公金500万円はどこへ消えてしまったのでしょうか。(注12 参照 最終的に区が選択された手法は調査委託先が低い評価をしていた)

 そもそも、(財)新都市建設公社を特定した真の理由は何だったのか、徹底的に調査する必要があるのではないでしょうか。(参照

 第4に、開発者負担について田中区長、担当部長らがたびたび区議会でおこなった説明に、何の根拠もないものが数多くあったことは、すでに明らかにした通りです。また、実際の計画内容についても、「開発者負担」を前提としたもので、その事業手法が破綻したわけですから計画そのものがよってたつ基盤がなくなりました。

5.「開発者負担」論を導入した理由・・・・「財政が厳しい」も成り立たない

 これまで、「開発者負担」論を前提に進めてきた開発計画の検討状況の問題点を整理しました。もう一つ、整理しなければならないのが、「『財政が厳しい』ので『開発者負担』ですすめる」という理屈です。(注13

 中野区が繰り返し説明をしてきました。しかし、この4年間を振り返ると、「財政が厳しい」ということと、「開発者負担」の導入には関係がないことがわかります。

 第1に、警大跡地開発の2007年度予算の質疑を見ると、こちらのHPで紹介してきた方法がとられたことがわかります。この方法をとれば、財政問題がないことがわかります。また、財政を問題にするにするにしても、従前から都が示してきた方針にそって、都の協力を得ながら努力する方法も、まったくとられていません。(注14 2007年度の予算質疑

 第2に、たとえ開発者負担の手法である、土地区画整理事業、開発許可制度などを使ったとしても、幹線街路その他主要な施設がつくられ、それが区のものとなる場合には、開発者がその土地の取得費を負担すべきだと区に求めることができるという規定になっていることは、これまで見てきた通りです。負担を求めるどころか、逆に求められることになります。このような検証もなく、財政問題を理由にしていたとしたら、公金を預かる者としては杜撰きわまりないすすめかただということになります。(注15

 第3に、開発者負担の実効性を何ら検証することなく進め、結果的には100億円以上の公金を投入することになってしまうではありませんか。そして、その事についての説明責任が、何ら果たされていません。100億円以上の公金を使うことになったことに、何の痛みも感ずることができずして、「財政が厳しい」などという論理はなりたちません。

(9)あらなたプロジェクトで住民要望に応えた計画

 このままでは、住民は架空の「開発者負担」を前提にした杜撰な計画の犠牲になる。新たなプロジェクトで計画の見直しを!貴重な公有地は公のために使ってほしい!

 これまで見てきたように、この開発計画に様々な問題を持ち込んだのが、2003年計画当初から田中区長が公約してきた「都市計画道路と都市計画公園への『開発者負担』方式」です。

 都市計画道路、都市計画公園の整備費を開発者に負担させることを前提に、計画づくりの調査委託先の業者を選定し、「開発者負担」事業手法のためのベストの計画だと説明をしておいて、その「開発者負担」をやめるが、つくった計画だけは活用するということはどういうことでしょうか。この計画を活かす道理はありません。「住民要望にそって見直そう」という声にこそ道理があります。

 このままでは、跡地の売買契約を終わって、開発者負担はなくなるが、開発者負担を前提にした杜撰な計画だけが残ってしまいます。100億円以上の公金が使われ、公有地もほとんどが民間にわたり、住民から見れば多くの問題点が山積にしています。いっただれが莫大な利益を得ることになるのでしょうか。(注35

 しかも、この4年間、中野区が十分な情報提供をしてこなかったことは、数々の事実が証明しています。だったら、

  1. 破綻した「開発者負担」論前提の計画は、見直すことが必要です。
  2. その間の「開発者負担」にかかわる問題について、ただちに調査機関を設置し、真相究明に踏み出すべきです。

 中野区は、この計画の推進役としてなってきたわけですから、その先頭に立ち、住民とともに計画の見直しに舵を切り替えることが求められます。

「防災緑地を中心にした計画にかえてほしい」(住民)

 警大跡地のもともとの開発計画は、「環状7号線などの周辺に救援・復活活動拠点となる大規模公園を設置」「大学移転跡地等の国有地を、公園用地として活用できるように、用地の無償貸付等を国に求めていく」としていました。それを、中野区は高層ビル群のまちづくりにこだわり、計画の変質を進めてきたのが間違いの始まりです。

 このまま、住民がだまって杜撰な開発結果に制約される理由はありません。あらたなプロジェクトによって住民要望を反映した計画に作り直す必要があります。そうでなければ、杜撰な開発が着工され、50年、100年先まで被害を受けるのは住民です。地球規模での環境の視点から見ても、都市計画公園が高層ビルの日影になることも、10万人の避難場所が高層ビルの谷間になることも、中学校の南側に高層ビルを誘致することも、・・・・それだけの犠牲を住民に追わせるだけの大義など、この計画にはありません。

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<資料>

(注1)

これから計画をつくるというのに手法だけは土地区画整理事業(開発者負担の)が有力として、「ここでなくては調査ができない」と(財)新都市建設公社へ随意契約で調査委託・・・  こちらでも関連した検証 (財)新都市建設公社と随意契約した本当の理由

 なぜ開発者負担なのか、説明がなく、きわめて唐突、一方的で、不可解な説明。開発者負担方式を比較検討もされず、開発者負担方式でいくからと計画の青写真をつくるコンサルをあらかじめ特定、区議会に報告されたときには、すでに契約済みだった。

2003年6月30日 本会議
○まちづくり調整担当部長(那須井幸一)
 3点目でございますけれども、中野駅周辺まちづくりについてでございます。
 既に着手しております調査検討の中で、区民参加を図らせていただきながら、具体的なビジョンを描いていく予定でございますが、
中野駅周辺は、都市計画マスタープランで描く「にぎわいの心(しん)」として、また30万都市中野の顔として、住機能に加えまして、働き、学び、楽しむなど、多くの機能を備えた活力と魅力ある町の形成を目指していきたいと考えております。このうち、サンプラザを含む警察大学校跡地、区役所及び北口広場等の地域につきましては、防災公園などの公共施設だけでなく、商業業務施設や住宅などの導入も検討してまいりたいと考えております。また、道路、公園等の都市基盤施設につきましては、開発者負担による整備の手法を追求していきたいと考えているところでございます。

開発者負担は、区民参加の検討結果を待つまでもなく中野駅周辺まちづくり調査検討委員会の前提条件だった

 2003年9月12日の中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会に「中野駅周辺まちづくり調査検討委員会について」が報告されていますので、参照してください。そこには、検討委員会の目的、調査検討の付与条件、目指すべき方向など、計画の基本がすでにできあがっていることがわかります。これを見ても、調査検討委員会が区民参加の証左にはなりえないものです。
 また、付与条件には、「開発者による負担を原則として、できるだけ区の財政負担を軽減する」という一項入っています。
開発者負担は、区民参加での検討の結果を待つまでも、最初から計画を考える前提条件にされています。

(注2)

(財)新都市建設公社から警察病院の設計者である日建設計へ再委託された理由
もともと警察病院は開発者負担の対象外だったのにあたかも対象だったかのように説明してきた理由は
委託調査が開始されると、「事業手法は検討中」

(財)新都市建設公社と特定して契約した理由は、「土地区画整理事業に優れている」「ここでなればできない」ということだったが、いざ契約が完了してしまうと「事業手法は検討中」と変化

警大跡地開発の青写真を書かせる大手コンサルとの調査委託

  1. 03年6月2日  警大跡地開発の青写真を書かせる調査委託契約の起案
  2. 03年6月13日 (財)新都市建設公社との契約
  3. 03年7月7日 (財)新都市建設公社は再委託先の選定に入る
  4. 03年7月23日 再委託先として日建設計と契約

(注3)

2004年2月23日中野区議会
○区長(田中大輔) 警察大学校跡地の整備手法ですけれども、警察大学校跡地については、民間活力による開発と開発者負担によるオープンスペースの確保などを考えているということは御指摘にあったとおりです。しかし、導入施設が導入に必要な機能を十分に確保するという上に立っては、区が直接整備する施設もあると考えているところであります。こうした考えを含めます検討状況については、財務省もおおむね承知をしていただいているというところであります。

(注4)

2006年2月21日中野区議会
○区長(田中大輔) 整備手法についてであります。警察大学校等跡地の開発は、民間の活力を導入してまちづくりを進めることとしているところでありまして、道路、公園等の都市基盤整備については、開発者負担の原則で実施することとしているところであります。
 こうしたことを念頭に置いて、想定される整備の手法の中で、諸状況等を勘案いたしまして、最もふさわしい方法を検討してきたところであります。その結果として、事業主体としては区が施行者となり、まちの骨格となる都市基盤の整備を行うことといたしまして、
開発者からは、それぞれの利用状況を勘案しつつ、応分の負担を求めるという方法が最も適切であると判断をしたところであります。こうした取り組みによりまして、安全で、にぎわいと活力のあるまちづくりを早期に、着実に実現できるものと確信をしているところであります。

