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役務提供契約等の用語解説

用語 解説
役務提供契約 民法では第3編債権第2章契約の中で「雇用(第8節)」「請負(第9節)」「委任(第10節)」「寄託(第11節)」の4類型を役務提供契約として定めている。しかし、どのような基準でこの4つに分かれるかは細部になると実はあまり明快ではない。
雇用 民法第623条で「当事者の一方が相手方に対して労務に服することを約し、相手方がこれにその報酬を与えることを約するに因りてその効力を生ず。」と規定されている。労務の給付が使用者の指揮命令の下に行われる。
・個人委託と雇用の違いについて、線引きが一見不明瞭な形態が存在するため、その場合は
昭和60年(1985年)労働基準法研究会報告 「労働基準法の「労働者」の判断基準について」によって労働者か否かを判断することにより判別される。
(業務)委託 ・一定の行為を他人に依頼すること。雇用を除く役務提供等の契約を総称してこう呼ぶ。
業務委託の内容が、法律行為の委託の場合は「委任」、法律行為以外の事務処理の委託の場合は「準委任」である。そのほか「請負」「運送」「寄託」などいずれかの法的な役務提供契約等に該当する。
・厚生労働省では業務委託を「自社の業務の一部又はすべてを外部(他社)に処理させるため委託することをいい、請負や外注も含む(ただし、派遣労働者による業務処理を除く)。」と一応定義づけている。
用語そのものは法律等で定義づけられていないため、巷では業務委託はあたかも「請負」でも「派遣」でも「準委任」でもないような都合のいい解釈で勝手に使われている
実態として様々な形態が業務委託と呼ばれ、業者単位では「労働者供給」逃れ、個人単位では「雇用」逃れとして違法なものも少なくない。
委任 民法第643条で「当事者の一方が法律行為を為すことを相手方に委託し、相手方がこれを承諾するに因りてその効力を生ず。」と規定されている。自己の裁量の下で行われる。
・弁護士、税理士、会社社長などが法律行為を行なう委任に当たる。
・請負との違いは、仕事(業務)の完成責任を負うものではなく、又成果物を伴わなければならないものでもなく、契約目的に従った業務の責任処理の完了が中心となる。
準委任 民法第656条では「委任の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。」と規定している。事務委託の場合を指す。
自己の相当程度の自由裁に従い自己の責任で善良な管理者の注意義務を持って当該業務を処理するものである。
外注 ・一般用語として「(自社の業務について)外部へ注文を発すること」(広辞苑)とあるほか、法律用語は存在しない。従来はたいてい「下請」(つまりは「請負」)の意味で使われてきた。近年は様々な外注が見られ、法的には「請負」のほか、「準委任」(あるいは稀に「委任」)のいずれかに当たる。
アウトソーシング ・80年代にアメリカで始まり、90年代に日本で採用されるようになったアメリカ産の手法。正しい意味としては「企業がコアビジネスに集中する為にコアビジネス以外の業務を専門的能力・ノウハウを持った業者に外注すること」。
・外注の一種であるが上記のとおり単なる外注ではない。しかし
法律用語ではないので、単なる外注でも、聞こえがいいため安易に、かつ都合のいいように、多用されている。
テレワーク e-Japan戦略IIの中で「週8時間以上情報通信手段を活用して、時間や場所に制約されない柔軟な働き方」と定義されている。
・雇用である場合も個人請負(委託、自営)の場合もすべて含む。
・テレワークには、@サテライト・オフィスなどを利用する「施設利用型」、A在宅勤務などの「自宅利用型」、B施設に依存しない「モバイル型」がある。
在宅勤務 厚労省基発第0305001号で「労働者が自宅で情報通信機器を用いて行なう勤務形態」と定義される。
SOHO
(在宅就業)
・“Small Office Home Office”の頭文字を取って誕生した言葉で、業務委託された仕事を在宅で行うスタイルのことを意味する。業務委託の一種。法的にはほとんど準委任か請負のいずれかに当たる。
