第四回
「Writing is Rewriting Vol.1 」〜持ち込みから掲載まで〜
さて、タイトルに挙げた英文は、小説だろうがエッセイだろうがシナリオだろうが、どんなマニュアル本を見ても必ず書いてある言葉です(言い回しは異なるかもしれませんが)。意味はわかりますね。そう、『書くこととはすなわち、書き直すことである』。
文章は推敲を重ねれば重ねるほどよくなる、とは限りませんが、たいがいはその通りです。しかし、ここで言う「書き直し」とは、作品をよくするためと言うよりはむしろ、編集者の、ひいては読者の要求に応えるための書き直しです。
前編の今回ではまず、持ち込みから掲載までの流れをはっきりさせておきたいと思います。1,持ち込み
編集部に持ち込むことですね。第三回で詳しく(もないか)説明した通りです。2,打ち合わせ
持ち込みの場合はその場で、郵送の場合は後日電話、あるいは編集部に出向くなどして打ち合わせをすることになります。3,直し
打ち合わせで合意した内容に基づいて直します。直しがすんだら再度の打ち合わせで、これが編集者のOKサインが出るまで続きます。4,作画担当者決定
作画担当の漫画家さんが決定するのは、必ずしもこの段階とは限りません。大抵は2,3回目の打ち合わせで候補くらいは決まってくると思いますし、早い段階で作画担当者が決定した場合は、編集者-作画担当者-原作者の3者で話し合いながら煮詰めて行くこともあります。
私の場合、絵描きさんと直接話をして企画をスタートするケースも多いので、その場合はネームが仕上がってから、作画の漫画家さんと一緒に編集部へうかがうことになりますね。5,ネーム作成
決定稿を手渡したら、後はネームが上がってくるのを待つばかりですね。ただ、作画のための資料を集めるとか、そういったことを求められることはあります。6,ネーム直し
作画担当者がネームを仕上げて来たら、直しをすることになります。これに関しても決まった形式はありません。とりあえず思ったことを全て相手に伝え、最終的な決断は向こうに任せる--というのが私のスタンスです。
とは言え、精神論は嫌いです。これはマニュアルなのですから、見本を掲載しておきます。
実際のネームがこれを受けてどう変化したか、お見せできればいいのですが……それは事情が許せば改めてやります。見本へ→
7,編集会議
ネームが仕上がった時点でこれ待ちになります。編集部の会議ですから、我々は蚊帳の外ですね。でも、運命はここで決まります。
ここで通れば、作画の完成、そして掲載を待つばかりとなります。通らなければ、2番の「打ち合わせ」に戻ってやり直しです。
たまに、純粋に「没」と言われることがあります。おとなしくあきらめて、よその出版社に持ち込みましょう。なに、この時点ではギャランティは発生していませんので、何も気に病むことはございません。8,原稿完成
事ここに至っては、あまりすることは残っていません。作画担当者を信頼して、原稿の完成を待つばかりです。9,掲載
ばんざーい。ばんざーい。ばんざーい。10,原稿料
酒だー。女だー。博打だー。
以上が、持ち込みから掲載までの流れです。
で、ここではさらりと流して書きましたが、一番肝心なのは、2番、3番の「打ち合わせ→書き直し→打ち合わせ→書き直し→……」の無限ループです。私なぞは能なしのため、このループを10回くらい繰り返したあげくに没をくらったりしたことが幾度となくあります。
ですから、ここに関して有効な助言をすべき資格も才能も経験も私にはありません。しかしそれではあまりに無責任ですから、多少の資料を提示することにいたしましょう。
次回、第一部最終回「Writing is Rewrigting Vol.2 書き直しの実際」
へと続きます。