横浜で地学実習
Geography fieldwork at Yokohama
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2009.10.15
横浜は意外に、坂や崖の多い地域です。横浜開港と同時に開けた、山手を歩くと牛坂、へび坂、ワシン坂、ビアザケ通りなどおもしろい地名が残っています。そんな場所では、自然の地層を観察できました。しかし現在では、以前はよく見かけた、自然にできた崖や地面を見かけなくなりました。アスファルトやコンクリートで覆ってしまったためです。横浜では崖にある露頭を観察できにくくなりましたが、街歩きをしながら気軽に地学実習をしてみたいと思います。写真や地図を眺めながら、気軽にご覧下さい。

《三渓園裏手にある本牧公園の露頭・海食崖》

《三渓園の園内とハスの花》
三渓園裏手の本牧公園側の露頭は横浜では貴重な存在となりました。この露頭は、波で浸食された海食崖です。戦後すぐの時期は、写真撮影場所は海の中でした。現在埋め立てられて、公園や工業地帯になっています。地層は上総層群と言われる、泥岩層、砂岩層、固い凝灰岩質砂岩層などでできています。地層の上部は関東ローム層といわれる、赤い火山灰層です。
横浜三渓園は横浜の中心部から少し離れています。横浜駅東口(地図はこちら)から横浜市営バス8系統・148系統で35分ほどの乗車になります。(三渓園前下車徒歩5分)またJR根岸駅から58・99・101・126系統で10分ほどの乗車になります。(本牧下車徒歩7分)広い園内にはたくさんの花が咲き誇ります。また秋は紅葉の名所です。

《三渓園園内地層・帯水層のシダ》
地層にも水を通しやすい地層(透水層・帯水層)と、通しにくい地層があります。水を通しやすい地層にはシダ植物が多く茂っています。シダ植物や蘚苔類は多くの水を必要とするので、露頭が見えにくくても植物が指標になることもあります。

《元町の高級ブティックの大理石中に見られたアンモナイト化石》
横浜元町は古くから開けた、商店街です。現在古くからある横浜ブランドと世界の高級ブランドがしのぎを削る場所です。ある高級ブティックの石材を観察していると、大理石の中にアンモナイトの化石が観察されました。数億年前の化石が見られるのは嬉しいですね。(観察時は怪しい人と思われないように気をつけましょう)

《酸性雨で腐食されたと思われる大理石製のメダリオン》
横浜には外国人居留地や外国人住宅が歴史的遺物として残されています。フランス山の入り口に、大理石製のメダリオンが残されていました。大理石製のメダリオンは腐食されていました。大理石は炭酸カルシウム・CaCO3でできているために、酸性雨には弱いですから溶けやすいです。

《山手聖公会の大谷石でできた塔》
横浜山手にはたくさんの洋館や教会があります。山手にある教会の一つ山手聖公会は中世ヨーロッパ風の建物です。外壁は大谷石でできた洒落た素晴らしい建物です。石造りで重厚な感じですが、大谷石は風化されやすいので表面加工など気をつける必要があります。

《この銅像の腐食も酸性雨?》
横浜港郵便局は横浜港に近い郵便局です。郵便局前の銅像は現在ビルの中にありますが、以前は建物の外にありました。日本の酸性雨がひどかった時代に、像の表面が大きく腐食されたと言われています。

《山下公園インド水塔の屋根》

《インド水塔の天上には様々な鉱物が使われている》

《石碑は素晴らしい花崗岩でできています》
観光客で賑わう、華やかな山下公園の端にインド水塔があります。このインド水塔は、横浜地震(関東大震災)で被災したインド人からの被災者援助感謝と追悼の意味込め、贈られたものです。市民としてインドの方々に感謝します。横浜地震の被害はひどく、たくさんの外国人も亡くなりました。関東地震のときに、不安に乗じた流言飛語によって、外国人に対する迫害という悲しい出来事もありました。しかし多くの外国の方々は、横浜復興のために手を差し伸べてくれました。この水塔もインドから感謝と追悼の意味を込め、横浜港のために贈られたものです。過去の私たちの過ちと、外国の方々からの恩義を忘れないようにしたいですね。このインド水塔の銅でできた屋根は緑色に見えます。約70年の歳月で、銅が腐食され緑青・CuCO3・Cu(OH)2ができたようですね。インド水塔の天井には素晴らしい鉱物が散りばめられています。また由来の書かれた石碑はきれいな花崗岩でできています。

