写真

あの時
たまにフラッシュバックする記憶
先週のことすら忘れてるというのに
あの時の記憶はまだよみがえる
 
産院から里帰り先に電話があって
先天性の疾患の疑いを告げられた時のこと
ミルクを飲まないから鶏がらのように細く 死んだように眠るしおを
放心状態で見つめていた
家にあるのはあまりにも古い家庭の医学書
でもそこにはほんの数行しか載っていない
治療が遅れると、脳に障害が、成長発育不全が・・・
『だめだよ、だめだよ』ってつぶやきながら
ぐるぐる家の中を歩いて意味不明な行動をしていた私
慌てて新しい家庭の医学を買いに行ってくれた母親
震える指で産院に電話してた私
母親が戻ってくるまで待つように言ってた父親
大學病院まで送ってくれた弟
 
はっきりとよみがえってくる
 
最近のしおは、悪さしたり、落ち着きない行動したり
私は、怒ってばっかりだけど
たまに はっとあの時を思い出しで
急に抱きしめたりする
あの時と比べ物にならない重たいしお
元気に育ってくれたらそれで充分だってあの時誓ったのに
今はそれ以上の欲すらもってしまう
 
 
しおは赤ちゃんの頃の写真がほとんどない
黄色くて痩せていてちっとも可愛くなかったし
すぐ入院してしまったからだ
ごめんね その分 これからたくさん撮ってあげるからね
 
 
 
 

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