移動運用の楽しみ



[趣味の王様の生態的分類]
 アマチュア無線と一口に言っても、その楽しみ方は各人それぞれに実に多様で、さすがに"King of Hobby" (趣味の王様)といわれるだけのことがあります。 思いつくままに、例をあげていってみても、
 ○自作派(FARCにも多い)
 ○DX派(同上、OM諸氏)
 ○アワード派
 ○コンテスト派(今年は頑張った)
 ○ラグチュー派
 ○アウトドア派
 ○FOX派(FARCでも開催)
‥‥‥もう、きりがありません。
 この中で、小生が属すると思われるのが、アウトドア派ということになるのですが、これがまた、山屋さん(山岳移動で山々を巡る)やら4駆屋さん(オフロードや林道にひたすら分け入る)やらBePAL屋さん(キャンプなどで自然を楽しむ)やらが入り乱れるということになります。
 今回は、小生がハマり込んでる6mバンド(50MHz) を中心にした「移動運用」についてのあれこれをご紹介してみたいと思います。

[ジプシーHAM]
 小生が、なぜ移動運用をするのかといえば、その都度いろいろと理屈を付けたりもしますが、要するに、自宅から出られないからというのが一番大きな理由です。最近はCATVになったとはいえ、自宅周辺は家が建て込んでいますのでインターフェアが怖いし、子供が受験生なものですからあまりガンガン頑張る訳にも行かないし、しばらく関西へ赴任している間にシャックは子供の勉強部屋に乗っ取られてしまったし、そもそも狭い部屋の中に籠もって無線しているのは窮屈だし‥‥‥そんなやこんなやで、半ば必然的に、青年は(いやさ、オジさんは)荒野を目指すことになってしまうという訳なのです。
 休日になれば、家族の白い目を気にしつつも、リグやアンテナなどの装備もろもろを車に積み込んで、三多摩地区の丘の上や山の上に出かけていくことになります。自宅の室内でタバコを吸わせて貰えないのでベランダで吸っている人を「ホタル族」というそうですが、こちらの方は、悲しい流浪の民「ジプシーHAM」です。

[なぜ6mか?]
 5年前に開局した時は、430MHzだけだったのですが、最近はほとんど6mにしか出なくなってしまいました。なぜかなぁと考えてみると、1年半の大阪単身赴任の経験が大きかったようです。阪神震災の直後の4月に大阪へ行くことになった時に、これで家族の目を気にせずに無線ができるぞと思わず喜んだものです。ただし、あの悪名高い3エリアですから(実際は言われる程でもないのですが)、430MHzや2mはとても運用できまいと初めから諦めてしまいました。という訳で、赴任先の大阪市東淀川区の1DKのマンションの一室から運用することになったのは、6m(7MHzと21MHz も少しだけ)ということになりました。勿論、このような消去法的な理由だけでなく、昔の入門バンドの雰囲気を残していてマナーも良いし、Eスポでも出ればハチの巣つついた様になって日本中が聞こえてくる6mバンドというのが好きだったことは間違いがありません。
 大阪でQRVをしていて、アマチュア無線をやっていて本当に良かったなと思いました。小生自身、生まれて初めての一人暮らしでしたし、時々、無性に人恋しくなる時があることを知りました。落ち込んでいる時なども含めて、無線をしていることで、随分救われたことが多かったように思います。

