「中野駅周辺まちづくり計画」の欠陥・・・杉並区との関係においても
そもそも、対象の区域の計画は、これまで90年代に努力を積み重ね、国、都、杉並区、中野区、住民と「広域的な防災公園として整備する」ことを第1に進めてきた経過があります。二〇〇一年六月には、大震災時の「避難地としての役割」「応急対応活動、復旧活動等の総合的拠点」との位置づけで、中央部に防災公園を整備し、有効避難面積約十五ヘクタールの確保を目指す「土地利用転換計画案」が、地域住民・団体参加で、杉並区、中野区、東京都が合意してつくられました。そして、3者の首長の連名で、財務大臣に「今後行なわれる土地の処分等に際しましては、本土地利用転換計画案に十分御配慮いただきますよう、要望いたします」と要望しています。東京都のHPを見ても、明確です。
中野区においても、それ以来その転換計画案は、「都市計画マスタープラン」、「みどりの基本計画」、「環境基本計画」、「中野区地域防災計画」など、中野区全体のまちづくり、区政のあり方を踏まえそれぞれの基本計画との整合性がとられてきました。
もし見直すというなら、これまでの見直しの到達である2001年の「土地利用転換計画案」についての総括が必要であり、それを見直す作業がなされなければなりません。しかも、中野区の意向だけではなく、杉並区、東京都との調整が不可欠です。
それを突然、中野区は一方的に「中野駅周辺まちづくり計画」策定に動き出しました。その過程は、このHPで例示してあるように、ことごとく区民の要望を退けるものでした。かつ、これまで協調して進めてきた杉並区との関係でも多くの問題があるにもかかわらず、強引にすすめるものでした。
その経過は、この計画をすすめることで利するものだけが有利になるように、あえて意図的な報告が繰り返されすすめられてきた「中野駅周辺まちづくり計画」と言えるものです。以下、この欄では、特に杉並区という自治体との関係で、それを検証するものです。
その1 区議会で虚偽の答弁を平然とくりかえす
つくられてもいない東京都、杉並区、中野区の協議会を、区議会ではつくったと執拗に繰り返してきた
そもそも議会には、執行機関の契約、条例などを議決する権限と責任はありますが、議会は執行機関は不正をしないことを前提として審議されるものです。その前提である、執行機関の議会での発言、提出資料に偽り、不正があるとすれば、審議の結果はどうなるでしょうか。
例えば議会での発言の数々
2004年8月4日 中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
豊川中野駅周辺整備担当課長 まず、土地利用転換計画案についてでございます。確かに委員おっしゃるとおり、今の土地利用転換計画案をどうするかという問題がございます。これに関しましては、現在東京都と杉並区と協議を始めたところでございます。基本的に現在のところ想定しておりますのは、この土地利用転換計画にかわるものとして、中野駅周辺まちづくり計画があるというふうなことで、現在検討を進めておるところでございます。2004年9月8日 中野区議会 中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
豊川中野駅周辺整備担当課長 東京都、杉並区、中野区の三者における警察大学校等跡地土地利用転換計画に関する見直しの検討組織を立ち上げまして、検討に着手した。2004年11月9日 中野区議会 中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
豊川中野駅周辺整備担当課長 今後の土地利用転換計画案の見直しのための中野区、杉並区、東京都の三者の検討会、これを現在立ち上げております。(略)豊川中野駅周辺整備担当課長 現在の土地利用転換計画案につきましては、見直しをするということで、中野区、杉並区、東京都の三者で現在、協議する組織を立ち上げたところでございます(略)
議会提出の資料の中で
9月8日、11月9日付けで区議会へ報告された「中野駅周辺まちづくり計画スケジュール案」では、「東京都・杉並区協議(土地利用転換計画関連)」した3者の協議が設置され、協議がされているかのように書いています。
実際のところは
ところが、杉並区都市整備部の責任者は、中野区から8月19日FAXで協議会設置要項案を受け取ったが、杉並区は同意しておらず、3者の協議会はありえない。また、杉並区は9月8日の答弁を知って、これについて撤回を求めているとのことでした。
東京都にも確認しましたが、都市整備部の担当者は、そういった事実はないと、検討組織、協議会の設置を否定しました。(2005年1月13日に開かれた日本共産党中野区議団主催の「対都交渉」へ文書で質問し、文書で回答を得た)
あくまでも3者の協議会を否定しない中野区にたいして、「中野区、杉並区、東京都の3者の協議会について、それぞれ開催した内容を明らかにするすべての文書」を情報公開請求しました。すると、「文書不存在」、理由は「中野区、杉並区、東京都の3者の協議会を開催していないため」(2005年4月14日回答)とのこと。
