First Impression (2004年9月)
'98Xantia V6 Exclusive
2004年9月18日(土)、京都のアウトパラスまで車を引き取りに行ってきました。
1998年9月初回登録、次の車検は2006年1月まで。
(1回目の車検後、4ヶ月ほど検査が切れていた模様)
車輌本体 90万円(諸経費込み)
下取り 10万円('95Xantia SX 69,000km)
差引支払額 80万円
1. 内外装
後期型ボディとなりノーズ形状およびバンパー形状が変更され全長が8センチ延びました。
バンパー、サイドプロテクションモール、サイドミラーがボディ同色に。
タイヤも14インチから15インチになり、V6は他モデルより幅広ホイールと幅広タイヤが組み合わされます。
後期型は一見立派に見えますが、やはり全体のデザインバランスは前期型の方が上のような気がする。
ボディに関して言えば、よく見ないと気付かないのですが、微妙に異なる部分があります。
まずフロントフェンダーとボンネットは別物。
フロントフェンダー前期型より微妙に膨らんでおり、ボンネットはグリルと一体となりプレスラインも微妙に異なります。
フェンダーの膨らみは太いタイヤを収めるためでしょうか?
他に細かい部分ではドアミラー取り付け部後端と、リアウィンドウ両端の樹脂部品が変更され、何らかの空力的改善が図られたようです。
内装も細かく変更され、木目調パネルがダッシュボードとドアに付きました。
木目調パネルの表面は半艶消しで、面積も控えめな物なので、特に気になりません。
後は確認しずらかったエアコンスイッチのインジケーター視認性が改善されていたり、ATがギザギザゲート式になっていたり。
細かい装備類では、オートクルーズ、サイドエアバッグ、運転席パワーシート、オートワイパー、イモビライザー付き電波式キーレスエントリー(前のは赤外線式で指向性があった)が付いていたりします。
あと、95モデルではリアシートのヘッドレストがフロントシートより薄く固い物が付いていましたが、フロントシート同様厚みがあって柔らかい物に変更されていました。
2.さりげなくパワフルなエンジン
やはり気になるのは3.0リッターV6エンジン。
まず街中。
鋭い出足を期待して発進すると、ちょっと肩透かしを食らったような緩慢なスタート。
しかし発進してしまえば、特に回転を上げなくてもスルスルとスピードが上昇し、あっと言う間に法定速度を超えてしまいます。
エンジンは静かでスムース。
2.0リッター直4モデルに比べて速度感がないので注意が必要。
3.0リッターモデルは確かにパワフルなのですが、日常の街乗りで「パワフル」である事を実感させられるケースは少ない。
でも、これは体感的なものであって、実際にタイムを計測すると、3.0リッターモデルの標準的なパワーを備えているのではないかと思います。
速度の上昇は早いし、踏めば充分パワフルなのに、普段の街乗りではさほどパワフルだと感じない、そういうエンジンです。
以下、少し細かく見ていきたいと思います。
普通に乗っている時に何故スタートが緩慢に感じるのか?