《色鮮やかな天后宮・媽祖廟》

《媽祖廟の石材は白くきれいな大理石》
横浜中華街は世界でも有数な規模の中華街です。横浜中華街では中国文化や中国の石材も見ることができます。媽祖廟の石材は白くきれいな大理石でできていました。たぶんこの石材は台湾の太魯閣産のものと思われます。

《関帝廟のレリーフは安山岩でできている》
中華街にある関帝廟に行くと、そこにも素晴らしい石材が多く使われています。関帝廟は関羽を祭った中国の寺ですが、三国志のエピソードを描いたレリーフは安山岩でできていました。

《赤レンガ倉庫は明治初期から使われています》

《痛んだレンガとコンクリート・白い粉が析出》
赤レンガ倉庫は明治時代から使われている、倉庫です。多少傷んだ部分はありますが、関東大震災の揺れにも耐えました。レンガもコンクリートも痛んで。炭酸カルシウムCaCO3や塩化カルシウムCaCl2の白い粉が出ていますが、味があります。

《赤レンガ倉庫脇の道路には古い花崗岩の石材が》
赤レンガ倉庫には、明治以来重量の重い荷物や、トレイラーが横付けされました。重量物にも耐えるために敷石には当時は高価であった、花崗岩が使われています。花崗岩に鉄の酸化物が付着しているのも味がありますね。

《インターコンチネンタルホテルとツワブキの花》

《ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルの大理石に化石が》
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルは港の眺めが良いホテルです。ホテルの入り口の大理石を眺めているとべレムナイト?らしき化石が入っていました。この付近には国連などの国際機関も多いので、怪しい行動をとらずに観察してみてください。

《粗悪なコンクリート橋は20年も経たずに腐食》
世間ではコンクリートは丈夫であると思われていますが、耐用年数は非常に短いです。特に粗悪なコンクリートは20年も経たずに、上の状態です。意識を変えて早めに手を打たないと、せっかくの建造物も大変なことになるかもしれません。

《高価な石材が使われています・クイーンズスクエア》
みなとみらい地区にはランドマークタワーやクイーンズタワーなど高層ビルが立ち並んでいます。足元の石材も贅沢です。黒く結晶が輝いているのは斑レイ岩でしょうか?大きく黒っぽい結晶に特徴があります。結晶が小さく黒っぽいものは、玄武岩でしょうか?赤みを帯びている岩石は花崗岩です。

《ランドマークタワーは外壁がすべて花崗岩でできている》

《ロイヤルパークホテルの照明は大理石》
ランドマークタワーは日本一の高層ビルです。さすが費用もかかっています。外壁はすべて花崗岩で覆われています。またランドマークタワー内にある、ロイヤルパークホテルの照明は大理石を透かせて照明に使っています。

《ダーツの的も高価な石材が使われている》

《重厚なテーブルには化石がいっぱい》
ロイヤルパークホテル内は更に豪華な石材が豊富に使われています。眺めているだけで地学実習ができてしまいます。ダーツでトルコ石100点、大理石50点とかやってみたいですね。怪しまれないようにホテル内を探検すると化石もたくさん見つかります。

《ドックヤードガーデンも岩石の宝庫》

《建造年代も記録されています》
ランドマークタワーの麓にドックヤードガーデンがあります。明治以降造船所として使われてきたものです。ここもヨコハマの地学実習として、必見の場所です。様々な石材が使われていますが、ちょうど断面が見えました。これは安山岩のようですね。

《そごうデパートの外壁はサンゴ質の大理石・石灰岩》
JR横浜駅東口に近いそごうデパートに探検に行きました。入り口の岩石は赤いサンゴ質の大理石(石灰岩)のようです。色合いが素晴らしいですね。この建物も豪華な石材がふんだんに使われています。

《テラコッタの鉢から析出した塩分》
横浜駅の地下街ルミネを歩いていると、イタリア風の飾り付けをした一角があります。鉢をよく見るとテラコッタですが、テラコッタの底から塩分が析出しています。塩化カルシウムなどと思われます。良い色合いですね。しかし植物にとっては多少害(塩害)になります。
今日は横浜でできる地学実習を紹介しましたが、あまり正確でない部分もあります。間違いがありましたらお許し下さい。雨の日でもできる実習ですので、皆さんも挑戦してみてください。なお、地学実習の観察時には怪しまれないように、気をつけてください。
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