SFリスト:B

 戻る


Ballard:J・G・バラード


「ハイ−ライズ」
 1975年/村上博基/ハヤカワ文庫

『現代の知的専門職にたずさわる人々、弁護士、医師、税理士、スチュワデスなどが住む40階建て高層住宅。二階の住人の一人テレビ・プロデューサーのワイルダーは、夜ごと建物内でくりひろげられるパーティが異様なまでの活気を帯び、階の高低にもとづく階級間の摩擦が激しくなってくることに気づいた。やがて、結婚当時は才気煥発だったが、今は子供の世話もせず、食事の仕度もせず怠惰になっていく妻を残し、ワイルダーは塵芥シュートからあふれたごみだらけの廊下を、一階一階、屋上へと自らの足でのぼっていくのだった……現代社会ヒエラルキーの崩壊を描き出した傑作長篇』




Barnes:アーサー・K・バーンズ


「惑星間の狩人」
 1956年/中村能三/創元推理文庫

『宇宙船《箱舟号》を駆って太陽系内を隅から隅まで飛びまわるロンドン=惑星間動物園の専属女性ハンター、ゲリー・カーライル。別名「生捕りカーライル」は太陽系の動物を捕獲するために、まず金星へ派遣された。その後、行方不明の弟を探してくれと頼まれたが、行く手には危険が待ちかまえていた。しかし彼女は持ち前の闘志を燃やして敢然と商売仇と張り合いながら太陽系内に棲息する言語を絶する怪獣の捕獲に乗り出した。惑星間の狩人ゲリー・カーライルの華麗な冒険』




Barnes:ジョン・バーンズ


「軌道通信」
 1991年/小野田和子/ハヤカワ文庫

『メルボルネーは13歳。地球―火星間を巡る小惑星改造船で暮らしている。文章を書く才能は誰もが認めるところだが、おかげで担任の先生に大変な仕事を頼まれてしまった。地球の人たちにここの生活を紹介する本を書けというのだ!さあどうしよう?とまどい悩みながらも彼女はかきはじめた。ほんの一年前に体験した小さな「戦争」のことを……宇宙育ちの少女の心の成長をみずみずしい筆致で描く、さわやかな青春冒険SF!』




Bass:T・J・バス


「神鯨」
 1974年/日夏響/ハヤカワ文庫

『砂州に閉じこめられたロークァル・マルのやるせない絶叫を、磯波のとどろきがかき消した。シロナガス鯨の有機体と高度の機械装置がたくみに結合された、全長600フィートに及ぶ巨大なサイボーグ漁船――ロークァル。だが、海洋汚染によって海が死に絶えた時、地球社会は彼女を見棄てたのだ。死にかけた彼女から最後のエネルギーを送りこまれた小型探査機〈三葉虫〉は、七つの大洋をめぐる果しない旅にでた。もう一度人間を捜しだし、ロークァルを甦らせるために……。まったく異質な未来社会と文化を、奔放な想像力と詩的な筆致をもちいて見事に描きあげた海洋冒険ロマン!』




Baxter:スティーブン・バクスター


「タイム・シップ(上・下)」
 1995年/中原尚哉/ハヤカワ文庫

『1891年、時間航行家はタイム・マシンに乗り、未来へ旅立った。タイム・マシンを発明したは時間航行家は、最初の時間旅行から帰還したものの、野蛮なモーロック族に拉致されたエロイ族の少女ウィーナを忘れられなかったのだ。彼女を救うべく時間航行家は西暦80万2701年の未来をめざすが……H・G・ウェルズの名作『タイム・マシン』の続編として遺族の公認をうけ、英国SF協会賞はじめ英米独の四賞を受賞した傑作』

『タイム・マシンで未来を目指した時間航行家は、最初の旅では見なかった驚くべき光景を目にした。地球の自転が操作され、四季の移り変わりや昼夜の変化までも失われ、さらには太陽にまで手が加えられている。そこは最初の旅で訪れたのとはまったく違う時間線の未来だったのだ!無限の時空をめぐる時間航行家の破天荒な冒険を描き、H・G・ウェルズの名作『タイム・マシン』の公認続篇として英米独の四章を受賞した傑作』




Bayley:バリントン・J・ベイリー



「禅<ゼン・ガン>銃」
 1983年/酒井昭伸/ハヤカワ文庫

『栄耀栄華をきわめた銀河帝国は、いま黄昏を迎えていた。隠しようもない頽廃と風紀の紊乱が全てを多い、激減した純人間を補うため、宇宙艦隊ですら大量の動物を乗組員にしているほどだ。そんなある日、エスコリア星域に恐るべき究極兵器が出現、帝国は危急存亡の時にある、との〈託宣〉があった。事態を重視したアーチャー提督は麾下艦隊を率いて調査に赴くが、一行が発見したのは、人猿混合のキメラが手にした古色蒼然たる拳銃〈禅銃〉と、それに寄りそう伝説の超戦士〈小姓〉の謎めいた姿だった!英SF界の鬼才が奔放なアイデアで描く傑作ワイドスクリーン・バロック!』

「時間衝突」
 1973年/大森望/創元推理文庫

『異星人の襲撃により、文明の遺産がことごとく失われたはるか未来の地球。異星人が残した遺跡の調査を進めていた考古学者ヘシュケのもとに、ある日、驚くべき資料が届けられた。300年前に撮られた一枚の写真。そこには現在のものよりもはるかに古びた遺跡の姿が写っていたのだ!これはなんらかの詐術か、それとも遺跡が新しくなっているととでもいうのか?異星人が残したとおぼしき時間旅行技術を秘密裡に習得し、タイムマシンを開発していた彼らは、300年前の過去へと赴くが……?鬼才ベイリーが贈る、波乱万丈、究極の時間:宇宙SF!』




Bear:グレッグ・ベア


「凍(いてづき)月」
 1990/小野田和子/ハヤカワ文庫

『200万の人口を擁するに至った22世紀の月コロニー。天然の洞窟を利用した科学施設“氷穴”では、これまで不可能だった絶対零度達成の実験が進行していた。そこへ地球から、冷凍保存された人間の頭部410個がもちこまれた。これらの“頭”の再生に成功すれば、有機的な一大データベースとして活用できる!だがこの二つ試みが合わさったとき、月に大異変が……ネビュラ賞受賞作、『火星転移』の姉妹篇となる傑作SF』

