気まぐれ1エリアれぽーと
No.2  24-Mar.-1997

 3月もお彼岸になって、たいぶ春らしくなってきました。ポカポカ陽気の多摩丘陵の上で、ノー天気に声を出していても、枯れ草の中から青い下草が目立つようになってきました。桜の芽もだいぶ膨らんできました。本格シーズンの到来も、もう間もなくのようです。でも、考えてみると、今年の冬は、こちら1エリアでは、雪らしい雪が降りませんでした。こんな年には、3月も終わりになって、春のドカ雪に見舞われることもあるので、季節はずれの雪に埋もれての移動運用なんてことにならなければ良いがと、少し心配でもあります。
 1エリアに「強制送還」になって、早や半年が経とうとしています。こちらに戻ると、何かと雑事も多くて、なかなか「ぽーたぶる3」当時のアクティビティを持続するという訳にも行きそうにありませんが、東京の西の方を中心にして、細々と移動運用を楽しんでいます。昨年末に、97年の抱負として、「JCC/Gゲット」を掲げたのですが、とは言うものの、やはり、山の上・丘の上から電波を出すこと自体が好きなので、移動運用に出かけるということそのものが、第一義になりそうです。結果(JCC/G )は、その上で、自然に付いてくるものだろうとも思い始めているところです。今シーズンも、のんびりと「移動運用すること」を楽しもうと思っています。どうぞ、聞こえていたら、お見捨てなく呼んでやってください。
 3エリアを中心としたローカル各局に、春一番にはもう少し遅いけれど、1エリアから春の陽気と一緒に、「気まぐれレポート」の第2号をお届けします。

[移動ロケーション]
 昨年まで、大阪に赴任していた時には、車をQSYしていませんでしたので、移動運用といえば、電車と路線バスが頼りでした。阪急の京都線と宝塚線の沿線の高槻市・茨木市・箕面市・池田市・豊能郡といったところへ、ディパックにFT−690mkUとバッテリィとツェップワイヤアンテナと缶ビールを詰め込んで、よく出かけました。昭文社の「山と高原地図」シリーズの「京都西山」と「北摂の山々」の2冊には、地図の折り目が擦り切れる程、お世話になりました。
 最近はといえば、暇な時に、同じシリーズの「陣馬・高尾」か「奥多摩」を広げています。言わずと知れた、移動運用のロケーションハンティングです。大阪に赴任していた時から同様なのですが、どうも、以下のような地名につい興味が行ってしまう傾向があるように思われます。
  @〜山(〜岳) A〜峠    B〜尾根   C〜林道   D〜展望台
‥‥‥こうなると、もう完全にビョ〜キですね。 (^^;;
 1エリアに戻ってくれば、とりあえずは自動車という文明の利器がありますから、これを利用することが前提になってしまいます。これでは、「ダイエット対策ポータブル担ぎ上げ」は棚上げ状態です。何とか今年は、車で直接入れてタイヤベースでアンテナを上げられるような東京都内(できれば三多摩地区)のロケーションを探したいと思っており、少しずつロケハンを始めたところですが、やはり、難しさを実感しています。どこへ行ったってそうですが、国有地を含めて所有者の無い土地というのはあり得ない訳で、しかも、これだけ宅地化の進んでいる東京都内では、FBな移動運用場所というのは、不可能に近いことなのかも知れません。
 もはや昔々のことになりますが、30年以上前、小生が小学校高学年の時に、野猿峠(やえんとうげ:八王子市の南部に広がる多摩丘陵の西のはずれ)に遠足に行った記憶があります。京王線の北野駅で降りて、高幡不動駅まで多摩丘陵添いの山道を延々と歩いたように思うのですが、最近行ってみたら、多摩動物公園の周囲も含めて、住宅がひしめいていました。野猿峠というからには、昔は野生の猿でも棲んでいたのだろうと思うのですが、もはや地名にのみ名を残すばかりになってしまったようです。
 つい先日も、多摩ニュータウンの建設現場近くの丘の上の道路際に空き地を見つけて、八王子市移動をやったのですが、それから3週間程してから同じ場所に行ってみると、もうだいぶ住宅整備公団の整地工事が進捗していて、しばらくしたら、使わせてもらえなくなってしまいそうな状況でした。三多摩地区の開発は、どんどん西に向かって進んでいますから、猿や猪や熊と同じで、移動HAMも、だんだん山奥に追いやられていく運命のようです。

