2005.09.26 馬場純雄
(C) SumioBaba
2005
[SB051]
霊魂と物質の相互作用が不確定性原理を産み出す
という仮説
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現在の物理学では、量子力学という物理法則を、人間の心と無関係
に、物質世界に実在する法則だと見なす傾向が有るようです。すなわち、
人間の心が観測していない時も、物質世界を支配する本質的な物理法
則として、「不確定性原理」が働いている、と考えます。例えば、「多世
界説」の立場を取り、様々な世界W1,W2,W3,・・・が線形に重なって存在
していると考える時も、個々の世界W1,W2,W3,・・・の中で、「不確定性
原理」が成立していると考えているようです。
そこで、この常識を覆してみます。「多世界説」を考える時、個々の世
界W1,W2,W3,・・・の中では「不確定性原理」は存在せず、1つの世界W1
の中では、一個の素粒子aの「位置」と「運動量」は、どちらも正確に定ま
っている、と考えてみます。ただし人間の心は、世界W1だけを単独で観
測することはできず、W1,W2,W3,・・・の中の部分集合であるW1,W2,・・・,
Wnを重ね合わせのままでのみ観測できる、とします。そしてこのW1,W2,
・・・,Wnを重ね合わせた結果、「不確定性原理」が発生する、という訳で
す。こう考えることで、大きなメリットが生じることを示します。
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[霊魂説]を取ります。しかも、「霊魂」が物質粒子や光子に相互作用を
及ぼせるとする[相互作用説]の立場を取ります。そして、次のような[相
互作用仮説]を想定します。
[相互作用仮説]
心が知覚していない時、一個の素粒子aの「位置」r=(x,y,z)
と「運動量」p=(px,py,pz)とは、どちらも正確に決定している。
そのような世界W1,W2,W3,・・・が線形に重ね合わせられたま
ま、時間発展している。
世界W1において、「霊魂」がこの素粒子aと相互作用する時、
確率的にあらゆる「運動量」でこの素粒子aを蹴るため、相互
作用後の素粒子aの「位置」rはそのままだが、「運動量」pの
方は、あらゆる値を重ね合わせた状態
p?=(-∞<px<+∞,-∞<py<+∞,-∞<pz<+∞)
となり、「不確定性原理」が発生する。
例えば、「霊魂」に蹴られる直前の、素粒子aの「位置」がr1=(x1,y1,z1)、
「運動量」がp1=(px1,py1,pz1)だったとすると、蹴られた直後の「位置」は
r1のままですが、「運動量」の方はp?となり、完全に不確定になります。
それゆえ、蹴られる前の「運動量」p1の値は、全く不明になります。従っ
て、それをp1だったと考えても良いし、p2やp3だったと考えても良いし、そ
れらの重ね合わせであったと考えることもできます。
「霊魂」に蹴られる前から、素粒子aの「運動量」はp1,p2,p3,・・・様々な
値の重ね合わせ、すなわちp?だった、と考えて見ましょう。すると、素粒子
aの「運動量」は、「霊魂」に蹴られる前もp?であり、蹴られた後もp?なので
すから、
「霊魂」に蹴られた
という事実を無視し、「霊魂」の存在そのものをも無視できることになりま
す。それが、現在の量子力学である、と解釈する訳です。
こう考えると、現在の量子力学に何一つ修正を加えること無く、[相互作
用説]の「霊魂」を導入することが可能です。
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さて、この仮説のどこにメリットが有るのかを説明するため、現在の量子
力学の疑問点を示しましょう。
私の脳Bの状態を、量子力学的に異なる様々な状態B1,B2,・・・,Bnを線
形に重ね合わせたもの、と表現します。一般に、脳Bを構成している個々
の素粒子は、粒子と波の中間の状態にあり、これを多数の粒子状態の重
ね合わせと解釈しても良いし、多数の波状態の重ね合わせと解釈しても
良いので、BをB1,B2,・・・,Bnの重ね合わせとして表現する方法は無数に
有ります。その中の1つを
B=B1+B2+B3+ ・・・ +Bn
とします。
線形の重ね合わせですから、B1,B2,B3,・・・,Bn相互間に相互作用は無く、
それらの時間発展は独立しています。すなわち、時刻t1からt2までの物理
状態の時間発展は、
B1(t1)→B1(t2) ・・・<1>
B2(t1)→B2(t2) ・・・<2>
B3(t1)→B3(t2) ・・・<3>
・・・・・・・・・・
Bn(t1)→Bn(t2) ・・・<n>
と独立して表現できます。これらを辺々足し合わせると、
B1(t1)+B2(t1)+B3(t1)+ ・・・ +Bn(t1)
→B1(t2)+B2(t2)+B3(t2)+ ・・・ +Bn(t2) ・・・<4>
となります。
この場合、例えばB1は、<1>のように自分が単独で存在しているのか、
それとも<4>のように他のn-1固と重ね合わせられているのかを、知ること
さえできません。B1,B2,B3,・・・,Bnの間に、相互作用は無いのですから。
従って、<1>に随伴する心をM1、<2>に随伴する心をM2、<3>に随伴する
心をM3、・・・、<n>に随伴する心をMnとすると、たとえこれらを<4>のように
重ね合わせてもM1,M2,M3,,・・・Mnは独立したままであって、「1つの心」
Mに融合され得ないのです。これが、
量子力学を用いても、心の統一性は説明できないのでは?
