「中野駅周辺まちづくり計画」の問題点・・・・その計画の調査委託契約から見て

監査委員からも問題点を指摘されながら、未だ措置も講ぜず「中野駅周辺まちづくり計画」を着実に進める不可思議

(財)新都市建設公社への随意契約した数々の問題点

  1. これまで、警大等跡地利用計画はどこに、どのような契約方法で委託されたのか、その総括は
  2. 契約先として、他の業者についての検討を一切放棄し、(財)新都市建設公社を唯一絶対化したことは、契約として問題ないのか?
    1. 2003年の「中野駅周辺まちづくり調査について」
    2. 2004年度の「中野駅周辺まちづくり計画作成等支援業務」は、契約に先立ち計画の重要な変更がされていた
    3.公共施設の整備方針で、右往左往している中野区高円寺北1児童遊園にて 2005年5月1日撮影
    4.実際にはどのようにして(財)新都市建設公社との契約に至ったのか?
    5.今後とも中野区が他の業者との比較をせずに1社との相対での随意契約にこだわるのか
  3. 所管は委託先がふさわしい所かどうかの検査、調査もする姿勢さえも持ち合わせていない
  4. 委託内容が不明確であるのに、委託先は明確(2004年度)
  5. 地方自治法施行令167条の2の第何号を適用した随意契約か
  6. 2人以上の者から見積書を徴し、予定価格調書をつくったのか
  7. これからも委託は(財)新都市建設公社に約束?再委託先も?
  8. 契約価格は予定価格の98〜99%
  9. あなたはこの謎をどう解きますか?
  10. 主管が作成した委託経費と契約予定価格は同一
  11. 広域避難場所、防災公園など視点は、最初からなかった中野区

(財)新都市建設公社から日建設計への再委託問題・・・(財)新都市建設公社は契約先にふさわしい会社だったのか

  1. 委託業者との契約書と、委託先と再委託先との契約書が酷似
  2. <資料>(財)新都市建設公社から日建設計への再委託の理由・・・その時の都合でコロコロ変化
  3. <資料>都内23区の監査の実態を比較してください

中野区の主体性はどこで発揮されたのか

中野区は、区民から見れば契約違反をされた被害者であり、(財)新都市建設公社に対し徹底調査をすべきだと思うが?

  1. 委託業務の2/3が日建設計へ再委託されている?
  2. 日建設計への再委託は中野区も知っていた?
  3. 再委託先が決まる経過

2004年度の「中野駅周辺まちづくり計画策定業務委託」契約の検証

  1. どんな契約がおこなわれたのか
  2. 中野区は「中野駅周辺まちづくり計画」を(財)新都市建設公社へ丸投げしたのか?
  3. (財)新都市建設公社は警大跡地部分を日建設計に丸投げしたのか?

(財)新都市建設公社とは

特命発注が半減・・・横浜市

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監査委員からも問題点を指摘されながら、未だ措置も講ぜず「中野駅周辺まちづくり計画」を着実に進める不可思議

2004年12月22日、中野区監査委員は「平成16年度財務監査の結果に関する報告について」を発表しました。

 地方自治法199条12項は、監査報告にもとづく措置を講じたときは、監査委員に通知するよう規定している。2005年4月末日現在でも、監査委員に通知されていない。しかし、「中野駅周辺まちづくり計画」だけは着実に進行させている。パブリックコメント手続きも終わった。その後、「計画」として発表される予定になっている。しかも、監査報告が2004年12月とはいえ、2004年度も問題の会社に委託されて、「計画」が進めれられている。

 こんなことが、許されてよいのだろうか。住民の常識からは、想像もできないルールが中野区の執行機関内にはあるのだろうか。

地方自治法199条12項
 監査委員から監査の結果に関する報告の提出があつた場合において、当該監査の結果に関する報告の提出を受けた普通地方公共団体の議会、長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、地方労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会又は委員は、当該監査の結果に基づき、又は当該監査の結果を参考として措置を講じたときは、その旨を監査委員に通知するものとする。この場合においては、監査委員は、当該通知に係る事項を公表しなければならない。

以下、中野駅周辺まちづくり計画を担当した都市整備部・地区整備分野が、不適切な事務処理として、3点を指摘された項目

  1. 調査委託の業者選定を、当初から他の業者との比較をせず、委託業者のみを契約先として契約手続きをおこなった。いわゆる随意契約。
  2. 一括再委託が禁止されているにもかかわらず、再委託した仕様書は一部を除いて全く区と同じ仕様書であり、全部でないものの分量・内容から主要な部分である。区は再委託をした事実を知りながら契約業者が再委託した業務内容について確認も協議もしていない。再委託の業務についても、業務施行日と納品目が整合しないなど、仕様書にそった成果品の納品が確認できなかった。
  3. 納品された成果品は、仕様書に定めてある項目にそった記述が確認できない報告書であり、また「事業関連参考図書の作成」と仕様書にあるにもかかわらず、他の成果品の内容をもって承認し検査も合格としていた。

 

 中野区は、この監査報告に対して、翌年の2月7日に区議会の総務委員会で、指摘された事項の調査をした結果として平成16年度財務監査報告結果に係わる調査結果(以下「調査結果」という)を発表した。

 一言で言うと、執行機関の契約には大きな問題がなく、監査委員の指摘は当たらないという文書である。

以下、「調査結果」の要旨

  1. 契約方法が適正でなかったというが、契約手続きの所管は総務部であり適正に処理した。監査委員から、契約担当部門は調査や監査を受けていない中での結論であり、極めて遺憾だ。
  2. 当該再委託は、元請け人への事情聴取によると「下請け人に対して実質的に関与している」と言っている、また委託契約書と再委託契約書は酷似しているが「委託契約の一部である」と言っている、従って禁止されている一括委託にはあたらない。
  3. 納品された成果品と仕様書との違いは、発注者が仕様書の変更を指示したが、仕様書の変更をしなかったことが要因である。

所管は、監査委員の指摘にたいして、議会に報告もせずに、「何ら問題はない」との居直り

 監査からの指摘を「今回の契約については何ら問題はない」と居直ったり、総務部の問題とすり替える中野駅周辺整備担当課長。これで「中野駅周辺まちづくり計画」の適正な進行は担保されるのだろうか。

2005年2月4日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
来住委員 中野区の監査委員会から指摘をされました平成16年度の財務監査結果報告というものが出されました。この中で、本件に関する部分ですが、指摘事項として、中野駅周辺まちづくり調査委託について次のとおり不適切な事務処理があったということで、3点を挙げられて監査から指摘をされていますが、これら1、2、3について、当然担当課としては御承知だと思うんですが、どういうことだったんですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 今、来住委員の御指摘でございますけれども、監査からの指摘ですが、所管といたしましては、今回の契約については何ら問題はないというふうに判断をしているところです。ただし、これは契約に関することでありますので、区としての考え方について、総務部門と調整をしているところでありまして、その考え方を監査委員に報告をしていくというふうなことにしております。このことについては、今後議会にも報告をしていきたいというふうに考えております。

 「調査結果」は、財務監査報告が如何に杜撰なものであるかという反論文書とも言えるものだ。そこで、はたして上記の指摘によって、財務監査報告の指摘は不適切と言えるものになったのか、検証する必要がある。

  1. 契約部門=総務部が行なった業者指定の合理的な判断は、主管部門から提出された起案文書と(財)新都市建設公社の関係書類だけであり、それでどうして検討できたのか不思議である。そもそも他社との比較はできないし、比較しようともしなかった。主管部門も特に他社との比較をしたわけでもなかった。先に(財)新都市建設公社への契約ありきであったことを、証明するというものである。
  2. そもそも、随意契約は、一般競争入札を原則とするため、随意契約できる場合は その金額の範囲が決められている。中野区の場合は、契約事務規則で130万円以下となっている。また、随意契約できるケースも地方自治法で決められている。今回の場合は、自治法施行令167条の2の第何号を適用した随意契約としたのだろうか。総務部は、その点を調査していないようで、その点は明確ではない。第何号により、随意契約したのかその理由を明らかにしなければならないはずである。何とも中途半端な「調査結果」である
  3. 随意契約の方法による場合は、特定の相手方と自由な契約を締結することとなるので、契約価格に公正を欠き、発注者である自治体に不利となるおそれがある。また、随意契約であっても適正な価格で契約しなければならないので、何が適正な価格であるかという基準を持たなければならない。つまり予定価格調書の作成が必要になる。随意契約においても、公正な契約を実現するため、2人以上の者から見積書を徴すこととなっています。ただし、例外規定として公法人の場合は、除外できるとしている。しかし、「調査結果」はこの点でも中途半端である。(中野区契約事務規則参照
  4. 再委託の問題については、「調査結果」が問題なしとする唯一の根拠は、元請け人からの事情聴取だけである。客観的な事実として、委託契約書及び請負業者と下請け業者との再委託契約書の委託業務にかかる記載内容が酷似していることは、否定できない。元請け人が自分に契約違反に係わるような事実を自ら明らかにするわけがない。そして、客観的に事実として残ったのが、(財)新都市建設公社は監査委員から指摘を受けざるを得ないような契約内容で再委託をしていることである。問題の会社は、中野区が随意契約した優秀な会社であり、「調査結果」で言われるような「今回のような疑義が生じないよう指導」などあってはならないことである。解明されなければならない問題の本質は、再委託先への委託業務にかかる記載内容が酷似した内容でなぜ、再委託せざるをえなかったかということである。
  5. 納品物と仕様書との違いが生じたことの問題は、中野区が所管部門が、いかに業者の言われるままで、主体性のない所であったかを証明するものである。問題の本質は、それが計画の内容にも現われるということである。たとえば、2004年度の納品物について、こちらで検証しているので、参考にしてほしい。

 「調査結果」は墓穴を掘ったにすぎない。徹底調査をして身の潔白を明らかにしたわけではなく、大変中途半端な調査に終わっている。先に「問題なし」の結論ありきで、そのために調査をどうするかというものであった。これでは、執行機関ぐるみで(財)新都市建設公社への随意契約をおこなったということが明らかになっただけであり、財務監査報告の措置には当たらない。一方、監査委員から指摘を受けた「都市整備部まちづくり課」は、何の措置も講じていない。

 そこで、ここでは、住民の目線で、これまでの「中野駅周辺まちづくり計画」について、契約の視点からチェックを試みたいと思います。


(財)新都市建設公社への随意契約した数々の問題点

その1 これまで、警大等跡地利用計画はどこに、どのような契約方法で委託されたのか、その総括は

委託期間

委託先

契約方法

金額(千円)