(業務)請負 民法第632条で「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してこれに報酬を与えることを約するに因りてその効力を生ず。」と規定されている。請負事業者は自らの責任(自己の裁量)において発注事業者から独立して完成させ、その結果に対して報酬を受け取る契約。
・派遣と請負の違いについて、線引きが一見不明瞭な形態が存在するため、その場合は
「派遣と請負の区分基準」(昭和61年4月17日労働省告示第37号)によって判別する。
・派遣とみなされた場合で、派遣の手続きを行っていない場合は労働者供給となり違法となる。
偽装請負 ・形式的には「請負契約」を交わしながら、委託者側(発注者)が直接受託者側(請負業者)の労働者に指揮命令を下しているもの。表面上請負を装っているが請負には該当せず、違法(職安法44条)な労働者供給である。
構内請負
(構内委託)
・受託者が委託者の事業場で行なう請負等契約の形態。
・受託者が請負業を営む業者で、請負先メーカーの工場などに自社の労働者を送り込んでモノ作りなどを引き受ける。
・形態の性格上、偽装請負の温床になっている。
労働(者)供給 職業安定法第4条6項で「供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、派遣法に規定する労働者派遣に該当するものを含まない。」と規定されている。
労働者供給を行なうことは許可を受けた労働組合以外一切禁止されている職安法第44、45条)。
(労働者)(人材)派遣 派遣法第2条で「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してすることを含まない。」と規定されている。
禁止されている労働者供給の一形態であるが派遣法で様々な環境整備をした後、例外的に適法としたものであり、派遣法の一定の要件を満たさないものは形式上派遣契約であっても労働者供給とみなされる。
二重派遣・多重派遣 ・二重派遣とは派遣先と労働者派遣契約を締結したが、自己の労働者でなく、他の派遣会社から労働者を受け入れ、派遣先に再派遣する形態。再派遣を3重、4重に行うことを総称して多重派遣という。
・「自己の雇用する労働者」でない者を、他人の指揮命令下に置くことになり、派遣には当たらず、禁止されている労働者供給である。
量販店販売補助員(ヘルパー) ・納入業者(メーカー)に対し立場の強い家電量販店が派遣を要請(このこと自体独占禁止法違反の疑い)して送られる労働者のこと。
・このときメーカーは請負事業者にこれを委託することがある。この場合、請負事業者の労働者は、メーカーへ、更にメーカーから量販店へ二重派遣が行われる。
(在籍)出向 職発第814号労働派遣事業関係業務取扱要領の中で「出向とは、出向元と何らかの労働関係(=在籍出向の場合は雇用・在籍関係)を保ちながら、出向先との間において新たな労働契約関係に基づき相当期間継続的に勤務する形態」と規定している。
・つまり雇用関係が出向元とも出向先とも二重に存在している。この部分が労働者派遣とは異なる。
・さらに同要領では、在籍出向は労働者供給と同様の形態をとるため、「在籍出向が
業として行われるものは労働供給事業に該当するケースが生じることもある」とし、続けて「通常の出向は、@関係会社において雇用機会を確保する、A経営指導、技術指導の実施、B職業能力開発の一環、C企業グループ内の人事交流の一環、という目的を有しており、この限りで業として行われていると判断し得るものは少ない」としている。
・在籍出向は就業規則で定めがあれば、本人の個別同意がなくとも人事異動権の範囲で命令できる。
偽装出向 ・形式的には人事異動として「出向」命令を発令しながら、実際は「出向」の目的に合致せず、業として行われるもので請負を隠蔽する目的のもの。表面上出向を装っているが出向には該当せず、違法(職安法44条)な労働者供給である。
・偽装出向には請負業者が現業実務に従事する労働者をメーカーに出向させるのが典型例であるが、メーカーが管理者を請負会社に出向させて、請負会社の人間として指揮命令を下す、というケースもある。
労災とばし ・構内請負で、自社(請負会社)が雇用する社員に労災事故が起きた際、自社工場など別の現場で事故が起こったように偽って報告すること。
・偽装請負である場合、請負業者は顧客であるメーカー(労災現場の工場所有者)に迷惑がかかることを避けるために行われることがある。