2006年2月からの「開発者負担」の方針変更について、中野区のHP,区報をみると

中野区のHPによれば、都市基盤施設は、「開発者負担の原則で都市計画道路(区画街路1号、2号)及び防災公園の整備を行うため、区が施行者となり用地取得や工事等を行うこととし、開発者からは土地利用状況を勘案しつつ応分の負担を求めることにしています

区報では、都市基盤施設の用地として、「都市計画道路と防災公園について、開発者負担の原則で整備するため、区が施行者として用地取得や工事などを行い、開発者からそれぞれの土地の利用状況を勘案しつつ応分の負担を求めます

(注5)

2007年2月20日 中野区議会本会議

・・・「開発者負担問題」について説明できず

田中区長 以下に、平成19年度における区政の重点的な取り組みについて、四つの戦略に即して触れさせていただきます。
 まず、「まち活性化戦略」です。
 中野駅周辺整備に関し、昨年12月に、まちづくりグランドデザインを策定しました。グランドデザインでは、「連鎖型のまちづくり」の推進、「まちの回遊性」の確保・向上、「民間の力を活用したまちづくり」の実践の三つを基本とし、中野駅周辺のまちづくりの効果が中野区全域に広がり、その経済活動が活性化することを目指しています。今後、区議会や区民の皆さんの御意見をいただきながら、より具体的なものに高めていきたいと思います。平成19年度には具体的な動きとして、
警察大学校等跡地に都市計画道路及び防災公園を整備するため建設用地を取得します。

2007年2月21日 中野区議会本会議   

・・・用地費は国の補助金、都の負担、都市計画交付金、その他の特定財源・・・開発者負担も求めていく

田中区長 警察大学校跡地の用地取得に86億円ものお金を使うといった御質問がありましたけれども、これについては都市計画事業として行うものでありまして、国の補助金、都の負担、都市計画交付金、その他の特定財源が充てられるという見通し、またそれに加えて、開発者負担も求めていくということで、持続可能な区政、そしてまちづくりの前進が図れるというふうに考えているわけであります。

(注6)

住民団体が、国交省へ「まちづくり交付金」に関する質問状を提出・・・07年5月22日
上記質問状にたいする回答

  1. 国の補助金と開発者から寄附金の得る行為は両立しないことがはっきりしました。
  2. 区が得る「寄附金」を、駅前再開発の元手にしようとしています。

(注24)

『中野駅周辺まちづくり計画作成等支援業務委託』にもとづく納品書(2005年4月22日 中野区議会へ提出)について、このHPで報告した内容です。

区議会への報告資料こちらから(膨大な資料であるため内容まで見ることはできません)

(注7)

2転、3転する警察病院と「開発者負担」

2003年7月8日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
来住委員 
ですから、街区1の道路は清掃関連施設がどうなるかわからないのに、これに対して中野区が道路付けによって現段階で受ける益は警察病院ですよね、明らかに。全体の計画の中ではっきりしてきているのは警察病院なわけですね。したがって、中野区が道路の費用建設について、負担を警察病院の運営主体に求めることは、または東京都に求めることはできないんですか
那須井まちづくり調整担当部長
 道路の費用負担にかかわる御質問で、まず前提として都市計画道路の位置付けというような点もございましたけれども、この病院の道路以降の土地利用というのは見直していきたいということを先ほどの報告の中でさせていただきました。そういった中でも、私どもは中野駅周辺、特に警察大学校等跡地を中心としたところにつきましては、30万都市中野の顔にふさわしい、賑わいの心にしていきたいということでございまして、こういった道路が地域全体に非常に大きな役割を果たすだろうというふうに思っております。
 それから、これは先ほど課長から3分の1の減免というような話もありましたけれども、そういったことも含めて、本会議で御答弁させていただきましたけれども、
道路、公園などの都市基盤施設については、基本的に開発者負担の原則も考えながら今後進めていきたいと思っているところでございます。

2003年12月19日 第3回中野駅周辺まちづくり調査検討委員会議事録
区民代表 開発者負担という意味では、警察病院のほうにも何らかの負担がなされているのかどうか
事務局
 公共施設がないところでそういった方が進出されてくるわけでございますので、進出される方に負担をしていただこうと。要するに開発者負担の原則でいきたいということを、私どもは考えているわけでございます。

2004年7月2日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
来住委員 早稲田通りにあれだけ面していますから、現状でも警察病院は十分建つわけですね。区画道路をあえて3面そこに取り付けなくても、現状でも十分建ち得る。部長が答弁なさったとおりですよ。しかし、先行してその周りの区画街路を整備するということに関して、直接民間の一般の企業がそこに負担を皆さんの方が求めると言っているわけで、F字道路については、区画街路についてはすべて民間に、開発会社に、費用負担は区は一切しませんとおっしゃっているわけですから、それでいいんですねと聞いているわけですよ。いいんですか、それで。
那須井まちづくり総合調整担当部長 私ども、先ほど御答弁させていただきましたように、開発のあり方については、今後調査の中で今年度決めていく。それで、先ほども申し上げましたように、9月のまちづくり計画の中で示していく……。(しばらく、答弁につまる 略)・・・するか、しないかということじゃなくて、現在、開発者負担については、検討をしております。どういう負担のあり方、どのぐらい負担ができるかというのを検討しているわけですけれども、基本的に申し上げたのは、現在、警察病院については、早稲田通りからの建築確認ということになっておりまして、要するに、そこでインセンティブがないと開発者負担をいただくわけにはいかないわけですから、そういったことも含めて検討しているということでございます。
池田委員 それだったら、何で5年後にF型道路をつくる必要があるんですか。この委員会でも議論されたときに、病院に対するアクセスの道路になるとかかんとかと言っていたじゃないですか。ということは、病院が使う道路じゃないですか。建設は早稲田通りだけでできます。そして、F型道路もつくります。しかし、そのF型道路の業者としての病院への請求はいたしませんなんて、全然道理が合わないですよ。最初から崩れちゃっているじゃないですか。それを聞いているんですよ、さっきから。
那須井まちづくり総合調整担当部長 ですから、その検討をしているということです。なお、病院には3面面しているということですけれども、2面面していることは事実でございます。その道路が、道路整備をすることによって、その病院に区民の皆さんがいらっしゃる通路として使うことにもなりましょうし、その道路に面してできてくる施設を利用する皆さんの通行に供するというようなこともあろうかと思っているところでございます。
池田委員 だから、先ほどから来住委員が聞いているのは、病院が負担をしないんだったら、他の企業に負担をさせるんですか、させないんですかということです。そのことだけ答えてください。
那須井まちづくり総合調整担当部長 させるかさせないかということだけで申し上げれば、他の企業に負担をさせることになります。

2005年11月24日中野区議会
○拠点まちづくり推進室長(石橋隆) 警察大学校等跡地の開発負担のお尋ねでございますけれども、この跡地の開発に当たりましては開発者負担の原則で行うこととなっております。このため、10か年計画の財政フレームでは、区が一定の用地を取得することを見込みながら、開発者の負担の原則によりまして道路、公園等の整備を想定いたしております。
 
警察病院も含めました開発者負担のあり方につきましては、今後、計画の具体化に向けまして、地区計画等の都市計画や整備手法などの検討を進める中で明確にしてまいりたいというふうに考えております。

警察病院と道路関連はこちらにもあります

(注8)

警大跡地開発について、就任から調査検討委員会までの田中区長からの説明の変遷

2002年の就任時の所信表明 2002年6月25日
 警察大学校等跡地については、現在ある計画案の実現可能性などを早急に検討した上で、
関係機関との調整も行いながら、計画案の見直しについて考えていきたいと思います。

2003年2月19日 田中区長 所信表明
 さて、ここで中野の将来のまちづくりに大きな影響を与える事項について述べたいと思います。
 一つは、現在、財団法人雇用・能力開発機構から譲渡の申し入れを受けている中野サンプラザの問題です。国の行政改革の一環として譲渡・廃止される雇用・能力開発機構の施設の中でも、中野サンプラザは全国的に注目をされています。サンプラザは中野のまちのにぎわいの中心とも言えるシンボル的な施設です。また、中野駅前にあってまちの玄関口に当たる大規模な用地は、将来のまちづくりを考えたとき極めて重要です。このように取得することの意義が大きい一方で、取得によって過大な財政負担をすることは現在の区の財政状況では許されることではありません。そのため区では、機構と譲渡条件などを協議しながら、区または区が関与する形で取得する方法を検討してきました。
 現在、譲渡の条件として、10年間以上の公共的な形での運営継続、職員の雇用確保などが提示されています。今回の譲渡は国の行政改革の取り組みであり、譲渡を受けたとしても区の財政から経常的な運営補助を行うことは、結局、国民・区民の負担に帰するものであり、行政改革の趣旨に反することとなります。したがって、購入検討に当たってはサンプラザの民営化と経営改善による独立採算化の成否の検討が欠かせません。現在のところは、こうした検討について結論を出すに至らず、さらに協議を詰めているところです。
 サンプラザ売却の問題は、警察大学校等跡地利用や中野駅北口広場整備などとあわせた幅広い視点で考えなければならない、まちづくりの課題を浮き彫りにすることにもなりました。
現在、将来の展望や総合的な計画を描くことのできていない中野駅周辺のまちづくりについて、この際改めて調査・研究を行うことにしました