事業名

1991年5月〜 (株)都市環境研究所  

50,985

中野駅周辺地区土地利用計画策定調査
1992年8月〜 (株)都市環境研究所  

38,666

中野駅周辺地区の土地利用基本計画検討・調査業務委託
1993年5月〜 (財)社会開発総合研究所  

6,747

警察大学校等敷地土地利用転換事業に関する調査・検討業務委託
1994年4月〜 (財)社会開発総合研究所  

18,437

警察大学校敷地土地利用転換事業に関する調査・検討業務委託
1995年10月〜 (財)社会開発総合研究所  

4,584

警察大学校等敷地土地利用転換事業に関する調査・検討業務委託
1997年11月〜 住宅・都市整備公団
 
東京支社
 

15,015

警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案作成調査・検討業務委託
1998年10月〜 住宅・都市整備公団
 
土地有効利用事業本部
 

1,985

警察大学校等移転跡地土地利用転換の計画手法・事業手法等に関する
 調査・検討業務委託
2003年6月〜 (財)新都市建設公社 随意契約

14,700

中野駅周辺まちづくり調査委託
2004年度予算   
(財)新都市建設公社
JR東日本コンサルタンツ
日本工営(株)
  
随意契約
随意契約
競争入札

予算35,000
11,886
5,250
2,940

中野駅周辺まちづくり計画策定
 中野駅周辺まちづくり計画作成等支援業務委託
 
交通結節機能等調査検討委託
 
公共公益施設整備手法調査検討委託
2005年度予算    

12,200

地区計画の方針案の作成、公園の都市計画変更及び関連事項の調査検討

(注1)2003年度までは2004年決算特別委員会資料より作成
(注2)契約方法については、調査中です。わかり次第、記入します。
(注3)各契約にもとづく調査報告書は、???
(注4)2004年度については、それぞれ契約書より作成
(注5)2005年度以降は、7月20日現在、主管部門から起案文書さえ作成されていない。

 中野区は、なぜ2003年6月の「中野駅周辺まちづくり調査委託」を(財)新都市建設公社に随意契約したか?その理由は、こちらの「指定理由書」に書かれていますが、上記のこれまでの契約を見て、みなさんは、なるほどと納得できることが書かれていますか?
 私は、「中野駅周辺まちづくり計画」を競争入札せずに、(財)新都市建設公社でならなければないらい理由など書かれていないと思います。

 なお、警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案作成のためにこれまで要した経費というのは、中野区の発表によると、上記の調査委託の他に、下記の項目が含まれ、1987年度〜2003年度で、2.6億円の税金が使われているということになっている。(2004年度決算特別委員会資料より)

年度 項  目 執行額(百万円)
1987年度 中野駅周辺地区整備検討予備調査委託 4,980
1988年度 中野駅周辺地区整備構想策定に係わる調査委託 30,000
1990年度 中野駅周辺地区交通整備調査委託 4,996
1990年度 中野駅周辺地区歩行者回遊動線調査委託 3,090
1992年度 地域冷暖房導入に係わる調査・検討委託 15,965
1993年度 中野駅周辺地区交通シミュレーション等調査委託業務 13,802
1993年度 地域冷暖房導入に係わる調査・検討委託 19,982
2002年度 警察大学校等跡地地区幹線道路1・2号調査設計委託 10,238
その他 区民会議委員謝礼  
1987年度〜2003年度までの警大跡地土地利用転換計画案策のために要した経費

2.6億円

 また、中野駅周辺まちづくりに要した経費についても中野区は発表してるが、上記と同様の期間で、調査費等=4.9億円、設計工事費=6.1億円、補助金=54.6億円となっているので、紹介しておきます。(2004年度決算特別委員会資料より)

90年代だけを見ても、様々な調査委託が行なわれてきたことがわかる。

 ここで取り上げている「中野駅周辺まちづくり計画」については、2003年6月2日に起案の決済がされ、、6月13日に田中大輔区長が(財)東京都新都市建設公社と、14,700,000円と契約した。2004年度についても同様に、前年度の調査結果をもとに中野駅周辺まちづくり計画作成等支援業務委託契約については、2004年6月25日に起案は決済、7月7日に公社と11,886,000円で契約された。

 そもそも、この計画地の主要な部分である警察大学校等跡地の利用計画は、2001年6月に、大震災時の「避難地としての役割」「応急対応活動、復旧活動等の総合的拠点」との位置づけで、中央部に4haの防災公園を整備し、有効避難面積約15ヘクタールの確保を目指す「土地利用転換計画案」が、地域住民・団体参加で、杉並区、中野区、東京都が合意してつくられた。現在もこの計画は有効であるというのが、3者の共通見解である。

 したがって、仮に、中野区が2001年6月の3者合意の計画に同意できなくなったとするのであれば、東京都と杉並区に対して、合意書の見直しを要求し、新たな計画についてどうするかについて、3者合意の元で進めれば良いことであり、中野区の全面的な財政負担で計画をつくる必要があったのかという疑問が生じる。それを、中野区が一方的に3者合意を無視して、新たな計画づくりをすすめることは、杉並区、東京都からも賛同が得られないばかりか、中野区が1987年度〜2003年度までの公金=2.6億円を費やしてきた警大跡地土地利用転換計画案策の継続性を無にするものであり、これらの調査の到達点を生かそうという姿勢もなく、区民合意も得られないものである。また、税金ばかりでなく、これまでの住民合意を作るために費やした努力についても、無にするもので許されない。現に、区の進める計画と区民の意見の乖離が激しいにもかかわらず、極めて拙速すすめてきた(こちらこちらこちらなど参照)。

 そこに、その委託調査に関する契約に関する問題点が、財務監査報告で指摘されたわけである。

 こうして見てくると、金がないと言いながら、契約先として、他の業者についての検討を一切放棄し、(財)東京都新都市建設公社を絶対化して、そこで発表された計画にこだわる一方で、住民との合意、3者との合意を軽視して、強引ともとれる手法で進めてきたのか、区民としては大いに関心を持たざるを得ない。


その2 契約先として、他の業者についての検討を一切放棄し、(財)新都市建設公社を唯一絶対化したことは、契約として問題ないのか?

1. 2003年の「中野駅周辺まちづくり調査について」

  上記の起案は、2003年6月2日付けである。

 その起案文書の1頁には、「賑わいの心としてのまちづくりや土地利用の方向性について、実現可能な事業手法を含めた調査検討を行ない、『中野駅周辺まちづくり計画(素案)』を作成するために調査委託を行なう」となっている。委託設計書も同様である。

 この調査委託先が、何故、(財)新都市建設公社であるのだろうか。

それは、要約的に、その「指定理由書」の説明を抜粋すれば、

1.多様なまちづくり事業のノウハウが蓄積されている。まちづくりの手法としては土地区画整理事業が有力と考えられるが公社はノウハウを蓄積している。2.その実績もある。3.アウトソージング機能(自社でこなしきれない仕事を外部に依頼する能力すぐれている)がる。4.都市計画決定に向けた図書の作成や関係機関との協議のノウハウがある。5.精緻な検証ができる。6.まちづくり支援事業を行なっている。7.財団法人として公平、公正。8.民間資金を利用した都市開発手法に精通し、民間コンサルタントを協力企業として活用できる。9.都からの派遣社員も多く都との調整能力に優れている、都からの支援・協力も期待できる。

これで、必要かつ十分な理由付けがされたことになるのだろうか。

  1. 他社との比較検討もしない、例示もしないで、特定の会社の優秀さを数限りなく述べて、「どうだ、委託するのはこの会社しかない」としても、論理上も矛盾があるし、今日のように各地で様々な業者によって土地開発、まちづくり事業が行なわれてるなかでは、実態の上でも無理がある。数多くの企業は、それぞれ切磋琢磨して、競争に打ち勝つために、すばらしい能力を備えていると見る方が、自然である。それを地方自治体が恣意的に判断するのはいかがなものか。、
  2. 中野区が区議会で公社について具体的に示した根拠は、下記の議事録にあるように、、区画整理事業の具体事例だけである。しかし、これさえも、HPで検索すればわかるように区画整理事業を手がけている企業は数え切れないほどある。また、一方、民間資金を利用した都市開発手法については、(財)新都市建設公社に能力があることは証明できないが、「それに精通した民間コンサルタントを協力企業として活用できる能力がある」と説明している。再委託を前提としてる。
     しかし、いずれにしても、今回の調査委託は、手法先にありきではなく、
    「実現可能な事業手法を含めた調査検討」を行なうというものである。この矛盾は、まったく説明されていない。区画整理事業先にありきと予断をもっての調査委託したことになる。
  3. さらに、「アウトソージング機能がある」というが、これも、いろんな会社とのパイプがあり、自分のところでやらずに専門会社に再委託する能力に優れているということである。この説明も、「『中野駅周辺まちづくり計画(素案)』を作成するために調査委託を行なう」契約先企業を設定する上では、再委託を前提としているようなもので、みずから調査検討する能力より再委託の発注能力があるので発注するという矛盾ある。
  4. 「都からの派遣社員も多く都との調整能力に優れている、都からの支援・協力も期待できる」という点についても、「『中野駅周辺まちづくり計画(素案)』を作成するために調査委託を行なう」契約先企業を設定することとの関連がまったく、説明されていない。

<資料>

2005年2月7日 総務委員会
岩永委員 あと2点ほどで終わりたいと思います。先ほどなぜ一般競争入札ではなくて、随契だったのかということの御説明をいただきました。それで、具体的なことは都市整備部なので、細かいことは聞きませんが、少なくてもあの当時、契約をする中身は、例えば先ほど財務課長が御紹介いただいたような事業整備が固まっていて契約をするというようなものではなくて、周辺まちづくりの委託調査でしたね。だから、どういう事業にたけているのかということは割と調査の中身が進んでいくことによって問われてくるという側面もあったろうと思うんです。ですから、そういう意味で言えば、区が調査を進めたいと私たち議会に出していたのはどういう手法かだけじゃなくて、あそこがどういうまちづくりがふさわしいのかということで私たちは説明を受けていたわけですから、そういうまちづくりの調査ができる業者というか、企業というか、そういうところは今はかなりたくさんあります。そういうことから見て、それともう一つ、地方公共団体の契約の手引というのがあります。これでも、例えば一般競争入札に適しないものということで幾つか事例が出ています。こういうことから見ても、今回は随契にする必要がどこにあったのだろうかということがわかりませんので、もう一度随契にする必要があったことについてお答えください。
村木財務担当課長 先ほど御説明をいたしました内容につけ加えて申し上げます。指定理由書というものがございます。この中で、駅周辺まちづくり調査委託につきましては、実現可能なまちづくり計画を策定するために行うものであって、その実現に当たっては、多様なまちづくり手法の導入が必要であると考えられるため、さまざまなまちづくり事業のノウハウが蓄積されていることはもちろんのこと、調査を行ったことのある調査機関に委託を行う必要がある。また、まちづくりの実現に当たり、早い段階から地権者等に対する支援が行われる制度を有している機関であることが望ましいといったようなことを踏まえまして、多様なまちづくり事業のノウハウが蓄積されている、そしてまちづくり支援事業を行っているという指定の根拠、原因、そして当該請負業者は財団法人として公平、公正な立場にある、都を中心とした地方公共団体からの出捐を受けて設立されている、都からの派遣職員も多く、都の関係部局との調整能力にもすぐれている、以上のことから、当該業者以外に本業務を受託できる機関はないと、こういう指定理由に基づいて、契約締結請求依頼が参りましたので、我々としてはこの指定理由をもとに、実施起案、その他の資料等によりまして内容を確認をし、いわゆる特命による随意契約を締結をした、このような結果になっているものでございます。

