14ha国有地のほとんどを民間へ売却、わきにおいやられる住民の要望
計画が具体化するなかで、見えてきた問題点 その3
大型商業施設の誘致で、近隣商店街へ深刻な影響
警大跡地計画は、三菱総研のグランドデザインでは、警大跡地等に大型商業集積を誘致することになっています。これは、都市計画マスタープランと矛盾した姿です。なぜなら、都市計画マスタープランの「賑わいの心」は警大跡地ではなく中野通りとサンモールの既存の商店街です。警大跡地は「みどりとオープンスペースの拠点」となっているからです。
だったら都市計画マスタープランを変えればよい、これが田中区政の考えのようです。
都市計画マスタープランを変えたところで、、既存の商店街の売上げが大きな影響を受けることを変えることにはなりません。これが、「まちの活性化」、「賑わい」だと、言わせておいて良いのでしょうか。まだ計画段階です、住民の声、商店街が声を上げれば、見直しをさせることは可能です。
税金をつかって、税金を納めている既存商店の方々に悪影響が及ぶ計画が「まちの活力」ですか?
各地の自治体は大型店を規制の動き
全国各地では、大型商業施設による既存の商店街への影響を見過ごすことができない事態になっていることから、その規制の流れが起きています。たとえば、下記の事例を参照していただければあきらかです。
- 福島県の商業まちづくり推進条例・・・・今まで経験しなかった人口減少や急速な高齢化を背景に、「歩いて暮らせるコンパクトなまちづくり」や「環境への負荷の少ない持続可能なまちづくり」の考え方に基づき、県では平成17年10月条例制定。
- 福岡県知事の05年2月1日記者会見・・・・都市政策の観点、中小零細企業の維持、あるいは商業的な観点や地域文化の観点も含めて、検討
- 北海道の「大規模集客施設の立地に関するガイドライン」
- 山形県 市町村土地利用計画の広域調整要綱
- 長野市が「商業環境形成指針」・・・・イオン(株)、(株)カインズ、(株)原信、(株)高見澤の四つの大型店出店計画を拒否
- その他、多数の事例があると思いますが、以下省略します。
こうした行政側の取組と同時に、大型商業施設の出店にやむにやまれず地元商店街が反対の行動に立ち上がっている例は各地にあります。その多くは、工場跡地など私有地の売買契約にもとづき、出店計画が持ち上がっています。そこに行政が指導する困難もあり、出店へのルールを求める声が強くなっているわけです。
警大跡地の場合は、公有地をわざわざ民間に売却する。そこへ大型商業施設を誘導する土地利用計画を中野区がつくり、東京都が都市計画決定をします。なぜ税金が使われて、税金を納めている既存商店の方々の売上げに悪影響を及ぶような計画がつくられなければならないのでしょうか。
区長対話集会 区長「地元商店街への影響は、これから研究する」
06年10月24日に区長対話集会が、商工会館で開かれました。参加者と区長の間で、この問題の質疑が行われました。以下、出席者のメモより、再現しました。
区民 大型商業施設の誘導により、既存の商店街のにぎわいを損なうことや地元商店街との競合への対策はどうかんがえているのか。
区長 これまで中野になかった都市機能、商業施設を考えており、競合しないよう、機能分担、棲み分けをしていく。
区民 機能分担というが市場原理が働けば想定通りにはいかない。大型開発で地元商店街の売上げが減少している事例など、各地で起きている現状を見て欲しい。
区長 よく研究していきたいと思います。
これ見ると、区長自身よく考えずに、計画をつくってきたということを認めたことになります。こんな計画に、多額の税金が投入されてすすめられては、地元商店街は大変です。区長も「よく研究していきたい」といっているわけですから、住民参加で計画を見直させようではありませんか。
既存商店街を無視した一方的な開発計画はさけて欲しい・・商店街が要望
中野区商店街連合会、中野区商店街振興組合連合会が、「既存商店街を無視した一方的な開発計画はさけてほしい」などとした要望書を、2007年10月9日に中野区に提出していることがわかりました。
警大跡地開発、駅周辺開発は、「開発地域内既存商店街や隣接する商店会にとって死活問題」とし、「地権者との協議だけでなく地域商業事業者との十分な意見交換を広く行」うこと、「区内経済産業3団体(中野区商店街連合会、東京商工会議所中野支部、中野工業産業協会)をはじめとし、関係商店会会員と行政や議員の皆様との度重なる意見交換の場」「一部地域のみが開発の恩恵を受け、既存商業事業者が切り捨てられないようご高配を」などと要望しています。
中野区には、こうした切実な要望について真摯に受け止めていただきたいものです。
JR中野駅舎改良計画でも商店街団体が区議会へ要望書
中野サンモール商店街、中野ブロードウェイ商店街、サンロード中野桃商会、中野駅南口駅前商店街の4商店街連名で、10月15日に中野区議会議長宛に、JR中野駅舎改良計画に関する要望書を提出しています。
要望書では、新北口広場構想案A、B、C案は警大跡地のブロック地域に重点が置かれている。一部地域に偏重するような構想案は受け入れがたいとのことです。
また、人の動線に多大な影響を与える重要なプロジェクトは、商店街や住民参加の協議会を発足させてほしいと要望しています。商店街団体自身も、自ら近隣住民にも参加を促し広範な議論の場を育成させていきたいとしています。
大型商業施設が商店街へ与える影響は深刻だということは実証済みなのに、あえて行政が誘致を主導する理由は何?