それは1速でスタートして直後一瞬の内に2速に上がってしまうのが原因だと思います。
回転数にしてわずか2000rpm辺りの変速なので、1速では殆どトルクを感じる間もなく2速に上がり、ここで加速が大きく息継ぎしてしまいます。
信号発進では、この一瞬で周囲の車が先に行ってしまうので、感覚的な遅さに視覚的遅さが加わります。
しかし2速に入ってからも感覚的にはモッサリと遅いのですが、実際には先行車両がグーンと近づいて、ふとメーターを見ると、すでに60km/h辺りを指している。
エンジンは決して遅くないのに速度上昇感が伴わず「速さ」を感じさせない。
これはATのシフトタイミングがドライバーの期待するタイミングと一致していない事に伴う違和感なんでしょうか。
かといって、シフトレバーをカタカタ動かしてマニュアルシフトで乗ろうとは思いませんが。
当初、期待はずれのパワー感に少々残念な気がしていたのですが、少し慣れてくると、これも悪くないような気がしてきました。
私はユルユルと走るのが嫌いではありませんので、AT任せでポンポンとシフトアップし滑らかなV6の回転フィールとハイドロ感を楽しみながら流すのを楽しいと感じます。
ATの変速ショック自体は極めてスムースで、2リッターのATでも充分スムースな変速で満足していましたが、V6のATは余程注意していないと、いつシフトが行われたかも判らないレベルのスムースさ。
エンジンも大変スムースかつ静かなので、シフトアップ時のエンジン音変化も殆ど感じる事ができず、この辺りのスムースさはトヨタのクラウンとか国産高級車のようです。
これが好ましいことなのかどうかは賛否両論だと思いますが。
あと、初期型2リッターでは3→4速へのシフトアップタイミングが70km/h辺りであり、普段国道や幹線道路を流す時は殆ど3速で走る事になってしまい、たまに4速に上がったと思ってもすぐに信号で停車せざるを得ない...という繰り返しでした。
ところがV6のATは3→4速へのシフトアップタイミングが60km/h辺りに下げられ、4速を使う機会が大幅に増加し、日本の道路でも大変走りやすくなりました。
次に高速。
このエンジンは想定速度域が日本の高速道路よりずっと高いようで、100km/h程度で走る分には全く余裕充分。
初期型2リッターは110〜120km/hでエンジン音が高まり、それなりの速度で走っている事を感じさせられましたが、V6では平穏そのもの。
参考まで、各速度域でのエンジン回転数(4速)を記すと
速度(km/h) 初期型2.0 3.0V6 90 2500rpm 2000rpm 100 2750rpm 2200rpm 110 3000rpm 2400rpm
概ね初期型2.0リッターより500rpm低い回転数で走れるので、静かな事に加え、ドライバーの気分的な負担も軽減され、高速走行がますます安楽になりました。
60kmを超えて90kmに達するまでは2000rpm以下の低回転での走行になりますが、そういった領域からもキックダウン無しに実用的な加速性能が得られるのは3リッターの恩恵でしょう。
2.0リッターでも加速は鈍いものの、巡航速度に達してしまえば後は大変気持ち良いクルージングを楽しめたのですが、その安楽度が大幅アップした感じ。
高速走行時のATキックダウンレスポンスも初期型2.0よりだいぶ改善されて、高速でパワー不足やATのシフトスケジュールに痛痒感を覚えることが殆どなくなりました。
2.0リッターが苦手だった追い越し加速も、V6では得意項目のひとつになっています。
3.あっさり薄味の乗り心地
これまで95SXは、ハイドロニューマチックでスフェア数は6個。
サスペンションシリンダーに各1個と、メインアキュムレーター、車高遅延用のアンチシンキングスフェアーが付いていました。
対するV6は、ハイドラクティブIIでスフェア数は8個。
SXの6個に加え前後にアディッショナルスフェアが各1個付いています。
ハイドロニューマチックが昔ながらのシトロエンのハイドロシステムであるのに対し、ハイドラクティブはXM以降採用された所謂アクティブサスで、速度や走行状況に応じてロール量を抑制したり、最適な状況に変化するもの。
Xantiaのハイドラクティブはその第2世代でハイドラクティブ「II」と呼ばれているようです。
V6のハイドラクティブIIが2.0リッター用と異なる設定かどうかは未調査なのですが、取り合えずフロントスタビライザーは若干太くなっているようです。
