Collie & Sheltie Land
コリーとシェルティの比較
| コリーとシェルティ(シェットランドシープドッグの愛称)は、その外貌が似ていることから、一般的には、コリーの小型犬がシェルティというような捉え方をされています。 コリーもシェルティも、牧羊犬という犬種作出の使役目的は、同じです。 KCで既に犬種認定されていたスコットランドのコリーに対して、シェットランド島の人々は、50年程後に、同島固有の小型の牧羊犬を土台に、当初ミニチュアコリーとしてシェットランドコリーの作出を目指しましたが、犬種名はシェットランドシープドッグで、認定されました。 両者は良く似ていて、シェルティ改良の初期の頃にコリーの血も導入されましたが、犬種の起源から見て、全く別のものです。 現在のJCC及びAKCの「コリー」と「シェルティ」のスタンダードを比較した場合、各部分の文字としての表現はほぼ同じですが、明確な差異もあります。 これは、シェットランドシープドッグの標準の前文に明確に記されています。 【前文:シェットランドシープドッグは、コリーと同様に、スコットランド牧羊コリーの後裔である。・・・中略・・・。 現在、この犬種とラフコリーとの関係は、その大きさ、及び一般的外観において、あたかもシェットランド・ポニーと普通の馬との関係ににている。 シェットランド・シープドッグとコリーとは、よくにているけれども注目すべき差異も存在する】とあります。 コリーをそのまま縮尺した場合に、たとえば目の大きさ等は体高の比率で縮尺しては小さすぎて、シェルティの全体のバランスを崩してしまいます。 骨格等も、非常にか細くひ弱な形態となってしまい、シェルティ標準の「健全で敏捷で頑健でなければならない。外貌は、均整が取れており、いかなる部分も全体に対して、つりあいがとれていないようにみえてはならない。」というものからは、かけ離れてしまいます。 逆に、シェルティをコリーのサイズに拡大した場合には、大変鈍重な粗野なものとなり、コリー標準の「コリーは躍動する生命の表現として評価されなければならない。すなわち、一個の生命として科学的合理性に立脚した、無駄のない機能の美しさと、同時にその外貌、身体各部の形状と、表情、性格及び挙措とが、混然と融合して人々に訴える美しさとを示すものである。」というものからは、かけ離れてしまいます。 従ってコリーとシェルティは、全体のバランスとしてシェルティは小さなコリーに見えるが、個々に比較して見るとやや違う、という結果になります。 では、前文にある注目すべき差異とはどこでしょうか。 それは、「サイズ」と「頭部・ストップ」と「毛色」です。 |
| 「サイズ」標準 |
| コリー:牡は体高55ー65CM、牝は50ー60CMを標準とするが、体重との均衡のとれた調和した大きさで、過大または過小に見えないことが望ましい。 シェルティ:シェットランド・シープドッグは、体高33〜40.6CMでなければならない。 [解説] シェルティは、犬種作出当初体高12インチ(30.5Cm)を意図したことから、サイズは大変重要視され、展覧会では範囲外のものは失格になります。 |
| 「頭部・ストップ」標準 | ||||
| コリー:頭部は犬体にふさわしく軽快で、コリーらしい表情を示し、頭蓋と口吻との上縁は側面から見て等長かつ平行で、その間に僅かではあるが、はっきりしたストップがあり上または横から見て、滑らかなくさびのような形をしている。
シェルティ:頭蓋及び口吻は等長で、その重心は眼の内側の角になければならない。側面からみて、頭蓋の上部の線は、口吻の上部の線に平行でなければならないが 、はっきりとしたストップがあるために、頭蓋の上部の線は、口吻の上部の線よ りやや上に位置することになる。
[解説] コリーの「・・僅かではあるが、はっきりしたストップがあり、上または横から見て滑らかなくさびのような・・」とシェルティの「はっきりとしたストップがあるために、頭蓋の上部の線は、口吻の上部の線よりやや上に位置する」という、僅かな標準の文章表現が、頭部の差異となって具現化されています。 |
| 「毛色」標準 | ||||||||
| コリー : セーブル、トライ、ブルーマール、ホワイトの四種に分けられ、 その間に色による優劣はない。 コリーの毛色
シェルティ: セーブル、黒、ブルーマールで、 黒はトライ(黒、白、茶)、ブラック&ホワイト(黒、白)、ブラック&タン(黒、茶)に、 分けられるために、計五種になります。 ブラック&タンは、日本にはいません。 シェルティの毛色
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| [解説] コリーには、ホワイト(体表面の75%以上が白)が、認められていますが、 シェルティの場合、体表面の50%以上が白い場合は、展覧会の席次を最下位とすると定められており、これはサイズの面から見て大きなものが出やすい結果と思われます。 この様に見てきますと、犬種としては別個のものですが、互いにスタンダードに基づいたバランスとハーモニーが醸し出して作出された個体として、美しい心を持ったコリーとシェルティの美の形態表現の追求の結果が、大変良く似ているという関係を理解していただけるのではないでしょうか。 |