今嶺 I 邸(木造2階)
<撮影:ZOOM/浅川 敏>
設計期間:9804〜9903
施工期間:9908〜0003

<プラン><フレームCG>



リビング夜景

可動スクリーン
ガレージ

外観 リビング



- arbitrary element -

個々のイメージを肥大化し顕在させて枠をはみだしてしまうこと。
そして建築以前のイメージと、以後との理解の齟齬を感じさせること。

現在の多くのクライアントには明瞭な方向がない。様々なメディアによって住まい方、健康、安全、日当たり、広さ、素材といった言葉による制度を埋め込まれている。設計者に課せられた主題として、それらとは全く違う可能性を見せるという切断的な手法が一般に行われている。しかしながら、言葉があまりにも強い場合には逆効果になることもある。

この建物では、やはりクライアント側で言葉のイメージが肥大化しており、ほとんどのコンセントレートを受け付けないことだった。そこでこういった言葉に捕われた意識をすべて否定してしまうのではなく、それら個々のアイテムだけを単独かつ単純に肥大化させた。 さらにその他の条件との整合性をいっさい保つことなく唐突に組み合わせた。

提示された条件は以下のとおり。
<和風のプランニング>
<リビングは南面させて限りなく広く>
<南面するアパートの視線をコントロール>
<個室は2階に、同時にプライバシーの保持>
<2台駐車可能な屋根付き駐車場>

これらをそのまま用いてプランを構成した。そのシュールレアリスムにも似た手法の唐突な集合体と、理想とする住まいの全体像が重ね合わさったとき、両者との齟齬感が確かな感触として意識されていくのだろう。
それが、住宅というものの正体なのかもしれない。


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