2003年9月3日(水) 第1回中野駅周辺まちづくり調査検討委員会での、田中区長あいさつ
 皆さん、こんにちは。本日は、中野駅周辺まちづくりの検討委員会ということでお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。
 今、中野区は新しい基本構想の策定の作業を行っております。 21 世紀に入って、日本も地域社会も大変大きな変化を迎えている、そんな時期でありまして、この中野駅を中心とする一帯がどのようになっていくかということが、中野区という地域社会全体にとって大変大きな意味を持つ、そういうことになっております。
 この中野駅周辺というのは、歴史的には大変昔から、将軍綱吉の時代の犬小屋、囲いの時代から、言ってみれば公有地、国有地中心のまちということでありました。そういう中で、中野というまちの性格が形づくられて、現在のような姿を迎えているというところでございます。
 中野というまち全体の性質、性格というものを考えてみますと、現在は都市の中にある住宅地としての生成をみて今日を迎えているわけであります。そういった意味では、この中心部がかなり大きく公有地によって占められている、そこを中心に市街地が形成されていったというようなことも、かなり大きな影響があったのかなと考えているところであります。
 中野という自治体のこれからの将来を考えていく上で、住宅地という性質、これにかなり偏った形で発展してきたこのまちのあり方が、このままでいいのかどうかといったようなことは、立ち戻って考えなければいけない課題になってくるだろうと考えております。今後の自治体のあり方、自治の力を確保しながら、地域の住民の福祉やまちづくり、市民生活を活性化していくということの中で考えなければならないのは、やはり住宅機能だけではなくて、業務的な機能、あるいは人が集まる機能といったようなことについても考えていかなければならないだろう。そうした中での地域の賑わいという中から、地域全体の、自治体全体の力を底上げしていくということも、必要になってくるだろうと思っているところであります。
 そうした意味で、この中野駅周辺が基本的には利用されていない。特に警察大学校の跡地というのは、現在は全く利用されていないわけでありますので、これからの中野区のまちづくり、将来を語る上で、この警察大学校の跡地をどのように地域社会の中で生かしていける形にしていくのか。また、その警察大学校を含む中野駅周辺一帯、この区役所、あるいはサンプラザ、あるいは北口広場、さらに中野駅の南口には東京都住宅供給公社があったりするわけであります。一方、北口の中野通りを挟んで東側の方には中野5丁目、昔からの市街地がそのまま残っているわけであります。そうした全体の構成をどう考えていくのか。その全体の構成の中で、中野区という地域のあり方をどうつくり出していくのか。その最も中心となるこの中野駅周辺をどうつくっていくのかというのが大きな課題であり、実は私ども区民にとりましては、中野というまちの発展性を考えたときに、駅周辺にこれだけ、これからつくれる要素を持った地域があるということは、大変大きな希望であり光であるわけであります。この中野駅周辺のまちづくりを通じて、中野区の将来を大きく展開させていくということを、これから皆さんと一緒に議論させていただきたいと思っているところでございます。

・・・・・この1年間にあったことは、サンプラザの売却問題、清掃工場建設中止、中野駅周辺まちづくり計画の業者との契約がある。業者からは日建設計へ再委託されたが、警察病院、中野サンプラザにも、かかわる大手コンサルとして重要な役割を果たしている。

(注9)

@中野区のHPで紹介されている、ご意見・ご要望>寄せられた区民の声>寄せられた区民の声(2006年08月) ・・・警察大学校等跡地の開発について

回答日 2006年8月4日
区民の声
■警察大学校等跡地に開発について
 中野区は「広い公園の確保は、中野区の財政状況もあり困難であること」また、公園などは「開発者負担」で整備するということを明らかにしてきました。しかし、中野区の「開発者負担」の考え方は、これまで示された内容から変更されています。そこで、以下の点についてうかがいます。
1.F字道路、公園の整備にあたって、「区が先行的に土地を取得。その後、開発者に応分の負担をしていただく。その仕組みを作っている段階。応分の負担をとることに変わりはない」といいますが、処分方針を検討した際に示された「国が損を生ずる(開発者負担のため安価で売却するなど)ような売却はできない」とする財務省の見解と矛盾することになります。財務省とは、どう調整していますか。
2.地区計画をつくる段階では、実際の土地を利用する地権者が決まっていませんが、中野区は都市基盤施設の整備を完了しない段階で「応分の負担」を求めることを明らかにしています。では、将来の地権者に、何を基準に、どのように算段して「応分」とするのですか。明らかにしてください。
3.その「応分の負担」を求める法的な根拠を明らかにしてください。
4.「応分の負担」をしても「容積率のボーナス」をあげては利益になっても負担になりません。どうやって「応分の負担」を算定し、何をもって「応分の負担」と説明するのですか。
5.警察病院に対しては、「応分の負担」をどのように求めますか。
6.警察病院の容積率は200%ですが、中野区が調査委託した報告書、財務省が調査委託した報告書などにはF字道路の北側を300%等とする考えも提案されています。もし、中野区も同様の考え方をして、実施されるようなことがあると、まちづくりとして、きわめて一貫性のないものとなりますが、中野区としてはどのように考えていますか。

対応
■警察大学校等跡地に開発について
 中野区としては、公平公正の観点から、警察大学校等跡地で開発を行う全ての者に対して、
都市計画施設整備に関する応分の負担を求めていく考えです。現在、関係機関との調整を図りながら、その具体化について検討を進めているところです。 

■関連分野
拠点まちづくり分野

A財務省は、機会あるごとに住民には開発者負担をするつもりはないと言ってきた

 11月7日、警察大学校跡地開発問題を考える杉並区の住民・住民団体が、財務省・尾身幸次大臣宛に、警察大学校跡地の処分方針の見直しを求める要請をしました。

 その際に、開発負担の問題について、財務省は、「F字道路、防災公園は都市計画決定したもので、区の負担で整備すべきもの。その後、どう負担させるかは、中野区が考えること。しかし、財務省は負担するつもりはない」との見解を示しました。

詳細は、こちらへ

B12月5日区長対話集会での開発者負担を中心にした、拠点まちづくり推進室・石橋室長の説明

12月5日の区長対話集会での区としての説明

 12月5日の区長対話集会で、開発者負担の問題は、拠点まちづくり推進室・石橋室長より、下記のように説明されました。この対話集会で示すことができた開発者負担が順調にすすんでいる根拠としては、@まちづくり協力金を寄付として徴収する。A横浜市で、うまくいっている。B財務省とは調整済み、ということにまとめることができます。

区長対話集会での開発者負担を中心にした、拠点まちづくり推進室・石橋室長の説明(参加者の記録)

 こちらに、中野区の発表した議事録がありますので、いかにのちのち中野区が内容を都合の良いように加工して発表しているかがわかります。

警大の道路、公園の予算をどのくらいみているのか?

中野区は都市計画道路1.6haと都市計画公園1.5haの用地を取得し整備する。
都市計画公園は0.5は囲町公園の付替えで無償貸付、残りのうち3分の1は国の交付金がでるので3分の2を区が取得する。
金額はまだ決まっていない。内示(1月頃)の段階でわかる。

どうして金額が出ないのか

中野区は買う側だから、言わない方がいいので、言えない(区長)

中野駅の開発の範囲と期間、どのように進めていくのか?

50haから80haで(まだ流動的)、20年を目途。
全体の事業費は試算していない。民間の資金を活用して、中野の負担を少なくする。

開発者負担について

開発事業者等から任意の寄付金として「開発者協力金」を徴収する、開発協力金は、まちづくり基金条例を活用。このしくみは議会で理解をもらった。
全体のスキーム(どういったものに使うかなど)についてはまだ出来ていない。
開発の協力金は任意の協力金としてもらう。
横浜市で例があり、当初の目論見どおりできている。
区はあらかじめ金額を提示し、財務省に売却条件として入れてもらう。

寄付金をもらう根拠は?

更地を区が取得し、道路、インフラを整備することにより、開発者は利益を得る。

開発者へのしばりは? 達成できな場合、税金で負担することになるのか?