「タンジェント」
 短編集/山岸真/ハヤカワ文庫

『カリフォルニアの草原の古びた農家で、少年は四次元空間の視覚的イメージを研究する老科学者と出会った。四次元空間では立方体や球はどんなふうに見えると思う?そう問いかけられた少年には、実際に四次元空間が見えていた!もともと音楽好きの少年は、四次元空間へ音楽のメッセージを送るのだが……ヒューゴー、ネビュラ両賞に輝く表題作など、人気作家ベアの多彩な魅力を伝える八篇を収録した日本版オリジナル短篇集』




・Беляев:アレクサンドル・ベリャーエフ



「ドウエル教授の首」
 1926年/原卓也/創元推理文庫

『パリのケルン教授の肋手に雇われたマリイは、実験室内部の恐ろしい秘密を見てしまった。人間の首、それも胴体から切り離された生首が、瞬きしながらじっと彼女を見つめているではないか!それは、つい最近死亡した有名な外科医ドウエル教援の首だった。おりしもパリ市内では不可解な事件が続発していた……。“ロシアのジュール・ヴェルヌ”と呼ばれる著者の高名な処女長編!』




Bensen:D・R・ベンゼン



「天のさだめを誰が知る」
 1978年/村上博基/創元推理文庫

『1908年、中央シベリア高地ツングースカに向けて、四人の宇宙人を乗せた宇宙船が墜落しはじめた。本来ならばこの墜落によって地球は震撼し、大地に大穴が穿たれるはずであった。ところが宇宙人の一人は何とか船を救うために、可能性転移装置のスイッチを入れてしまったのだ。この装置は宇宙船を別の可能性を持った世界、もうひとつの宇宙に送り込んでしまった。さあ、二十世紀初頭に宇宙人を向かえたこの地球では、いったいどんな騒動が巻き起こるのか……。ウイットたっぷりに綴られるもうひとつの地球の物語!』




・Bester:アルフレッド・ベスタ−



「虎よ、虎よ!」
 1956年/中田耕治/ハヤカワ文庫

『ジョウント効果と呼ばれるテレポーテーションの開発によって、世界は大きく変貌した。一瞬のうちに空間を跳び、人々はどこへでも、自由に行けるようになったのである。しかしそれと同時に、このジョウント効果がもたらしたもの、それは富と窃盗、収奪と劫略、怖るべき惑星間戦争でもあった。この物情騒然たる25世紀を背景として顔に異様な虎の刺青をされた野生の男ガリヴァー・フォイルの、無限の時空をまたにかけた絢爛たる〈ヴォーガ〉復讐の物語がここにはじまる……。アメリカSF界きっての奇才が、前衛的な手法と華麗な筆致を駆使して見事に描きあげた不滅の名作!』




・Blish:ジェイムズ・ブリッシュ



「地球零年」<宇宙都市>
 1956年/浅倉久志/ハヤカワ文庫

『西暦2018年、人類は木星表面に幅10マイル高さ30マイル、長さはいまなお伸びつつある巨大な〈橋〉を建設した。その骨格をなすのは、氷――華氏零下98度と百万気圧の圧力下ですばらしい建築材料に変貌した氷だ。しかも、木星の地表を吹きすさぶ時速2万5千マイルの強風が、数百メガワットの動力となって〈橋〉を維持し、拡張させる。木星の闇のわだつみの中、巨大で孤独な、この無生物はしだいに成長しつつあった。この途方もなく巨大な橋の目的は何?星々の背後に潜むその秘密とは?星々に散らばった人類の活躍を壮大なスケールで描く〈宇宙都市〉シリーズのプロローグ!』

「星屑のかなたへ」<宇宙都市>
 1962年/岡部宏之/ハヤカワ文庫

『スピンディジーと呼ばれる画期的な星間航法が開発されて以来、多くの都市が老いさらばえた地球に別れをつげ、〈宇宙都市〉となって大宇宙へと旅立っていった。そしていま、六月のぎらつく太陽が照りつけるペンシルバニアの田舎町スクラントンもまた、もうもうたる砂塵を舞いあがらせながら、町全体がゆるやかに回転をはじめたかと思うと、そのまま宙に浮んで空のかなたへと消え去っていった。しかも、その様子を見物に来ていたひとりの少年、クルス・ディフォードを乗せたまま……。広大な銀河の星々をバックに、渡り鳥都市の冒険を叙情豊かに謳いあげたシリーズ大二弾!』

「地球人よ、故郷に帰れ」<宇宙都市>
 1955年/砧一郎/ハヤカワ文庫

『巨大な宇宙都市ニューヨークの市長ジョン・アマルフィは、シティホールの鐘楼に立って無数に散らばる星の海を眺めていた。超光速航法と遮蔽作用と反重力――この三つを応用したスピンディジーの発見によって、ひとつの都市ですら光よりも速く銀河を飛翔することが可能となったのだ。すでに地球の全都市が渡り鳥都市となって宇宙のすみずみに飛び散っていた。いまや地球は、数千、数万パーセクのかなたに浮ぶ遠い昔の神話の中の存在、伝説の地にすぎなかった!銀河を股にかけて繰り広げられる宇宙都市ニューヨークのあくなき冒険の日々を壮大なスケールで綴る宇宙叙事詩!』




Bok:ハネス・ボク



「魔法使いの船」
 1942年/小宮卓/ハヤカワ文庫

『帆船の行きかう大海原を漂流する一人の青年……かれは何者か、またなぜそんな場所に?いっさいの記憶を失い、飢えと渇きに苦しむかれを助けたのは、通りかかったガレー船に乗る美しい王女シワラだった。やがて、徐々に記憶を取り戻したかれには、そこはまったく見知らぬ世界に思えたのだ!かれの名はジーン、住んでいた街はニューヨーク――しかし,かれのいるこの世界には、ナニクとコフの二国家しか存在せず、かれの行手に姿をあらわす奇怪な島には、妖術を使う水棲人が住んでいたのだ!奇才ハネス・ボクが描くアダルト・ファンタジーの名作ついに登場!』




・Brackett:リイ・ブラケット



「地球生まれの銀河人」
 1952年/関口幸男/ハヤカワ文庫

『マイクル・トレハーンは誰にも似ていなかった――奇妙なことに彼の容貌、姿形はこの地球上のいかなる人種のものでもなく、彼はただひとり、33年間の人生を深い孤独と劣等感とのうちに過してきたのだった。だが,ある夜、タイムズ・スクェアーのとある書店で自分とうりふたつの男女、明らかに自分と同種族とわかる二人連れに出会った時、彼の運命は一転する。彼はおのれの身元を知った。突然変異により恒星間航行を独占する大銀河の支配者達――いまや,幾千億の星々きらめく大宇宙が彼を待っていた……!』

