「あはははははっ」 笑い声がセントラルドーム内にも響きわたった。 乾いた笑い声が── ルチェットが破壊したコンテナから出てきたのは緑色のカプセルだった。 そして隣を除くと、青いカプセルが転がっていた。 黄色いカプセルが示す物──それは武器だ。 それを拾い上げたサフィが声を上げる。 「ダブルセイバーだわ」 特に嬉しそうではない。 なにせスプレッドニードルを所持しているくらいだ。 ダブルセイバーなら何本か持っているのであろう。 それに比べルチェットが手にしたのは…… 「モノメイトかぁ」 それをのぞき込んだアンジェリナがため息混じりに言った。 当のルチェットは呆然と立ちつくしている。 そして、 「そういえば先にこれって言ったよね……だったらこれよね。だからそれをあた しに……」 モノメイトが入ったカプセルを見つめながら、 「どうせダブルセイバーなんて余っているんでしょ……だったらいいじゃない」 「そう言われてもねぇ。自分で選んだわけだし、これも使い道はいくらでもあり ますわ」 呆れ顔で答えるサフィ。 「譲ってくれてもいいんじゃないの。こうやってドラゴンを倒せたのはあたしの お陰だし」 「誰がですの? ドラゴンは私が倒したものですわ」 「いいからこれを受け取ればいいのよっ!」 ルチェットは緑のカプセルをサフィに向かって投げつける。 「いりませんわこんなもの」 受け取るやいなや、サフィはそれをすぐさまルチェットに投げ返す。 「あたしだっていらないわよ!!」 片手で受け止めたカプセルを、ルチェットは横手に放り投げた。 「あ〜下まで落ちちゃったわ」 その行方をアンジェリナは視線で追って、 「ちょっとは役に立つかもしれないのにぃ」 と嘆いてみせる。 「立つわけないでしょ!」 吐き捨てるようにそう言うと、 「とにかくそれを寄越しなよっ」 青いカプセルめがけルチェットは突進した。 「嫌ですわ!」 それをひらりとかわすサフィ。 「じゃぁ力づくでも奪ってやるわ」 「できるものならやってみなさいよ」 売り言葉に買い言葉。つい数時間前まではこんな感じだったとアンジェリナは 思い出した。 「お嬢さま……」 狼狽えるセヴァ。 彼にしてみれば上手くコトは運んだはずだったのに、まさか最後の最後で振り 出しに戻ろうとは思ってもみなかったであろう。 「わたしたちは次の準備がありますのでこれで……」 不穏な空気を感じとった恰幅の良い男たちは、そそくさとドーム内に逃げ込ん でいった。 「──後悔するなよ〜」 「フンっ、どこからでも掛かってくるがいいわ」 二人とも本気の目だ。 「あ〜そうだ! ルチェの投げたモノメイトを拾ってこようっとぉ」 もう止められない、そう感じたアンジェリナは小走りで二人の横を通り抜けた。 「私も手伝いますよ」 慌ててそれに続くセヴァ。 二人がゲートを潜った瞬間、背後から大音響が聞こえてきた。 ドームが崩れなければいいけど── アンジェリナはパイオニア1の遺産ともいうべき構造物の行く末が心配になった。 二人の身の安全よりも先にそう思ってしまったことに、クスっと笑った。 終わり |
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