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ビジネス資格のページ

平成18年4月9日


T.平成不況・成果主義と資格取得ブーム
U.資格の定義と意義
V.価値あるビジネス資格の選別
W.資格と職種(職業)と処遇

別表 資格難易度評価一覧


T.平成不況・成果主義と資格取得ブーム

平成不況の時代、資格取得ブームが起こった。
厳しい就職難の中で、資格は自らをアピールする最大の武器の一つとされた。


この時代、成果主義が台頭した。仕事とは、遂行することから成果を出すことに変わった。
成果主義の人事経営を行うには、会社の組織と仕事を再構築する必要がある。
会社は経営計画・経営目標を、従来より綿密に立て、目標達成のために必要な組織と仕事のあり方を見直した。
各ポジション(職位)における期待成果を明確にすることが必須となった。
それに伴い、評価制度と賃金制度も改定した。必要に応じ、職務遂行能力基準も整備した。
能力基準が明確になれば、社員採用についても、従来の人物重視から能力への比重を高めた。
採用時の能力評価で最もてっとり早いのが、「資格」である。
資格取得者は、資格そのものに加えて、取得のための努力、自己啓発、仕事における前向きな姿勢など様々な点が推測され、人物評価においても大きなプラスとなる。
募集職種に直接関係がない資格であっても、人物評価においてそのプラス評価は同じである。
このようにして資格は、企業社会と求職・転職者から熱烈歓迎を受けた。
さらに国民の資格取得熱を受けて、資格取得学校は大はやり、民間団体も認定資格の数を大幅に増やした。

U.資格の定義と意義

資格とは、その能力があると判断されたときにつくもので、狭義には、各種試験や実務経験などによって認定されるものである。このページでは資格のうち主にビジネスに関わるものを「ビジネス資格」として取り上げた。
ビジネス資格取得の意義のほとんどは、仕事上のことにある。
仕事と資格の関連は次のようなものがある。
@個人として、資格がなければ就けない仕事がある。→業務独占資格
A会社として、資格者を置くことを義務付けられている業務がある。→必置資格
B仕事において、資格が信頼性の基本となる仕事がある。
C個人の評価において、信頼性が増す。→採用時に有利
D個人の処遇において、資格者が優遇される仕事がある。→採用後も有利

独占資格

(1)業務独占資格
特定の業務に際して、特定の資格を取得しているもののみが従事可能で、資格がなければ、その業務を行うことが禁止されている資格。
名称も独占する。

例)医師、歯科医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、弁理士、弁護し、行政書士、社会保険労務士、公認会計士、税理士、美容師、理容師など。

(2)名称独占資格
業務そのものは資格がなくても行うことができるが、資格取得者以外のものにその資格の呼称の利用が禁止される資格。

例)技術士、社会福祉士、介護福祉士、調理師、中小企業診断士、技能士、栄養士、管理栄養士など。

(3)必置資格
上記2つのどちらに分類されるかにかかわらず、ある事業を行う際にその企業や事業所に保持者を最低一人、必ず置かなければならないと法律で定められている資格。

例)旅行会社における旅行業務取扱管理者、宅地建物取引業者における宅地建物取引主任者など。

Wikipedia百科事典より〕


V.価値あるビジネス資格の選別

1.乱立するビジネス資格

昨今は先の資格ブームを受けて、資格の数が乱立している。

その中で、どんな資格でも取得すれば、とにかく有利であるとは言えなくなってきた。
専門学校や通信教育等資格取得促進業者の過剰な売り込みも盛んである。
過剰なPRの中、当該学校出身者の合格率を偽ることなど朝飯前である。
絶対に合格しない通信教育もある。インチキ資格も多くある。
このように様々な詐欺行為も横行している。
このように玉石混交の中で、自分にとって、かつ、社会的に、価値のある資格を選別しなければならない。

2.ビジネス資格の種類

価値ある資格の選別に当たって、最も重要な資格の分類基準の一つが「認定主体別」である。
資格を認定主体別に大分類すると@国家資格、A公的資格、B民間資格の3つに分けられる。

下記の説明の中にもあるように、民間団体認定の資格は要注意である。
詐欺的な、社会的価値のない資格は全部この中に含まれているからである。

国家資格

国家資格とは、法律に基づいて国が実施する試験等によって、個人の専門的な知識や技能が一定の段階以上に達していることを行政が確認し、その結果として行政のその権限に基づき付与する資格のことである(法に基づき行政によりその権限を委託された民間団体等が事務を所管する場合も含む)。実際の試験事務は、法令により地方公共団体や指定機関が行うものもある。一部の国家資格の付与行為は、行政法学上の「許可」に該当し、一般人には一律に禁止されている行為を特に行うことが許される。(医師、弁護士など)。これらの資格は、「業務独占資格」と呼ばれる。 資格の付与についての法律上の用語は一定しておらず、「免許」「許可」等の用語が使用されるが、行政法学上は「許可」「公証」等に該当する。

例)医療従事者(医師、歯科医師、看護師、薬剤師、歯科衛生士、歯科技工士など)、法律事務従事者(弁護士、税理士、司法書士、行政書士など。法曹および隣接法律職)、その他旅行業務取扱管理者、技術士、技能士、情報処理技術者など)