2005年2月28日 予算特別委員会
江田委員 済みません、板橋は、区画整理事業や、その後が聞こえなかったんですが、つまり中野が今回調査委託しましたね、こういう規模での調査をこの公社は23区の中で手がけていますかという質問なんですが、もう少し具体的にお答えいただけますか。
那須井まちづくり総合調整担当部長 東京都新都市公社の23区における事業でございますけれども、事業受託施工した区が、先ほど課長が申し上げましたように、板橋三園一丁目、これは板橋区の区画整理事業、宇奈根西部、世田谷の区画整理事業、調査業務を委託した地区といたしましては、練馬区高松、大泉等3地区、荒川区東尾久一丁目地区、東京都施工では汐留土地区画整理事業調査、中野区鷺宮地区を含む区部周辺土地区画整理の計画決定区域内の調査等がございます。
(略)
那須井まちづくり総合調整担当部長 今御質問の新都市建設公社でございますけれども、公社は、先ほど申し上げましたように、23区でも調査事業等をやってございますが、受託をしておりますが、東京都、区市町村から多くの大規模調査を受託しております。平成15年度までに都内で35地区、2,669ヘクタールが完成、これにかかわっているわけです。現在20地区、765ヘクタールを施工している、そういった土地区画整理事業の中核という事業をしております。まちづくりについては、例えば区画整理でいえば、調査段階から事業実施、それから清算というようなすべての事業において実施している日本でも唯一のコンサルタントであると考えております。なお、東京都からも出向職員がおりまして、ここでなくては調査ができないと考えられる団体でございます。

 昭和62年3月20日最高裁判決が一般論として随意契約の裁量権を認められるといっているとしても、2003年の「中野駅周辺まちづくり調査」について、特許、特殊な資力・技術などを必要とされるわけではないにもかかわらず、他の業者についての検討を一切放棄してまで、(財)新都市建設公社を唯一の契約先とするのは、契約として問題ないのか?区民としては、納得ができるまで、問い続けたい点である。

 2003年「中野駅周辺まちづくり調査」の起案の「決定権者部長」である那須井部長は、上記に添付したように05年2月28日の議会で「ここでなくては調査ができないと考えられる団体でございます」とまで言った。しかし、その強弁さ、論拠薄弱さの一方で、どうして、そこまでして(財)新都市建設公社にこだわらなければならなかったのかという、不可思議さがかえって目立ってしかたがないと感じるのは、私だけだろうか。

2. 2004年度の「中野駅周辺まちづくり計画作成等支援業務」は、契約に先立ち計画の重要な変更がされていた

 2004年の起案は、6月25日付けである。

 この起案書には、中野区と(財)新都市建設公社との契約書だけを見ていたのでは、わからない興味深い内容が記載されている。

 以下、その部分をそっくり引用する。(起案書の2〜3頁部分)

付記

 中野駅周辺まちづくり計画作成に向けては、区民検討会を設置し、地域への説明等を行なうなど計画作成を段階的に進めることとなったため、新たにまちづくり方針案、方針の作成及びまちづくり計画の作成等、新たな業務が発生した。
 一方、平成16年度当初予算では、
警察大学校等跡地地区についての基盤整備手法として、土地区画整理事業が有力な手法としていたため、「警察大学校跡地等地区土地区画整理事業都市計画作成業務及び事業計画案作成準備業務委託費」(700万円)としてこれに係わる必要な経費を計上してきた。
 しかしながら、
その後、公共施設の整備を都市計画法第29条の開発行為制度等による開発者負担を前提として、各種補助制度を勘案しながら、その事業化の方策を検討することとなったため、当該経費の執行は内容の変更が必要となった。
 このため、本委託の経費については、「警察大学校跡地等地区計画等の都市計画案作成業務委託費」(500万円)並びに、「警察大学校跡地等地区土地区画整理事業都市計画案作成業務及び事業会計画作成準備業務委託費」(700万円)の執行計画に一部変更し、計1200万円の範囲により行なうこととする。

執行計画変更内容

 ○警察大学校跡地等地区地区計画等の都市計画案作成業務委託費(500万円)
  ・警察大学校跡地及び周辺地区を対象とした地区計画の検討作業
  ・上記に係わる地区計画案の作成作業
 ○警察大学校跡地等地区土地区画整理事業都市計画案作成業務及び事業計画案作成準備業務委託費(700万円)
  ・警察大学校跡地等における土地区画整理事業施行区域の都市計画案作成作業
  ・土地区画整理事業の認可へ向けて事業計画案の作成作業
 《今回予定作業内容》
  ・
中野駅周辺まちづくり計画作成にむけての支援作業(新規作業)
  ・警察大学校跡地及び周辺地区を対象とした地区計画の検討作業
  ・
開発者負担を前提とした公共施設整備に係わる事業化方策検討作業(新規作業)
  ・上記に係わる都市計画参考図書作成作業(一部作業変更)
 《今回中止作業内容》
  ・警察大学校跡地等における土地区画整理事業施行区域の都市計画案の作成作業(
中止
  ・土地区画整理事業の認可へ向けての事業計画の作成作業(
中止

以上を要約すると、以下の2点になる。

 読者のみなさんは、大変驚いたと思います。

 すなわち、2003年度の調査委託は、手法先にありきではなく、「実現可能な事業手法を含めた調査検討」を行なうというものとして、(財)新都市建設公社に委託した。しかし、その最大の理由は、「まちづくりの手法として土地区画整理事業が有力と考えられるが、・・・公社は実績が多くの、ノウハウを蓄積している」。かつ、中野区が区議会で唯一具体的に示した根拠も、、区画整理事業の事例だけである。そして、那須井部長は、上記に添付したように05年2月28日の議会で「ここでなくては調査ができないと考えられる団体でございます」とまで言ったわけである。

 ところが、2004年度の計画は、2003年度に最大の根拠とした土地区画整理事業関係を中止することしたにもかかわらず、また、2004年度の指定理由書には「土地区画整理事業」との言葉さえないのに、どういうわけか調査委託は、2003年度に引き続き(財)新都市建設公社との特命随意契約とした。

 他の業者jとの契約についての検討を一切放棄してまで、2004年度も(財)新都市建設公社に特命随意契約とした理由は、何だろうか。その指定理由書が上げた最大の根拠は、「昨年度からの調査検討に係わる基礎資料、関係機関との調整結果、様々な議論等の蓄積を資源として活用しなければ、まちづくり計画の作成をはじめ、本業務遂行は不可能である」ということである。

 結局のところ、理由は(財)新都市建設公社でなければならないということだけで、根拠は無い。

 実は、05年の2月28日の区議会で「ここでなくては調査ができないと考えられる団体でございます」とまで言った那須井部長は、2004年度の起案書の「協議」という欄に「まちづくり総合調整担当部長」として印を押している。したがって、「2004年度の執行変更内容」は承知しているわけである。その上での05年の2月28日の区議会で、2003年度の契約ついて説明したものであるということを知ることで、2重の驚きになるわけである。ここには、区民への真実の説明、区民の利益ということよりも、何が何でも(財)新都市建設公社への委託したことを正当化する立場しか無いからである。

 しかも、2004年度の計画は、2003年度の調査委託結果の最終段階である、2004年2月9日に当初予算の発表、区議会の議論を経て3月末に決まったものである。にもかかわらず、6月には突然の予算の変更である。このことについて、区議会への報告は、私が見る限りでは見あたらない。議論にもなっていない。多くの読者のみなさんは、ここで起案書の事を知って、初めて知ることになったはずである。

 くどいようであるが、2003年度、2004年度の「中野駅周辺まちづくり調査」について、特許、特殊な資力・技術などを必要とされるわけではないにもかかわらず、他の業者についての検討を一切放棄してまで、(財)新都市建設公社を唯一の契約先したのは、契約として問題ないのか?区民としては、納得ができるまで、問い続けたい点である。 

3.公共施設の整備方針で、右往左往している中野区

2003年度調査委託契約で示された考え方(6月2日)

2003年6月30日、中野区議会第2回定例会での答弁

2003年度調査結果報告で示された整備方針

2004年度調査結果報告「公共施設整備事業方策検討に係わる報告書」で事業手法の評価結果

<資料>

第2回定例会 平成15年(2003年)6月30日
○まちづくり調整担当部長(那須井幸一) 3点目でございますけれども、中野駅周辺まちづくりについてでございます。
 既に着手しております調査検討の中で、区民参加を図らせていただきながら、具体的なビジョンを描いていく予定でございますが、中野駅周辺は、都市計画マスタープランで描く「にぎわいの心(しん)」として、また30万都市中野の顔として、住機能に加えまして、働き、学び、楽しむなど、多くの機能を備えた活力と魅力ある町の形成を目指していきたいと考えております。このうち、サンプラザを含む警察大学校跡地、区役所及び北口広場等の地域につきましては、防災公園などの公共施設だけでなく、商業業務施設や住宅などの導入も検討してまいりたいと考えております。また、
道路、公園等の都市基盤施設につきましては、開発者負担による整備の手法を追求していきたいと考えているところでございます。

4.実際にはどのようにして(財)新都市建設公社との契約に至ったのか?