中野区は、議会に対する姿勢として、ここに列挙された数々の事例については当たり前のことと居直るのでしょうか。中野区議会は、議会の存在意義、品位を傷つけられたとして問題にするのでしょうか、そのまま黙認してしまうのでしょうか。議会は黙って見過ごすとすれば、これは中野区議会では、こういうことが許されるという前例をつくり、区議会のあり方そのものの意義が問われることになります。
また同時に、中野区が何故これまでして虚偽の報告を執拗に繰り返してきたのかも糾明する必要があるのではないでしょうか。
その2 杉並区から要望を受けておきながら、その内容も理解できず、報告もできない
区議会へ杉並区の要望を正確に報告できず、その内容も理解できない中野区
2004年7月2日 中野区議会 中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
豊川中野駅周辺整備担当課長 (略)もちろん、これまでも担当レベルでは打ち合わせ、協議、連絡などはしてまいりました。ただ、今回、これを機に、より密な協議をしたいというふうにお互いに合意をしたところでございます。杉並区の要望といたしましては、こういった協議を引き続きしてほしい、あるいは説明会をやってほしい、あるいは警大跡地には一部杉並区部分も入っています。こういったところには、福祉施設の導入があるので、そういったところにも配慮願いたいといったことが杉並区からの要望であるというふうに考えております。
(略)
豊川中野駅周辺整備担当課長 特に、杉並区が中野区のこういった計画に対して反対であるというようなことではないと思います。ただ、内容の理解については、100%というところまで至っていない部分もあります。そういった部分を含めて、今後、協議の中で共通理解に努めたいというふうに考えております。
杉並区と中野区の協議の実際
2004年5月7日 杉並区と中野区 助役が会談。協議等の申し入れ 2004年6月30日 杉並区と中野区協議 第1回 2004年7月23日 杉並区と中野区協議 第2回 口頭で6項目を要望 2004年8月3日 杉並区が6項目の要望を文書で中野区へ提出 2004年9月9日 杉並区と中野区協議 第3回
杉並区の6項目の要望については、自ら語らず。指摘を受けて渋々認める。しかし、回答すべきものではないと居直る。
2004年9月8日 中野区議会 中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
来住委員 三者で共同してつくり上げた、いわゆる転換計画案、しかも現在も生きている案です。それは国の方もそう言っていますし、そういうものをどこで、どういう形で見直しをしていくのかという場合に、同じ自治体として、先にこういう形でうちとしてはやりたいけれども、参加するかしないかを求めるような持っていき方というのは、私は正しくないと思います。まずその1点、申し上げておきます。そこで、今現在、杉並区からは、中野区に対しては何らかの要望なり、要求なり、この跡地については具体的にされているんでしょうか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 現在、杉並区とは担当者レベルで打ち合わせをしているところでございます。その中で、例えば杉並区側の住民の方々からこのような要望が出たというようなやりとりをしている経過はございます。
来住委員 具体的には、どういう要望が区に届いているんでしょうか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 防災公園を整備してほしいという要望があると聞いております。
来住委員 住民からの要望は、杉並区長にも届けられているということを聞いています。これは高円寺の環境を守る会というところから、5項目にわたって要望が出されております。戻りますが、杉並区からは具体的に項目を挙げて中野区なり、先ほどおっしゃった土地利用転換計画案の見直しをする協議の場なり、具体的な項目を挙げての要望というのはないということですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 この間、杉並区の担当とは数回打ち合わせの場を持っております。その中で、口頭で杉並区側から例えば先ほどの防災公園といったような御要望が杉並区民の方々から出ている。それを杉並区としても中野区にお伝えするということで、何回かやりとりをしているという状況でございます。
来住委員 杉並区の当局として6項目を要望し、要求しているというふうに伺っています。今おっしゃったことも入っていますが、一つは、近隣住宅地である杉並区の住環境への配慮をしてほしい。二つ目には、転換計画案にあるような防災公園をつくり、防災面の安全性を確保してほしい。三つ目には、杉並区に依存しているごみ処理があるので、清掃関連施設の導入を考えてほしい。4番目には、国有地の払い下げには杉並区も連携を取って進めたい。5番目には、1、2号のF字道路、都市計画道路については、民間委託ではなく中野区でつくるべきだ。最後になりますけれども、既存の樹木を保存してほしいと。この六つの杉並区の住民の皆さんの意向を区として受けて、中野区に回答を求めたいという旨の話が来ていると思うんですけれども、それについては、文書での回答を用意されるんですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 確かに今、委員御指摘のような文書、これは私どももいただいております。ただ、これはあくまでもこれまで打ち合わせをしてきた内容をメモとして送ったということで、私も杉並区から連絡を受けております。したがいまして、今後杉並区と話をする中で、そういった項目について相互に検討していくと認識しています。したがいまして、それについて正式な回答ということではなくて、今後そういった内容を機軸に、お互いに協議をするということで認識しております。
