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平成16年7月30日付けで社会保障審議会介護保険部会より、 『介護保険制度の見直しに関する意見』がでましたね。 まだ、意見書の段階で、最終的にどのようになるか決定したわけではありませんが、 この意見に添った形で、審議・法制化されて行くと思います。 まだ、具体の内容が決まっておりませんので、ここで、色々述べるべきで無いかもしれませんが、 『介護保険制度の見直しに関する意見』が出た事によって、介護保険を利用する高齢者の方も介護のお世話する事業者の方も困惑しているようです。 まず、介護認定前から要支援・要介護1程度までを対象とした介護予防システムの確立 って事で、要支援・要介護1(介護2の方の場合もある)は、リハビリテーション中心のメニューになり、 通所介護や訪問介護の利用に制約がかかるんじゃないか?との声があります。 個人的な考えですが、当然ありえる事と思っています。 そもそも、軽度の方と重度の方と利用時間の違いは有れ、同じサービスを受けていた事が不思議でした。 介護度の軽重により、介護メニューも異なって当たり前ではないでしょうか。 たとえば、虫歯を歯医者さんで治療する場合でも、虫歯の度合いで治療方法が違いますよね。 軽い場合は、虫歯を削ってかぶせる。重い場合は、歯を抜いて差し歯にするとか。 一律に歯を抜かれる治療って困りますよね。 でも、 「をっ、それでは、今回の意見によってその点、改善されるんだな」 と、手放しで喜んではいけません。 対象者を認定された介護度でくくるのは何故なんでしょうか? 要支援・要介護1の方は、通所介護や訪問介護の必要が全く無いのでしょうか? 必要としている方はたくさんいます。通所介護や訪問介護によって改善された方もいます。 高齢者の個々の状態によって、必要か不必要か決めるべきではないのでしょうか。 『福祉用具の選定の判断基準』が出たときも介護度でくくっているし・・・ 判断や判定がし易いから?認定作業が簡単だから?事務処理に便利だから? 何か大切な物が抜けているように感じてしまうのですが・・・ あるケアマネさんが言っていました。 「100人の介護が必要な高齢者の方がいたら、100通りの介護方法が必要だ。」と・・・ 高齢者の状態に併せた、判断ができるシステムになると良いのですが・・・ 次に、地域包括支援センター(仮称)の創設で、地域の高齢者の包括的な介護マネジメントを行おうとしています。 今まで、在宅介護支援センターが行ってきたような事を総括して行うようです。 在宅介護支援センターの統廃合も視野に入れての地域包括支援センターの創設です。 実際に、「介護予防拠点」作りとして、来年度に約3000ヶ所創設を目標にして、来年度予算の概算要求に約220億円が盛り込まれたそうです。 介護事業所の量を拡大させるため、民間資本を投入させといて、 「介護予防拠点を作るからもう要らないよ。」 って、どうなんでしょうか? 介護事業って、そんなに儲かる事業ではないんですよ。 不正請求や不当な事をやれば儲かるんでしょうけど。 介護内容やそれに対する給付金額も決まっているし、設備投資もかかるし、必要人員なんかも決められているし、 利用者を増やさないと食べていけないんです。 介護度の軽い方の通所介護や訪問介護の利用制約が決まると、死活問題の事業者もあるでしょう。 もちろん、自由競争の社会ですから、魅力無い事業所は廃業もあり得るとおもいますが、 制度として廃業に追い込むのはどうなんでしょうか? 何か、場当たり的な感じがしてしますのですが・・・ 次に、、「介護保険の財政が厳しい中、要支援・要介護1の軽度の方が急増と 安易なケアプランが財政を圧迫してる。」 的な報道や意見を良く目にします。 本当にそうなんでしょうか? 介護保険制度が浸透してくれば、介護認定を受ける人も増えてくるでしょう。 「元気だけど、取りあえず受給資格だけ取っておくかな」ってな感じで。 当然、介護度が低い認定を受ける方が多くなるのは必然的な事ではないでしょうか。 認定者が増えた事で、介護保険制度が認知されたと、お役人さんは評価していたはずですが この傾向は、高齢者が増えていく今後、もっと増加すると思います。 現在、65歳以上の高齢者が2,400〜2,500万人います。 でも、認定を受けている方は400万人弱です。(16%程度) 下の表を見てもらえれば、良く分かると思いますが、要支援・要介護1の軽度の方の増加が財政圧迫の根源だとは思えません。
※人数は千人単位・金額は百万円単位です 要支援・要介護1の方の受給者数に占める割合は44%ですが、支給金額は20%程度です。 支給数は多いのですが、お金はそんなに使っていないのではないでしょうか。 どのように感じます? 長くなりましたが最後に、ケアマネや介護職員、介護事業者の質の向上を良く聞きます。 今度の意見でも、ケアマネに関する事・経営者や責任者の研修など盛り込まれていましたが、 保険者として役所の担当者の質の向上は良いのでしょうか?何も触れられていないのですが。 認定時の訪問調査に出向く事もあるはずです。 住民や事業者からの問い合わせに対応しないといけないはずです。 運用面で、自治体により温度差もあります。(監査が厳しいとか、制度の解釈が若干異なるとか) 訪問調査を受けた家族の方のお話です。 「役所の担当の方が、訪問調査に来ました。来ていきなり調査が始まりました。 調査項目を順番に聞かれたんですけど、何か機械的って感じだったんです。 おばあちゃんに”これできる”って聞くだけでやらせようともしない。 おばあちゃんは、できもしないのにカッコつけて何でも”できる。できる。”って言うんです。 私が、”本当はできないんですよ。見てもらえれば分かります。”って言っても、 ”本人ができるっていってますから”で終わりです。 聞き終えると、さっさと帰って行きました。 こんな調査で本当の事が分かるんですかね。」 今回の意見によれば、市町村の役割・権限が大きくなります。 今以上の業務が増えると思いますが、対応できるのでしょうか? 当然、研修なんかもやるんでしょうが、自助努力も必要だと思います。 市町村の役割・権限が大きくなった分よけいに、制度や運用ばかり重視せずに、 介護を必要としている高齢者の個々の状況を汲み取れる担当者になって欲しいと思います。 制度として許容できない事もあると思いますが・・・ 「現場重視の運用を図って頂きたい」と、思うのですが、難しいかな・・・ どんな制度になっても、課題や問題は発生すると思います。 でも、既成事実を盾に、制度見直しに反対って言うのもどうか と、思います。 誰の為なのか、なんの為の制度なのか、良く考えてより良い物になっていく事を望んでいます。 |