「リアノンの魔剣」
 1953年/那岐大/ハヤカワ文庫

『荒涼とした火星の廃墟に、なかば埋没した失われしリアノンの墳墓を偶然発見したマシュー・カース。だが,その墓に眠るリアノンこそ、かつて邪悪な心をもつ下等生物にその知識を授けた罪を問われ、同胞であるキル一族――時空を司る神々によって、永遠にその暗黒の牢獄に幽閉された呪われし堕天使だったのだ!墓に閉じ込められたリアノンの怨念に捕えられ、もだえ泡立つ虚無の闇のなかをはるかな過去へ、太古の火星へと連れ去られたマシュー・カースを待っていたものは、緑なす丘陵と乳白色の大海原、そして人類と半人類との権謀術数渦巻く戦乱の大地だった!』




・Bradbury:レイ・ブラッドベリ



「火星年代記」
 1946年/小笠原豊樹/ハヤカワ文庫

『火星への最初の探検隊は一人も帰還しなかった。火星人が探検隊員を彼らなりのもてなし方でもてなしたからだ。つづく二度の探検隊も同じ運命をたどる。それでも人類は怒涛のように火星へと押しよせた。やがて火星に地球人の町ができたが、そこには火星人たちの姿はなかった……精神を欠いた物質文明の発達に厳しい批判の目を向けるポエジイとモラルの作家が26編のオムニバス短編で謳いあげたSF史上に輝く永遠の記念塔!』

「ウは宇宙船のウ」
 1962年/大西尹明/創元推理文庫

『幻想と抒情のSF詩人レイ・ブラッドベリの不可思議な呪縛の力によって、読者は三次元の世界では見えぬものを見せられ、触れられぬものに触れることができる。あるときは、読者を太古の昔に誘いまたあるときは突如として未来の極限にまで運んでいく作者の非凡な腕こそ、まさに驚嘆に値いしよう。本書は特に作者が、熱烈なSFファンの要望に応えて16編の短編を自選した珠玉の傑作集である』

「スは宇宙(スペース)のス」
 1966年/一ノ瀬直二/創元推理文庫

『――ヴェルヌはぼくの父親、ウェルズはぼくの賢明なる伯父さん、ポオは蝙蝠の翼を持った従兄弟、シュリー夫人はぼくの母親だったこともある。バローズやハガード、スティヴンスンの小説をむさぼり読んだ少年の日のぼく――幻想と抒情のSF詩人レイ・ブラッドベリが流麗な文体で、読者を幼年時代へ、怪異な夢魔の息づく不可思議な世界へと誘い込む。「ウは宇宙船のウ」についで、SFの巨匠がみずから編纂した珠玉の傑作短編集』

「太陽の黄金の林檎」
 1953年/小笠原豊樹/ハヤカワ文庫

『宇宙空間に浮ぶ一本の燃える樹木――太陽。それは時間と永遠を焼き尽くし、人間の脳髄を、甘い眠りを無残にも黒く焦がす巨大な溶鉱炉。今、宇宙船〈金盃号〉は太陽に接触し、巨大な金属の手で燃えさかる黄金の果実をつかみとろうとしていた。その火で冷めきった地球を救うために……SFの叙情詩人が未来と過去の日々を美しい詩情を交えて綴る大人のための22の童話。ジョセフ・ムニャーニの幻想的なイラスト22枚を収録』

「何かが道をやってくる」
 1962年/大久保康雄/創元推理文庫

『ある年の万聖節前夜、ジムとウィルの二少年は、ともに13歳だった。そして彼らが一夜のうちにおとなになり、もはや永久に子供でなくなってしまったのは、その10月のある週のことだった。夜の町に訪れて来たカーニバルは、その回転木馬の進行につれて、時間は現在から過去へ、過去から未来へと変わり、それと同時に魔女や恐竜が徘徊する悪夢のような世界が現出する。SFの抒情詩人レイ・ブラッドベリが世に問う一大ファンタジー!』

「刺青の男」
 1951年/小笠原豊樹/ハヤカワ文庫

『その大男は署い日なのにウールのシャツを着、胸もとから手首まできっちりボタンをかけていた。男は全身に彫った18の刺青を、18の秘密の物語を隠していたのだ。夜、月あかりを浴ぴると刺青の絵は動きだし、あえかな劇を、未未の劇を、18の物語を演じだすのだった……。刺青の男とは、重苦しい過去と、それ以上に重苦しいかもしれぬ未未とを一身に背負った人類である。この18の短篇は、宇宙旅行、原水爆、童心、宗教、宇宙人の侵入、人種間題などをテーマにした詩的で劇的な物語である。幻想と詩情にみちた最も美しい、最も異様な短篇集!』

「華氏451度」
 1953年/宇野利泰/ハヤカワ文庫

『その世紀の、その世界が禁じた本を発見次第焼くのがモンターグの任務だった。その世界は、高速道路をスロー・スピードで走るのも、徒歩運動することも、すべて禁じていた。人びとは耳に《海の貝》と名づけた超小型トランジスター・ラジオをはめこみ、居間の四囲の壁にはテレビを設置して、毎日うつつをぬかしていたのである。だがそんな時、モンターグは、ふとしたことから恐るべき秘密を持ってしまったのだった……!未来を誌の心で謳うSFの抒情詩人ブラッドベリが、その持つ感受性と才能の全てをうちこんで結晶させた不朽の名作!』

「二人がここにいる不思議」
 1988/伊藤典夫/新潮文庫

『太めと痩せのカップルの、出会いと別れと再会の物語「ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動」、天国まで自慢のワインを持って行こうとする呑んべえ領主に抗して村人達が考えた作戦が意表をつく「ご領主に乾杯、別れに乾杯!」など、23編のジンワリいい話を集めた待望の短編集。ちぐはぐな会話としんみりした読後感が楽しい表題作は、今は亡き両親をレストランに招待した男の話』

「黒いカーニバル」
 短編集/伊藤典夫/ハヤカワ文庫

『幻想の魔術師、抒情の詩人が初めてこの世に姿を現わした記念碑的短編集『ダーク・カーニバル』。幻の名作として有名なこの短篇集を中心に、パルプ雑誌などに発表され、その後埋もれ、忘れ去られていた初期の幻想的な短篇24篇を精選。深夜のカーニバルで、団長の乗る観覧車が逆まわりを始めるたびに奇怪なことが発生する「黒い観覧車」独特の審美の世界を結晶させた衝撃的小品「乙女」少年時代の夢に守られ、戦火の中を生きのびて行く兵士の物語「戦争ごっこ」さらに新たに訳出された「棺」など、創作への情熱に溢れた作品を収める珠玉短篇集』