協力してもらえるし、財務省がそれを前提で入札にかける。
(税金に関しては回答なし)

(注10)

2004年5月からの財務省とおこなった打ち合わせについて

 財務省との打ち合わせでは、議会での開発者負担との説明とは異なり、区が高層ビル誘致勢力の代弁をしていることがよくわかります。「開発者への容積率アップのボーナス分で範囲内で公開空地、公園、道路等の整備を行ないたい」「採算ベースからみて入札参加できる開発者負担」「「過度な計画条件・制約は土地利用の妨げとなる」「開発業者によるまちづくりの自由度を確保しつつ、必要不可欠な開発条件とする」など、中野区の姿勢は、開発者あっての開発者負担であることがわかります。

04年5月12日の打ち合わせ
 中野区の「開発者への容積率アップのボーナス分で範囲内で公開空地、公園、道路等の整備を行ないたい」「区として誘致したい大学もある。採算ベースからみて入札参加できる開発者負担はどの程度であるか、入札参加者の有無等のサーチ、検討を日建コンサルタントに委託した」との発言が記録されている。
 すなわち、公開空地、公園、道路整備は、開発者への容積率アップのボーナス分で範囲内のもの。しかも、開発者負担とは、あくまでも入札参加できることが必要条件という程度のもの。そのために、リサーチが必要だという。
 一方、国は、中野区の計画について、特に「一部入札、一部随契であると開発者負担を同時進行させることは困難」との見解を示し、「入札部分と公共随契部分はどこの箇所をどのような用途でどの程度の面積必要であるか提出を」と中野区の計画の不十分さを指摘している。

2004年5月21日の打ち合わせ
 この日、まちづくり計画のスケジュール等が書かれた資料が提出された。これは、一体だれが作成したもので、だれの責任で提出したものなのか?中野区は議会にもこれまで提出していない資料が、財務省の打ち合わせには流れている。
 それはともかく、ここで問題にするのは、その資料を見る限り、中野区は杉並区との調整は一切考えていないということが言える。かつ、住民合意の手続きも、地区計画の縦覧手続きのみしか検討されていない。一方、民間開発業者との関係は、「過度な計画条件・制約は土地利用の妨げとなるとともに、土地の処分価格に影響」「事業ニーズ等の事前サウンディング」「開発業者によるまちづくりの自由度を確保しつつ、必要不可欠な開発条件とする」など、事業者決定のまでの段取りが検討されている。

 要するには、この計画は中野区の主体性ですすめるものではなく、業者の需要に合うように地区計画がつくられ、すすめらるというものである
 一方、国からは、中野区は「入札実施となった場合の感触は、
大手デベロッパー数社に尋ね、条件によるが参加要望ある」としたものの、「公園、道路等の公共負担を開発者負担とした場合のシュミレーション、試算表の作成、入札した場合の地元メリットは何かの検討を」「随契、入札の落札者別々に道路整備、公開空地の提供を求めた場合に区の構想通りに行くか疑問」と、前回同様に、区の計画のずさんさを指摘された。
 なお、3月30日にあらためて提出された財務省の打ち合わせ記録(議会HPに掲載された時点でリンクします)には、まちづくり計画のスケジュール等が書かれた資料が提出された。

 財務省との打ち合わせ内容の根拠となるのものは、「警察大学校等跡地に関する中野区と財務省の打合せ記録(財務省提供のもの)について」です。これは、中野区議会に資料提出されたものです。ここで利用した添付資料は、この次に開催された議会で提出されたもので、この時点では出されておりません。また、議会質疑の議事録がださるのに、時間がかかりますので、指摘した点が議会質疑でどうされたのかの確認は現時点ではできません。

 なお、中野区に中野区として財務省との打ち合わせについて記録したものを情報公開請求をしましたが、中野区としての記録は「不存在」との通知が届いた。すなわち、財務省の記録を内容を否定するものは、中野区の記録としては、持ち合わせておりません。

この打ち合わせの目的

 スケジュールの把握と、開発者負担について過度な負担になると計画が破綻するので、中野区の考え方を確認するというもの。

  1. その中で中野区が「採算ベースから見て入札参加できる開発者負担はどの程度であるか、入札参加者の有無等のリサーチ、検討を日建コンサルタントに委託しました」と説明している。しかし、そんな委託契約は、中野区の公式文書の中にはない。
  2. この5月12日の時点で、中野区と日建設計の間には何の契約関係もありません。なのに、このような打ち合わせに参加。また、この打ち合わせの記録についても、中野区には公式記録としてありません。

この打ち合わせの問題点

(注11)

日建設計は警察病院の実施設計者だった。
2003年の「中野駅周辺まちづくり計画」の調査委託が始まり、区は随意契約で(財)新都市建設公社に発注したが、
実質的に日建設計が調査委託の契約者となった。
(財)新都市建設公社から警察病院の設計者である日建設計へ再委託された本当の理由

(注12)

@2003年度には、(財)新都市建設公社に発注後、開発者負担は区画整理事業だけではないとの議論が

2003年11月10日中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
○久保田まちづくり課長
 (開発者負担に関連する代表的な面開発の手法は)一つは、都市計画法に基づく開発許可による開発行為というものがございます。また、もう一方で、開発者負担というものが法的に確立されております区画整理事業といったものがございます。(略 そのほか)一定の土地所有者等が協定を結んでその費用の負担をするというようなことも考えられるということで、現在この調査検討委員会の事務局の中で検討しているというようなものでございます。

A2004年度の「中野駅周辺まちづくり計画作成等支援業務」は、契約に先立ち計画の重要な変更がされていた

(財)新都市建設公社への特命随契約は、2003年度、2004年度と2年に渡っておこなわれた。1回目と、2回目の契約先の選定理由はことなる。

(注13)

財政状況と「開発者負担」の関係の説明から・・・・・いくつかを拾いました

平成15年7月8日中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
那須井まちづくり調整担当部長 御指摘のように、もちろん中野の財政事情というのは痛いほどよくわかっているわけでございまして、まちづくりにおいては、こういった財政事情の中でいかにまちをつくり上げていくことができるのかという視点に立って、身の丈という話もございましたけれども、もちろんバブル期とは状況が一変しているわけでございますから、そういったことも踏まえながら、しかも区民への貢献度をいかに高めていくかということを前提にまちづくりをしていかなければいけない。そういったことで、先ほども開発者負担によるまちづくりを追求したいというようなことを御答弁させていただいたわけでございます。今、半年というお話もございましたけれども、区民を交えたいろいろな御意見を伺うのはそのぐらいからになっていきますけれども、もう既に新しい組織が4月にできて、検討も順次しているところでございます。それを皆さんにここでお示しするところまでは至っておりませんけれども、委託もいたしまして、そういったことをきちんと整理いたしまして、財政負担によって中野区が危機的状況にならないようなことをきちんと考えながらまちづくりをしていきたいと考えております。

2003年9月22日本会議
那須井幸一まちづくり調整担当部長 次に、区の財政負担を軽減する方法で整備をとのお尋ねでございますけれども、まちづくりの財源といたしましては、国や東京都などの補助金、それから起債などがあるわけでございますが、どのような事業手法を選択するかによりまして、さまざま考えられるわけでございます。当まちづくりの基盤整備に当たりましては、開発者負担を追求するなど、できる限り区の財政負担を軽減できる方法で検討してまいりたいと考えてございます。

2004年4月12日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
那須井まちづくり総合調整担当部長  ただいまの御指摘でございますけれども、目黒区の物の言い方といいますか、それについては課長からお答えしたとおりでございます。例えば仮にお尋ねになった方が、区の負担がないと言ったとすれば、それについて私ども、どういう意図なのかというのはわからないわけですけれども、もちろん私ども、こういった資料をつくるに当たって目黒区の所管にいろいろ話を聞いています。その結果が先ほど課長が答えたとおりでございますけれども、これについては 。その額については、今、目黒区が具体的な数字を私どもに示しているわけではございませんけれども、これについても一定の負担があるということだと思います。
 それからもう一つ、こういった制度を検討ということでございますけれども、
私ども、公園に限らず基盤整備をするに当たってもいろいろな制度の検討をして、一番いいものを導入するということについては、まさしく私ども検討しているわけでございますけれども、この警大跡地については、その中でも一番いいと考えているのは開発者負担による公共施設の整備ということでございまして、その開発者負担によって、区の財政事情、大変厳しいわけでございますので、区の持ち出しが過大にならないように努めることが我々しなければいけないことだと思っているところでございます

 

(注14)

