梅が丘A邸(住宅/RC5層)
設計期間:9710〜9801
施工期間:9803〜9811
構造設計:構造フォルム

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外観

ユーティリティ 階段 バルコニー

リビング1 リビング2

インナーテラス(5F) 階段見上(1Fより)


トライアングルウインドウ(4F)

現代の不明瞭な他者の集合体(地域、国、人種など)と、生活のそのすべてを把握できないテクノロジに覆われてしまった受動的な日常の中にあって、いかに自己の意志を獲得し、確立するかということが現代では求められている。バラバラに散逸してしまった個々人の意志を突き動かし、能動的発話を促すためには無償の感動が必要である。各個が受け取るものは自由である。しかしながら、思考するという行為の端緒としての感動は、本来人間が持つ自己革新の動機として機能しはじめる。自己を見つめなおして判断し、確信すること、このことが今の不明瞭な世界を見渡すただひとつの方法である。

曖昧で特徴がない弱い街並に対し、明確な形にはならないが、何らかの発話が漠然とした輪郭の方形として立ちあらわれる。それは、極めて小さな場でありながら、確かに何かがあり何かが表現されているというカント的「もの自体」の初源的表現形式をとるものだ。周囲の状況を受け入れ、それでもなおそこにあるもの。いいかえれば意志としての根拠をもつかたちのみが、見る者になんらかの影響を与える。

建物の機能としては住宅ではあるが、あえて住宅らしさを取り除き、建築の素形を現わすためにその輪郭とボリュームを即物的に組み立てている。ファサードの可動ルーバーが時間の変化によってさまざまな表情を紡ぎ出し、そこにすまう人の在り方を間接的に表現し続ける。


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