大型商業施設が商店街へ与える影響は深刻
たとえば、身近な所では東京都が行っている「商店街実態調査」がHPで閲覧できます。 こちらから
「集客力の核と商圏の範囲及び商圏内の大型店による影響」(報告書の37頁)
大型店が増えた場合、来街者数が「増加した」=8.0% 「減少した」=72.5%
売上げが「増加した」=1.7%、「減少した」=78.7%「商店街の抱えている問題点」(報告書 140頁)
「スーパー・大型店の影響で集客力が低下している」 第3位
行政が誘致する理由は?
民有地での民間計画ならいざ知らず、ここは公有地での自治体の計画です。これだけ深刻な実態が、東京都の調査でも明らかになっているのに、どうして行政が率先して、大規模商業施設を警大跡地、その周辺に誘導するようなことを進めるのでしょうか。区議会での区長説明を見ても、説明はありません。
もっぱら説明しているのは、清掃工場の建設中止、サンプラザの売却で、まちづくりの見直しが必要になったとか、賑わいと環境の共生したまちづくりなど開発の方向についてです。警大跡地の大規模開発について、その理由までさかのぼった説明は、ありません。
おまけに、このような大型商業施設を誘導する計画を片手にして、「産業活性化」というのはどういうことでしょうか。中野区の産業振興分野は、どう考えているのでしょうか。日ごろ言っていることと、実際にやろうとしていることが違うとはお思いにならないのでしょうか。
こんな理念なきまちづくりが、あれよあれよとすすんでいくことはいかがなものでしょうか。
「中野駅周辺まちづくり計画」から、いつのまにか外れたサンモール・ブロードウェイ地区
田中区政は、区民参加で作成した「中野駅周辺まちづくり計画」と強調します。しかし、こんな自分勝手な言い分はありません。10月24日の区長対話集会に示された、「中野駅周辺まちづくりについて」をご覧下さい。
これまで、区民参加で作成したと強調してきた「中野駅周辺まちづくり計画」と違うということは、どういうことでしょうか。サンモール・ブロードウェイ地区が、いつのまにか消えているではありませんか。中野区としては、この地区のまちづくりは手を引いた、民間デベロッパーの虫食いの開発のなるがままにまかせるとでもいうのでしょうか。
あるときには、区民参加で作成した「中野駅周辺まちづくり計画」と強調、ある時になったらこっそり外す、こんなご都合主義でまちづくりがすすめられていいのでしょうか。警大跡地の開発ではじまった「中野駅周辺まちづくり計画」が理念なき大規模開発であるということが、証明されているということではないでしょうか。
新聞報道によると、丸井は中野本店を2007年8月に閉鎖することに伴い、本店を建て替えることを明らかにした。早ければ店舗閉鎖後の07年9月にも解体工事に着手するもようだ。建て替え後の規模については、今後、関係各所と調整をしながら、詰めていくとしていようだ。
実は、10月24日に、中野区内で区長対話集会が開催された。その際に、「中野駅周辺まちづくりについて」という資料が配られた。これを見ると、丸井に網がかけられていることが分かる。同じように、網をかけられているものに、桃丘小学校がある。これらの表示方法が、同一の意味とすると、中野区と丸井との間で、すでに跡地利用について情報交換がされているのかと驚かされる。
三菱総研のグランドデザインでは、桃丘小学校跡地は、「インキュベーションオフィス、コンベンション施設によるITコンテンツなど都市型産業や芸術活動の支援」と位置づけている。
丸井の周辺は、「大規模商業施設の再生と共同化、駅北側ビジネスをサポートする企業の集積による活性化」となっている。すでに丸井と中野区は、中野区の「中野駅周辺まちづくり」開発に併せて、ビルを利用して商業テナント、貸しビルとして企業を誘致するなどの検討策を考えているのだろうか。
丸井は、中野駅南口に本店及びグループ各社、丸井グループ福祉会、健保組合等がある。敷地面積は約0.6ha。本店の売場面積は1ha弱。築後30〜40年経過。
新聞報道によれば、今回の建て替えについて同社広報部は「老朽化に伴い、これまでも何度か改修を行ってきたが、費用がかさんでいることもあり、建て替えをするに至った。本社は移転せず中野に置くが、事務所やオフィスを店舗の中にどう配置するかはこれから決めていきたい」とコメントしているようだ。
有楽町では新店舗
丸井は、中野区の店は閉店して、有楽町駅前の新複合商業施設「有楽町イトシア」の中核店舗になる。
ここは、有楽町駅前第1地区市街地再開発組合が建築主となって、大規模開発を進めている。大規模開発の設計者は三菱地所設計、実際に施行する業者は、例によって、大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店 、戸田建設、ニューリアルプロパティとおなじみの人たち。
丸井中野店・・・・商業施設は大幅に縮小
丸井跡地は、敷地北側に第2本社ビル棟、南側に研修・宿泊施設棟を整備し、中央には立体駐車場の設置を計画。
第2本社ビル棟は、地下1階−地上3、4階にグループ会社のエイムクリエイツ(同区)が運営するショッピングモール「modi」、高層階には丸井のグループ企業などのオフィスを配置する。低層階には大丸ピーコックの再入居も予定している。
研修・宿泊施設は、低層階にオープンカフェや商業テナントなどのにぎわい施設、高層階には都心型研修やホテルと同等のサービスを提供する施設を計画している。両棟とも既存施設の7階よりは高くなる見通しだ。建物周囲に植栽を施した歩行者空間を確保し、一部に屋上庭園も設ける。 (2007/12/07「建設通信新聞」)
<資料>
当サイトに掲載された記事・写真・図表等は、住民運動へ積極的に活用してください。リンクフリー 連絡先