Bradley:マリオン・ジマー・ブラッドリー



「惑星救出計画」ダーコーヴァ年代記
 1962年/大森望/創元推理文庫

『4つの月の合が近づいていた。ここ惑星ダーコーヴァでは、48年ごとの合にあわせ、致死率87%の謎の熱病が流行する。対策はただひとつ、この病に抗体を持つトレイルマン族の地、ヘラーズへと赴き、血清の合成に必要な血液提供者を連れ帰ること。この任務に一人の男が選ばれた。彼の名はジェイスン―――医師ジェイ・アリスンから導き出された別人格である。やがて8人の仲間とともにヘラーズへの決死の登攀行が開始された―――。異才ブラッドリーが放つ一大叙事詩<ダーコーヴァ年代記>ここに開幕!』

「宿命の赤き太陽」ダーコーヴァ年代記
 1964年/浅井修/創元推理文庫

『ジェフ・カーウィンは、長年の願いがかない、地球帝国の公務を得て惑星ダーコーヴァに赴任してきた。この星は、カーウィンにとって、子供の頃からいつも夢にみてきた故郷だった。幼年時代の失われた記憶を求めて調査を始めた彼だったが、やがて驚くべき事実が明らかになる。ダーコーヴァのあらゆる記録から、彼と彼の両親に関する情報が、いっさい抹消されているのだ! カーウィンの出生に隠された秘密とはなんなのか? いつしか彼は、ダーコーヴァと地球帝国の、未来を賭けた抗争に巻きこまれてゆく……』

「はるかなる地球帝国」ダーコーヴァ年代記
 1965年/安部敏子・内田昌之/創元推理文庫

『恒星カタログにしか名前がのっていない中型暗赤色恒星系の第4惑星――ダーコーヴァ。DARKOVER、すなわち、「闇のとばり」。血の色のような巨大な太陽が天にかかり、4つの月が空をめぐる。――今、ラリー・モントレーは飽くことのない好奇心を胸に、ダーコーヴァに降り立った。ある日、旧市街を散策していた彼は、地球人を敵視するダーコーヴァ人の一団に襲われる。1対1の勝負に勝ち、自分ひとりのカでことをおさめたラリーは、この事件をきっかけに、地球人として初めてダーコーヴァ貴族の社会のなかで生活するチャンスを得たが……』

「ダーコーヴァ不時着」ダーコーヴァ年代記
 1972年/細美遥子・宇井千史/創元推理文庫

『コロニス・コロニーに向かう殖民団を乗せた、地球派遣軍の大型宇宙船は、重力嵐に巻き込まれて航行不能に陥り、最寄の惑星に不時着した。血の色をした太陽と四つの月をもつその星の自然は、きわめて過酷だった。厳しい寒さ、荒れ狂う嵐、そして人間を狂気のふちに追いやる恐るべき「嵐」……。宇宙船の修理がすみしだい、こんな惑星にはさっさとおさらばできる、とだれもが信じていた。だが、ついにそれが不可能だと明らかになったとき、生き残るための熾烈な闘いがはじまった……。ダーコーヴァ史のはじまりにまで遡る、シリーズ最初の長編』




Brin:デイヴィッド・ブリン


「ポストマン」
 1985年/大西憲/ハヤカワ文庫

『文明国家アメリカは、もはやどこを探してもなかった。核戦争のために、すべてが崩壊してしまったのだ。あとに残ったのは、大混乱を必死で生きのびた人々の集落と、弱肉強食の掟が支配する廃墟のジャングルだけ。ゴードンも、そんな世界を一人で生き抜いてきた男だった。だが山中に遺棄されていた郵便車を発見したとき、彼の中で何かが目覚めた。失われた夢の王国アメリカの幻影がよみがえってきたのだ! かくしてゴードンは、郵便配達員の制服を着て孤立無援の戦いに挑むが……ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞の新鋭が、荒廃した世界に射しいる希望の曙光を雄渾の筆致で描く』

「ポストマン〔改訳版〕」
 1985年/大西憲/ハヤカワ文庫

『最終戦争ですべてが崩壊し、廃墟となったアメリカで、人々は小さな集落をきずき、やっと生きのびていた。ゴードンは、そんな世界をひとりで生き抜いてきた男だった。だが、山中に遺棄された郵便配達のジープを発見したとき、彼の運命は大きく変わった。郵便配達の制服を着たゴードンは、アメリカ再建をめざし、孤立無援の戦いに挑むが……キャンベル記念賞、ローカス賞受賞、ケビン・コスナ一監督・主演で映画化の話題作』

「プラクティス・エフェクト」
 1984年/友枝康子/ハヤカワ文庫

『時空を越えて地球と異世界をつなぐジーヴァトロン――サハラ工科大学で開発されたこの驚異の装置により、地球に酷似した異世界ヘの道がついに開けた。だが、探検ロボットによる調査が本格的に開始されたとき、異世界側にある帰還装置が故障してしまった。そこで、一方通行になった装置を修理するべく、気鋭の科学者デニスは異世界をめざしたが、その世界は奇妙な法則、プラクティス効果に支配されていた……傑作冒険SF』

「ガイア−母なる地球−(上・下)」
 1984年/友枝康子/ハヤカワ文庫

『2038年。若き天才物理学者アレックスはマイクロ・ブラックホールの生成に取り組んでいた。これが完成すれば画期的なエネルギー源となる。ところが思わぬ事故でブラックホールが地中へ落下、このままでは地球は内部から食いつくされてしまう!人口爆発や深刻な環境汚染などの危機的状況に加え、さらなる致命的な壊滅の危機に直面した“母なる地球”を救うべく、アレックスたち科学者チームは絶望的な戦いに乗り出すが!?(上)』

『落下したブラックホールの調査を続けるアレックスたちは、驚くべき事実を発見した。彼らが追っているのとは別のブラックホールが存在していたのだ!いったい誰が、何を目的に創ったのか?折りしも世界各地で超自然的地殻変動が頻発、地球壊滅のときが刻一刻と迫っていた……コンピュータ・ネットワーク情報網と最新科学の力をもって、“母なる地球”の救済に挑む人類の姿を、迫真の筆致で描く近未来スペクタクル巨篇!(下)』