[移動用アンテナ]
 自宅に大きなタワーを上げている人と見ると、つい羨ましくなってしまいます。当局なんかは、ホームでアンテナが上げられないから、移動運用に出ている訳です。いわば、ジプシーって奴です。そういう訳で、1エリアに戻ってから、とにかく移動用のアンテナの対応の取り組みました。
 といっても、移動用アンテナということになれば、組立の迅速化・簡略化と本体の軽量化が求められることになる訳ですが、軽量化に関しては、強度との兼ね合いもあり、まだ何も手が着いていません。とりあえずは、市販されているクリエイトデザイン社の6m用の7エレ八木に、以下のような移動用バージョン対応の改造をしたのが現状です。
(1) 5本分割のブームの接続部のうち、中央を除く3ヶ所はボルトを蝶ネジに変更しました。また、中央は2本のブームを内径相当の短いパイプを挿入しタッピングビスで固定するようになっていましたが、一方だけボルトを貫通させて蝶ネジで止めるようにしました。
(2) マストクランプは、中央のブームの接合部を跨ぐような位置にあるため、分割部分の片側だけ固定してあります。もう片方のブームを突っ込んで、Uボルトを蝶ネジで固定するようにしました。
(3) エレメントの固定具は、付属のUボルトでブームの固定してしまいました。ただし、固定具は下半分と上半分の2枚で挟んでエレメントを固定するようになっていましたが、下半分だけを使用しています。
(4) エレメントの固定具の上半分は使わないで、大きい目玉クリップを付属のビスで固定しています。エレメントはこの目玉クリップにはさんで固定します。他の人では、目玉クリップ2個で固定しておられるようですが、小生は平たい大型のもの1個にしてみました。立木などにぶつかっても回るだけで、エレメントやブームに被害が出る可能性が少なくなるのでFBです。
(5) マストへの固定は、マストより一回り内径の大きなパイプをはめ殺しに付けて、上端は貫通ボルトで封止しておき、アンテナごとマストに開けた貫通穴にボルトで固定する方法を採りました。この方式は、JG3XTZ局の完全なパクリです。
(6) マストは、フジインダストリー社の移動ポール(伸長10m)ですが、この一番トップの部分に貫通穴を開けたのですが、上端の30cm程度は中身が詰まっていました。穴を開ける方は、気をつけてください。開けども開けども穴が開かないので、まいったタヌキになってしまいました。
(7) エレメントは、細長いパイプ2本を一回り太いパイプの両端に差し込み、ビスで固定するようになっていましたが、蝶ネジに変更しました。ネジをつけるリング状の固定具が脱落しないように、インシュロックタイでストッパを付けてあります。
(8) エレメントの細長いパイプを一回り太いパイプに差し込む時の位置が判るように、ビニールテープを巻いてあります。ビニールテープに当たるまで左右2本の細いパイプを突っ込んで、蝶ネジで固定すれば、エレメント1本出来上がりです。ビニールテープに番号を書いて、何番目のエレメントか判るようにしてあります。
(9) エレメントをブームに取り付けた目玉クリップに固定する際に、センタが判るように、クリップの幅よりひと周り広い間隔で夜光テープを貼ってあります。夜光テープがクリップの両端に出るように挟めばOKです。まだ夜間に使ったことが無いので、暗闇で役に立つかどうかは不明です。
 この改造に当たっては、大阪赴任中に何回か移動運用にお供させていただいた「北摂井戸吉グループ」のJG3XTZ・小川さんの施工例、並びに、以下のホームページを参考にさせていただきました。6mの井戸吉さん達は、ほんと、ハンパじゃないです。
  JR4EUD・吉野さん  http://www.urban.or.jp/home/yoshibee/
  JM3XAV/1・藤谷さん http://www.ak.cradle.titech.ac.jp/~mike/Viva6m/
 6エレのスタックにしようか、いろいろと迷ったのですが、小生が7エレを選択したのは、(経済的なことを除けば)以下の理由です。
  (a) 小生の非力でも、ひとりで10mまでアップできる。(9Kg)
  (b) 今まで使用していた4エレHB9CVより利得が4dbi 高い。(14.5dbi)
  (c) JG3XTZ・小川さんが使っておられて、見ていてもFBだった。
 もともとは、設営30分・撤収20分を目標にしていたのですが、これはなかなか難しそうです。アンテナ自体の組立よりも、ポールの設営に時間を要していますので、何か別の方策の検討が必要と考えているところです。
 アンテナ自体の使い勝手としては、指向性がシャープなので、サイドやバックから呼ばれるとつらいところがありますので、呼びに回る方が良いのかなぁとも思います。全方位外交用に別にホイップアンテナがあげられるように、マストパイプの上に、Mコネクタを取り付けてあります。
 とりあえず、使いながら若干の修正を加えつつ、今シーズンには華々しいデビューを飾らせたいと思います。‥‥‥早く「春よ!来い!」です。

