プロジェクトeXpo 『トヨタグループ館への道』

<中島みゆきの悲壮な感じの曲が流れる・・・>

ナレーション(田口トモロヲの声で)

連日多くの人が詰め掛ける、愛知万博の会場。そのなかでも、特に人気が高く、入館が困難とされるパビリオンの1つに、「トヨタグループ館」があった。
5月21日の土曜日。特に来場者が多いとされる、その土曜日に。そのトヨタグループ館への入館を目指した、一人の男が居た。その名は、YM。
彼は既に、1回目の計画には失敗していた。午後2時の整理券配布時間に間に合わせるため、午後1時前に集合場所に向かったが、その日は12時に、定員に達していたのだった。YMは、5時20分の、整理券不要の回を目指すことに決めた。
午後4時、YMは再び集合場所である、「北ゲート上の回廊」に向かった。しかし、ここでも多くの人が並び、5時20分の回は既に満席になっていた。しかしYMは、次の6時40分の回を目指し、この行列の最後尾に並ぶことを決意した。長い初夏の日差しは、ようやく傾き始めていた時刻だった。
トヨタグループ館集合場所から見た、会場内。
行列中、暇に任せて撮影した、三井・東芝館の裏側。
既に行列は、かなり伸びている。
並び始めて、30分経過。
周囲に並んでいる人は、たいがいグループで、おしゃべりしたり、飲み物を差し入れてもらったりしている。しかしYMは、たった一人だった。そのようなグループ客の間で、彼はひたすら待った。待って、待って、待ち続けた・・・。
5時ごろ、ようやく先頭が動き始めた。しかし、あと少しのところで、行列は停止。再びYMは待ち続けた。手持ちのガイドブックは読みつくし、携帯のテトリスも、指が痛くなり始めた・・・。

午後6時10分。再び行列が動き始めた。そしてYMは、ようやく入館券を渡された。6時20分までの受付締め切り時間まで、つかの間の自由を与えられることになった。しかし貧乏性のYMは、6時15分には、パビリオンのゲートに向かった。
見上げた、トヨタグループ館のパビリオン。
入場口から見上げた、パビリオンの”威容”。
これが夢にまで見た(?)、トヨタグループ館のゲートだった。
パビリオンゲートの表示
ゲートを入ったところでも、10分ほど待たされた。感慨に浸って、立ち止まっている余裕は無かった。後ろからもどんどん、この回の入場者が押しかけてきていた。その向こうには、7時の回の入場待ちの列が、早くもでき始めていた。
入り口のスロープに並ぶ人。後ろは、次の回の入場待ちの人。
シアターの入場口は、全部で8箇所。ここでまた、10分ほど待つことになった。と、隣の入り口のドアが開いて、入場が始まった。1回の定員は800名。ドア1つおきに、シアター内に案内され、それぞれ下段の席、上段の席に案内される仕組みになっていた。間近で見るトヨタグループ館は、鉄骨むき出しで、なにやら”工場”といった雰囲気をかもし出していた。しかも入場口の庇は、安っぽい波板でできていた。「これが、効率主義というものか。」と、YMは感慨を新たにした。
シアターの入り口付近。

シアター内は、撮影禁止。

YMが観覧したショーは、ちょうど777回目の公演ということで、司会のお兄さんも力が入っていた。一方ロボットたちは、淡々とステージをこなしていた。曲に合わせて、いかにも楽しげに手拍子を打つアテンダントのお姉さんたちの動きが、こころなしかロボット的に見えてしまった。
観客はというと、これはもう、「せっかくここまで待ったんだから、何が何でも楽しまなきゃ。」と、言った雰囲気だった。YMも歌った。「歩こう、歌おう、元気になるから。・・・ラララ〜」元気が失われ始めているのを感じながら。
しかし、最後に登場した「i−foot」。この二足歩行の乗り物の関節の動きに、YMは目を見張った。これを見ただけでも、2時間40分待った甲斐があったというものだった。
しかし、闘いはまだ終わってはいなかった。出口の展示コーナーには、シアターから出てきた800人もの人が、一気に押し寄せてきていた。アトラクションに登場する、「i−unit」の前など、記念撮影の人だかりが何重にもできていて、写真など撮影するのも難しい状態だった。
展示の目玉、「i−unit」。
かろうじて撮影できた、1枚。
さらにグッズコーナーも、デパートのバーゲンセールもかくやと思われる、混雑状態だった。(ワゴンが1つに、レジが2つ。それに観客が800人)

<中島みゆきのバラード調の曲が流れる>

ライトアップされた、如雨露。
ようやく人込みが途切れたとき、YMは出口に立っていた。そして右側に、不思議な如雨露を発見した。ライトアップされた如雨露は、おそらくハイテクを駆使した、スゴい如雨露に違いないと、YMは思った。そして、トヨタグループ館の、ひいては万博の、底知れぬ謎と魅力を感じたYMであった。


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