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>彼女は丘の上からモノメイトを投げる

 
彼女は丘の上からモノメイトを投げる

「あーヒマだなぁ...」
 ルチェットは革張りの椅子に腰掛け、ゆっくりとくるくる回っていた。
 背丈は小さく、腰までありそうな赤銅色をした長い髪がゆらゆら揺れている。
 そしてなにより印象的なのは、目の周りを覆うようにして描かれている紫色を
したメイクだ。
 棘が出たように施されたそれは、彼女たちフォニュエールの間で流行っている
一種のファッションである。
 フォニュエールとは精神力に長けたニューマン女性の総称で、主にテクニック
と呼ばれる技を駆使して戦いを行う。
 その為、ハンターやレンジャーのように接近戦は行えないが、ここラグオルで
のエネミー掃討に於いては、遠距離からのテクニックでそれなりに活躍している。
 そのパイオニア2のハンターズ達がラグオルを探査し始めてからはや三ヶ月。
最近はギルドに持ち込まれる依頼も少なく、毎日降下してはエリアに出没するエ
ネミーの排除や探査をするだけだ。
 そのエネミーたちも強さを増し、時には緊急転送でシティに戻されることもし
ばしばある。
 他のハンターズ達は先のパイオニア1の面々が残していったレアアイテムと呼
ばれるもので武装し、調査やエネミー排除を快適に行っているようだが、ルチェッ
トにはヴァリスタと呼ばれる小銃くらいしかない(かなり改造してあるようだが)。
 探し求めてはいるものの一向に見つからず、そうこうしてる間にハンターズレ
ベルは70を超えていた。
 これからどうしよっかなぁ...。
 今後の進退すら考えるまでに至っていたその時、手元の情報端末からメールの
着信を知らせるアラームが鳴った。
 その内容を確認するルチェットの瞳に、瞬く間に光が戻ってゆく。
「...ふふん、面白そうじゃない」
 そう言ってルチェットはすぐに返信メールを打ち始めた。
『やるからには必ず勝ってみせるわよっ!』
 送信するやいなや、ルチェットはロッカーから白を基調とした探索用コスチュ
ームを引っ張り出し慌てて着替え始めた。
「っと、イケナイイケナイ」
 勢いよく玄関を飛び出したものの、肝心なもの忘れて慌ててロッカーへ取りに
戻る。
「これがなくっちゃ!」
 仲間内では以外と評判がいい、二手に分かれた先にポンポンが付いたド派手な
帽子を被り、ルチェットはロビーに繋がっている転送装置へと駆け出した−−

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