 他の業者についての検討を一切放棄して(財)新都市建設公社を唯一の契約先として進めてきた契約が、どうのようにして実現したのだろうか。大変興味深い点である。なぜなら、

  1. それができるには、起案書を作る段階では、起案者=都市整備部まちづくり課は、すでに(財)新都市建設公社の受託についての意志を確認していたことになる。しかも、起案日と同日に決定されているので、突然出された案でもなく、これまで関係者間での調整されてきたことになる。
  2. そして、契約に係わる条件のほとんどが、中野区と公社の2者の当事者間で合意された上で、仕上げられてきたのではないかとの想像は、極めて自然である。
  3. 結果として、すでに紹介しているが、主管のつくった内訳書の総額と予定価格は同額である。また、契約価格は予定価格の98〜99%である。

<資料>

第1回中野駅周辺まちづくり調査検討委員会議事録 2003年9月3日
公社 今回の調査はこの地区のまちの活性化、そして産業、今日の状況等も視野に入れた上で、まちづくり及び土地利用の方向について、実現性のある方策を検討するものだと考えております。今後、区が具体的な施策を進める上で、指針となるべきものを作成しようとするものでございまして、そういう意味で、私ども財団法人の方にお手伝いをしろというお話があったものでございます。
 調査に当たりましては、多くの方々の意見をいただきながら進めようと、そういうことが最も適切であると考えられまして、
委員会方式で進めることを条件に、私どもがこの難しいテーマの調査を受託させていただいた次第でございます。したがいまして、委員は区御当局により御推薦をいただきまして、受託事業者の私どもが委員の委嘱をさせていただいた次第でございます。大変簡易なことで恐縮でございますが、お手元に委嘱状を用意させていただいておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 私どもはこの地区の将来について、いろいろな角度から調査し、そして検討し、委員会に報告をさせていただきますので、どうぞ忌憚のない御意見を賜りたいと思います。また、
本調査に当たりましては、できるだけよい成果を上げるべく、都心における開発調査に多くの経験を有します、株式会社日建設計を私どものパートナーとして一緒にやっていく予定でございます。あわせて御報告をさせていただきます。

中野区議会総務委員会〔平成15年1月24日〕
長田行政管理課長 (略) 都市整備部でございますが、これにつきましては基本的に課の構成等についての変更はございません。それぞれ組織整備上の課題につきましては、基本的には平成16年度の再編の際に課題の整理をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。土木担当部長につきましては、これを廃止しまして、まちづくり調整担当部長を新たに設置する考えでございます。都市整備部につきましても部門の大くくり化ということで第1段階の統合、都市計画部と建設部の統合が行われておりました。実際の組織運営としては土木担当部長が置かれまして、土木部門の統括をするというような運営の仕方がされておりましたが、これをまず解消いたしたいというふうに考えてございます。次に、これからの中野駅周辺のまちづくり、西武線立体化などのまちづくり等、今後中野区として重点的に取り組まなければならないまちづくりの課題について対応する部長級組織として、まちづくり調整担当部長を置くものでございます。

中野区議会総務委員会〔平成15年3月11日〕
長田行政管理課長 新たな課題に対応するということで、課題として挙げられたものは大変大きなものでございます。東京都と関係の事業主体等との調整がございますので、そういう意味で特命の担当部長を置くべきだというふうに判断したところでございます。

5.今後とも中野区が他の業者との比較をせずに1社との相対での随意契約にこだわるのか

 監査報告の措置もせずに、それでも、契約事務規則 第38条の随意契約できる金額を超えて、今後とも中野区が他の業者との比較をせずに1社との相対での随意契約にこだわるというなら、

  1. 契約に先立ち見積もり調書提出時に、その内訳書の添付を義務づけること。
     当たり前の事であるが、中野区では内訳書は後日でOKになっているため、見積もり調書提出は総額を提示するのみで、その根拠が当日は求められないという極めて厳格さに欠けた方式をとっている。

  2. 随意契約について、その契約経過、すなわち契約日、契約相手先、指定理由書、仕様書、予定価格、契約価格、内訳書、再委託契約の有無などについて契約後ただちに公表すること。

  3. 公表後、指定期間内において、随意契約の相手先として指名されなかった関係業者から、指名されなかった理由等の苦情申し立てを認め、その内容と処理結果について公表すること。

 公金を使う以上、こうした最低限のルールをつくり、あくまでも契約の公正さ、公平性の確保に努めるべきではないでしょうか。


その3 所管は委託先がふさわしい所かどうかの検査、調査もする姿勢さえも持ち合わせていない

 随意契約先として新都市建設公社を決めているにもかかわらず、議会で「素案の報告書つくるのに、日建に丸投げしたといううわさだってある」と指摘されても、その委託先がふさわしい所かどうかの検査、調査もする姿勢さえも持ち合わせていない。そのような指摘されれば、きちんと調査して、真実を究明するのが本来のあるべき姿だと思うが、中野区の姿勢は極めて異常に思える。この点からも、安易な随意契約だったといえる。契約先は、先に新都市建設公社ありきということか?

2004年8月4日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
池田委員 おかしいですよ。大体新都市建設公社は、これはうわさ話ですけれども、例の素案の報告書つくるのに、日建に丸投げしたといううわさだってあるんですよ。そういう疑惑があるところに、もし新たに契約を結ぶことになれば、当然そのことを質疑しますよ。何も言わないから、今まで言ってこなかっただけ、うわさの範囲内の話だから、そんなことは言わないでいたんだけれども、もしそれが報告されれば、当然そういう点をきちんと確かめているのかと言いますよ。何でそれが報告できないんですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 今おっしゃった丸投げ云々という話は私ども一切承知をしておりません。当然契約に当たりましては、適正、適切な契約先だというふうに考えております。
池田委員 そうじゃなくて、私がこのことを今まで言わなかったのは、そういう新都市建設公社にかかわる新たな契約問題が報告をされなかったからですよ。報告されれば、そういうことが区民から入ってきているわけだから、私としても、たとえうわさ話ではあったとしても、それはきちっと区として調査をすべきことなのではないかという質疑を当然したはずなんです。それが全然報告されないから、新都市建設公社についても、そのことで私がわざわざ発言するということはないですから、今まで言わなかっただけの話であって、そういう重要なことも絡む、今後の計画についても非常に重要なポイントじゃないですか。計画案をつくったところに、また細かな容量設計に及ぶような資料づくりまでやらせるというのは。当然報告すべきじゃないですか。何でこっそりやるんですか。全然わからないですよ、あなたのおっしゃる理由が。
豊川中野駅周辺整備担当課長 今委員の御指摘の話は、あるうわさという前提に基づいてだろうと思います。私どもは再三申し上げているように、そのような話は一切承知をしておりません。したがいまして、そのあたりの問題点は特に認識はしておりません

その4 委託内容が不明確であるのに、委託先は明確(2004年度)

 委員会に報告された「中野駅周辺まちづくり計画作成等支援業務委託の目的及び内容について」について質疑。委託内容も不明確なのにどうして新都市建設公社に随意契約でしなければなならい?

2004年10月20日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
来住委員 1,100万の契約をされたということですが、その内容について議会への報告は、この7月7日の契約以降の委員会でありましたか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 まとまった形で御報告いたしますのは今回が初めてでございますが、質疑の中で契約をしたというふうなことは申し上げたかと思います。
来住委員 このまちづくり計画については、当初からの委託費用を相当かけているわけですね。今回1,100万を超える契約をしたと。当然委員会にその目的、委託内容等を速やかに報告すべきだし、この資料では委託内容についても非常に不十分ですね。もう少し明確に内容のわかるような資料が本来は必要です。さらにそのことを求めておきます。最後にしますけれども、委託内容のところで、1番の区が開催を予定している学識経験者等による会議への資料作成とありますが、これはどういう内容の会議を考えておられるんですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 まだ現在開催をしておりませんで、具体的な内容は現在検討中でございますが、そこにありますとおり、区がこのまちづくり計画作成する際に専門的な立場から御助言、御意見などをいただく。そういった会議を予定しております。
来住委員 この内容も含めて、契約そのものの内容もそうですが、委託内容の中に出てくる、こういう学識経験者の会議などについては、当然事前に当委員会にこの中身を含めた報告がされるべきだと思いますけれども、どういうスケジュールになっているんですか。スケジュール表には入っていましたか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 現在まだ具体的にいつ開催する、あるいはどのようなメンバーかというところまで確定をしているわけではございません。あらましが決まり次第、御報告はしたいというふうに考えております。
来住委員 最後にしておきますが、こういう委託内容の最初に掲げられている業務を契約されるわけですから、スケジュールの中に入れるとともに、契約の中身を委員会に事前に報告をして契約をしていくということが当然だと思います。このことは時間がありませんので、次回やりたいと思います。

その5 地方自治法施行令167条の2の第何号を適用した随意契約か 

 今回の場合は、自治法施行令167条の2の第何号を適用した随意契約としたのだろうか。総務部は、その点を調査していないようで、その点は明確ではなかったが、私のその後の調査で、第2号を根拠としていることが分かった。 

地方自治法施行令
(随意契約)

第百六十七条の二 地方自治法第二百三十四条第二項の規定により随意契約によることができる場合は、次の各号に掲げる場合とする。
一 売買、貸借、請負その他の契約でその予定価格(貸借の契約にあつては、予定賃貸借料の年額又は総額)が別表第五上欄に掲げる契約の種類に応じ同表下欄に定める額の範囲内において普通地方公共団体の規則で定める額を超えないものをするとき。
二 不動産の買入れ又は借入れ、普通地方公共団体が必要とする物品の製造、修理、加工又は納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき。
三 緊急の必要により競争入札に付することができないとき。
四 競争入札に付することが不利と認められるとき。
五 時価に比して著しく有利な価格で契約を締結することができる見込みのあるとき。
六 競争入札に付し入札者がないとき、又は再度の入札に付し落札者がないとき。
七 落札者が契約を締結しないとき。

その6 2人以上の者から見積書を徴し、予定価格調書をつくったのか

 随意契約の方法による場合、特定の相手方と自由な契約を締結することとなるので、契約価格に公正を欠き、発注者である自治体に不利となるおそれがある。また、随意契約であっても適正な価格で契約しなければならないので、何が適正な価格であるかという基準を持たなければならない。つまり予定価格調書の作成が必要になる。

 中野区の契約事務規則によると、随意契約においても、公正な契約を実現するため、2人以上の者から見積書を徴すこととなっている。今回の場合は、(財)新都市建設公社であるから、41条の例外規定にあたらない。

 しかし、「調査結果」はこの点について、まったく調査しなかったのか。これ以上問題が明らかになることを恐れて、伏せたのか?何との中途半端な「調査結果」である。

 調べた結果、2003年、2004年とも自分たちのつくった契約事務規則さえ守っていないことがわかった。

中野区契約事務規則
第4章 随意契約
(随意契約によることができる場合)

第38条 政令第167条の2第1項第1号の規定に基づき随意契約によることができる契約は、その予定価格が次の各号に定める額以下のものとする。
(1) 工事又は製造の請負契約の場合 1,300,000円
(2) 財産の買入れに関する契約の場合 800,000円
(3) 物件の借入れに関する契約の場合 400,000円
(4) 財産の売払いに関する契約の場合 300,000円
(5) 物件の貸付けに関する契約の場合 300,000円
(6) 前各号に掲げるもの以外の契約の場合 500,000円
(予定価格の決定)
第39条 契約締結者等は、随意契約によろうとするときは、あらかじめ第18条の規定に準じ、予定価格を定めなければならない。
(見積書の徴取)
第40条 契約締結者等は、随意契約によろうとするときは、契約条項、その他見積に必要な事項を示して、なるべく2人以上から見積書を徴さなければならない。
(見積書徴取の省略)
第41条 次の各号の一に該当する場合は、前条の規定にかかわらず見積書の徴取を省略することができる。
(1) 国、公共団体その他の公法人と契約を締結するとき。
(2) 法令により価格の定められている物を購入するとき。
(3) 前各号のほか、見積書徴取の必要がないと認められる相当な事由があるとき。

 

その7 これからも委託は(財)新都市建設公社に約束?再委託先も?