「スタータイド・ライジング(上・下)」知性化宇宙
 1983年/酒井昭伸/ハヤカワ文庫

『人間=イルカ混成チームの乗り組む探険船〈ストリーカー〉は、ある辺境宙域で、銀河史上最大の発見をした。ひとつひとつが地球の月ほどもある五万隻の大宇宙船団。調査の結果、既知の知的種族のものではないばかりか、想像を絶するほどの太古から漂流していたことが明らかになった。しかもそのテクノロジーは、銀河系の科学水準をはるかに凌駕している。〈ストリーカー〉はこの発見を母星に報告するが、人類に敵対する銀河種族すべてが、その送信を傍受していたのだ!米SF界期待の新星が壮大な未来史を背景に描き、ヒューゴー、ネビュラ両賞に輝いた傑作SF巨篇(上)』

『〈ストリーカー〉が太古の漂流船団を発見したとのニュースは、全宇宙に衝撃をもたらした。五つの銀河系に勢力を競う多くの種族は、この船団こそ、数十億年前に宇宙進出を果たし、全知的種族の〈始祖〉となった伝説の種族の遺産だと考え、その秘密を手に入れようと、いっせいに宇宙艦隊をくり出して〈ストリーカー〉に迫る。間一髪、超空間ジャンプで攻撃をかわした〈ストリーカー〉は、クスセメニー星域の海洋惑星キスラップに身を潜めた。だが、異星人の追跡は執拗だった……雄大な構想と豊富なSF的アイデア、息もつかせぬ展開で米SF界の絶賛を浴びたSFスペクタクル(下)』

「知性化戦争(上・下)」知性化宇宙
 1987年/酒井昭伸/ハヤカワ文庫

『人類=イルカ混成チームの探検船〈ストリーカー〉号が、銀河史を解明するうえで重要な証拠を発見したという知らせに全銀河情勢は一変した。五銀河の覇権を虎視眈々と狙う銀河列強、その秘密をおのがものとして他種族の優位に立つべく激烈な抗争を開始したのだ!辺境の植民惑星ガースにも、その波紋は容赦なく押し寄せてきた――列強諸族のひとつ鳥類型エイリアンのグーブルーが、宇宙艦隊率いて突如来襲、人類とその僚友ネオ・チンパンジーの暮らすこの星への侵攻作戦を開始したのである!ファン待望の未曾有のSFスペクタクル開幕!(上)』

『健闘むなしく、人類のガース防衛軍はたちまち一蹴され、ここにグーブルーの支配体制が確立された。だが森林地帯に難をのがれた人類とネオ・チンパンジーたちは、この逆境にあって果敢なレジスタンスを開始する。さらに、人類に友好的なティンブリーミーなどの種族も人類に援助の手をさしのべた。原住種族ガースリングの謎や、侵略者グーブルー内部の権力抗争も、この戦いに微妙な影を落とす……風雲急を告げる銀河情勢を背景に手に汗にぎる壮大無比のドラマを一糸みだれぬ筆致で描ききり、見事ヒューゴー賞の栄誉に輝いた話題沸騰のSF巨篇!(下)』




・Brown:フレドリック・ブラウン



「発狂した宇宙」
 1949年/稲葉明雄/ハヤカワ文庫

『第一次月ロケット計画は失敗に終わった!不運にも墜落地点にいたSF雑誌〈サブライジング・ストーリーズ〉の編集者キース・ウィンストンの遺体は、粉微塵に吹き飛ばされたのか、ついに発見されなかった。ところが、彼は生きていた――ただし、なんとも奇妙な世界に。そこでは通貨にクレジット紙幣が使われ、身の丈7フィートもある月人が街路を闊歩し、そのうえ地球は、アルクトゥールス星と熾烈な宇宙戦争を繰り広げていたのだ! 多元宇宙ものの古典的名作であると同時に、“SF”の徹底したパロディとして、SFならでは味わえぬ痛快さと、奇想天外さに満ちた最高傑作!』

「火星人ゴーホーム」
 1955年/稲葉明雄/ハヤカワ文庫

『カリフォルニア州の砂漠の中の一軒屋、SF小説の原稿に苦吟していた小説家のルーク・デヴァルウは、世にも不思議な体験をした。突然、奇妙な緑色の小人。訪ねてきたのである。「やあ、マック」と小人はなれなれしく彼に話しかけた。「ここは地球だろ?」驚いて口もきけない彼に、小人は夜空にのぼっていた月を指さし、「月が一つしかないもんな。ぼくんとこには二つある」太陽系内で月を二つもっている惑星といえば、ただ一つ……するとこの小人は、火星人なのだ!痛烈な風刺と軽妙なユーモアにかけてはならぶものなき鬼才ブラウンの古典的名作、ついに登場!』




・Bujold:ロイス・マクマスター・ビジョルド



「スピリット・リング」
 1992年/梶元靖子/創元推理文庫

『内に秘めた魔法の力は本物でも、しょせんフィアメッタは女の子だった。父親はモンテフォーリア公に金細工師として仕える大魔術師。娘が魔術の道に進むことも許さなければ、父を信頼しろというだげで嫁にもだしてくれない。あの日、宴の席で君主がロジモ公に討たれるまでは。振り上げられた拳には“死霊の指輪”が怪しく光り、櫃からは塩漬けの嬰児の死体が転がる……。とっさにロジモ公の術を断ち切った父も、やがて病に息絶えた。“指輪”に父の霊を封じこめんとする異国の領主を、阻止できるのはフィアメッタだけ!ルネサンスのイタリアを舞台に、ビジョルドが贈る初のファンタジイ』




・Brunner:ジョン・ブラナー



「テラの秘密調査官」
 1962年/関口幸男/ハヤカワ文庫

『ZRP第14号惑星の最大都市キャルリッグの支配権は,年に一度の翼竜狩りで翼竜の王をたおした者に委ねられることになっていた。この独自の文明を持つ世界は、まだ未開発で大量の放射性物質が手つかずに埋蔵されていた。ところが,この核資源を手に入れようともくろむ何者かが,迷信深い人びとを支配すべく陰謀をめぐらす。しかも,その障害となる銀河連邦の調査官は殺害されてしまった!この事態に,銀河連邦軍団は新しい調査官を派遣するが,なんと選ばれたのはよりによって,はねっかえりなばかりに地球へ左遷されようとしていた,いわくつきの美人だった!』