[移動運用日誌]  Jan.〜Mar. /1997
 今年は、月に2回位のペースでは移動運用に出たいなぁと密かに考えていますが、さてどうなりますことやら‥‥‥。年が明けてからの移動運用の状況をレポートさせていただきます。なお、交信は、基本的に、全て6m・SSBです。
(0) 1月1日・府中市移動(府中市南町)        2局
  これは移動運用の番外だが、前夜の大晦日から恒例でXYL の実家で年越し。実家の2階のベランダに伸縮ポールで430MHzのGPと50MHz の2エレHB9CVをあげたのも恒例通り。前夜はビールを飲みながらQRVしたが、除夜の鐘が鳴る頃にはもうヘベレケヘロヘロ状態。このためローカル各局から大ヒンシュクを買ったのか、「あけましておめでとうコール」は超不人気。‥‥‥これもまた恒例といえば恒例。
(1) 1月2日・多摩市移動(多摩東公園)       77局
  ニューイヤーパーティでの出初め移動だが、東公園からの出初めは、これで4年連続となった。我ながらよく続いていると感心。家族の目はやはり冷ややか。設営時間の関係から4エレHB9CVで0900JST から3時間程のQRV。府中周辺のお馴染みのローカル局からのコールは、残念ながら少ない。遠くは岐阜県瑞浪市までだったが、新年早々の運用を楽しんだ。これで5枚目のステッカーを無事ゲット。
(2) 1月4日・西多摩郡檜原村移動(奥多摩遊道路)  48局
  7エレ八木の移動向け改造のトライアルに自宅から約2時間のドライブ。JR武蔵五日市駅の少し先からはワインディングロードの連続。かつてサーキット族のメッカだったことを彷彿とさせる。連日の飲み正月で出遅れたため、1300JST 頃から2時間程のQRV。遠くは全く取れないが、東京・神奈川・埼玉・千葉からパイルで呼ばれる。すっかり気分を良くして、2時間の遠い帰路に着いた。
(3) 1月12日・多摩市移動(多摩東公園)      15局
  前夜の府中アマチュア無線クラブ(FARC)の新年会の席で急遽まとまって、7M2EJL・今川さんと7N3KVB・中尾くん(高校3年生)と移動。中尾くんは430MHz、今川さんは1200MHz にQRV。3人で折り畳みテーブルに載せたリグを囲んで運用。通りかかった人が怪訝に見ていた。折から強風で多摩丘陵の上は寒く1100JST 頃から2時間程で撤収。3人合わせても、交信局数は50局にも満たず、複数のメンバで行くとなぜか根性がなくなるようだ。それでも、仲間連れの運用は楽しい。
(4) 1月25日・八王子市移動(南大沢付近)     47局
  都立大の市民講座を受講するXYL の送迎を名目にして、南大沢付近の移動場所のロケーションハンティング。多摩丘陵の丘の上の住宅整備公団の造成地の横に、車が何とか止められるスペースを見つけ、7エレをタイヤベースで10mにフルアップが実はこれがトライしたかったので、あげられただけでも満足。1230JST 頃から3時間程のQRV。呼んでくれる局は少ないものの、西向けビームで愛知県安城市から59で呼ばれてビックリ。
(5) 2月11日・八王子移動(南大沢付近)      39局
  ロケハンに午前中から、多摩市・八王子市・町田市の南多摩地区の多摩丘陵沿いを走り回る。尾根幹線道路を南大沢の先の戦車道路の方まで行くが、FBなロケ発見にはいたらず。やむなく、前回1月25日に運用したのと同じ場所に落ち着いてしまった。7エレを10mにあげて、1200JST から2時間程のQRV。移動用改造がようやく当初計画レベルに達したアンテナの設営も、慣れてきた。遠くは三重県桑名市までだったが、59-59 のレポートだった。
(6) 2月23日・多摩市移動(多摩東公園)      55局
  三木市&小野市移動サービスのJF3ISN・JG3XTZの兵庫県熟年コンビを迎撃に出た。前夜遅くから雨となり、朝から家に降り込められてヤキモキ。午後になって雨がやんだので、大急ぎで多摩市東公園へ。雨で地面が緩んでいてアンテナの設営に汗をかく。1430JST 頃にようやく5mに妥協して7エレをあげたが、近接周波数での1エリアの移動局のQRMもあり、兵庫県は全く聞こえず。1500JST まで無駄な努力を続けたが、諦めてCQを出す。西方面からかなり呼ばれる。日暮れまで2時間程のQRVを楽しんだ。遠くは、岐阜県大垣市までグランドビームが伸びた。
(7) 3月2日・町田市移動(堀之内付近)       38局
  翌週に予定の兵庫県熟年コンビの移動サービス迎撃のためのロケハンに朝から走り回っていたが、京王堀之内駅から南に向かって丘を登っていって、尾根幹線道路を越えたあたりに比較的FBなロケを発見。地図を見ると、多摩市と町田市の境界で、2市サービスが可能なポイント。1200JST 頃からQRVしたが、1300頃から風が強くなったので、アンテナを5mに降ろしたが、そのうちローテータもないのに回る様になったので、1430頃にQRT。遠くは、大阪府茨木市の移動局から呼ばれた。今年になって初めての3エリアだった。
(8) 3月9日・多摩市移動(多摩東公園)       48局
  兵庫県熟年コンビの赤穂市移動の迎撃に出た。予定していた前回の運用場所に行ったら、駐車車両があって入れないため、急遽、多摩東公園へ引き返した。折から、途中の車の窓から、日食をしっかりと見物。太陽がダイエーのマークみたいだった。タイヤベースを地面に平置きして、10mに7エレを無理ヤリ建てた。1130JST 頃から1200JST まで西ビームで予告周波数周辺をワッチ。何か聞こえるものの、ノイズの中に埋まっている。後になってCQを出したが、呼ばれても了解度が悪く、どうやらリグの不調。我がIC−736は、また入院が必要なようだが、正常だったら、赤穂市が取れたかも知れず、また、呼んでくれた局には、悪いことをしてしまったと反省。1530JST 頃に撤収。風が強くなって、ポールを一段縮めたら、倒れてしまった。幸い、ステーをしっかり張っていたため、エレメントやブームは無事だったが、やはり、タイヤベースは車で踏まないと無謀と認識。遠くは、三重県桑名市まで。2月11日に呼んでくれたのと同じ局だった。

