9月1日 怖い読書感想文
とうとう夏休みも終わってしまいましたね。 今大慌てで宿題の真っ最中と言うお父さんもいらっしゃるのでは・・?
夏休みの宿題と言えば、読書感想文と言う定番がありますよね。 それについて思い出した事です。
下のお話は有名な芥川龍之介の『蜘蛛の糸』です。一寸カットしてありますが。
【ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを、独りでぶらぶら御歩きになっていらっしゃいました。
やがて御釈迦様はその池のふちにおたたずみになって、ふと下ようすを御覧になりました。
この極楽の蓮池の下は、丁度地獄の底に当って居りますから、三途の河や針の山の景色が、はっきりと見えるのでございます。
するとその地獄の底に、陀多と云う男が一人うごめいている姿が、御眼に止まりました。
この陀多と云う男は、人を殺したり家に火をつけたり、いろいろ悪事を働いた大泥坊でございますが、それでもたった一つ、善い事を致した覚えがございます。
ある時深い林の中を通りますと、小さな蜘蛛が一匹、路ばたをはって行くのが見えました。そこで陀多は踏み殺そうと致しましたが、
「いや、いや、これも小さいながら、命のあるものに違いない。その命をむやみにとると云う事は、いくら何でも可哀そうだ。」と思い、
その蜘蛛を殺さずに助けてやったからでございます。 御釈迦様はこの陀多には蜘蛛を助けた事があるのを御思い出しになりました。
そうしてそれだけの善い事をしたむくいには、出来るなら、この男を地獄から救い出してやろうと御考えになりました。
側を見ますと、蓮の葉の上に、極楽の蜘蛛が一匹、美しい銀色の糸をかけて居ります。御釈迦様はその蜘蛛の糸をそっと御手に御取りになって、
遥か下にある地獄の底へ、まっすぐにそれを御下(おろ)しなさいました。】
ある中学校の国語の先生が学年全体に『蜘蛛の糸』の読書感想文を宿題にしました。
新学期が始まって、集められた原稿用紙の束を丁寧に目を通していたとき、ある一人の生徒の感想に愕然としたのです。
そこには「陀多は一匹の蜘蛛を助けた事でお釈迦様の目に止まって地獄から救い出されそうになった。
それなら私もこれからの人生の中で一度だけ虫を殺さずに助ければいいのだ。」と、書かれてあったのです。
彼女はいつも学年トップクラスの成績。 いたずら坊主の素直な感想とはちょっと違う。
今までになかった彼女の感想に先生は背中にヒヤリとした冷たいモノを感じたとか。
どう思われますか?
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