「テレパシスト」
 1965年/伊藤哲/創元推理文庫

『テレパシストとは言葉を使わずに他人との精神交流ができる者のことである。国際連合ではこうした超能力者が国家間の調停者として働いていた。私生児で不具という不運な星の下に生まれたジェラルド・ハウサンは、ある日、自分がテレパシストであることに気づきウランバートルにある世界保健機構に勤めることになった。彼は六千マイル離れた人間にさえも精神を投射することが、そして、あらゆる人間の悩みを解消させることができる最大のテレパシストだった。超心理学の世界を克明に活写したユニークなSF』

「流れ星をつかまえろ」
 1968年/関口幸雄/ハヤカワ文庫

『夜になると光を放ち空を舞う照明鳥、種をまくだけで成長する家……そして、こうした過去の文明の遺物にすがって無気力な毎日を送るだけの人々。このたそがれの地球に、いま一つの流星が刻々と近づきつつあった。夜空にひときわ輝くその星は、三世紀後には太陽系に突入、地球を破滅させる軌道を突き進んでいたのだ!ふとしたことからこの事実を知った若者クレオハンは、カリスという名の少女とともに、流星の進路をそらす技術を持つという幻の古代都市を求め旅立った。だが二人の行手には、幾多の文明の遺産である変異した動植物や奇怪なミュータントが……!?』




Burroughs:エドガ−・ライス・バローズ


「火星のプリンセス」火星シリーズ
 1917年/小西宏/創元推理文庫

『南軍の騎兵大尉ジョン・カーターは、ある夜、アリゾナの洞窟から忽然として火星へ飛来した。時まさに火星は乱世戦国、地球とはけたはずれに発達した科学力を背景に、四本腕の獰猛な緑色人、地球人そっくりの美しい赤色人などが、それぞれ皇帝をいただいて戦争に明け暮れている。その渦中に飛びこんだ快男子カーターは縦横無尽の大活躍のはて、絶世の美女、火星のプリンセスと結ばれるが、その時二つの月をいただく火星は、絶滅の危機に瀕していた。スペース・オペラの原点ともいうべきSF史上不朽の傑作「火星シリーズ」の壮大な開幕を告げる序巻!』

「火星の女神イサス」火星シリーズ
 1918年/小西宏/創元推理文庫

『10年の空白の後、永遠の恋人デジャー・ソリスを求めて再度、火星に飛来したカーターの到着地点は、古来、火星人のあこがれのまとである地上の楽園、イス河の秘境であった。しかし、この楽園は実は恐るべき地獄だった。吸血口のついた手を伸ばして襲いかかる植物人間と獰猛な大白猿、彼らを操る白色人と謎のブラック・パイレーツ。生と死をつかさどる火星の女神イサスに敢然として挑戦するジョン・カーターと豪勇無双の僚友緑色人皇帝タルス・タルカスの運命は?』

「火星の大元帥カーター」火星シリーズ
 1919年/小西宏/創元推理文庫

『ジョン・カーターの遠征により、バルスームに君臨した邪宗の女神イサスは粉砕された。しかしその前にイサスの奸策により、カーターをめぐる三人の美女が無気味な太陽神殿に幽閉されてしまった。いかにして、この難航不落の神殿から彼女たちを助け出すか?凄絶きわまりない大救出作戦は、ドール谷の緋色の平原から北極の大氷原の果てまで、火星を一周して延々と展開する。かつていかなる宇宙艦隊といえども、生きては再び生還したことのないという神秘の北極には、なにがカーターを待ち受けているのか?』

「火星の幻兵団」火星シリーズ
 1920年/小西宏/創元推理文庫

『プタース国皇帝の娘スピア姫が何者かによって誘拐され、その嫌疑はヘリウムの王子カーソリスにかかった。火星大元帥である父ジョン・カーターの厳命を受けてカーソリスは敢然として王女の捜索にむかったが、トルクワス山地の彼方にある秘境に迷いこんでしまった。そこは、かつて古代火星に覇をとなえたロサール帝国が再現されている摩訶不思議な人外境であり、観念を具象化できるふたりの怪人が、数十万の幻の戦士を集めて決戦する悪夢の世界であった。その戦場にまきこまれた、若き王子と王女の運命は?』

「火星のチェス人間」火星シリーズ
 1922年/小西宏/創元推理文庫

『火星大元帥カーターの愛娘ターラが飛行艇で不時着した場所は、人類の進化の究極の形態である頭だけの人間と、彼らの乗物である胴体だけの人間が住む秘境であった。そこを命からがら脱出したターラは、ひきつづいて尚武の国マナトール、生きた戦士を駒がわりにして、生死を賭けてチェスを戦う国に捕えられてしまった。頭だけのクモ人間とチェス人間、美貌のターラと彼女に愛を捧げる若き英雄ガハンが四つ巴になって展開する死闘と大冒険の連続。火星シリーズ全巻の中でも、質量ともに一、二を競う白眉編!』

「火星の交換頭脳」火星シリーズ
 1928年/小西宏/創元推理文庫

『第一次世界大戦のさなか、西部戦線で戦死した合衆国陸軍大尉ユリシーズ・パクストンは、崇拝する人物ジョン・カーターのあとを追って火星に飛来した。彼の到着地点は火星一の名外科医ラス・サヴァスの研究所であった。この天才的な医師は、人間の頭脳を自由に新しい肉体に移植する手術に成功し、折りしも、老女帝ザザの邪悪な頭脳を美女ヴァラ・ディアの肉体に移し、美女の可憐な頭脳を老衰した女帝の肉体に移すところだった……』

「火星の秘密兵器」火星シリーズ
 1931年/小西宏/創元推理文庫

『ヘリウムの美女がある夜、国籍不明の怪飛行機によって誘拐された。ハストールの戦士ハドロンは、恋人の捜索のために故国をあとにした。恋人が誘拐された先は強国ジャハールであり、その皇帝は秘密兵器を開発して、火星全土の征服にのり出さんとしていることを彼はつきとめた。その秘密兵器とは金属分解光線ライフルであり、この威力の前には火星の大元帥が率いるヘリウムの大艦隊もひとたまりもあるまい。ヘリウムと恋人の危機を救うべく、見えない飛行機に乗りこんで超人的な活躍をする勇士ハドロン!』