と考える最大の原因でした。
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そこで[相互作用説]の「霊魂」を考えます。[相互作用仮説]は、「霊魂」
こそが、物質粒子や光子と相互作用することにより、1つの定まった物理
状態であったものを、多数の物理状態の重ね合わせにしている、と解釈
するものです。すると、<1><2><3>・・・<n>は、次の<1'><2'><3'>・・・<n'>
に変わります。
B1(t1)→B1(t2)/n+B2(t2)/n+ ・・・ +Bn(t2)/n ・・・<1'>
B2(t1)→B1(t2)/n+B2(t2)/n+ ・・・ +Bn(t2)/n ・・・<2'>
B3(t1)→B1(t2)/n+B2(t2)/n+ ・・・ +Bn(t2)/n ・・・<3'>
・・・・・・・・・・
Bn(t1)→B1(t2)/n+B2(t2)/n+ ・・・ +Bn(t2)/n ・・・<n'>
これら<1'><2'><3'>・・・<n'>を辺々足し合わせても、同じく<4>になります。
<1><2><3>・・・<n>の場合には、B1,B2,B3,・・・,Bnという異なる状態が、
それぞれ独立して時刻t1からt2まで時間発展でき、それらを線形に重ね
合わせたものが<4>でした。ところが<1'><2'><3'>・・・<n'>の方は異なり、
B1,B2,B3,・・・,Bnという異なる状態の1つ1つが、「霊魂」と相互作用する
たびに、それぞれn個全部に分岐していくのです。
<1>の場合には、時刻t1からt2までずっとB1のままであり続ける、とい
う表現になっています。例えば<4>の場合でも、B1,B2,B3,・・・,Bnの中の
どれなのかを時刻t1に観測し、B1だということが判明すると、
B1(t1)+B2(t1)+B3(t1)+ ・・・ +Bn(t1)→B1(t1)
という波動関数の収縮が起こり、この後の時間発展は<1>になります。
ところが<1'>の方は違います。時刻t1からt2まで「霊魂」がB1だけに随
伴し続ける、という事自体が不可能なのです。B1だけに「霊魂」が宿ろう
としても、随伴しただけで、すなわち「霊魂」がB1と相互作用しただけで
必然的に、B1はB1,B2,B3,・・・,Bnの重ね合わせになってしまうのですか
ら。すなわち、こういう説明が可能なのです。
私の「霊魂」は、B1,B2,B3,・・・,Bnのどれか1つだけに宿り続
けることはできず、B1,B2,B3,・・・,Bnの重ね合わせ全体にだ
け宿ることができる。
なぜなら<4>は、<1><2><3>・・・<n>の重ね合わせではなく、
<1'><2'><3'>・・・<n'>の重ね合わせなのであるから。
こうして、私の心Mは、<1><2><3>・・・<n>のそれぞれに随伴する心M1,
M2,M3,・・・,Mnの独立した和に分裂することなく、<4>全体に随伴する、
統合された「1つの心」Mになる、と説明できるのです。
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[相互作用説]の「霊魂」を考える人は、よく次のような説明をします。
「霊魂」から物質や光に及ぼされる作用は、プランクの定数
よりも桁違いに小さいため、「不確定性原理」に埋没して観測
できない。
もちろん、そういう可能性も否定することはできませんが、何となく誤魔化
しに見えてしまいます。「不確定性原理」の陰に隠蔽しているように見える
からです。それよりは、
物質や光が「霊魂」と相互作用する時に、「不確定性原理」
が発生する。「霊魂」と相互作用していない時、物質や光
は、「不確定性原理」に支配されない。
と考える方が、積極的で良いと思います。
以上