[第二の常置場所]
 神奈川県横浜市・川崎市から東京都稲城市・多摩市・町田市・日野市・八王子市にかけて、多摩川の南添いに、だらだらと標高100mから200m程の丘が連なっていて、多摩丘陵と呼ばれています。小生がしばしば「お手軽移動運用」に使わせていただくので、ローカル局から「WNRの第二の常置場所」と冷やかされている多摩東公園もこの一角にあります。正確には、東公園の上の展望広場というべきなのかも知れません。すぐ近くに二等三角点がありますが、標高は150m程です。府中市の拙宅は、多摩川と同じ標高ですから、標高差で80m 位だと思われますが、関東平野の平均的な標高レベルである武蔵野台地よりも高台になるので、西向きにも北向きにも、なかなかFBなロケーションであると言えると思います。
 拙宅からは、車で15分もあればたどり着けますし、多摩市の陸上競技場の駐車場が少し下の方にありますから、なかなか便利です。多摩市の東のはずれに位置していて、50m 程先を走る外周道路の向こう側は、稲城市に変わります。ひとつ隣の丘の上には、以前に、ゴクミ(現アレジ夫人の後藤久美子ちゃん)が通っていた聖ヶ丘高校や多摩大学の瀟洒な校舎が見えますし、天気が良ければ、富士山や丹沢・奥多摩から秩父にかけての山並みを一望することができます。京王帝都電鉄が本社を移転してまで開発に注力している聖跡桜ヶ丘(多摩市)の由来になった桜の名所・聖跡記念館もすぐ近くです。
公園なので、車では入れないのが難点で、外周道路に一時駐車して資材を降ろして、運ばなければなりません。また、先日は地面に平置きしたタイヤベースに10mポール立てていたのを降ろそうとしたら、風が強くて、1段縮めたところで倒れてしまいました。幸いにも、アンテナのエレメントを止めている目玉クリップが回ったり曲がったりしただけで、エレメントやブームには被害はありませんでした。
 外周道路の向こう側には、住宅や病院もあるので、インターフェアなど出して使わせてもらえなくならないように、注意しながら運用しています。また、これからも使わせてもらいたいので、ご近所にに顰蹙を買ったり、ゴミを出したりしないように注意して運用しているつもりです。
 風に吹かれながら、のんびり運用していることが好きなので、大好きなロケーションのひとつです。休みの日に、少し寝坊して目が覚めて、ふと「移動運用にでもいこうかな〜」と思いついて出かける時のマイフェイバリットポイントです。

お空の上で、3エリア各局とまたお会いできるのを楽しみにしています。  CU AGN

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