2001年度 8月号 表紙犬



犬名 JCC-S‐CH. CC
JAPAN TOP'S CASANOVA (M)
1999. 4. 7.生
  誕生時における本犬は、極小の生まれに加えて、ターンの色素が黒灰色で、およそ、見栄えが悪い印象であった。
 しかし、仔細に観察すると、頭部バランスが良く、マズルが滑らかで気品も感じられ、どこか、古き良きタイプのコリーを思い出させる仔犬でもあった。
「主観に溺れず、客観に甘えず」仔犬を選択、淘汰する際の戒めとしているが、人間の立ち入る遺伝の法則というものは、あくまで確率であって確実を意味するものではない。
 したがって、コリーをよく理解し、基本的な知識の上に立っての感覚さえあれば、ただじっと見つめるだけで、その仔犬の内なる情報にアクセスでき、きっと、無言の何かを語りかけてくれるものである。翻って思えば、日本のコリーは、時代と共に飛躍的に改良された。しかし、系統的にプレスされた、新しいタイプのコリーの美点を理解し得ても、その表面だけしか理解できない人は、過去のコリーの持つ美点を忘れ、時には、否定的な見方に陥りがちになる。コリーファンは、コリーに最初に美点を見出して飼育するのであるから、何れか一方に偏る見方をする事なく、過去から未来へ、コリーの美点を継承、探求する思考こそ、真のコリーの理解者となり得るのではないか。加えて、私見を述べるなら、本来のコリーらしさというのは、たいへんシンプルで誰にも理解できるもの、そして、そのコリーらしさの原点は、最近の日本のコリーに忘れられかけている、気品ある頭部表情と風にそよぐ優雅で豊かなロングコートではないのか、と思い始めている。
 本犬は、この意味において、充分コリーらしさを誇る資格がある。僚友、柴田文雄君とBUDの更なる健闘を祈る。