[井戸吉さん達との出会い]
 関西を中心にして、6mでJCC/JCGを追いかけながらアウトドアライフを楽しむ「井戸吉(いどきち)」さん達のグループがあります。大阪赴任中に、たまたま「北摂井戸吉」グループのみなさんと知己を得ることができました。毎週開催されているロールコールにチェックインしたり、アイボールパーティで盛り上がったり、何回か移動運用にお伴させていただいたりで、いろいろとお世話になりました。
 さらに、96年の6月の「滋賀県一斉移動」には、高島郡マキノ町の移動に飛び入りで参加させていただく幸運を得ました。たぶん、この時の高島郡移動が、小生のアマチュア無線のスタイルの大きなターニングポイント(ちょっと大げさかな)になったように思います。大雨と強風の山の上でさばききれないパイルというのも経験しましたし、本当の移動運用の楽しさというのも理解できたような気がします。
 現在でも、西向きにアンテナを振っていることが多いのは、3エリアのローカルさん達とお会いしたいからというのが正直な理由のようです。今年に入ってからの移動回数もすでに30回を越えました。1年4シーズンを通して、1局1局との出会いを大切にしながら、移動運用を楽しんで行きたいと思っています。

[移動にどハマり]
 大阪赴任以前からも、6mや430MHzでの移動運用を時折楽しんでいましたし、大阪赴任中は、高槻市・茨木市・池田市・箕面市・豊能郡・三島郡などというところに、ディパックに6mのポータブル機と缶ビールを入れてしばしば出かけました。昭文社の「山と高原地図」シリーズの「北摂の山々」と「京都北山」は、地図の折り目がスリ切れるくらいにお世話になりました。大阪で過ごす週末のほとんどは、移動運用と京都観光に終始していました。
 昨年秋に、府中に戻ってからは、車という文明の利器がありますので、これを利用しての移動が主体になりました。特に今年からはJCCを意識し始めましたので、アンテナも7エレ八木を新調し、移動地も東京都内限定で、インターネットで交換される移動予告にも注意を払うことになりました。このため、最近お世話になっている地図は、昭文社の同じシリーズの中の「高尾・陣馬」と「奥多摩」です。とはいっても、実は「移動運用すること」自体が好きなので、多摩丘陵の丘の上で風に吹かれながらノー天気にCQを出しているのがほとんど常です。JCCを追いかけているといっても、こんな調子で、アセらずアキずアキらめずに長く続けていれば、結果(JCC)はそのうち自然についてきてくれるだろうと思っています。

[移動設備]
 最近の移動運用に出かける時の設備は、概ね以下のようになっています。
  ○Rig. IC-736(固定機・50W)
  ○ANT  7エレ八木移動用改造版
      10mポール+タイアベース
  ○電源 発動機式発電機
 この他に、テーブルやビーチパラソルや椅子や脚立が付帯しますし、1泊キャンプの時は、さらにテントや寝袋が追加されることになります。
 アンテナやポールを積むので、我が愛車パルサー(1500ccの小型セダン)の屋根には夏でもスキーキャリアが着いていますし、トランクは同軸ケーブルやアンテナの部品で、いつでもあふれかえっています。移動運用にローカルさんとご一緒すると、次から次からいろんなものがそれこそ手品のように出てくるので、感心(実はあきれている)されてしまいます。
 こんな極限状態で出かけるものですから、今年のゴールデンウィークにあきる野市の刈寄山の林道に1泊で行った時には、でこぼこ道で車のオナカをぶつけて、燃料タンクに穴をあけてしまいました。もっともこの時も、現場に到着して気が付いたのですが、覚悟を決めてビールを飲んでアンテナあげて1泊モードに突入しちゃいました。

[さて、次はどこへ]
 移動先で雨に降られて、合羽を着込んでもビッショリになって設営や撤収をしたり、カップヌードルとカロリーメイトの3食だったり、一体何が楽しくて移動運用なんだろうと思ったりすることもあります。1泊キャンプで呼ばれまくり、もうこれで当分移動運用はいいやと思ったりすることもたまにはあります。それでも、大抵の場合、次の週末が近づいてくると地図を拡げてあれこれ見入っている自分を発見することになります。自分でも、ほとんどビョ〜キかなとも思いますが、これからもこの移動「どハマり」状態を楽しんでいこうと思っています。
  Where do we go next ? ........



気まぐれレポートのメニューに戻る
トップページに戻る