2007年2月21日 中野区議会本会議   

・・・用地費は国の補助金、都の負担、都市計画交付金、その他の特定財源・・・

田中区長 警察大学校跡地の用地取得に86億円ものお金を使うといった御質問がありましたけれども、これについては都市計画事業として行うものでありまして、国の補助金、都の負担、都市計画交付金、その他の特定財源が充てられるという見通し、またそれに加えて、開発者負担も求めていくということで、持続可能な区政、そしてまちづくりの前進が図れるというふうに考えているわけであります。

2007年2月27日、中野区議会の予算特別委員会での、警大跡地開発について予算に関する質疑(要約)

・・・都市基盤整備の開発者負担は必要なくなった・・・・・

議員 内示された予算と区議会に上程された予算案が違うが、どこが違うか

区側 道路用地の取得費は国と都支出金と起債によってまかなう。それによって、一般財源をほとんど使わない。公園用地の取得費は、東京都の制度が変わった。詳細はまだはっきりしないが、道路と同じようになれば、一般財源はほとんど使わない

議員 都市基盤整備の開発者負担は必要なくなったということだ

(注15)

都市計画法

(公共施設の用に供する土地の帰属)
第四十条 開発許可を受けた開発行為又は開発行為に関する工事により、従前の公共施設に代えて新たな公共施設が設置されることとなる場合においては、従前の公共施設の用に供していた土地で国又は地方公共団体が所有するものは、第三十六条第三項の公告の日の翌日において当該開発許可を受けた者に帰属するものとし、これに代わるものとして設置された新たな公共施設の用に供する土地は、その日においてそれぞれ国又は当該地方公共団体に帰属するものとする。

2 開発許可を受けた開発行為又は開発行為に関する工事により設置された公共施設の用に供する土地は、前項に規定するもの及び開発許可を受けた者が自ら管理するものを除き、第三十六条第三項の公告の日の翌日において、前条の規定により当該公共施設を管理すべき者(その者が地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務(以下単に「第一号法定受託事務」という。)として当該公共施設を管理する地方公共団体であるときは、国)に帰属するものとする。

3 市街化区域内における都市計画施設である幹線街路その他の主要な公共施設で政令で定めるものの用に供する土地が前項の規定により国又は地方公共団体に帰属することとなる場合においては、当該帰属に伴う費用の負担について第三十二条第二項の協議において別段の定めをした場合を除き、従前の所有者(第三十六条第三項の公告の日において当該土地を所有していた者をいう。)は、国又は地方公共団体に対し、政令で定めるところにより、当該土地の取得に要すべき費用の額の全部又は一部を負担すべきことを求めることができる。

(注16)

開発者負担の方針変更は、今後どんな問題を起こすのか

 これまで財源がないので道路と公園は開発者負担で整備すると言ってきたのを、中野区が整備して後から開発者負担を求めるとの方針変更で、今後どのような問題が生じることになるのでしょうか。・・・・・2006年2月に発表された方針変更

@地区計画をつくる段階では、実際の土地を利用する地権者が決まっておらず、全面的に土地所有者が財務省のみ。その財務省は、これまでの四者協議で「都市再生や経済活性化等の観点からも利用を促進する必要がある」(四者協議会座長)、「国損を生ずる(開発負担のため安価で売却する等)ような売却はできないことは当然である」「都市計画道路及び防災公園を全て開発者に整備させ区へ帰属させる案は、事業者(土地取得者)に過度な負担を求めるものであり、そのような条件で跡地を売却することは困難である」(財務省)という姿勢で中野区に開発者負担の方針を変更させた。その意向を入れずして、「応分の負担」はあり得ない。また、財務省は方針変更させたことの担保を中野区に求めてくることになる。となると「応分の負担」とは?

Aいずれ決まるであろう地権者は、中野区が都市基盤施設の整備を完了しない段階で、「応分の負担」を求められることをどのように算段して「応分」とするのか。また、多額の税金を投入してつくることになる都市基盤施設の負担を強いられる中野区は、地権者が決まっていない段階で、だれに対して何を担保に、何を基準に「応分の負担」の確保を、区民に断言するつもりなのだろうか。

Bいずれにしても、負担なのか利益なのかわからない「応分の負担」と「容積率のボーナス」などという関係、どうやって「応分の負担」を算定し、何をもって「応分の負担」と説明できるというのだろうか。

C杉並区は、四者協議で、「開発者負担」にはきっぱりと反対している。税金を投入して整備してしまった後に、反対している開発者にどうやって「応分の負担」させるというのだろうか。警察病院に負担を求めていかないとすると、どのような理屈をつけて関係者の合意を得るつもりなのだろうか。

Dすでに、住民の意見を頑なに拒否してすすめてきた計画案であっても、開発者の意向となれば区画道路2号の中野区案などは変更させられた。計画のなし崩しなのか、「応分の負担」なのか、明確に住民に説明できるのか。

(注17)

開発者負担方式のもとでは、行政の姿勢如何で、住民よりも開発者の意向で計画は左右されてしまう

その1 開発者負担で区民が願っていた方向と異なる計画が

 開発者負担でやったと中野区が説明している港区檜町公園を見ても、開発者の勝手な開発を規制できなければ区民が願っていたものとのは異なる結果になり問題になることははっきりしている。

港区議会2004年9月17日・第3回定例会 日本共産党・北村利明議員の質問より
 次は、区立檜町公園の整備についての質問です。区立檜町公園の整備事業は、区民も参加し、三井不動産もオブザーバーで加わったワークショップ方式で整備計画が検討されてきました。しかし、区が最終的に示した整備方針は、三井不動産が防衛庁跡地計画で当初描いていた檜町公園と全くと言っていいほど同じものでありました。ワークショップでは、参加した区民から、公園のイメージは高低差の解消ではなく、現状の地形を生かした整備、弓道場の存続などが圧倒的な声でした。結局、区の判断で最終的な決定がなされたのです。形は区民参加となっていますが、結論は、三井の描いた整備計画にしたというのが今回のワークショップだったのではないでしょうか。区民が願っている方向で検討し直すべきです。

都議会2004年8月26日・都市整備委員会 日本共産党・渡辺康信議員の質問より
 もう一つ、この防衛庁跡地の開発ですが、これも一点だけ。この案件については、これも前に質問しておりますので、簡単にお聞きします。この港区立檜町公園につきましては、防衛庁跡地との落差が大きい、そのために防衛庁跡地の公開空地と檜町公園を一体のものとして活用した方がよいとのことで、この落差をなくすことで進めることになった、こういうふうに聞いています。そのとき地域住民は、檜町公園の池と弓道場を残してもらいたいと区に陳情された。港区はそれに対応して、住民から成るワークショップを立ち上げさせて広く意見を集約し、区に提出するように求めた、こういう経緯があるというんですね。この幅広く集められた意見の中には、池はいうまでもありませんが、弓道場の存続を強く求められていると。したがって、今回の計画の中には弓道場がないということなんですね。したがって、住民、区民は皆何ていっているかというと、ぜひ弓道場を残してほしいと。これをつくらないということになっちゃうと、港区が、ワークショップそのものをただただ活用しただけ、何か隠れみのにしたんじゃないかという言葉まで出てきておるわけなんです。したがいまして、私提案しますけれども、港区長とそれからコーディネートしている三井不動産、ここに対して、弓道場を残してほしい、こういうことで強く申し入れというのか、要望するということなのか、そういう方向で取り組んでいただきたいというふうに思いますけれども、いかがなものでしょうか。

その2 開発者負担の範囲は?公共施設の管理は?

 これまでの区議会での議論を整理すると、(あくまでも希望的な意向表現でしかない、あいまいなものであるが)以下のようになる。しかし、中野区が明らかにした「中野駅周辺まちづくり計画」(2005年3月30日発表)では、まったくふれられていない。中野区が開発者負担を強調するが、具体化にはまったく確信、自信が無いと言える。これでは、開発者の思うがままにされかねない。

開発者負担の範囲=区画街路1・2号、公園、オープンスペース、公開空地。(03/12/5、04/3/22、04/05/28など警特委)

管理          道路=区  公園、公開空地=今後いろいろ検討(04/05/28警特委)

公園管理のランニングコスト=区の負担が課題(過大の間違い?)にならないような管理というものは当然ある(04/05/28警特委)

2003年12月5日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
久保田まちづくり課長 基本的には開発者負担で都市計画決定をした区画街路1・2号についても整備を図っていきたいというふうに考えております。

2004年3月22日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
久保田まちづくり課長 一つは用地を取得される方、建物を整備される方に公園と道路といった公共施設について整備をしていただくというような、開発者負担で公共施設の整備を図ったらどうかというのが今のところの考え方でございます。これについては、どのような整備を行うかということについて、都市計画として例えば地区計画というようなものをかけまして規制、誘導を図っていきたい。その中であわせて現在の用途地域の見直しといいますか、公共貢献に合った容積率の付与というようなことを都市計画の中で定めて誘導を図っていくというような方法があるかと思っております。そういった誘導を都市計画権限を持っております区なり、都なり、そういう行政がまちづくりについての枠組みをつくって、主体的にまちづくりを進めていくという役割を果たしていくんだというふうに認識をしております。

