ブラジル国武道使節 

自 平成17年8月13日  至 平成17年9月2日

  1. 参加者
    日本杖道会
        会長 神之田 常盛    大里 耕平    山口 満     西村 輝夫
            松本   保典    佐藤 暢      荒木 信男    真野 英明(記録)

                                                     (敬称略)

                
  2. ブラジル国について
    ブラジル連邦共和国。首都ブラジリア。連邦共和制で、26の州と1連邦区(首都ブラジリア)からなる。面積は8,547,403.5平方キロで、日本の約23倍(世界第5位)。南米大陸の約半分を占める。人口は約1億6,980万人(2000年)。公用語はポルトガル語。宗教は国民の大部分がローマカトリック。日系は現在約150万人で、そのうちの1世は約10%といわれているが、正確なところはわからない。現在では人種が入り乱れ、人種構成を調べることそのものが無意味となりつつある。現在は日系3世、4世時代。
  3. 二天武研究所について
    所長は岸川ジョージ氏(剣道教士7段)。1994年創立。剣道・居合道・杖道の修行を通して、日本文化と武士道精神を学ぶことを目的として活動。道場は27都市40箇所、会員数役700人。
  4. 日程等
    8月13日(土)
    14:00 :成田空港第1ターミナル集合。
           荷物(杖・木刀・鎖鎌等)の仕分け。
    19:00 :ヴァリグブラジル航空RG8837便にてリオデジャネイロ(ロサンゼルス・サンパウロ経由)
    8月14日(日)
    08:40 :リオデジャネイロ国際空港到着。約60人の出迎え。バンで移動。


    (空港での出迎え)
    ウルカ陸軍本部到着。岸川氏出迎え。
    11:00 :ミーティング。陸軍本部オカムラ大佐挨拶。今後の日程等確認等。
    12:00 :ポン・デ・アスカール見学。 
           陸軍本部に戻り休憩。
    17:00 :ミーティング。日程と研修内容について確認。

    8月15日(月)
    08:00 :陸軍本部内の柔道場で指導者の稽古。基本後、グループ分け。剣術について解説(構え等)。松本氏居合演武。

    (稽古風景)
    12:00〜:コルコバードの丘見学。

    (コルコバードの丘)

    8月16日(火)
    08:00〜:陸軍本部で指導者の稽古。基本等。
    12:30〜:陸軍本部で演武。陸軍体育学校生約50名が見学。当会による居合、剣術、杖、短杖、鎖鎌、十手、捕縄、。二天生徒の演武。
    14:30〜:体育学校生による体験。本手、逆手、引落、返突、打落。護身術解説。

    (陸軍体育学校の生徒に指導する神之田師範)
    17:30〜:陸軍本部で当地全会員の稽古(約20〜30人)。基本語グループ分け。

    8月17日(水)
    09:00〜:イパネマビーチで当地全会員の稽古(約30人)。基本語、グループ分け。
      
    (イパネマビーチでの稽古風景)
           シャワーを浴びた後、昼食。
    午後    :植物園見学。休憩。
    20:00〜:ショリーニョ(伝統音楽)見学

    8月18日(木)
    06:00  :陸軍本部出発。
    07:30  :国内線にてサンパウロへ移動。
    08:15  :サンパウロ空港到着。約50人が出迎え。バンにてホテルへ移動。
    10:00〜:北海道協会で指導者の稽古(10人〜20人)。基本後、形(着杖、水月、斜面、物見)。午後グループ分け。
    17:00頃:テレビ出演。テレビ局・・・テレビ・クロボ(GLOBO)、番組・・・アルタス・オラス(ALTAS HOLAS)。インタビュー後、杖、鎖鎌、十手の演武。
      
    (テレビ局で演舞する神之田・大里両師範)

    8月19日(金)
    09:00〜:北海道協会で指導者の稽古。杖道体操、打落。グループ分け。居合、剣術について解説。
    午後  〜:神之田、大里両師範、雑誌取材。4〜5社、約20人。総合インタビュー後、演武。
    19:00〜:映画『ラスト・サムライ』映写会。映画についてコメント。

    8月20日(土)
    09:00〜:コンペティションでブラジル全会員の稽古。約300人。開会式の後、杖道体操、打落、グループ分け。
      
    (コンペティションでの風景)
    13:00〜:再び稽古。着杖、水月、斜面。
    15:00〜:居合と剣術。
    19:00〜:歓迎会。シュrスコ料理。
    23:50〜:佐藤氏ヴァリグブラジル航空RG8836便にて帰国。

