2003年3月16日-4月6日 東京グローブ座
(作)泉鏡花 (演出)加納幸和
(出演)佐藤アツヒロ・松本莉緒・加納幸和・花組芝居役者連・岡本健一
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□■□ BEFORE
キャストに、ジャニーズ舞台班の先端を行く岡本さん&アツヒロさん、そこに、初舞台なれど、あの絶世の美女と(私に(笑))誉れ高い松本莉緒さん、ネオかぶきというフレーズが未見でも耳に届く花組芝居の皆様。そうです、役者・佐藤アツヒロは、今回、花組芝居さんに客演なさっております。おおっ。
そんなメンバーが挑戦したのは、泉鏡花です。ちなみに原作は未読。かなり好きな世界を書かれる方ですが、なにしろ普通の気合ではなかなか入れない作家さんというイメージがあります。しかし、このメンツはぴったりかも。ちなみに、この『夜叉ヶ池』は、花組芝居さんで、もともと演じられていた作品で、今回が再演にあたります。劇団版を拝見してませんので、ぜひそういう方の御意見も伺いたいんですが、どうでしたでしょうか。この前に同劇場で演じられた某作品を、劇団版と見較べて、超辛口トークに入ってしまった事例があるだけに、不安はあるんですが、その某作品グローブ座版と今回の『夜叉ヶ池』を見較べても、クオリティの高さは比較にならないと思いました。
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□■□ CAST
佐藤アツヒロさん。新感線の『七芒星』から3ヶ月。顔は整っているのに耽美とはちょっと遠いイメージな彼。でも今回は、松本さんと並ぶと、雛人形のようで、こんな美男美女カップルは普通見れないよオイ状態でした。松本さん演じる百合のことを、とても大切に想っているのが、ラストの悲劇につながるわけですが、あのエンディングはやっぱり悲劇じゃなかったんでしょうね。ある意味、とても幸福な死だったんだと思います。
松本莉緒さん。目が大きくて、とっても好きな顔だちの方なんですが、アツヒロさんと並ぶと、顔における目やその他のパーツのバランスが、とても似ていました。だから余計に雛人形みたいに綺麗さアップだったんでしょう。着物姿も似合います。声の出し方もいいですね。彼女が演じた百合には、えらく想像力をかきたてられました。とても不思議なキャラクターでしたね。
岡本健一さん。ジャニーズ事務所の舞台俳優としては、トップに名前を挙げたい方。アツヒロさんの大先輩です。でも実は、岡本さんの舞台を拝見したのは、これがはじめてなんですね(滝の白糸とか、嵐が丘とか、何度かチケット取りに参加したことはあるものの)。うまく現実にいる人間の学円を演じていましたね。実際、学円以外はみな、幻のような世界にいたと思うんですよ。それを、学円が、OPとEDでうまく現実に引き戻しました。岡本さんの時間を経た時の移ろいの表現は、「あ、すごい」って感じです。抑揚をつける台詞回しがうまいですね。
加納幸和さん。以前別のお芝居で拝見したときも、多分私はそこに惹かれたんだと思うんですが、所作が美しいです。途中入る舞踊の場面もそうですし、もちろん白雪姫という役柄のせいもあるんでしょうが、視線の投げ方とか、なんか見惚れます。
花組芝居の皆様…まともな顔を晒されている方が、加納さんも含めいらっしゃらない! みんなえらいメイクにえらいコスチュームで、妖怪変化状態爆裂。でも舞台でしか味わえないその非日常(非常識でもいいけど(笑))ぶりを堪能できました。私はやっぱり、劇団芝居ってとても好きかも。芝居の前後にあった、劇団員さんのかけあいも面白かったです。私が花組芝居さんのファンだったら、倍楽しめたのに〜と、ちょっと悔しいくらい(笑)。 |
□■□ YASHA GA IKE
グローブ座、行かれたことのある方はおわかりでしょうが、最前列はX列。Y、Zと続いて、その後A列ときます。基本的には円形なので、特に二階三階席のサイドは、舞台が見づらくってしょうがない。
今回の芝居は、X・Y・Z列を潰して、最前A列にし、その中央部分に飛びだした形でステージを作り、A列の前に、ステージを横から観る席もあるというものでした。他のこの劇場公演では使用していた二階三階の見切れ席も潰していて、ある程度どこからでも見える舞台になっていました。
もちろん主催者側の意向もあるんでしょうが、ちゃんと舞台を見せようという、演出側・出演者側の気合も感じましたね。通常の舞台部分を使わなくても、役者の動きが平面的(いわゆる横並び)にならず、さらに、客席通路を役者さんが通り、さらにお客さんを舞台上に上げてはしまいに記念撮影までかますという爆笑ネタもあり、本当に「芝居を見せよう」「芝居に引きこもう」という計略にどっぷりはまりました。結局、芝居って、見えなきゃどうにもならないわけなんですから、その辺を考慮してくださっただけでも、グローブ座のジャニーズ芝居にアツヒロさんと岡本さんは勿体ないんじゃと懸念する必要もなかったわけでした。テレビカメラも入っていた日でしたが、そのカメラの位置で見えなくなる席にも配慮がありましたし。
芝居自体は、出たという感じの台詞まわし(^^;。泉鏡花の文体です。最初えらく聞きづらかったんですが、これは慣れらしくて、芝居が進むにつれてちゃんと聞けるようになりました。松本さん演じる百合を巡る(笑)二人の男…うーんこの辺はいくらでも深読みできますね。本来なら純和風であるべき鏡花の世界に、アヤシゲな西洋文化も取り入れて(笑)、その違和感が一層非現実感覚を増幅させました。物語自体は、心配いらずだったほど判りやすくて、でもそれだけで終わらない「実はこうだったんじゃ?」「ああだったんじゃ?」という想像力をかきたてる部分がかなり多くて、楽しませていただきました。
YASHA GA IKE □■□ |