 「中野駅周辺まちづくり計画」は、2004年度、2005年度、すでに約0.5億円の予算が組まれた。
 2006年度以降について、その積算は?

 2004年度にも、「中野駅周辺まちづくり計画作成等支援業務委託」が、2003年度と同様に(財)新都市建設公社に随意契約で発注された。何故、(財)新都市建設公社かの理由を見ると、「昨年度も中野駅周辺まちづくり調査を実施しており、基礎的な情報、現在までの検討経過の掌握、関係機関との調整結果及び連絡体制等、計画作成に係わる基礎的条件等を既に有しており、計画作成にあたり他の業者ではこれら資源にもとづく整合性のある作業実施は不可能である」と書かれている。その他、いかにすぐれた企業であるかということも書かれている。

 ということは、「中野駅周辺まちづくり計画」実施までの調査、計画づくりが行なわれている間は、この計画は、いつまでも(財)新都市建設公社に委託されるということなのか?しかも、「調整能力がすぐれている」「民間資金を活用した都市計画手法に精通」「新都市建設公社以外では実施不可能」とまでいって、新都市建設公社に随意契約されるのは当然だというのだから、将来もかなり先まで約束された契約ということになる?

 まだ、2004年度決算数字は出ていないが、予算数字では、上記のように2004年度、2005年度で計約0.5億円計上されている。それが、すべて(財)新都市建設公社に委託されるということは、今の事態になってはないだろうが、それなりの金額が予定されるのではかということは、容易に予想される。

 さらに、新都市建設公社から再委託がされているが、その再委託先は2003年度と同様に、2004年度も同じ日建設計である。その理由を、(財)新都市建設公社は、2003年度の実績、継続性とこれまたうり二つで特命随意契約している。

 2003年度の財務監査報告にもとづく措置が、いかに重要であるかということである。逆に、そのサボタージュが何をもたらすのかということである。早急に、真相を徹底糾明してほしい。また、ことの事態を区民が知る必要があるのではないだろうか。

< 資料 >

その8 契約価格は予定価格の98〜99%

 こちらで書いたように、2003年度、2004年度ともに、2人以上の者から見積もりを徴していない。では、予定価格と実際の契約額との関係はどうだったのか。

 2003年度は、14,280,000円の予定価格に対して、(財)新都市建設公社の第1回目の見積額が14,000,000円(予定価格の98.0%
 2004年度は、11,425,000円の予定価格に対して、(財)新都市建設公社の第1回目の見積額が11,320,000円(予定価格の99.1%
  (注)いずれも 消費税を含まず

 いま、マスコミでは橋梁談合が話題を呼んでいます。しかし、この契約も大変なものです。談合するまでもなく、予定価格の98%〜99%で契約できるわけですから、業者から見れば、こんなおいしい話はありません。

 くどくなりますが、もう一度、こちらを読んで頂きたいと思います。何のために、随意契約の時のルールを決めているのかということです。それを、守っていないということがどういう事態をつくりだしているのか。

 私たちの公金の使われ方がこのようなことで良いのでしょうか。

 実は、この2件だけでは、こんなぴったりの数字はでてこないのではないかと思っていました。そこで、こちらに示した過去の契約に関する契約がどうだったのかの情報開示請求をしておきましたが、驚くべき事に、いずれも5年以上も前で、規定の保存期限を過ぎており、不明と言う結果です。にわかに信じがたい結果ですが、いずれにしても、中野区は公金が使われているにもかかわらず、その監理が極めて杜撰なことに驚きました。 

 中野駅周辺まちづくりに要した経費について中野区が発表している数字は、1987年から2003年で、調査費等=4.9億円、設計工事費=6.1億円、補助金=54.6億円です。そのほとんどが、もはや区民からチェックできる状況にはない?

 こんなことが、これからもまかり通って良いのでしょうか。

その9 あなたはこの謎をどう解きますか?

 その7で見たように、契約額が予定価格の98〜99%のなぞについて、あなたはどう解きますか。

 以下はフィクションです。 

 2003年6月10日午後、(財)新都市K公社の私は、N区役所で、「N駅周辺まちづくり調査委託」の仕様書をもらった。そして、その見積もりの日時を、6月13日10時30分、N区役所6F契約前と指定された。この日時は、事業担当所管には知らされていない。

 帰社した私は、仕様書からまじめに、積算などしなかった。なぜなら、6月13日に提出する見積もりは、N区役所の場合は、総額だけでOKだからである。その内訳書を当日に求めるられることはないので、安心だ。しかし、2回までは予定価格を上回ることは許されても、3回とも予定価格を上回ることは許されない。だから、まったく安心だというわけでは、もちろんない。とりあえず、N区役所の2003年度の当初予算をHPでみることにした。すると、「N駅周辺まちづくり検討」として、15,000千円の予算ということがわかった。そこから自分なり想定した金額として、当日、私は14,000,000円の見積書を提出した。運良く第1回見積もりで採用されることになり、ほっとした。予定価格は、14,280,000円だということが分かった。N区役所の場合は、当日に見積もりの内訳書を求められることはないので、後は、この総額にそった形で、内訳書を作成し、契約書を作成する日に持ち込んで契約書として製本してもらった。

 問題は、2004年度の見積もりだった。2004年6月29日午後、私はN区役所で、「N駅周辺まちづくり計画作成等支援業務委託」の仕様書を受け取った。指定された見積もりの日時は、7月5日11時、N区役所6F契約前だった。昨年と同様に、当初予算を見てみた。しかし、おどろいた。2004年度の場合は、前年と違って「N駅周辺まちづくり計画作成」として、総額3500万円がわかるだけだった。事業内容として、他の具体的な計画案作成、調査など7つもの項目がのっていた。これでは、昨年のようにはいかない。あせったことを覚えている。

 しかし、7月7日には、私が提出した1回目の見積書が、予定価格の99.1%と言う金額で、みごと採用となった。後は、前年同様、その総額のそった形で、内訳書を作成するのみだ。え、「7月5日が指定された見積もりの日時じゃなかったのか」だって。なぜ私が7月7日に見積書を提出したのか、その理由なんか、もう忘れてしまった。その内、思い出したら、教えるよ。

 「なぜ、予定価格の99.1%という見積書を最初から提出することができたのか」って、そんなこと教えられるわけがないじゃないか。しかし、驚くことはない。N区役所の随意契約は、こちらだって99.2%だし、こちらだって98.0%なんだ。もっとも、これらは私の2003年度のようにやったといえば、何の不思議もなく通る話だ。でも、本当のところはだれも知らないことだけどね。2003年度の私の話だって、そういえば通らないことはことはないだけの話であって、真実をしっているのは私だけだからね。

 あっ、そのうち、時間ができたら、他から聞いた話も紹介するよ。

 以上、フィクションでした。

その10 主管が作成した委託経費と契約予定価格は同一

 中野区では、主管から提出された見積もり算定額=支出予定額を参考に、総務部の契約課で予定価格を決定する、その予定価格は主管にも知らされない仕組みになっていると聞いていた。

 しかし、実態は主管の算定した金額と予定価格は同一になっている。

 2003年度 中野駅周辺まちづくり調査委託起案文書=14,994,000円=予定価格

 2004年度 中野駅周辺まちづくり計画作成等支援業務委託起案文書=11,996,250円=予定価格

 2003年度の起案文書を見ると、起案はまちづくり課の担当者で、審議として係長、課長、部長と印が押され、決定後の供覧として、都市整備部長、都市計画課長の印が押されている。

 そして、契約に先立つ予定価格調書(予定価格そのものが書かれている文書)には、契約担当、係長、担当課長の印が押されている。

 同じく2004年度は、起案は都市整備部地区整備分野担当者が起案し、審議として執行責任者=課長、統括管理者、部長の印が押され、協議としてまちづくり統合調整担当部長の印が押されている。

 そして、こちらも同様に、契約に先立つ予定価格調書(予定価格そのものが書かれている文書)には、契約担当、係長、担当課長の印が押されている。

その11 広域避難場所、防災公園など視点は、最初からなかった中野区

1.起案書から

 2003年6月2日に起案された「中野駅周辺まちづくり調査について」の起案書では、次の書かれている。

 中野駅周辺においては、中野サンプラザの売却、中野清掃工場の必要性の有無、区役所の老朽化など今後のまちづくりに大きな影響を与える課題が顕在化していきている。また、区財政の悪化によりこれまで計画化した施設等の実現が困難になってきている。
 そこで、中野駅周辺を対象に、中野駅周辺地区整備構想、警察大学校等跡地移転利用転換計画案、中野2丁目地区市街地整備計画案などを踏まえ、まちの活性化や産業振興も視野に入れながら、中野区都市計画マスタープランにあるにぎわいの心としての街づくりや土地利用の方向性について、実現可能な事業手法を含めた調査検討を行ない、「中野駅周辺まちづくり計画(素案)」を作成するため下記のとおり調査委託を行なう。

 (略)・・・・委託期間、委託内容、契約方法、委託経費、などが記述されている。

2.仕様書から

 仕様書については、これまで契約問題として何回か取り上げてきました。ここで、あらためて中野区が、「目的とするものが何か」という視点で見直すと、「中野駅周辺街づくり調査委託仕様書」には、目的として下記のように書かれています。

目的
 中野駅周辺を対象に、中野駅周辺地区整備構想や警察大学校等移転跡地土地利用転換計画案、中野2丁目地区市街地再整備計画案などを踏まえて、まちの活性化や産業振興も視野にいれながら、中野区都市計画マスタープランにある賑わいの心としてのまちづくりや土地利用の方向性について、実施可能な事業手法を含めた調査・検討を行ない、「中野駅周辺まちづくり計画(素案)」を作成することを目的とする。
 