    8月21日(日)
    09:00〜:コンペティションでブラジル全会員の稽古。約300人。開会式の後、杖道体操、打落、グループ分け。
       
    13:00〜:当会による演武。その後、居合、杖の試合方法、審判基準について解説。
    15:00〜:再び稽古。グループ分け。

    8月22日(月)
    10:00〜:北海道協会で指導者の稽古。約30人。基本、グループ分け。岸川氏、ボン氏は十手。午後剣術。岸川氏、ボン氏は鎖鎌。
    20:00〜:サンパウロ市議会にて功労賞授与式。式典後、神之田、大里両師範による演武(杖、鎖鎌、十手、捕縄)。4月24日(岸川氏の誕生日)がサンパウロ市の「さむらいの日」に制定されたことが発表され、来年以降この日に市内で古武道のデモンストレーションが行われることになった。
      
    (サンパウロ市議会での表彰式)

    23:50〜:松本氏、荒木氏ヴァリグブラジル航空RG8836便にて帰国。

    8月23日(火)
    09:00〜:北海道協会で指導者の稽古。基本、太刀落、鍔割、着杖、引提。岸川氏、、ボン氏は鎖鎌。
    13:00〜:再び稽古。剣術。岸川氏、ボン氏は鎖鎌、十手。
    19:00〜:北海道協会で当地全会員の稽古。約90人。基本、グループ分け。総括。
      
    (北海道協会での稽古風景)

    8月24日(水)
    【神之田師範・山口先生・西村先生】
    10:30 :国内便にてブラジリアへ。
    12:00 :ブラジリア着。約20名の出迎え。

    (ブラジリアでの出迎え)
    市内観光(国会議事堂及びブラジリアを完成させた大統領の遺品を納めた殿堂)
      
    (ブラジリアで演武する神之田師範と岸川氏)
    14:00〜:陸軍駐屯地の体育館で稽古。

    【大里師範・真野】
    11:00  :車でカンピナスへ移動。
    18:00〜:陸軍学校にて稽古。約20人。杖道体操、打落、水月、斜面。マスコミ取材(新聞社2社)

    8月25日(木)
    【神之田師範・山口先生・西村先生】
    07:00〜:当地全会員の稽古。
    09:30〜:国内便にてサンパウロへ。
    【大里師範・真野】
    10:00〜:市内公園見学、車にてサンパウロへ。
    13:00〜:サンパウロにて合流。ホテルにて休憩。
    23:50〜:大里師範・真野、ヴァリグブラジル航空RG8836便にて帰国。

    8月26日(金)
    午前    :休憩
    14:00〜:北海道協会で指導者の稽古。岸川氏、ボン氏は居合。

    8月27日(土)
    09:00〜:北海道協会で当地全会員の稽古。約70名。打落、着杖、水月、斜面、物見、5本の総仕上げ。
    16:00〜:コンサートホールでペルー音楽。

    8月28日(日)
    09:30〜:国内便でオウロ・プレトへ。飛行機1時間、車1時間、ヘリコプター20分。

    (ヘリポートでの出迎え)

    午後   :市内観光(坂の多い古都。1890年世界文化遺産)。
    17:00〜:当地全会員の稽古。約25人。打落、着杖、水月、斜面、物見、左貫。岸川氏、タミエチ氏、ネジェ氏は居合。
      
    (オウロ・プレトの会員と稽古風景)

    8月29日(月)
    午前   :市内観光。買い物。
    11:00 :ヘリコプター、国内便にてサンパウロへ。

    8月30日(火)
    09:00〜:サンパウロ州警察学校にてセミナー。校長以下80名ぐらいの聴講者。居合、杖、捕縄の演武。警察官に短杖術を指導。
    午後   :休憩、ミーティング。

    8月31日(水)
    09:00〜:旧岸川氏宅1階フロアで岸川氏、ボン氏に居合、杖の指導。
    午後   :マスコミ取材(サンパウロ新聞及びニッケイ新聞)
    23:50  :ヴァリグブラジル航空RG8836便にて帰国。

    9月2日(金)
    13:35  :成田空港到着

  5. 所感
     今回が当会にとっては2度目の訪伯であるが、前回の訪伯により稽古に杖道を取り入れた、または稽古時間を増やしたという道場もあり、前回に比べ稽古者が多くなった印象がある。それに伴い、二天武研所において杖道(及び各種付随武道)の指導体系の確立が不可欠となっている。今回の稽古かでは主として初期の段階での指導法として杖道体操や打落を研修したが、剣道連盟の段位ではない古武道としての指導内容を明確に体系化する必要があるだろう。
     現在ブラジルの日系人社会では、2008年の日系人移民100周年に向けて様々な記念事業の構想があるようである。ブラジルは主に移民により形作られた国であることから、日本文化に対しても比較的抵抗がなく受け入れられており、100周年記念事業においても、武道以外の日本文化とともに古武道の理念や特長がブラジル国内でさらに多くの人に伝えられることが期待されている。
     当会としても、代々受け継がれてきた杖道(及び各種付随武道)を海外にも正しく伝承し、社会に貢献する人材育成に資するため、今後とも研修に励む必要がある。