2004年5月28日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
豊川中野駅周辺整備担当課長 それから御質問の後段のことについてでありますが、中野駅周辺地区におきましては、これは中野区役所周辺という広域避難場所に指定しております。当然、これは避難する人口が決まっておりますので、必要な面積というのはおのずから出てくるわけでございます。これは公園ですとかオープンスペース以外にも、民間の、例えば建物、敷地、あるいは区役所の前庭なども参入できるわけでございますが、こういったことの参入、それからあとは、今回予定しております開発者負担のオープンスペース、公開空地、そういうものをすべて足し合わせて、なお不足する場合には、区の方としましても、何らかの方策を検討するというふうなことは考えておるところでございます。

2004年5月28日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
かせ委員 (略)(区立公園の)管理者というのは中野区なんですよね、区立公園の場合には。それで、管理者負担金という義務づけが出てくるのは、だから、だれが管理者になるのか。管理者というのは施行者と全く別であってもいいわけですよ。今後の費用負担については、管理者がどうなるのかということに非常に決定的になると思うんです。(略)
豊川中野駅周辺整備担当課長 そのあたりの管理者がだれになるのかということにつきましても、今後地域と協議をするというふうなことで聞いてございます。
かせ委員 そのことについては、開発を進めるときに非常に重要な問題になるんですよ。後々の問題じゃないんです。それは既に計画の中に決まっているはずだと思うんですね。これをはっきりさせていただきたいと思います。わからなければ、後で調べていただきたいんですが。
那須井まちづくり総合調整担当部長 この公共施設、こういった面的開発をしますと、道路というようなものは、例えば中野区でも区画道路とか警察大学の土地はありますけれども、そういったものについては、将来管理者は当然区になるというふうに想定されます。(略)オープンスペースとして使うこと以外に使い道はない、そういうふうに規制された土地ですけれども、そういった土地、民間が管理し、民間がその管理費用も出すということでございますので、先ほど課長が申し上げましたように、将来の区域の地権者と協議をされて管理がなされるということになります。
かせ委員 (略)だれでも使える、例えば公の公園ということになると、これは公共施設になります。そして、その公共施設の場合には、このように書かれていますね。施行者が公共施設整備を行う場合、公共施設の管理者または管理者となるべき者に対し、その整備費用の全部または一部を負担することを求めることができると。これにより支払われる費用を公共施設管理者負担金ということなんです。ですから、開発者が公園を整備して、公共の用に供しますという、公共施設ということで行政との話し合いがつけば、これは公共施設なんです。そうした場合には、一部または全部を開発費用を管理者に要求することができる、これが法律の解釈のようなんです。というと、先ほど言った管理者がだれになるのか、どういう公園になるのかというのは非常に大事なんです。だれがつくったかということじゃないんですよ。そこのところをはっきりさせていただきたい。
那須井まちづくり総合調整担当部長 今の法律の規定、基準等でございますけれども、先ほど私も申し上げましたように、公共施設、例えば警大跡地と道路等については、恐らく将来管理者は区ということになって、区が管理負担していくわけですね。だけれども、こういった港区の防衛庁跡地のようなオープンスペースについて、どのように管理していくかというのは、やはりその地域で決めていくのであろうというふうに思います。それに対して、一般に開放するので区の負担を求めると、地域からそういった要望があることももちろん想定されますけれども、基本的には、この全体の開発の中で考えていくことだと思っております。ですから今これについて、どういう管理者、どういう負担になるのか明確に述べよというのは、なかなか難しいと考えております。
池田委員 そうしますと、それは中野区の場合にも同じ考え方になるわけですよね。
那須井まちづくり総合調整担当部長 そのようなことについて、同じになるかどうかというのは、今後この開発をどのように行っていくかという中で決めていくことだと思います。場合によると、地区計画という制度を使っておりますので、参考になる事例だと思っております。
池田委員 (略)オープンスペース、公共空地は、(略)区が管理するということになる。そうしますと、それに必要な管理費というのは当然出てくるわけですよね。今まで中野区がなぜ公園を買わないのかという理由の一つに、ランニングコストが膨大になるということをあなた方は何度も答弁されておりますけれども、結局同じことじゃないですか。ランニングコストについては、開発者負担でもってオープンスペースを出させても、結局は中野区の負担になるということで、公園が買えないということの理由に、ランニングコストを持ち出してくるというのはおかしいことなんじゃないですか。
那須井まちづくり総合調整担当部長 (略)公共空地につきましては、先ほども答弁もさせていただきましたように、今後いろいろ検討していかなければいけないことだと思っています。今、ここで、にわかにこういう管理、こういう負担だということが言える状況ではございません。しかしながら、私どもはランニングコストが公園をつくったときと同じとか課題になるというようなことは、選択肢の中には考えておりません。区の負担が課題にならないような管理というものは、当然あると思っています。基本的に、地元の開発者に関係するこの土地を開発し利用される方々の負担を求めていくことになると考えております。

(注18)

清掃工場ができなくることが明らかになってからわざわざ道路拡張の都市計画変更・・・しかも、「中野区の財政は非常に厳しので道路は開発者負担でやる」と明言(2003年9月9日)
どういう全体の計画になるか不明、かつ道路拡幅の分「開発者負担」は高まるのにきわめて安易に道路拡張の都市計画変更を急いだ。
F字道路は聖域のままで良いのか?

(注19)

協力金にたいする減税の可能性まで検討

 開発者負担については、すでに出しても出さなくもよい寄付金方式で、しかも、だれから集めるからもはっきりしないという「開発者協力金」にに変質したわけですが、区長は、そうした「開発者負担」を出してもらいやすくするために減税の可能性まで検討を進めていたことを2006年9月20日の区議会で報告しました。
 これでは、容積率のボーナス、減税で、「寄付するのはどちら?」と聞きたくなります。

2006年9月20日 中野区本会議
田中区長 こうした仕組み(開発者負担として協力金を求めること)の実効性を担保するためには、開発者等にインセンティブを与えるということも重要であると考えているわけでありまして、負担金に対します税制上の優遇措置が適用できるのかどうか、そうした可能性についての検討も行っているところであります。

しかし、中野区としてはなんの検討もおこなっていないことが明らかになった。中野区政は、区民のあずかり知らないところで動かされているようだ。

2007年2月8日、田中区長の記者会見で発表された「財政運営の考え方」では、2007年度に「まちづくり開発協力金」を40億円見込んでいるようですが、それでよろしいのでしょうか?・・・区への質問

拠点まちづくり推進室秋元参事からの回答 「財政運営の考え方」において、H19年度に「まちづくり開発協力金」を40億円見込んでいます。

(注20)

本当の寄附とは

 もし開発業者に真に寄附しようという心があるなら、住民は訴えます。この貴重な公有地を購入していただいたなら、貴重な緑地をそのまま、21世紀に寄附してほしい。
 スタ椎を、ゆりの木を、関東たんぽぽを、虫たちを、鳥たちを、警大跡地に生きているすべての動植物をそのまま、21世紀に寄附して欲しい。

(注21)

2007年6月21日 区議会本会議 田中区長
 それから、警察大学校等跡地の都市計画道路、都市計画公園についての御質問であります。
 都市計画交付金、財調交付金の算入についてでありますが、
都市計画道路及び都市計画公園につきましては、都市計画交付金の対象となるわけであります。平成19年度からは、東京都が交付いたします都市計画交付金の対象となります都市計画公園の面積が従来の2ヘクタール以上でなければならないとされていたものが1ヘクタール以上に緩和されることになったわけであります。これによりまして、警察大学校等跡地に整備をする防災公園もその対象となったわけであります。このことは、ことしの2月23日の都議会における総務局長の答弁の中で明らかにされているところであります。都市計画交付金の対象になったということでありまして、その事業の起債相当額については、都区財政調整交付金で措置されることになっているというわけであります。

(注22)

2004年2月23日、区が都市計画道路と公園の用地を取得せずに、開発者に負担させる方式について、「財務省は概ね承知」という認識であると説明。

2005年2月には、この「開発者負担」手法を「最も効果的」とし説明し、5月に「区の財政負担がない」都市計画道路と都市計画公園の「開発者負担」手法をとる「中野駅周辺まちづくり計画案」を発表。