来住委員 そもそもの中野区の跡地の検討が、東京都と一緒に転換計画案をつくり上げて、出してきた経緯の中で、しかし、この跡地について、変更の進め方を区が独自にこういう形でやっていきたいと決めて杉並区に話を持っていったことからして、こういう区民の要望を受けた杉並区が6項目について出しているわけですから、答えるべきものはきちんと文書で答えていくことが大事だと思うんです。この回答については、改めてそのような文書ですべきだと思いますが、いかがでしょうか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 繰り返しの答弁になりますが、そういったことも踏まえて、今後両区の間で協議をして解決を図りたいというふうに考えております。
正式な要望書ではない、具体的要望という紙
2004年11月9日 中野区議会 中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
豊川中野駅周辺整備担当課長 今、委員御指摘の杉並区の要望書という名称のものでございます。これは恐らくきょうお示しをしました打ち合わせ状況資料の7月23日の時点で杉並区から口頭で出された内容、これを杉並区なりに文章化したメモ程度のものと考えております。これは現在、杉並区、中野区双方で、まさにこういった点を協議中であるということから、特に杉並区としては、そういう文章はつくりはしたが、中野区に正式な要望として上げているわけではないという話を聞いております。したがいまして、こういった要望書というものを中野区としても受け取っていないということでございます。
石井都市整備部長 杉並区からの要望ということで受けておりますが、公文書という形で、要望書という体裁では受けていない、こういうことでございます。2004年12月3日 中野区議会 中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
飯島委員 陳情をされた方から補足資料の提出が休憩中にありました。改めてお尋ねしますが、杉並区から正式なこの案件についての要望というのはあったんですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 正式な要望としてはございません。2004年12月3日 中野区議会 中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会
池田委員 2001年度の土地利用転換計画は東京都と杉並区と中野区の三者の合意でできているわけですから、中野区がこの利用計画を変えようというときには当然杉並区の了承も得なければいけないわけで、そういうふうに協議をするのは当然だと思うんですね。それで、この7月23日に協議があったわけですね、杉並区との間で。そこで口頭で申し上げたことがこの8月3日のファックスメモということで来たわけなんですが、こういう形で協議が進められている場合でも、田中区長あての正式な文書がなければそれは杉並区の要望とは受けとめないんですか。そうじゃないでしょう。協議会で進められていて、その協議会の中で杉並区から口頭で申し入れがあったことについては、中野区としてはそれは杉並の要望として受けとめたわけでしょう。そういう関係じゃないんですか。杉並区が何でこういうふうに後で文書にしてファックスで申し入れてきたのか、それはわかりません、恐らく杉並区側としてきちんと内容を文書で言っておいた方がいいと思ってこういうことを言ったんでしょうけれども、協議自体としては、杉並区は口頭ではっきり申し入れているわけだし、先ほど課長は杉並からこういう要望があったということを認められましたよね。ですからそれは、こういう一連の協議の中では通常やられる行為であって、それを一々田中区長あての正式文書にしなければ正式な要望なのか、非公式なのかというような、そういう区分けというのは普通はないんじゃないですか。そういうことじゃないですか。
豊川中野駅周辺整備担当課長 先ほど申しましたように、これが仮に正式な要望ということであれば、ある程度各項目ごとに回答するというのが当然かと思います。しかしながら、今ここにあります具体的要望という紙に関しましては、そういったものではないという認識でございます。確かに、このような内容の打ち合わせはいたしました。ただ、その内容についても、これは1件1件回答するというふうな性質のものではなくて、今後杉並区と中野区でまちづくり計画の打ち合わせをする中で徐々に明らかにしていくべきものであるというふうに考えております。