3.内訳書から

 さらに、内訳書をみると、仕様書に書かれている「2.計画作成業務」の「B公共施設計画 (ロ)公園緑地・オープンスペース計画」はどっかにいってしまっています。公共施設も公益施設に変更、公共施設は「事業手法の検討」として出てくるだけです。

 念のために、一般的な定義として言われてることは、公共施設とは、道路・街路、公園、下水道など、公益施設 とは学校教育施設、社会教育施設、社会福祉施設、保険医療施設、行政管理施設などです。、 

 このように、中野区は最初から「中野駅周辺」について、サンプラザ、庁舎なども視野に入れた大規模な開発計画の視点しかなかった。この中野区の方向に、重大な影響を与えたのが、中野区が予想もしなかった住民運動であったのではないでしょうか。


(財)新都市建設公社から日建設計への再委託問題・・・(財)新都市建設公社は最適な契約先だったはずだが

委託業者との契約書と、委託先と再委託先との契約書が酷似・・・・一括再委託、主要な業務の再委託は契約では禁止

  1. 中野区が「中野駅周辺まちづくり計画」調査委託契約をしたのは、2003年6月13日である。それは、随意契約であるので、それ以前にすでに、(財)新都市建設公社とは、受注できるかどうか、できたとしても発注を受けるかなど、契約にあたって下打ち合わせが、何回かおこなわれてたはずである。その下打ち合わせの段階で、すでに上記の「その1〜6」まで記述した内容は、想定できていなければならない、契約のイロハ事項である。
  2. しかも、中野区は本来なら競争入札すべき契約を、あえて法律を十分遵守した上で、価格もさることながら、その成果物のできあがり具合、質的な面を勘案して、「多様なまちづくりのノウハウが蓄積されている」「都市計画決定に向けた図書のノウハウもある」(指定理由書)など、この会社だったら最も公金を使うにふさわしい企業だとの判断をし、契約にいたったはずである。

ところが、再委託問題でだれもが否定できない2点の事実が明らかに

  1. 委託契約書及び請負業者と下請け業者との再委託契約書の委託業務にかかる記載内容が酷似していること。
  2. (財)新都市建設公社は監査委員から指摘を受けざるを得ないような契約内容で再委託をしていること。

2005年2月7日「調査結果は2点を否定するものではない(この問題での詳細な検証はこちら)、

  1. 上記の2点を認めて、しかし再委託は主要な部分でない部分的内容でしかも請負業者の関与下だったので法律上問題がないとの結論を導き出しただけ。
  2. 「調査結果」が上げたその理由は、上記の区民のだれもが否定することができない2点の客観的事実を否定できる中味に、全くなっていないということ。

では、区民の立場にたった場合に、再委託問題などを通して何が解明される必要があるのか

 そもそも、(財)新都市建設公社になぜ随意契約したのかという指定理由書をみれば、「財団法人として公平・公正な立場にある」「地方公共団体から出捐・・・」「都からの派遣職員が多い・・・」となっている。その理由の是非はともかく、(財)新都市建設公社は中野区として責任もって随意契約した業者だということだ。地方公共団体が、公金を使う公共事業の受注先として責任もって決めた業者であり、今回のような財務監査の問題を起こすということがあってはならない極めて信頼できる業者だったはずである。また、業務内容から言っても、「中野駅周辺まちづくり計画」を受注する優秀な能力を持ち合わせた企業であり、契約で禁止されている一括再委託、主要な業務の再委託などの疑義が生じる余地のない発注先だったはずである。

  1. いった、いつ頃から、だれとの間で公社との連絡がおこなわれていた?
  2. (財)新都市建設公社と契約するにあたって、再委託について事前に承諾していた?
  3. 監査報告は予想もしなかったものだとしても、特異な対応までして、何故に(財)新都市建設公社への随意契約にこだわる?
  4. 経験をつんだ実務者が入って進めていれば、契約のイロハに係わる今回の問題がおきるはずがない?

 <資料>

 その1 (財)新都市建設公社から日建設計への再委託の理由・・・その時の都合でコロコロ変化

2003年9月・・・「都心における開発調査に多くの経験を有する」(公社)のでパートナーとする

2003年9月3日 第1回中野駅周辺まちづくり調査検討委員会議事録
公社(注 (財)新都市建設公社のこと 私どもはこの地区の将来について、いろいろな角度から調査し、そして検討し、委員会に報告をさせていただきますので、どうぞ忌憚のない御意見を賜りたいと思います。また、本調査に当たりましては、できるだけよい成果を上げるべく、都心における開発調査に多くの経験を有します、株式会社日建設計を私どものパートナーとして一緒にやっていく予定でございます。あわせて御報告をさせていただきます。

2004年9月・・・一部専門性の高い部分について日建設計に協力を求めた

2004年9月29日 決算特別委員会
豊川中野駅周辺整備担当課長 少し経緯を申し上げますが、平成15年度に中野区は中野駅周辺まちづくりに関する調査委託を、財団法人東京都新都市建設公社に行いました。この受託いたしました東京都新都市建設公社は、株式会社日建設計に対しまして一部専門性の高い部分について協力を求めたということでございます。したがいまして、同席した本年5月の打ち合わせにつきましては、平成15年度、前年度の調査検討内容の細部の確認などのために財務省が必要とし、同席させたものでございます。
(略)
那須井まちづくり総合調整担当部長 今、課長から答弁をさせていただきましたけども、質問の前後関係で課長の方の答弁、少し訂正ということをさせていただきたいと思いますけども、これにつきましては、先ほど5回の財務省との検討がございますけども、この5月の分につきましては、財務省の要望によりまして中野区が日建設計の出席を求めたということがございます。その後、3回目以降は、これは新都市建設公社が区から調査委託を受けて、その一部の専門的なところを日建設計に協力を求めたということで、新都市建設公社が日建設計を作業上の都合で呼んだというふうに理解をしております。

2004年11月・・・知らぬ存ぜぬ

2004年11月9日中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
池田委員 新都市建設公社に区が7月9日付で契約しましたよね。1,270万円だったかな。私たちは、その発注仕様書を情報公開で取り寄せました。それから新都市建設公社が日建設計に下請としてまたそれを発注しているんですよ。その発注仕様書も取り寄せました。その中では、地区計画のことについて相当詳しく調査をすることになっているんですよ。現在、財務省と日建設計が直接やっていますよね。ちょっとそれをまず聞きましょう。
豊川中野駅周辺整備担当課長 今の御質問は、私どもは存じておりません
池田委員 日建設計はそういう役割を果たす契約を新都市建設公社としているんですよ、現に。やっているはずなんです。何百万円かもらっていますから。そういうものがかなりもう区にも届いているのではないですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 そのようなことは一切関知をしておりません
池田委員 では、新都市建設公社を通じて、今どれぐらい作業が進んでいる、こういうことが今やられている、そういう報告はないんですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 現在、さまざまな条件整理をしまして検討をしている段階でございます。したがいまして、現在、こうなりますということをお示しできる段階にはなっておりません。

2005年2月・・・委託したのは部分的作業

2005年2月7日 「平成16年度財務監査報告結果に係わる調査結果について」より
 再委託契約の中では、再委託業者(=(株)日建設計)に「計画作成業務」のうち、「空間形成計画」にかかわる主要な箇所でのイメージ図をパワーポイントとして作成する業務を行なわせた。

 その2 都内23区の監査の実態を比較してください


中野区の主体性はどこで発揮されたのか

 監査委員からは、「納品された成果品は、仕様書に定めてある項目にそった記述が確認できない報告書であり、また「事業関連参考図書の作成」と仕様書にあるにもかかわらず、他の成果品の内容をもって承認し検査も合格としていた」との指摘を受けた。下記の質疑をみれば、監査の指摘が正しいか一目瞭然である。

 「調査結果」の報告は、「仕様書の変更がなされていなかった」が原因と結論をだしているが、後出しジャンケンである。所管部門は、発注者としての責任も主体性もなくノーチェックだったということがよくわかる。

 その問題の本質は、納品物のノーチェックにとどまらず、こちらに分析をみればわかるように、委託調査そのものに中野区の主体性がまったくないということである。

2004年7月2日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
池田委員 この報告書なんですけれど、今、閲覧して、我々も全部コピーして持っていますけれども、これは新都市開発公社から出された報告書すべてがきちんとこの報告書の中へ入っていますか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 私たちが受け取ったのは、これがすべてでございます。
池田委員 そうしますと、目次に書かれてあることはすべて入っているというふうに考えてよろしいですね。
豊川中野駅周辺整備担当課長 入っております。
池田委員 ところが、入っていないんですよ。目次の一番最後に、財政資料、財政試算だったかな。それはないんです、この見せている報告書には。だから、一番肝心なところをカットしたんじゃないかと我々疑っているんですよ。どうして出さないんですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 ちょっとそれは、目次がひょっとしたら間違っているかもしれません
池田委員 1,500万円も払ってつくらせた報告書ですよ。我々が見てもすぐ気がつくことを、専門家のあなた方が気がつかないんですか、そんなこと。
豊川中野駅周辺整備担当課長 ずっと私たち内容だけを見ておりましたので、そういった間違いがあったかもしれません

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中野区は、区民から見れば契約違反をされた被害者であり、(財)新都市建設公社に対し徹底調査をすべきだと思うが?