5月の「区の財政負担がない」として、「中野駅周辺まちづくり計画案」を発表したことについては、さらに詳細に

2005年5月9日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会

那須井まちづくり総合調整担当部長の答弁より

  1. 開発者が負担するという公平な負担の原則、ここに進出してくるものが道路や公園もつくる、今は何もないわけですから、区が税金で公園や道路をつくって、そこに何も労せずして民間企業が出てくるということは考えておりません。
  2. 何度も申し上げていますように、区の負担がないように開発者負担ということでこの事業をやっていきたい。これは、2年間いろいろと検討してきましたけれども、一貫して私どもが御説明させていただいた内容でございます。
  3. ここに進出したものが利益をほとんど道路と公園に供出していただく、こういう負担の公平性、何度も申し上げますけれども、区がつくった道路で土地が高くなって財務省だけが喜ぶとか、財務省だけが利益に浴するとか、そういうことではなく、開発者負担の原則というものを用いて、この事業をやっていきたいと思っているわけで、ここで区のお金は幾らかかるんだ、幾らかかるんだと言われても、開発者として土地を買うということがあれば、それは別ですけれども、原則としては、そのような計画はありません。
  4. 開発者負担でやりますので、区の負担がございませんので、財政計画というようなものをこの計画書には添付してはございません。

2006年2月21日、「事業主体としては区が施行者となり、まちの骨格となる都市基盤の整備を行うことといたしまして、開発者からは、それぞれの利用状況を勘案しつつ、応分の負担を求めるという方法が最も適切であると判断をしたところであります」と説明。 区報、HPでの説明

 

(注23)

区民と区長の対話集会 2007年9月13日(木) 19時から 新井地域センターにて、テーマ「自由討議」

その中で、警大跡地開発問題も取り上げられましたので、その部分の要旨を紹介します。

@現在も区長が言っている「開発者負担」は最初の話と違う

区民       警大跡地開発の都市計画道路と公園について、田中区長は「税金を投入しないでつくる」「ここに進出してくるものが道路や公園をつくる」「区がつくった道路で土地が高くなって財務省だけが喜ぶとか、財務省だけが利益を得るという」ことにならないように「開発者負担」という手法でやるとして、2005年5月に「中野駅周辺まちづくり計画」をつくった。
 その後、いざ土地を処分する段になると、財務省に「開発者負担」で道路、公園をつくることは認められない言われて、2006年3月の議会で区長は「開発者から、それぞれの利用状況を勘案しつつ、応分の負担を求めるという方法が最も適切であると判断をした」といい、HP、区報でも「都市計画道路と防災公園について、開発者負担の原則で整備するため、区が施行者として用地取得や工事などを行い、開発者からそれぞれの土地の利用状況を勘案しつつ応分の負担を求めます」説明してきた。
 今年6月の議会で区長は「道路と公園は税金で購入する。開発者からも負担を求めない。利益を得る開発者からは寄附金を求めるが、それは駅前の開発に使うためのものだ」と言っている。
 これは、最初の話と違う。
区長  開発の中でメリットを享受する方がでる。開発がまち全体のメリットにもなる。受けるメリットに応じて、負担をしていただくと言ってきた。変更したのは、公園、道路についてまちづくり交付金、都市計画交付金などを活用するようにしたこと。負担は協力金としてもらうが、それを警大跡地の開発によって駅周辺全体の影響をうけるので、警大跡地に限定するのではなく、駅周辺全体について協力金を活用していきたいとなった。
区民  警大跡地の道路、公園土地取得で104億円の税金をつかうが、104億円について開発者にどう負担はさせるのかは不明だ。自警会、杉並区、財務省に駅前開発の寄附金を負担してもらうというが、駅前開発のために本当に自警会、杉並区などに負担をしてもらうことができるのか。要綱でとろとしているが、法的効力がないのでとれない。とろうとしても裁判をやられれば各地で負けている。田中区長はどうやってとるのか。杉並区、自警会に負担をさせるというが、杉並区は中野区と同じ自治体で負担をさせるには法律で細かく規定されている、どういう法理にもとづいて杉並区に負担をさせるのか、同様に自警会もだ。そもそも、開発者に負担をさせるといってきたが、あなたが開発者負担させるという話には情報公開請求しても、あなたの名前で決定通知書がくるが、どれも「根拠となるものがない」という結果になっている。
区長  インフラ整備に開発者のみなさんに負担をしていただきたいと、お願いしている。みんなが「負担する」という方ばかりではない。ただ、これから開発者になってもらう方には、財務省の入札案内で開発者協力金について協議することを入札の条件にしてもらい、了承いただいている。他の方にも、条件整備に負担をしてもらいたいと思っている。負担は当然だ。
区民 要綱の法的な効力はないが
区長 たしかに、法的な拘束力はない。
区民 認めるんだね
区長 中野区が、開発者にまちづくりに協力をお願いしている。
区民 願望にすぎないわけだ
区長 ・・・・・・・・

A2004年2月の「財務省も承知」はウソだったのか

区民 2004年2月、議会で「開発者負担」について「財務省も承知」という区長発言は嘘だったのか。
区長 うそではない。開発者協力金をもらう。
区民 情報開示請求しても、その根拠となるものが「ない」となっているが。
区長 私が財務省から聞いた話だ。
区民 そのような行政間のやりとりした内容は、通常は「話」ではすまない。そういうのは、裏話だ。
区長 そうですか。

(注25)

都市計画道路と都市計画公園についての用地取得と整備費にかかる費用の開発者負担について検討してきた資料はありません。

(注26)

この調査の内容が、『中野駅周辺まちづくり計画作成等支援業務委託』にもとづく納品書(2005年4月22日 中野区議会へ提出)として、「基盤手法の検討」という頁がある。

(注27)

結局、中野区の都市計画マスタープランは矛盾がさけられず、手続き的には極めて問題ある方法がとられた

都市づくりビジョンとの矛盾はこちらを参照

(注28)

土地区画整理法 第3条より

(土地区画整理事業の施行)
第三条 
宅地について所有権若しくは借地権を有する者又は宅地について所有権若しくは借地権を有する者の同意を得た者は一人で、又は数人共同して、当該権利の目的である宅地について、又はその宅地及び一定の区域の宅地以外の土地について土地区画整理事業を施行することができる。ただし、宅地について所有権又は借地権を有する者の同意を得た者にあつては、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社その他土地区画整理事業を施行するため必要な資力、信用及び技術的能力を有する者で政令で定めるものに限る。
2 宅地について所有権又は借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は、当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。
3 宅地について所有権又は借地権を有する者を株主とする株式会社で次に掲げる要件のすべてに該当するものは、当該所有権又は借地権の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。
一 土地区画整理事業の施行を主たる目的とするものであること。
二 公開会社(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第五号に規定する公開会社をいう。)でないこと。
三 施行地区となるべき区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者が、総株主の議決権の過半数を保有していること。
四 前号の議決権の過半数を保有している者及び当該株式会社が所有する施行地区となるべき区域内の宅地の地積とそれらの者が有する借地権の目的となつているその区域内の宅地の地積との合計が、その区域内の宅地の総地積と借地権の目的となつている宅地の総地積との合計の三分の二以上であること。この場合において、これらの者が宅地の共有者又は共同借地権者であるときは、当該宅地又は借地権の目的となつている宅地の地積に当該者が有する所有権又は借地権の共有持分の割合を乗じて得た面積を、当該宅地又は借地権の目的となつている宅地について当該者が有する宅地又は借地権の目的となつている宅地の地積とみなす。
4 都道府県又は市町村は、施行区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる。
5 国土交通大臣は、施行区域の土地について、国の利害に重大な関係がある土地区画整理事業で災害の発生その他特別の事情により急施を要すると認められるもののうち、国土交通大臣が施行する公共施設に関する工事と併せて施行することが必要であると認められるもの又は都道府県若しくは市町村が施行することが著しく困難若しくは不適当であると認められるものについては自ら施行し、その他のものについては都道府県又は市町村に施行すべきことを指示することができる。

(独立行政法人都市再生機構の施行する土地区画整理事業)
第三条の二 独立行政法人都市再生機構は、国土交通大臣が一体的かつ総合的な住宅市街地その他の市街地の整備改善を促進すべき相当規模の地区の計画的な整備改善を図るため必要な土地区画整理事業を施行する必要があると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができる。
2 前項に規定するもののほか、独立行政法人都市再生機構は、国土交通大臣が国の施策上特にその供給を支援すべき賃貸住宅の敷地の整備と併せてこれと関連する市街地の整備改善を図るための土地区画整理事業を施行する必要があると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができる。

(地方住宅供給公社の施行する土地区画整理事業)
第三条の三 地方住宅供給公社は、国土交通大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては、都道府県知事)が地方住宅供給公社の行う住宅の用に供する宅地の造成と一体的に土地区画整理事業を施行しなければ当該宅地を居住環境の良好な集団住宅の用に供する宅地として造成することが著しく困難であると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができる。