「火星の透明人間」火星シリーズ
 1936年/小西宏/創元推理文庫

『火星で猛威をふるう殺人請負業――秘密暗殺ギルドの討伐を決意した大元帥ジョン・カーターは、変名を使ってみずからその本拠ゾタンガに潜入した。しかし敵もさるもの、暗殺ギルドはカーターの裏をかき、ヘリウムのプリンセス、デジャー・ソリスを誘拐して、火星の衛星サリアへと連れ去ってしまった。永遠の恋人を奪われたカーターは、敢然としてその救出に向かう。しかし衛星サリアは別世界だった。そこには無気味な透明人間とキャット・マンが住んでいた。巻を追ってますます佳境にはいる火星シリーズ!』

「火星の合成人間」火星シリーズ
 1940年/小西宏/創元推理文庫

『火星の大科学者ラス・サヴァスが作り出した合成人間たちは、ついにみずからの王国を建設して火星全土の征服にのり出した。ヘリウム海軍の青年将校ヴォル・ダーは、彼らの手中にとらわれた愛する女性を救うべく、みずから合成人間に変身して死中に活を求めた。人間が愛と献身のため、自己の頭脳を醜怪な怪物に移植したとき、その人間は何を考え何を感じるのだろうか?怪奇と幻想、恐怖と戦慄のうちに展開するSF変身譚は作者バローズ快心の傑作として「火星シリーズ」の中でもとくに高く評価されている』

「火星の古代王国」火星シリーズ
 1948年/厚木淳/創元推理文庫

『太古の昔、絶滅したと伝えられる白色人帝国にさまよいこんだジョン・カーターは、はからずも美しい孫娘のラナと再会した。恐るべき魔境の呪いから危機一髪脱出した二人の前途には悪名高き黒色人ブラック_・パイレーツ待ち構えていた。一方ラナの故国ガソールは北極の冷凍人間の大軍に包囲されて、今や陥落寸前である。カーターは一刻も早くヘリウムにもどり、大艦隊をひきいて救援にかけつけなければならない。腹背に敵を受けた地球と火星、両世界きっての剣豪、ジョン・カーター畢生の大冒険!』

「火星の巨人ジョーグ」火星シリーズ
 1941・1943年/厚木淳/創元推理文庫

『身の丈四〇メートルという雲をつく怪力無双の巨人が火星に誕生した。しかも、この巨人を背後であやつるのは奸智にたけた合成人間ピュー・モーゲルである。この巨人はいかなる肉体の損傷にたいしても不死身であり、精鋭を誇るヘリウム空軍の攻撃も、ジョン・カーターの神速の剣技も通じない。いまや彼らはヘリウムのプリンセス、デジャー・ソリスを人質にし、大白猿の空挺部隊をひきいて、火星全土の征服に乗り出した。巨人とカーター、対決のときは刻々として迫る!』

「火星のプリンセス・合本版」火星シリーズ
 1917/1918/1919年/厚木淳/創元SF文庫

『南軍の騎兵大尉ジョン・カーターは、ある夜、アリゾナの洞窟から忽然として火星へ飛来した。時まさに火星は乱世戦国、地球とはけたはずれに発達した科学力を背景に、四本腕の獰猛な緑色人、地球人そっくりの美しい赤色人などが、それぞれ皇帝をいただいて戦争に明け暮れている。その渦中に飛びこんだ快男子カーターは縦横無尽の大活躍のはて、絶世の美女、火星のプリンセスと結ばれるが、その時二つの月をいただく火星は、絶滅の危機に瀕していた……。スペース・オペラの原点ともいうべきSF史上不朽の傑作<火星シリーズ>全11作を、全4集の合本版で贈る。本集には、記念すべき第1作『火星のプリンセス』、第2作『火星の女神イサス』、第3作『火星の大元帥カーター』を収録』

「火星の幻兵団・合本版」火星シリーズ
 1920/1922/1928年/厚木淳/創元SF文庫

『ジョン・カーターとデジャー・ソリスの息子カーソリスと娘ターラ、そして第二の米国軍人パクストンが活躍する3作を収録する。秘境に再現された古代の帝国ロサールで、観念を具現化できる怪人が数十万の幻の戦士を集め、決戦をくり返す『火星の幻兵団』。進化の究極の形態たる頭だけの人間と、その乗り物である胴体だけの人間が住む秘境バントゥーム、さらに生きた戦士を駒がわりに生死を賭けてチェスを戦う尚武の国マナトールを歴訪する『火星のチェス人間』。火星一の天才外科医ラス・サヴァスが人の脳の移植手術に成功し、老女帝ザザの邪悪な脳と美女ヴァラ・ディアの可憐な脳を入れ換える『火星の交換頭脳』。いずれの主人公もカーターとソリスの分身である』

「火星の秘密兵器・合本版」火星シリーズ
 1931/1936/1940/厚木淳/創元SF文庫

『第3集たる本巻には、円熟の境に達したバローズによるシリーズ第7作から第9作までを収録する。恐怖の金属分解光線を武器に火星全土の征服を企てる王国に、青年軍人が不可視の飛行艇を操って立ち向かう冒険劇『火星の秘密兵器』。暗殺者ギルドの壊滅を目指して単身敵地に潜入した大元帥ジョン・カーターが、新発明の宇宙船に乗り、人知を超えた火星の月へ旅する『火星の透明人間』。火星随一の天才外科医ラス・サヴァスが再登場し、彼の創造した人造人間たちが大湿原の弧丘に独立王国を打ち立てる、怪奇編『火星の合成人間』。SF史に名だたる稀代のシリーズは、いよいよ佳境へむかう』

「金星の死者の国」金星シリーズ
 1935年/厚木淳/創元推理文庫

『凶悪な敵の手に捕えられ、七つの扉のある死の部屋に入れられたカースン・ネービア。生命の扉は一つしかなく、あとの六つには、それぞれ恐るべき拷問と死神が待ちかまえている。生か死か? 金星のプリンセスを求めるカースンの願いも空しく危機は刻一刻と迫る……。しかもその部屋を奇跡的に脱出した彼の行く手には、さらに恐るぺき魔境、金星の死者の国が待っていた!手に汗にぎる興奮と冒険の連続にスペース・オペラの醍醐味を満喫させる巨匠バローズの会心作!』

a 「金星の独裁者」金星シリーズ
 1939年/厚木淳/創元推理文庫

『飛行艇を駆って金星の空を飛ぶカースンと美女ドゥーアーレーの上には息つくひまもなく、つぎつぎに災厄と冒険がふりかかってくる。女性が男性の上に君臨する奇怪な原始部落を命からがら脱出した二人の行手には、さらにそれに数倍する脅威が待ち構えていたのだ。金星全土を暴風のように席巻するナチズムの台頭。そして彼らをひきいる金星の独裁者ヒトラー。神秘と魅惑に満ちた謎の惑星、金星で展開する胸のすくような大ロマン!』

