第4話
あれぇ?ここは何処だろう?
ルキアは起き上がり周りを見渡す。
「わぁ!!」
辺り一面の花畑だった。
空を見上げると青い空に白い雲が風に流れていた。
「なんだかすごく懐かしい感じがする」
かつて住んでいた母星は星としての寿命が尽きかけていた。
否、人間達が環境を悪化させた結果、
人が住むことが出来ない様にしてしまったのだ。
幼いルキアが覚えている母星の空はプラズマ雲がどんよりと立ちこめ
時折、電磁波の稲光りが空一面に光っている暗い空しか見たことがなかった。
しかしここにはかつてあった筈の青い空と白い雲があった。
ラグオルの地表とも違う様な、それでいてラグオルでもある様な
「なんだろあれ?」
花畑のまん中に高い塔が何かのモニュメントの様にそびえ立っている。
見た事の無い文字が刻まれたそれは天高くそびえ立っている。
「あれぇ?誰かいる?何しているんだろう?」
人陰らしき物がその塔の前に立ってこちらを見ている。
ルキアはそちらに向かって歩いて行く。
「こんにちは。いい天気ね」
おもむろにその人物はルキアに向かって挨拶をしてきた。
「ここがどこだか分かる?」
その人物、女性はいきなり質問をしてくる
「えっと!?」
答えに詰まってしまう。そう言えば自分は何故こんなところにいるんだろう?
さっきまでは確か、、、。
「あれぇ!?思い出せない?」
自分が何故ここにいるのかも、その前は何をしていたのかも分からなくなっている。
「ここはね、、、、」
女性は構わず続ける。
が、突然辺りが暗くなり、異様な雰囲気が立ち込める。
「!!!?」
ルキアの前に暗黒が広がりそれは一気に自分の身体を包み込んでしまった。
そこでルキアの意識は再び暗い闇へと吸い込まれていってしまう。
「危ない!!」
咄嗟に左右に避けるオレとエレナ。
その頭上を翳めて飛んでいく火球を見送り、すぐさま
エレナが無事なのを確認し再びノトスのいた方へ目を向けると
そこにはすでに奴の姿もルキアの姿も無かった。
「クソ!!どこへ消えた!?」
オレは用心深く奴のいた辺りへと進む
その先には移動用のトランスポーターがあった。
「遺跡の3ブロック目へ通じる転送装置か、奴はこの先か」
その装置に踏み出すオレに向かって
「待って危険だわ。ノトスがさっきみたいに攻撃してくるかも?」
とエレナが心配する。
「しかし、ルキアを助け出さないと。それに奴が何を考えているのかも気になる」
そうだ奴は一体何を考えてルキアをさらったのか?
そして何故、オレ達を攻撃してきたのか?
「行こうエレナ」
オレはそう言って転送装置に踏む込む。
「待ってハインツ!」
オレの名を呼びながらエレナも装置に入る。
と同時に装置が作動し瞬間的にもう一つの転送装置へと送られる。
次の瞬間オレ達は遺跡3へと転送されていた。
転送を終えた瞬間。オレは素早く敵の気配を探る。
どうやら待ち伏せは無かったようだ。
「大丈夫だ反応がある。こっちだ」
オレはルキアの発信機の反応があるのを確かめると、先へと進む。
不思議な事にエネミーの姿が現れる事無くオレ達はルキアの反応を追い
奥へと進んで行った。
長い回廊を突き抜けると、位置的には遺跡の再深部と思われる場所である
広い部屋へと出た。
「ここで反応が止まっている。この部屋にいるはずだが」
部屋の中央辺りにまで来て見渡すがそれらしき人陰は見当たらない。
「ん!!」
突然、部屋中にエネミーの反応が現れる。
「しまった!罠だ!!囲まれているぞ!!」
センサーには数え切れない程のエネミーの反応が現れる。
「くそっ!!エレナ!部屋の外へ出るんだ!!」
「無理です!すでに出口が塞がれてます!!」
完全に退路を断たれエネミーに囲まれた状態でオレ達は部屋のまん中で背中合わせになり
エネミーを迎撃すべく武器を構える。
「なんとかオレが突破口を開く、その隙に部屋から出るんだ。いいな!?」
かなり無謀だが、全部の敵を相手にするには状況が悪すぎた。