(都市計画事業として施行する土地区画整理事業)
第三条の四 施行区域の土地についての土地区画整理事業は、都市計画事業として施行する。
2 都市計画法第六十条から第七十四条までの規定は、都市計画事業として施行する土地区画整理事業には適用しない。
3 施行区域内における建築物の建築の制限に関しては、都市計画法第五十三条第三項中「第六十五条第一項に規定する告示」とあるのは「土地区画整理法第七十六条第一項各号に掲げる公告」と、「当該告示」とあるのは「当該公告」とする。

(注29)

2003年12月5日の中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会

配布された資料

(注30)

中野区議会で報告されたのは、2004年6月11日、しかもほんの一部のみ。全文をみたいという方は、区政資料室で見てください

(注31)

2003年9月12日中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会  配付資料を参照

調査検討委員会専門部会の構成メンバー

第1回 2003年8月28日 議事録
第2回 2003年10月30日 議事録
第3回 2003年12月17日 議事録
第4回 2004年3月23日 議事録

* これらの議事録には、これまで区議会、住民説明会での中野区の表向きの説明だけからは知り得ない様々な材料が発見できます。大いに活用して下さい

(注32)

参照 この部分を記載した当時は、まだ「開発者負担」の問題がこんな形で破綻することが考えられず、この財務省との打ち合わせの問題の中心は契約関係になかった日建設計の同席を問題の中心にしていた。しかし、掲載している資料を見ると財務省がどのような立場であるかは明確です。
注10も参照してください

(注33)

2001年10月18日中野区議会警察大学校等跡地利用特別委員会
宮村都市整備部長 略・・もう1回補足いたしますと、警察病院に関連いたします道路は、計画案でいきますと地区幹線道路1号、2号というやつなんですが、この2本につきましては、区道になる予定でございます。ですから、基本的には区が整備をするというのが原則的なスタンスですけれども、ただ開発に絡むというようなことがありまして、どういう形で少しでも区の負担を少なくするような努力をすべきだというふうには認識しております。事業としては、先ほどまちづくり課長から御説明したとおり、基本的には都市計画決定をして、都市計画道路として事業認可を受けて整備をするということになりますので、その場合には国庫補助の仕組みとか、それから区の負担分についての裏負担の財調とか、それはかなり充実していますから、かなり財源的には計算上は金利負担等の負担ぐらいで済むような形になるんですが、ただ事業費が非常に大きいです。特に用地費については、どれぐらいになるかわかりませんけれども、何十億の額になるんです、この道路だけでも。まともにやるとそういうことになりますから、それを少しでも減額するような働きかけをしなくては、どうしても区の一時的な一般財源の持ち出しが出てまいります。あるいは起債等ですね。そういう意味ではこの財政状況ですので、なかなか難しい問題もあります。ですから、今後用地の減額については、区と財務省の関係ですから、ほかのところと一緒にやる話でもないものですから、連絡調整は別途やっていきますけれども、こういうことについては、区としても直接財務省とのやりとりを今後急いで詰めていきたいと考えております。
 それから、整備費につきましては、用地費に比べると比較的額が小さいですから、それは補助事業できちんとやれば、区の体力でも、すぐにはやりませんので、あと二、三年たてば大分違ってくるのかなと思いますので、工事整備についてはやっていけるのではないかと思ってますから、一番のキーポイントは用地費をどれだけうまく圧縮するようにやるかということで、
何とか警察病院のスケジュールに足を引っ張らないように、区としてもきちんとやっていきたいと思っておりますので、今後もいろいろな段階で御報告しながら、御協力もお願いしたいと思っております。

(注34)

2007年10月11日中野区議会応接室で、区議会議員を含む区民7名で、拠点まちづくり推進室・秋元参事との懇談での説明

開発者負担に関する区民からの質問で「防災公園は開発者負担でやるから過度な負担はできないので1.5haになった。今回、都市計画道路、防災公園への開発者負担は求めていないが、開発者負担前提の計画はそのままだというのでは矛盾する。何も感じないのか」という質問にたいして

秋元参事は、担当者としても「開発者負担と防災公園1.5haとの関係は、前任者の時代のことで、私は知らない。もう決まってしまったことなので、過去にどのような議論の過程で出た結論なのかについては、調べる必要もないこと」などと、平然とし、責任逃れをしていました。

2007年10月31日の区長対話集会での区長の責任逃れ

区長「開発者負担を求める事は一貫している。那須井部長が担当してきたときの整備手法は、区画整理事業だ。その場合、インフラは開発者負担になる。メリット受ける方に公共的な負担をしていただく考え方だった。その考え方は譲るべきでないと考えている。都市計画公園に、都市計画交付金が使えるのはかつては2ha以上だった。それが、1ha以上でも使えるようになった。また、駅周辺開発にともなうまち全体への負荷を考え、現在の最善の財源構成を求めることは行うべきだ。いろんな場面で、都市計画の補助金を使うことをしないのかという考えも多数あった。検討しないと言ったことはない。一番良い税源の確保の方法と、受けるメリットに対し公共への負担をしてもらった。都は、都市計画の補助金は2ha以上でないと使えないとしてきた。開発者に過度な負担をかけるわけにはいかないからという理由で、防災公園は1.5haになった。それプラス空地を確保する計画だ。従って、適正だ」

(注35)

公金の支出は法律で厳しく規定している

 中野区予算事務規則では、第2条で「予算は、区民の福祉を増進するため、区政の総合的かつ長期的展望をもつて編成し、計画的かつ効率的に執行しなければならない」としています。

 また、中野区自治基本条例では、第5条で「執行機関は、政策の企画立案、検討、実施、評価及び見直しのすべての過程に係る情報を分かりやすく区民に提供するよう努めるとともに、区民の求めに応じて区政情報を公開しなければならない。2 執行機関は、行政運営における公平性及び公正性を確保し、区民の権利及び利益を保護しなければならない。3 執行機関は、効率的かつ効果的な行政運営を行わなければならない」としています。

費用対効果の検討はしていない

 第1に、中野区は、公金を使った都市基盤整備を前提とした場合、どのような計画が費用対効果として、もっとも適切かの比較検討をしておりません。 こちらも参照してください

 第2に、議会の場でも、都内の多くの自治体が実施している国、都の補助金を活用した公園の取得方法についても検討するよう、住民から求められましたが、税金を投入しない「開発者負担」がもっとも適切として、その方法の比較検討を固辞してきました。

 第3に、中央防災公園の1.5haという大きさは、開発者負担の方法をとった場合の「現実的な数値」とされてきたもので、公金を投入する場合の最も適切な広さは、まったく検討しておりません。

(注36)

2007年1月 財政運営の考え方(11頁参照) 2008年1月 財政運営の考え方(7頁参照)

(注37)

2008年2月20日中野区議会本会議
議員 かつて我が党議員団は、国の資金を直接投入して防災公園を整備する、いわゆる防災公園街区整備事業を提案しました。しかし区は、国や都の補助金を活用しても、税金であることに変わりないと全く耳を傾けず、区が整備すれば、管理費などのランニングコストもかかるから、開発者の負担で整備するんだと、こうまで言っておりました。財政運営の考え方の基金計画では、今年度に開発者協力金としてまちづくり基金に40億円積み立てると見込んでおりましたが、2008年度改訂版では、20年度に移されております。結局、警大跡地には使われないということです。
 区はこうした事態のもとで、開発者に開発協力金を募り、中野駅周辺地区都市基盤整備に充てると言い出しております。これでは警大跡地の道路や公園を公費で整備し、開発者の便宜を図っただけではありませんか。協力金についてもあくまでも寄付金であり、集まる保証はありません。40億円の内訳はどうなっているのか。また、今後開発協力金を募る開発者とはどこなのかをお答えください。

区長(田中大輔) 議員の御質問にお答えをいたします。
 中野駅周辺整備に関連しての幾つかの御質問がありました。
 まず警大跡地の開発協力金についてであります。
 開発協力金の額については、あらかじめ区が提示するものではなく、跡地の基盤整備を一般的な開発行為等で行った場合にかかる経費を負担していただくといった性質のものであります。具体な金額につきましては、今後整備の過程で開発者と協議をしていくこととなるわけであります。今後、警察大学校等跡地において開発事業を行う者にひとしく協力を求めていくこととしているわけであります

議員 再質問させていただきたいと思います。
 まず、警大跡地の問題ですけれども、開発者とは何なのかというふうに私は答弁を求めたんですが、そのことについて詳しい答弁がなかったということで。いわゆる40億円というものを開発者から求めるということですけれども、この開発者というのは警大跡地に限定されたものなのかどうなのかということ。

区長(田中大輔) 再質問にお答えいたします。
 開発者とは何なのかということであります。
 警察大学校等跡地の開発者ということですので、跡地のエリア内で土地を取得をして、建築物を建てたり、あるいは構造物を築造したりといった意味での開発者すべてを指すものであります。これは区も含まれるということになるわけですね。ということであります。

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