V6eIKOH!
フォーティンブラス

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2003.2月〜3月
長野博・村上信五・山川恵里佳・京晋佑・他
東京/グローブ座 ・ 大阪/近鉄劇場



 20thCenturyには馴染のある横内謙介さんが劇団用に書いた作品のリメイク。劇団でも何度か再演されている作品で、2001年版を実際に私も観ておりまして、今回博くんが演じた役は、私がその劇団でとても好きな役者さんが演じられておりました。
 …という前置きを書いたのは、どうしてもそのときと今回の舞台を較べて観てしまったから。なんというか、劇団芝居と商業演劇の違いをまざまざと見せつけられた感じでした。
 最初に、博くんの芝居が、かの『フォーティンブラス』と聞いたときに考えたことは、「なんの役?」だったんですね。いや、年齢云々考えて、多分あの羽沢役だとは思ってたんですが、あれって「誰が見ても主役」ないわゆる主役とは違うんです。というか、劇団芝居って、その劇団の役者さんそれぞれに見せ場のある作り方をするので、どの役にもかなり重点が置かれるんですよね。実際、そのときの公演では、ハムレット役の役者さんのお名前が、出演者一番上にあったくらいですから。「もしや博くんがハムレット役なのか?」ともちょっと思ったんですが、そんなわけないか?(笑)

 で、今回、20thCenturyグローブ座三部作というのは、あくまで主役は20thCenturyなワケです。坂本くんの『シェルブール』が途中出番のない割合おとなしめの芝居で、逆に井ノ原くんの『トイヤー』が相手役の中川さんと出ずっぱりの二人芝居という両方主役でなければ成立しえない芝居。その辺を差し引いても、対外的に主役は20thCentury(この点についてはTALKにて)。
 博くんの『フォーティンブラス』は、そこに重点を置きすぎてしまった。なによりそれが敗因だと思っています。決して博くんが悪いわけじゃない。脚本も(もともと途中もたれる話なんだけど)それだけじゃない。これだけはどうにかして、という点があるならそれは、演出に尽きるのでは、と思います。
 もともとみんなが主役であった話を、無理矢理「V6というアイドルグループ所属の」長野博主役にしてしまった、という部分が問題なんじゃないでしょうか。本来なら役名で存在する筈の舞台上に、『「V6というアイドルグループ所属の」長野博』がいて、内輪ネタ満載で、シリアスであるべき話のところどころに散漫に入れてくるから、正直話がぶち切れる。話の途中にV6の曲が入るのは、『東亜悲恋』でもあって、あれはなんだかなーだったので、これもなんだかなー全開、しかもそこに「また?」という二番煎じ印がついてしまった。喜劇でもコメディでもなく、ただのどたばたになってしまった。
 私は、『長野博』をひきずった役者が観たいのではなく、役者の長野博が観たかったので、とても残念です。ひたすらバランスが悪く、その辺の虚構と現実のバランスにしても、博くんとハムレット役の俳優役を演じられた京さんの(外見的な)バランスにしても…もう、すっごく残念!
 相手役の山川恵里佳さん。あの細さは素晴らしいが(細さだけ(^^;)、靴が合わないのかなんなのか、キメのシーンだろうがお構いなしに、長台詞を喋るときに重心が絶えず左右に移動しているのは何故。ロングスカートだから裾も揺れて、ひたすら見苦しい。サミー役の京晋佑さん。『犬夜叉』でこの方の演技に惚れたので、今回も楽しみに参りました。前述した通り、博くんとの外見的なバランスが悪くて、それがひたすら勿体なかったですが、舞台の上で活き活きして存在感があるところは、誰よりさすがという感じ。裏の(表でも可!)主役は間違いなく京さんでした。そしてもうお一方、岸川役の村上信五くん、最近舞台づいてますねー。彼は今回、長野・京両氏とトライアングルでバランスをとるべき位置にいた重要な役。正直、村上くんの場面だけは笑いがなくて、他から浮いているんだけど、でもこれは制作側の問題。彼の演技自体は、表情ひとつとっても細かい表現が多くて、なかなか感じ入るところがありました。どたばた感をもっと抑えれば、村上くんの場面もちゃんと馴染んだのになと、ひたすら残念でした。


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