「金星の火の女神」金星シリーズ
 1946年/厚木淳/創元推理文庫

『果てしもない秘境金星を飛行艇に乗ってさまよいつづける美女ドゥーアーレーとカースン・ネーピアの前に、陸続として登場する異生物と奇怪なベムたち。水陸両棲の魚人間、永遠の謎に包まれた神秘な火の女神、樹上に実る吸血植物人間の怪、雌雄の別がなく、単体で分裂する不気味なアメーバ人間、そして奇想天外な二大陸上艦隊の手に汗にぎる大決戦。天成のストーリー・テラー、バローズが描く、快男子ネーピア一世一代の大冒険』

「金星の魔法使」金星シリーズ
 1964年/厚木淳/創元推理文庫

『金星に不時着して、波瀾万丈の活躍を続ける地球人カースン・ネーピアは、最後の冒険として、美女を自由自在にけものに変える強力な魔法使と対決することとなった。無気味な中世風の城を舞台に、魔法使いの催眠術とカースンのインド仕込みのテレパシーが火花を散らす一騎打ち。金星シリーズの掉尾を飾る一編と、旧石器時代の男が現代アメリカに生還した悲劇を描く「五万年の男」、それに作者晩年の力作として逸すべからず「さい果ての星の彼方に」全三編を併載する』

「月のプリンセス」月シリーズ
 1926年/厚木淳/創元推理文庫

『火星着陸をめざした宇宙船は不慮の事故から月に不時着することになった。荒涼たる不毛の月世界。しかし地表に無数にあいた噴火口の一つを経由して宇宙船が着陸したのは月の地下世界であった。そこでは半人半馬の怪獣と二種類の人間が異なる文明を持ち、たがいに地下世界の覇権を争っていた。その角逐に巻き込まれた地球の快男児ジュリアン五世の波乱万丈、手に汗握る恋と冒険!「火星」「金星」「ペルシダー」と並ぶバローズの傑作「月シリーズ」三部作全二巻の開幕』

「月からの侵略」月シリーズ
 1926年/厚木淳/創元推理文庫

『西暦2036年、月より無事帰還したジュリアン五世を待っていたのは、軍備を棄てて無防備となった地球だった。やがて月人の大軍が襲来し、世界中を席巻しはじめ、ついに人類が月人の前に屈する日がきた。かくして地球の文明は灰塵と帰し、わずか瓦礫の山にその痕跡をとどめるに至る。月人による無知と暴虐の圧制の下、奴隷のごとく蹂躙される地球人。その長い暗黒時代の果て、人類の誇りを賭けてジュリアン九世は立ちあがった!舞台を地球に移して描く人類と月人との闘争の未来史。波乱万丈の月シリーズ完結編』

「地底の世界ペルシダー」地底世界
 1918年/厚木淳/創元推理文庫

『新開発の地下試掘機に乗ったイネス青年と相棒のペリー老人は、勇躍、地球内部の探索に出発した。しかし出発早々、舵輪の故障によって機体は操縦の自由を失い暴走を始めた。機内の温度はぐんぐん昇り、ついに二人は失神状態となったが、そのとき試掘機は突然、停止した。地殻を貫通して二人が到着したのは、なんと地球の創世紀に、その内部にできた大空洞であった。無気味な翼竜が空を飛び、大空には制止して動かぬ太陽が輝き時間と方位が存在せぬ熱帯の神秘境ペルシダー。そこを舞台に、快男児イネスの波乱万丈の恋と冒険の物語が展開する!』

「石器の世界ペルシダー」地底世界
 1937年/厚木淳/創元推理文庫

『飛行船に乗って北極から地底世界に到着したフォン・ホルスト中尉は、仲間とはぐれてこの未開の秘境をただ一人さまようことになった。かれは早速、翼のある怪獣に教われ、全身を麻痺させられて身の毛もよだつようなその巣へと運ばれていった。九死に一生を得てその窮地を脱した彼は、蛮族や野獣と戦って日を送るうちに、往年のドイツ帝国空軍中尉から石器時代の原始人へと、たくましく変貌していった。永遠に真昼の太陽の元で展開する手に汗握る冒険と恋の大活劇』




Burroughs:ウィリアム・S・バロウズ


「ノヴァ急報」
 1965年/諏訪優/サンリオSF文庫

『ノヴァ(超新星)の爆発は天変地異をもたらすといわれている。地球の内紛を扇動するため他の銀河系からヴィールス的寄生体、破壊的な昆虫、悪霊などがやってきた。そして人間の肉体に侵入し、精神を操り、崩壊をもたらす……つまりノヴァを創出するのだ。こうしてノヴァ警察は、犯罪者と同じ心性をもって人間と自然を根本から切り離し、解決できない矛盾や政治の悪化を招き、全地球的爆発を策謀している。バロウズは、ヒロイック・ファンタジーに抜きがたい物語性を排し、黙示録的シュルレアリスムというべき断片的エピソードのカタログを作り上げた。本書は『裸のランチ』『柔かい機械』『爆発した切符』とともに四部作をなすバロウズの代表作であり、サド、ジョイス、ロートレアモンの文脈の中で反SFの先鋒を突進し、SFのSFを切り拓いたものである』

「爆発した切符」
 1968年/飯田隆昭/サンリオSF文庫

『宇宙人が地球を崩壊させるため送り込んできた破壊的昆虫、女怪、細菌は、もともと警察と同じ心性をもっているという点で本書は、コンラッドの『秘密諜報員』、チェスタートンの『木曜日の男』、メイラーの『アメりカの夢』などの系譜に位置づけられる。こうしてノヴァ警察は、マス・メディアを通して報道記事、宣伝、娯楽を与え、言葉を規制して人間の感受性を鈍磨し、自由を薄め、機械人間の支配する管理化の風潮を進めようとしている。パロウズがそれに対抗して提示する黙示録的処方箋は、アインシュタインの宇宙観のようにむいてもむいても無限につづく相対的な世界と、いかなる物質的規定をものがれる中性微子のような登場人物をカット・アップ(切りつなぎ手法)で表現し、言葉の様式化と非人間化へと衰弱させる誘惑の切符を爆発させ、感覚の拡大によって非言語的な意志疎通が可能となる来るべきコミュニケーションのユートピアを先取りすることなのである』