その1 委託業務の2/3が日建設計へ再委託されている

 中野区は、監査委員から言われて初めて(財)新都市建設公社(以下「公社」)の契約違反事項を知ったことになっている。そして、これはいけないと調査して、「監査委員の指摘はあたらない」と結論を出した。税金を支払っている区民から見れば、「公金の使われ方の問題ではないか。中野区は、そんなことで良いのか」と怒っているはずだ。それに対して、中野区は、公社にたいして、あまりにも寛容ではないか。

 その謎解きの、ヒントは、こちらにありそうである。それは、検証するに相当する物がそろってから、順次していきたい。

 公金の使われ方に中野区が徹底調査をする気がなければ、区民の手でおこなう必要があるのではないか。

1.「中野駅周辺まちづくり調査委託」は中野区と公社で、2003年6月13日、1470万円で随意契約した。なお、随意契約に先立ち、公社との契約にするという「指定理由書」は、03年6月2日付けに起案されている。

中野駅周辺まちづくり調査委託の起案 03/6/2
「指定理由書」の起案 03/6/2
契約の締結についての起案  03/6/6
予定価格調書の作成 03/6/10
契約条件等を示す日時 03/6/10
見積もりの日時 03/6/13
契約の日時 03/6/13

契約書によれば、委託内容は、以下の通りである。

     中野区と(財)新都市建設公社との契約     (財)新都市建設公社と日建設計との契約

契約日    2003年6月13日 随意契約        2003年7月28日 プロポーザル方式による選定

委託内容  下記表参照(ここでは、それぞれの事項の内容は省略したが、原文はほとんど両者同一文)

中野区と公社との契約

金額

 

公社と日建設計との契約

金額

1.現況調査業務

120万円

  1.現況調査業務  
@現況調査     @現況調査  
 (イ)人口調査
 (ロ)土地利用調査、
 (ハ)業務・商業実態調査
 (ニ)公共公益施設調査
 (ホ)周辺区の開発調査
    ・人口調査
・土地利用調査
・業務・商業実態調査
・公共公益施設調査
・周辺区の開発調査
 
A条件調査      
 (イ)広域的条件
 (ロ)都長期計画、区都市計画マスタープラン
 (ハ)整備上の課題など
       
2.計画作成業務

150万円

  2.計画作成業務  
@まちづくりの方向性検討     @まちづくりの方向性検討  
A土地利用基本構想     A土地利用基本構想  
B公共施設計画      
 (イ)交通計画、
 (ロ)公園緑地・オープンスペース計画
       
C供給処理施設計画     B供給処理施設計画  
D土地利用誘導計画     C土地利用誘導計画  
 (イ)新規立地機能の具体的検討
 (ロ)新規機能立地誘導計画
    ・新規立地機能の具体的検討
・新規機能立地誘導計画
 
E空間形成計画     D空間形成計画  
3.事業検討業務

220万円

     
@事業手法の検討      
 (イ)地域区分
 (ロ)地域別事業手法の設定
 (ハ)事業計画素案の検討
       
A事業県連参考図書の作成        
4.その他業務

220万円

  3.その他業務  
@「中野駅周辺まちづくり計画(素案)」の作成        
A検討組織への対応     @検討組織への対応  
B区民への対応        
C関係機関への対応        
報告書作成

30万円

     
  直接人件費
  約740万円
諸経費
  約660万円
    明細不明
 約500万円
  総計
 約1400万円
(消費税を除く)
    総計
 約500万円
(消費税を除く)
注)10万円単位にするために四捨五入        

 こちらで書いたように、これは公社との十分な事前の打ち合わせを行なって能力の十分ある公社で「いける」と判断しての契約書である。契約書の第3条には、「一括再委託の禁止」という契約のイロハの条項もきちんと入っている。

2.公社は、2003年7月28日に、(株)日建設計と、4,987,500円で、「中野駅周辺まちづくり計画(素案)作成業務」という件名の委託契約をしている。

 契約書によれば、委託内容は、上記の表で比較した通りである。(上記と同様に項目のみ抜粋)

 中野区と公社の契約と、公社と日建設計の契約の違いが分かるように、上記の表とした。

 中野区と公社の契約では、業務別の内訳書があり、上記1の業務別に各金額が記入されている。実際には、もっと詳細に数字がはいっている。

 それによると、委託業務(現場調査業務、計画策定業務、事業検討業務、その他業務、報告書作成業務)直接人件費計=約740万円(これ以外に諸経費が約660万円あるが、内訳がないので、何の経費か不明である)である。ちなみに、その内訳書にもとづいて、公社と日建設計との委託業務を試算すると、約470万円である。したがって委託業務の2/3が日建設計へ再委託されていることになる。(以上、消費税を除く)

 この委託業務の分析の根拠は、「業務別内訳書」でおこなったものであるが、この「業務別内訳書」は、中野区・公社間の契約書、公社・日建設計間の契約書のものと、字体・様式がウリ2つである。金額欄が、前者には記入がされており、後者のものは未記入であるという違いがあるだけである。そこで、公社作成の「業務別内訳書」の金額をもとに、後者の「業務別内訳書」の金額を算出したものである。

その2 その日建設計への再委託は中野区も知っていた?

1.監査報告に対する「調査」をしながら、再委託についてさけた不十分な調査

 これまで解明した点はこちらを参照していただきたい。繰り返しになるので、結論だけ言うと、再委託問題については、中野区は被害者であるにもかかわらず、調査をさけ、問題ないとした。中野区にとっては、再委託問題は、まるで顕在化してはならないことだったかのようである。

2.指定理由書で、公社は再委託に優れた企業と書いている

 上記の指定理由書をクリックしてよく読んでいただきたい。指定の根拠の欄に「十分なアウトソージング機能をもつ」、また、他の業者では不都合な理由な欄には「業務・商業等の需要に詳しい民間コンサルタントを協力企業として活用できる」と書いてある。はじめから、中野区は公社と随意契約に至る下打ち合わせで、再委託を双方で了解していたことになる。

 以上の2点から言って、中野区は再委託されることは承知していたのでは無いかと思われる。

その3 再委託先が決まる経過

 そうすると、次に解明すべき点は、再委託が前提だとしても、再委託する企業名まで前提とされていたのかという疑問が生じる。なぜなら、再委託先は日建設計であり、そこは警察病院の実施設計者である。そこが、「中野駅周辺まちづくり計画」にかかわることは、だれが考えても問題が生じることは明らかである。この点は、すでにこちらで解明しているので参照して頂きたい。

 したがって、大前提として、どういう決まり方にしろ、複数の企業が進出する同じ区域の開発を進める全体の計画をつくるのに、その区域に進出する1企業の設計に係わる企業がその計画にかかわれば、計画の公平、公正さは、客観的に失われる。したがって、常識的には、日建設計が再委託先にはならないはずである。

 百歩譲って(本来は譲ってはならない問題だが)、日建設計が再委託先になるのに、不自然さはないかという調査が求められる。

1.公社と日建設計との契約の方法

 中野区と公社の契約は6月13日である。その後、契約した公社は7月7日に、「『中野駅周辺まちづくり調査』について、一部業務を外部委託することとなり、プロポーザル方式(指名型)により委託者を特定することとなりました。そのため、貴社の実績等を考慮しこの要請書を送付するものであります」として、「プロポーザル方式参加要請書」を日建設計を含む8社を指名して送付した。問題は、なぜ8社の中に、日建設計が入ったのかが不思議である。

 また、プロポーザル方式とは、設計を委託する上で価格で決めるのではなく、委託業務に最も適した技術力や経験、設計に臨む体制などを含めた提案書を提出してもらい、公正に評価して設計者を選定するというものである。この方式を採用したこと自体、再委託はかなりの技術力が求められるものだったということであり、委託業務の2/3が再委託ということと、合わせると、ほとんどを再委託した、あるいは下請けというより上請けと言ってもおかしくないのではないかと、思えてしかたがない。そんなことをするなら、はじめから中野区が、プロポーザル方式で、確かな所と契約すれば、公社の手を煩わす必要もなかった。何のための、公社との随意契約だったのだろうか。

 このプロポーザル方式は、発注する側の負担も、参加する側の負担の大変なものである。調査結果」が言うように「空間形成計画」にかかわる主要な箇所でのイメージ図をパワーポイントとして作成する業務を行なわせ」というものなら、価格で決める競争入札方式をとればよいのではないか、区民が納得できる徹底した調査をしていただきたい。

 このように、不可思議な要素が見られる再委託契約である。

2.選定について無理なスケジュールと不透明な基準と言えないか

 では、そのプロポーザル方式によって、契約先が決まるまでに、どのような段取りがあったのだろうか。

7/7  参加要請書送付
7/10 意思表明回答期限
7/22 提案書の提出及びヒアリング(公社が提案者の事業の精通度、コミュニケーション能力を知ることができる)
7/23 特定・非特定の通知

 提案課題は「まちづくりコンセプトの提案、土地利用計画に関する提案、中野駅周辺整備に伴う市場性に対する提案、新規立地機能誘導の提案、その他配慮した事項」であり、この課題で100点満点の内50点が評価基準として配分されている。

 あらかじめ、この計画に精通しているものであればともかく、7/7に要請書を受け取って7/22までに、これらの提案課題をこなすにはかなりの無理があるのではないか。ちなみに、8社の内、1社が辞退した。日建設計を除く7社の名前は個人情報保護法の関係もあり公表されない。各社が2週間かけて必死になって作り上げた提案書は、提出された翌日には審査結果が通知されている。膨大な資料を、どのようにしてこのわずかな時間の中で、どのような体制で審査したのだろうか。また、指名8社に至った経過も不明である。

 通常のプロポーザル方式で望ましいとされる、審査委員の公表、説明会の開催、質疑の実施、質疑の回答の公表、審査結果の公表、特定・非特定の各社の理由の書面による通知等、数々の過程が一切やられていない。このように、極めて不透明な中で、7月24日に日建設計に特定された。

 なお、2002年9月25日判決(岐阜地方裁判所民事第2部)が出された、2000年(行ウ)第24号 首都機能移転情報非公開処分取消請求事件によると、上記の部分については、情報非公開の取り消し命令が出されているものがある。中野区がその気になれば、再委託先の決定過程についても徹底調査の展望は十分あると言える。

3.公社はこの再委託費を500万円と決定した

 公社には、公社自身の「契約規定」がある。第12条で、工事または製造の請負は、250万以下の場合が随意契約の範囲であると決められている。また、500万円という予定価格については、「契約規定」を準用すれば、第13条でいうように、「なるべく2人以上から見積もり書をとらなければならない」。500万円という、再委託の予定価格について、中野区は関知していたのであろうか。

 実際の委託業務の金額と、全体の委託費の大きな違いは、「諸経費」=660万円である。

 「都市計画策定業務および報酬基準」(1997年 (社)都市計画コンサルタント協会等が作成)によると、「諸経費」とは、「当該業務に関して間接に、必要な費用すなわち、管理費、社屋関係費、高熱水道料、消耗品費、機械器具備品などの修繕費と償却費、通信運搬費、旅費交通費、法定福利費、会議接待費、公租公課、厚生費、印刷費、応礼業務費、業務開発費、保険料、金利および雑費などをいう。ただし、直接人件費及び直接経費に含まれるものを除く」「諸経費は、直接人件費の100%以上を標準とする」となっている、(注・・最新のものがどうなっているかは、入手次第訂正する。)

 とすると、公社と日建設計との契約金額500万円のうち、約1/2は諸経費があるということになる。とすると、委託業務の2/3など、再委託できないという矛盾にぶつかる。

 公金であるにもかかわらず、それとも公金であるが故になのか、極めて不可思議な積算だと思える。公社との委託金額、公社の再委託金額への中野区の関与について、中野区は明らかにすべきではないでしょうか。

