〜俺はアイナと添い遂げる!〜



 

 98年公開の映画。本編はOVA「機動戦士ガンダム第08MS小隊」をアリス・ミラーという女性仕官の立場から、シロー・アマダ少尉率いる連邦のモビルスーツ部隊の第08MS小隊の活躍と、ジオン軍のモビルアーマー乗りのアイナ・サハリンとの関わりを軸においた物語。
 シローは敵のモビルアーマーと交戦中に行方不明になるが、まもなく発見される。ところが彼に着せられたのは「スパイ容疑」だった。事実彼はジオン軍の女性パイロットアイナ・サハリンと恋仲になっていた。彼は諮問にかけられ、謹慎を言い渡される。ところが彼の仲間のゲリラの村がジオン軍に襲われているのを知り、軍規違反と知りつつも助けに向かう。何とか村に向かい、できるだけ犠牲を少なくしようとするも、そこにあったのは冷たい、残酷な現実であった。
 度重なる命令違反を犯したシローと第08MS小隊は、帰還率38%という極めて危険な最前線に立たされることに。そこでミラーは問う。敵にすら情けをかけるお前は、やはりジオンのスパイだからと自白しろと。しかしシローは言い放つ。俺たちの部隊は殺し屋部隊じゃない。敵も味方も犠牲を最小限に食い止め、戦争を終わらせる。そして必ず生きて帰る、と。そして彼らは危険な最前線へと赴くのだった。

 正味一時間くらいで、OVAの前半部分を振り返る内容になっています。有名どころではシローとアイナが初めて会うシーン。雪山に二人のモビルスーツ・モビルアーマーが不時着して、凍傷を抑えるためにビームサーベルで雪を溶かして即興の温泉を作って二人で入る話。シローを慕うゲリラ組織の少女キキの村を、シローはモビルスーツを使わずに勇敢に戦う話など。
 第MS08小隊シリーズには、よりアニメではないリアルで重厚な戦闘・戦争の匂いがします。本当の戦闘で相手を信じ、騙されて死んだ奴がいるとアリス・ミラーは言いました。もしかしたら彼女の恋人がそうだったのかもしれません…。でもシローのすごいところはアイナをとことん信じ抜いた。そして彼女に引き金を引かせないために身体を張って戦ったことでしょう(OVA参照)

 シローのかっこよさはやはり本編でも述べられていた「青臭い理想を現実にするために動く」という点。敵であってもいい人はいる。無駄な犠牲は出さないなど、戦時中には在りえない考え方をしているわけです。事実諮問会議の将校たちはシローを嘲り、笑い飛ばしていましたから。でもそれでも自分を曲げずにアイナのために、仲間のために戦った小隊長シロー・アマダはやはりかっこいいのです。
 OVAの最後ではシローとアイナは半ば軍から脱走するような形で、一緒になります。シローの「俺はアイナと添い遂げる!」という名台詞は心に残っています。たとえ敵であっても、きちんと思いを伝えるのは立派だし、それに応えたアイナも立派だと思う。極限下で芽生えた恋だからこそ、燃えるところもあるんだろうけどね〜(笑)

 ちなみに声優はシローは檜山修之さん、アイナは井上喜久子さん、部下のミゲルには結城比呂さんなど。ちなみに 三人は全員最新作のSEEDにも出てます。アズラエルの壊れっぷりもよかったな〜とふと思い出しました。いい役者さんは、憎まれる悪役も演じられてナンボだと思います。