また、国家資格には、特別教育や技能講習を受けることにより、資格が取得できるものもある。機械装置などの運転や特定の作業に関するものが多い。

公的資格

公的資格とは、国家資格と民間資格の中間に位置付けられる資格で、主に省庁が認定した審査基準を基に、民間団体や公益法人の実施する試験で与えられるものである。一般には「資格」と言われることもあるが、実態は特別な権限(狭義の資格=ある物事を行うことができる権限)が与えられるものではなく、受験者の実力を認定する性質のものである。

例)実用英語技能検定(英検)、販売士、簿記検定、秘書検定、CG検定など

民間資格

民間資格とは、民間団体や企業が、独自の審査基準を設けて任意で与える資格のことである。法規制がないので、「資格商法」で与えられるような社会的な評価のほとんどないものもある一方、業界によっては、一定の能力担保がされていると認知されている資格まで、さまざまなものが存在する。

例)TOEIC、診療報酬請求事務能力認定、ビジネス文書技能検定、防災士など。

Wikipedia百科事典より〕

3.ビジネス資格の(狭義の)難易度

資格とは、個人の能力を認定団体が認めた、と言うことである。
認定の水準は、その資格を以って遂行する仕事の期待成果に見合った能力と均衡していなければならない。
仕事の期待成果に比べて資格の水準が低ければ、資格者でも満足に仕事ができないということになり、その資格はいずれ社会的に信用されなくなり、認定団体も同時に信用されなくなる。
したがって概ね仕事の質に応じた認定水準となっているから、それは仕事の専門性や社会的重要性、需要の多さなどと直結して、資格取得の難易度となっている。
資格の難易度は様々である。
個人の能力によっては一生かかっても取れない資格があれば、試験なし、簡単な講習のみで取得できるものもある。
価値ある資格には、それ相応の難易度が伴う。難易度の低い資格は企業社会ではその評価は低い。
したがってビジネス資格の選別は、
@ある程度難易度の高い資格であること、
A難易度の低い資格の多くは社会からは相手にされないので、自分にとっての必要性をよく考えること
2点を考慮するべきである。
さて、日本で一般に価値があるとされ、ある程度難易度の高い認定資格は、次のとおりである。資格難易度評価

4.取得難易度に関わらない価値の高い資格の例外

資格の価値とその仕事の社会的評価は均衡している。
資格の価値及び仕事の社会的評価は資格取得の難易度と必ず均衡しているか、というと例外もある。
例えばカネと時間を費やせば、取得できる価値の高い資格もある。
医師などがそうである。
また、美容師、調理師などは全日制の専門学校へ通わなければ取得できないが、簿記検定などは昼間働きながら夜間学校・通信教育・独学などでも取得することが可能であり、学習時間帯と費用の点で難易度に関わらず、専属的な学校通学が必須の資格の社会的評価は高くなる。
また公務員等に特権がある。一定の年数の実務経験を以って自動的に付与される資格もある。
税務署勤務の税理士などがそうである。
更に、一定の専門教育の修了を以って自動的に付与される資格もある。
これも一定の大学院卒業の税理士などがある。
これまで使ってきた「難易度」とは、試験のむずかしさという意味で使ったが、高額な学習費用の支払や学習における専属的時間拘束等も含めて(広義の)難易度と呼んだほうがより適当であろう。

W.資格と職種(職業)と処遇 〜成果主義企業としての対応〜

第1章で「企業は成果主義の導入に伴い、各ポジションにおける資格や職務価値について、抜本的な見直しを行ってきた」旨を記したが、本当にそうだろうか、あるいはその結果、効果のある改定ができたであろうか?
そもそも成果主義の評価について、公正な制度が作れない事例が続出している。
中小企業に至っては、何の抜本的改革もせずに社長や管理職の好き嫌いで採用や評価がなされて、成果主義を標榜している会社が実は大半だろう。
特に資格を前提とする職種を配置する業種の企業にあっては、資格の価値を正確に見定めなければならない。
特に賃金水準を決定するために必要だからである。
例えば医療・介護業種においては、社員は異なる資格者・職種でいっぱいである。
医者がいる。看護婦がいる。理学療法士がいる。レントゲン技師がいる。医療事務従事者がいる。介護士がいる。各種事務職がいる。調理員がいる。配膳係がいる。
賃金は同期入社ならどの職種でも同額でよいか。それでは世間も本人も許さない…。
賃金決定の要素は@生計費、A労働能力、B職務、C職務成果、の4点である。→個別賃金のページ
ここではBの話である。
異なる職種間で職種(職務)の価値に必要な差異を設定しなければならない。
その場合の決定基準のひとつが、資格取得の(広義の)難易度である。
かつて私の知人に看護婦の資格を取って就職したが、その後一般事務職に転向した人がいた。
それなりの難易度の資格を苦労して取得し、いざ就職して見ると仕事は大変で、給料は無資格でできる仕事の人とさして変わらない。
こんなことがないよう、企業は、資格の価値をしっかりと把握し、しっかりと人事管理に織り込んで、納得のいく職場を提供していただきたいものである。