 区民の目から見て、これらの経過をどう評価すれば良いのでしょうか。私たちの公金の使われ方として問題ないと評価して良いのでしょうか。

 ことは、数々の問題点が指摘されながら、極めて拙速に進められている「中野駅周辺まちづくり計画」である。そのまま行けば50年先、100年先の問題となって残ってしまう。いったん動き出してからの見直しでは、その影響はまた様々なところに甚大なものとなる。この様な事態を受けても、なおかつ、公平で公正な進行が担保されると言えるのか、一日も早く、そしてできるかぎりの多くの区民の評価が待たれるのではないでしょうか。そして、この行政のチェック機能を、区民の力で発揮しようではないか、と思うのですが、いかがでしょうか。


2004年度の「中野駅周辺まちづくり計画策定業務委託」契約の検証

その1 どんな契約がおこなわれたのか

 

 2003年度は見づらかったので、2004年度については、比較しやすいように表にした。(いずれ、2003年度についても差替える予定)

 中野区と(財)新都市建設公社との契約     (財)新都市建設公社と日建設計との契約

契約日    2004年7月7日 随意契約        2004年7月22日 特命随意契約

委託内容  下記表参照(ここでは、それぞれの事項の内容は省略したが、原文はほとんど両者同一文)

中野区と公社の契約 金額 公社と日建設計の契約 金額
中野駅周辺まちづくり計画作成支援業務

 190万円

   
 中野駅周辺まちづくり計画方針案作成      
地区計画検討支援業務

230万円

警察大学校等跡地地区地区計画作成業務  
 計画地の位置づけ等の整理    計画地の位置づけ等の整理  
 再開発目標の整理    再開発目標等の整理  
 空間設計の方針整理    空間設計方針の整理  
 開発規模の検討    開発規模の検討  
 建設物等整備方針の検討    建設部等整備方針の検討  
 交通計画等の検討    交通計画の検討  
 供給処理計画の検討    供給処理計画の検討  
 環境影響評価の検討    環境影響の検討  
 整備プログラムの検証    整備プログラムの検証  
 都市計画参考図書等作成    都市計画参考図書作成  
公共施設整備事業方策検討業務

190万円

公共施設整備事業方策検討業務  
 公共施設整備の条件整理    公共施設整備の条件整理
 公共施設整備事業方策検討      
 報告書作成      
 

直接人件費
  約610万円

  明細不明
 約400万円
  諸経費
  約530万円
   
  総計
 約1130万円

(消費税除く)
  総計
 約400万円
(消費税除く)

注)10万円単位にするために四捨五入 

 公社と日建設計との契約書には、内訳書の金額は空欄になっており契約書の表紙に、契約金額420万円(消費税含む)が書かれているだけ。なお、いずれの契約書の内訳書にも、右隅に(財)新都市建設公社の社名が入った用紙が使われている。本来あってはならないが、両者とも、同一の業者が作成したということか。

 また、2004年度の契約先を随意契約することについて、6月25日付けの指定理由書は「昨年の検討に係わる資源を有効活用でき」とか「計画策定にあたり他の業者ではこれら資源に基づく整合性のある作業実施は不可能である」としている。この考え方で行けば、再委託についても当然で、再委託先企業についても前年度同様でいくという方針を、この時点で確認していることになる。

  <資料>

随意契約先を(財)新都市建設公社とする指定理由書は2004年6月25日付けで「採用する」となっている
契約の締結についての起案  04/6/25
契約条件等を示す日時     04/6/29
予定価格調書の作成      04/7/5
見積もりの日時          04/7/7(見積もりの予定日は、複数の文書で7/5となっているが)
契約の日時            04/7/7
 

2004年7月2日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
豊川中野駅周辺整備担当課長 今年度、私どもが委託先の方で検討をしていただいて、それを私どもの方でまた検討するということになっております。
池田委員 委託先というのは、どちらですか
豊川中野駅周辺整備担当課長 その辺は、まだ未定でございます。

その2 中野区は「中野駅周辺まちづくり計画」を(財)新都市建設公社へ丸投げしたのか?

  1.  2003年度については、監査報告の関連もあって、その費用の使われ方を中心にみたが、2004年度の公社との契約書を見て、まず驚くことは、その「委託業務内容」である。「中野駅周辺まちづくり計画」については、その「計画方針(案)作成」、「計画方針作成」、「中野駅周辺まちづくり計画図書の作成」などが、委託業務内容としている。
     これまで、「計画」の策定過程について、中野区の主体性の問題について、例えば、こちらこちらこちらこちらなどで、指摘してきた。中野区があまりにも、「計画」の策定にあたって主体性のないその背景の一つが、この委託業務にあったと、気づかされた。
     下記の資料にあるように、区は「資料を作成委託」と区民の前では言っているが、実際には「計画方針」までも委託してつくらせていたわけである。資料を作成委託などと言わずに、なぜ本当の委託内容を正直に区民の前に言えないのだろうか。
  2.  逆に、委託業務内容としていない特徴的な例として、防災公園の検討など契約内容に一言もでてこない。たとえば、こちらで「防災公園の広さの検討がまるっきりされていない」問題を指摘したが、その背景にはこの「委託業務内容」があったということである。主体性を発揮すべき所に発揮しなかったり、みずからが主体的に策定に当たらなければならないとことを他人まかせにしているなど、これでは「だれがつくった計画か」と言われてもしかたないのではないか。中野区が区民の声(たとえば、こちらこちらを参照)を軽視してきたこと、またパブリックコメント手続きの異常さなども、この計画自体がそのようにつくられるようになっていたということに愕然とするのは、私だけだろうか。
  3.  一方不思議なのは、「計画方針作成」に際し、「昨年度の調査検討結果、区の主催する区民検討会での検討結果、説明会等の要望・意見を基に、まちづくり計画方針を作成する」となっているが、それぞれの「結果」「要望・意見」というのは、いつ、誰がまとめ、だれから渡ったものだろうか、区民の知らない所で区民の「要望・意見」が勝手に資料になっているのだろうか。また、たとえば「開発フレーム等をベースに上下水道、都市ガス、電力等の供給処理計画を検討する」「開発者負担割合」などの委託業務内容になっているが、公社と中野区の間で隠された裏数字・資料が存在するのだろうか。逆に、無いとなると委託業務の不履行になる。
     これら、区民が知らない裏資料などあってはならない、存在の有無をはっきりすべきである。

  <資料>

2004年8月4日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
豊川中野駅周辺整備担当課長  現在の委託先に、この地区計画の案と、その案をつくるための資料作成というふうな委託はしております。ですから、案そのものは中野区が当然考えるわけでございますが、案をつくるためのさまざまな資料ですね、そういったものを委託先に作成委託をするということでございます。
池田委員 それはいつどこに委託したんですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 新都市建設公社に、この7月に委託をいたしました。

その3 (財)新都市建設公社は警大跡地部分を日建設計に丸投げしたのか?

  1.  中野区と公社の契約では「中野駅周辺まちづくり計画」となっているが、公社と日建設計との間では調査対象地区が警察大学校等跡地地区として、前者との契約がそのまま引き継がれている。(上記の表参照)
     この業務委託仕様書では、「中野駅周辺まちづくり計画」の警大跡地部分は日建設計がやり、それ以外の部分を公社が担当したということである。公社は、もともと全面的に受ける能力はなかったということか。とすると、指定理由書は、前年度同様、何の意味をもつのかということになる。
     公社が委託した理由は、上記で述べたように前年との契約による資源の有効活用、整合性である。ということは、03年度も日建設計は、警大跡地部分を担当したということである。公社から日建設計への再委託部分について、これまでの議会の中では、その時の都合でコロコロ変化(こちらを参照)してきたが、契約の上では極めて明確である。議会ではっきり言えないような契約であったのだろうか。
     しかし、2003年度と2004年度を通して検証してみると、それはまるで、警大跡地部分の業務委託を日建設計との契約のためにこそ、公社との随意契約が必要だったのかと、区民に思われても仕方がない。
     03年度の再委託が「空間形成計画にかかわる主要な箇所での
    イメージ図をパワーポイントとして作成する業務を行なわせた」(05年2月7日 「平成16年度財務監査報告結果に係わる調査結果について」)などといっているが、なんの根拠にもとづくものなのか、区民にはっきり示していただきたい。
  2. 03年、04通して、不思議でならないのは、日建設計がこれだけのことを委託されながら、その契約金額にみる、公社との比率である。
     03年度   公社契約1400万円ー日建設計契約金額475万円 925万円 公社:日建設計=66:34
     04年度   公社契約額1132万円ー日建設計契約金額400万円=732万円  
    公社:日建設計=65:35
    区民から見ると、こんな割合で、日建設計が請け負うメリットは何なのか。金額では表せない、何かうまみがあるのだろうか、と考えてしまう。仮に、日建設計もこれで採算がとれるものとなると、公社との契約金額に妥当性があったのかどうかという問題になる。私たちの公金をめぐっては、極めて不思議な世界である。(公社との契約金額の妥当性の問題は、その後の調査で
    こちらで一部が解明されたので参照して頂きたい。また、こちらのことも関係してくるのだろうか)

 中野区は、一体どう考えているのだろうか。区民に疑問がないように、説明ができないものでしょうか。

  <資料>

2004年8月4日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
豊川中野駅周辺整備担当課長 今おっしゃった丸投げ云々という話は私ども一切承知をしておりません。当然契約に当たりましては、適正、適切な契約先だというふうに考えております。


(財)新都市建設公社とは

設立目的 首都圏整備構想に基づき、新都市の総合的建設及び地域開発を促進し、首都圏の秩序ある発展を図ることを目的とする。(要するに、市部を中心にした地域開発を目的に設立された)

主要事業 土地区画整理事業 下水道事業  宅地造成事業など

公社のあらまし参照すれば、どんな会社かよく分かる。この会社が「中野駅周辺まちづくり計画」の随意契約先になったということはどいうこと。

指定理由書を見ても、「中野駅周辺まちづくり計画」を競争入札せずに、(財)新都市建設公社でならなければないらい理由などかかれていない。

(財)新都市建設公社は、東京都の監理団体です。経営状況などが公表されています。また、(財)新都市建設公社への東京都が実施した外部監査報告が、下記のように発表されています。  

  1. 2004年分
  2. 2002年分 12頁から「平成14年財政援助団体等監査報告書」より
  3. 2000年分より

特命発注が半減─横浜市が設計入札を導入したワケ・・・・2005/05/13「日経アーキテクチャ」より抜粋

■横浜市の設計者選定方式別委託件数
  2003年度 2004年度
  建築 設備 建築 設備
特命 112 11 61 5
指名入札 0 0 68 11
指名プロポ
(簡易プロポ)
1 0 4 0
指名コンペ 0 0 0 0