なんとか体勢を立て直す為には一旦部屋の外へ出る事が先決だった。
「それでは、あなたが!?駄目です!私が先攻します!!」
異を唱えるエレナだが
「問答している暇は無い!!いくぞ!!」
そうだ敵はすでに迫って来ている。無駄話をしている間にも増々、状況が悪くなって来ているのだ
オレは武器をスタッグカットラリに持ち替え出口に一番近い敵に向かって走りだした。
「グガァアアアアアア」
一気に3体のラ・ディメニアンが無気味な声を発して消滅する。
「ブモォ!」
一瞬、攻撃の流れが止まったオレの右手側にソ・ディメニアンが現れ自身の腕を振り下ろす。
が、その寸前で痺れた様に動きを止める。
動きを止めたソ・ディメニアンの頭にそのままカットラリの片側のフォトンの刃を埋め込む。
刃を抜き、振り向き様後ろに迫っていたラ・ディメニアンに刃を打ち込む。
正面に向き直る寸前にエレナの方にウインクをする。
エレナはヴァリスタを構えつつ後ろからついて来る。
「おおおおりゃぁぁ〜〜〜!!」
右手にカットラリ左手にルキアのダブルセイバーを持ち群がるディメニアン達を斬り付ける。
「クソッタレ!!キリがねぇ!!」
オレは敵を斬り付けながら毒付く。
「ハインツ!行きます!!」
エレナがオレの脇を抜けて前方に向けて腕を突き出す。
「ラフォイエ!!」
キューーーーーン!ドォオオオオン!!
物凄い爆発音とその後に続く衝撃波。
その辺一帯にいたエネミーが残らず吹き飛ぶ。
「急いで!!」
ラフォイエによって吹き飛ばされた一帯に走り込むエレナ。オレも続く。
「きゃぁああっ!?」
先に行くエレナが悲鳴を上げる。
地面にエレナが倒れている。その前方には大きな腕を奇妙に長く伸ばしたエネミー、
ダークベルラが立っている。
「このぉ!!」
オレはそのままそのデカブツに向かって走り出す。
その大きな腕を振るってくるが、攻撃が当たる寸前に走る勢いそのままに奴の足元に滑り込み、
「うおおおおおおおおおおお!!」
腰だめに構えたL&K14コンバットのフォトン弾をありったけ撃ち込む。
「むっ!?」
デカブツが消滅する寸前にオレは額の辺りにチリチリと熱い感触を感じると
そのまま身体を横に転がす。
と同時にオレのいた場所に上空から斬り掛かってきたデルセイバーの放つ刃が食い込む。
これまでの経験に基づく半分無意識の行動が幸いした。
転がった勢いを借りて起き上がりざまに腰から抜いたカラドボルグをフォトンの刃が
出るか出ない内に、そのデルセイバーの方へと向かって斬り上げた。
「グオッ!!」
オレの放った攻撃は、奴の刃と化した右腕部分を根元から斬り落としていた。
腕を失ってもなお攻撃しようとするデルセイバー
オレはその場に落ちた奴の腕を拾い上げそのままその腕の刃を奴の頭に叩き込む。
「ゴオア!!」
もんどりうってその場に崩れ消滅する。
「エレナ!!」
オレはエレナの方へと向かい抱き寄せる。
「う、、ああ、、あ、、、」
身体が痺れてうまく動けないようだ、どうやらベルラの攻撃を受けた衝撃で麻痺したみたいだ。
「アンティ」
ぱあああっと光が彼女を包む。
「ああ、ハインツ!」
状態異常回復のテクニックによって麻痺が解けたエレナが声を漏らす。
「大丈夫か!?」
エレナが身体を起こすのを助ける。
「ありがとう。もう大丈夫です。それより敵は!?」
と言いながら周りを見渡すエレナ。
「どうやら消えたみたいだな」
さっきまで部屋中にいたエネミーが残らず消え去っていた。
「どう言う事でしょう?私達を殺すのが目的では無いのでしょうか?」
と疑問を口にする。
「さぁて、どう言う事か本人に確かめるしかなさそうだな。そうだろ?ノトス=ヒューガー!!」
とオレは部屋の奥にある扉の前に立つ人物に向かって言い放った。
第4話 了
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