池田委員 あなたはそういう受けとめかもしれませんけれども、杉並区としては一応協議の中でこういう内容について中野区に申し上げたということになるわけですよ。それで、それを確認する意味でこうやってファックスメモを送ってきたんじゃないですか。ですから、それは中野区さんは一応このことについては聞いておきますと、わかりましたと、そういうことになったわけですね。
豊川中野駅周辺整備担当課長 繰り返しの答弁になりますが、こういった内容の打ち合わせをしたということは当然私ども承知はしております。ただ、これを先ほど言いましたように、正式な回答として1件1件、1対1で回答をするというようなことではなくて、こういった内容を踏まえながら、今後中野区と杉並区と協議をしていきたいということで認識をしております。
その3 杉並区との打ち合わせについて正確に報告しない
中野区は、2004年11月9日の特別委員会で、「杉並区との打ち合わせ状況について」と、初めて杉並区との打ち合わせ状況を議会に報告。ところが、7月23日の杉並区の6項目要望について、「防災公園の位置、面積、災害時の避難経路」「中野区画街路1,2号線の整備費として特別区都市計画交付金等の活用を図られない理由」について要望されたことにはなっておりません。8月3日付けの6項目要求の文書も無視されています。9月9日の協議メモは、中野区が要望の一部へ回答しただけで、杉並区はこの不十分な回答に、何も言ってないことになっています。杉並区の都市整備の責任者は「回答を具体的に示してほしいということを再三、言った」とのことです。
11月9日の特別委員会では、豊川課長は「杉並区の意向については、今後、適宜報告する」と答弁しましたが、実際に報告されている内容は事実とかけ離れた中野区に都合の良い中身だけで、正確ではありません。このようなものが、中野区の打ち合わせ資料として議会に配付され、堂々と通用しています。
その4 要望を受け取ってなかったはずの中野区が、2005年1月28日に突然、文書で杉並区へ考え示す
その後、杉並区の6項目要望の文書は依然として議会に提出されることもなく、「警察大学校等移転跡地の土地利用に関する杉並区関連事項について」と、2005年1月28日付けで中野区が杉並区の6項目要望に対応した中野区の要望を杉並区に届けたとして、2005年2月16日委員会資料として提出されました。これは、「正式な要望」は受け取っていないと議会答弁を繰り返してきた中野区が、「中野駅周辺まちづくり計画」の執行にとっての2001年の3者合意の「転換計画」の存在の重要性をようやく認識したということでしょうか。あれだけ「受け取っていない」と議会の場で答えていた中野区ですが、これほどまでに議会にたいして無責任な発言を繰り返す自治体の執行機関が他にもあるのでしょうか。
2005年1月28日 中野区が杉並区へ考え示す 2005年2月21日 杉並区が中野区へ再度7項目の要望 2005年3月23日 中野区が上記文書に対する見解を示す
その5 そもそも中野区は2001年の転換計画案に至る経過の重要性を認識していない
したがって、これらから言えることは、国は、跡地利用に関して「基本方針」で、「防災性や快適性を高めるまちづくり」を第1にあげ、2001年「転換計画」では「広域避難場所としての防災機能の充実を図る」ことを目標の第1にかかげ、有効避難地面積を9.8ヘクタールから15.2ヘクタールに拡大することがもりこまれていました。これら「環境改善」「防災機能の充実」という基本方針が、今日でもますます重要であるにもかかわらず、中野区の「中野駅周辺まちづくり計画」には全く反映していないということです。これでは、住民から合意が得られるわけがありません。白紙に戻すべきは「中野駅周辺まちづくり計画」です。
2001年7月11日に財務大臣に提出した土地利用転換計画の無視
これまで、警大等跡地利用計画は、東京都、杉並区、中野区で協調してきた経過があります。転換計画案を財務省に要望したさいに、3者首長の書いた前文を見ても明らかです。中野区はその経過を一方的に無視して、東京都、杉並区に相談することもなく、勝手に計画づくりを進めました。2005年3月30日の計画案の発表については、東京都、杉並区とも「3者の合意を待ってからにしてほしい」と強く主張しましたが、中野区は聞き入れなかったという経過です。
以下、提出した要請文書より引用
財務大臣に都知事・石原慎太郎、中野区長・神山好市、杉並区長・山田宏の連名で提出
(略)
さて、本年予定されている警察大学校等の移転に伴う跡地利用について、関係地方公共団体である都と両区で、別紙のとおり「警察大学校等移転跡地利用転換計画案」を策定しました。
本跡地は、区部に残された貴重な大規模用地であり、公共的施設を中心に、有効に利用されるべきものと考えています。
今後行なわれる土地の処分等に際しましては、本跡地利用転換計画案に十分御配慮いただきますよう、要望いたします。
転換計画案の全文はこちらへ
2005年3月18日から始まった東京都、杉並区、中野区の協議について
2005年3月18日、第1回3者協議を開催、
2005年3月25日 08:30〜09:15 中野、杉並両区長の会談
当サイトに掲載された記事・写真・図表等の無断転載を禁止します。 連絡先