あとはタイヤが太く大きくなり、95SXでは185/65R14が標準(私は175/70R14に交換していた)でしたが、V6では205/60R15。
気になる乗り心地は、噂どおりシトロエンとしては少し硬く感じます。
硬くなったとはいうものの、現代の標準からすると、まだまだ柔らかくハイドロらしさも残っています。
少々硬くなった反面、コーナリング時のスタビリティは大幅にアップし、乗っていて安心感の高いものとなりました。
高速コーナーでもバシッと安定しており、同じXantiaとは思えぬスタビリティの高さを実現しています。
これまでは踏み切りを渡る時、轍を斜めに通過する時など、車全体が足回りと別体であるかのようにブワンブワンと揺すられる事がありましたが、ハイドラクティブIIでは普通のバネ車のようです。
タイヤが太いにもかかわらず、ハーシュネスが若干軽減しているのはハイドラクティブの恩恵でしょうか。
全体にハイドロニューマチック時のフワンフワン感が減少し、いつも心地よい揺れを楽しんでいたウネリある路面もアッサリと通過してしまい、嬉しいような悲しいような。
雑誌インプレッション等で「いつものコーナー」などというのがよく登場しますが、シトロエンの場合「いつものウネリ」というのがあって、ウネリ通過時の挙動でスフェアのヘタリを測ったりできるわけです。
ウネリをウネリであると気付かぬ内に通過してしまうのは、車的には進化しているのですが、ハイドロサス的には少し寂しい。
これを車の正常進化として「ヨシ」とするか、個性が薄れたとするか、古くからのシトロエン乗りの方には賛否両論あろうかと思いますが、個人的にはハイドロの利点を残しつつ、ハイドロの欠点を克服した、適当な妥協点ではないかと思っています。
Xantiaも世代交代してC5となりハイドラクティブも「II」から「III」にアップデートすると同時にハイドロニューマチックの設定がなくなりました。
ハイドロニューマチックとハイドラクティブの両方が選べたXantiaは、そういう意味では大変面白い車種だなと思います。
どちらが良いか?と問われると双方甲乙つけ難く魅力的。
でも好き嫌いで選ぶならハイドロニューマチックの方が好みかな。
4.ユーティリティー
同じパッケージングなので、Xantiaならではの使い勝手の良さや取り回しの良さは従来どおり。
私は大きな荷物を積む機会が時々ありますが、後部座席を畳んめばフラットで広大な空間が得られます。
リアサスペンションは荷室への侵食が少なく大変使い勝手の良いラゲッジ空間を実現していると思います。
また、後部座席を畳まなくてもタイヤ4本が余裕で詰めるのは大変重宝。
5.室内
シートは相変わらず柔らかく良好。
BXやそれ以前のモデルのように、マシュマロのような柔らかさはありませんが、それでも充分に柔らかく快適なものです。
最新の仏車はシートも独車のようにパンッと張った当たりの固い物が増えてきましたが、それらと比べるとXantiaのシートは程よく柔らか。
後部座席は座面の前後長がたっぷりと確保されており、太いCピラーと下降するルーフラインで適度な囲まれ感があり、大変快適で居心地の良い空間だと思います。
リアシェルフに内臓された巻取り式ブラインドも気の利いた嬉しい装備。
クロスの素材や色合いも上品で前期モデルよりコンフォート性の強いもとのなり気に入っています。
あと、95モデルではリアシートのヘッドレストがフロントシートより薄く固い物が付いていましたが、今度はフロントシート同様厚みがあって柔らかい物に変更されていました。
5.最後に
では、現在ハイドロニューマチックXantiaに乗るユーザーが、差額を払ってまでXantiaV6に乗り換える価値があるか?
同じ車種ながら性格は大きく異なるので浮気するには最適。
しかし、一見若く元気で魅力的だと感じても、失ったものも少なくないので、最初の熱が冷めると古女房が恋しくなるかもしれません。
追伸
概ね良好なXantiaV6ですが、購入当初よりフロントサスペンション付近から低質な振動音が発生しています。
何度かドック入りさせたり、部品も交換してみたりしましたが改善しません。
これは引き続き改善を模索して、その様子は整備記録でお伝えしたいと思います。
走るに支障ない問題なので、のんびりと取り組んでいきちと思います。
先輩方、何か良きアドバイス、お気づきの点がありましたら、掲示板、メール等でお知らせいただけると嬉しいです。