『Becoming』新刊情報と
バックナンバー

『Becoming』第23号発行!
第23号(2009.3)  新刊
「亡霊の記憶、亡霊の夢」原田達
時空を超えて現在の私に突然取り憑いてくる記憶を「亡霊の記憶」と呼ぶ。亡霊の声に聞き従い、亡霊が語る記憶を収集するベンヤミンの歴史哲学に、鶴見俊輔の歴史叙述の方法を重ねてみる。(400字×80枚程度)
「直接性を迂回する ─ ベンヤミンの《弁証法的イメージ》について」近森高明
意味的言語の世界の外部=直接性の次元を、ベンヤミンは図像としての(意味を欠く)言語を介して捉えようとする。この言語を読み解くミメーシス能力とアレゴリー的視線の両極性に焦点を当てる。(400字×55枚程度)
「殺人禁止の掟とその効力」作田啓一
近代前期から後期へ移るに従い、殺人禁止の掟の効力が更に弱まることを、ラカンの「言説」式を用いて表すと共に、動機なき殺人の実験型(『罪と罰』)とアノミー型を導出する。(400字×60枚程度)

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第22号(2008.9)
「報復・正義・赦し」作田啓一
報復から正義の裁きに至る刑事的制裁の進化の過程は、その裁きの母胎の共同体そのものを裁く点まで到達する。その地点で正義は赦しに向かって開かれる。これが攻撃性の昇華である。(400字×40枚程度)
「尾崎豊のコミュニケーション ─ 音楽と救い」岡崎宏樹
孤独な人びとの悩みを音楽で「救いたい」という尾崎。ファンと苦しみを分かち合い一体化の幻想をもたらす「癒し」から、孤独の共振を通して愛の予感へと開かれる「救済」へ。(400字×35枚程度)
「『雪ふる道』試論」野口良平
『大菩薩峠』の作者中里介山の唯一の現代小説を取り上げる。主体意識を超える「奇遇」によって進展する人間関係。その「奇遇」を成立させる「カルマ」と「自業自得の境地」を読み取る。(400字×50枚程度)
「悲劇の2タイプ ─ アンティゴネとシーニュ」新堂粧子
彼方のリアルを追い求めて〈世界〉を超え出るアンティゴネと、襲来するリアルを拭い去り「空無」と化して〈世界〉から脱落するシーニュ。両者は異なる欲望とリアルを実現する。これら悲劇の2タイプを含む芸術の3様式論を提出。(400字×80枚程度)

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第21号(2008.3)
「見つめ返すまなざし ─ アウラ、プンクトゥム、対象a」西山けい子
ベンヤミンのアウラ、バルトのプンクトゥム、ラカンの対象a は、現代思想の中のキイ概念である。本論はこれら3つの概念を検討し、これらの間に共通の属性があることを見いだす。(400字×60枚程度)
「夢野久作 ─ 現実界の探偵」作田啓一
『ドグラ・マグラ』で知られる夢野の魅力は無意識の探求にある。それは予感、分身など時空軸上のトラブルにかかわる。しかし彼はその内的経験を反西欧のイデオロギーへと移し替えた。(400字×60枚程度)
「主体なき歌 ─ 中原中也と身体的パフォーマンス」亀山佳明
歩き廻り、歌いながら詩作した中也は、「名辞以前」の生命的リズム体験を表現しようとした。彼の韻文詩の魅力を、そのリズム性とそれに乗って流れゆくイメージの運動性の観点から探る。(400字×60枚程度)
 
◆◆◆映画散策
『記憶の扉』『追想のオリアナ』
(400字×25枚程度)
 
◆◆『Becoming』既刊(第11号−第20号)目次一覧

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第20号(2007.9)
「人間の聖性について ─ バタイユとアガンベン」 岡崎宏樹
聖性に関するバタイユの思考の核心を、アガンベンとの比較において炙り出す。剥き出しの生が、嫌悪と恥ずかしさを超える脱自的「交流」を、主体たちにもたらすことは可能か。筆者は自らの体験を振り返り、この問いに可と答える。(400字×45枚程度)
「純粋な赦しを巡って」 作田啓一
無条件の赦しは可能か。不可能だ。だがそれなしには不純な赦しも実現しない(デリダ)。純粋な赦しには純粋な正義が対応する。本論は純粋な赦しの底に苦悩の共有を見る。(400字×50枚程度)
「〈なること〉とは何か ─ ドゥルーズ−ガタリの動物への生成変化」 藤井奈津子
子供たちはさかなやくらげ、いせえび、等々に〈なって〉、非日常的身体に興じる表現者となった。 ─ 鳥山敏子の教育実践、「なってみる」授業の本質を、ドゥルーズ−ガタリの生成変化の概念により明らかにする。生活力とは異なる「生きる力」の呈示。(400字×55枚程度)
「幻想において交錯する二つの視角 ─ E.T.A.ホフマン『砂男』をめぐって」 平田知久
個別的身体とそれにもとづく主観性をもつこととなった近代の主体は、幻想を内包する現実の中に生きなければならない。この現実を生きる方途を、ホフマンの表現技法のうちに見いだす。(400字×60枚程度)

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第19号(2007.3)
「武田泰淳 ─ 他者との遭遇」 作田啓一
この人ほど戦場・戦後の体験が作品を書く動機づけとなった作家は珍しい。それはこの体験が自己中心的な世界の外に在る他者の体験であったからだ。彼は自律的であるとされる主体が他者により操られるという認識により、超近代的な作家となりえた。(400字×85枚程度)
「贈与行為についての行為論的分析(2)」 高橋由典
「ベタニヤの塗油」(新約聖書マルコ福音書)のエピソードを取り上げ、無目的な贈与・放棄の問題を考察する。高価な香油を一気にイエスに注いだ女の行為の動機とその成立根拠は何か?(400字×35枚程度)
「喜劇と欲動について」 新堂粧子
S.フロイトの機知論とA.ジュパンチッチの喜劇論に依拠して、喜劇におけるリアルの顕現と笑いの生起を検討。悲劇と喜劇がもたらす芸術的感動の差異を、欲望と欲動の観点からとらえてみる。(400字×60枚程度)

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Last updated: 2009/3/13

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