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| 敷地の潜在的かたちを顕わすため、最初に建築可能な容量を決めた。結果、建物は敷地の形状に合わせてすこし捻れたかたちになり、道路斜線の影響を避けてセットバックしている。また、日影を考慮し、最下階は法規上地階の扱いとなっている。 平面は建蔽率から逃れつつ広さを確保するため、内部にボイドを抱く形でコの字型につくられている。これにより見かけ以上の大きさが得られ、広がりを確保しながら使い勝手を向上させるように、吹抜け部にはグレーチングの床が設けられた。さらにゾーニングの要求によって部分的に床を抜き、フロアの形状は多様になった。この多様な形のフロアを重ねあわせることで、縦のつながりではなく、ななめ方向のつながりを得ることができたため、視線の一種のズレ(パララックス)によって視界の余白が生まれ、実体以上の空間体験を得る事ができる。
また、建物が固有のイメージを持たず、あらゆるものから離れて一般性を獲得するためには、特殊な<デザイン>および<レトリック>などの概念に回収されないようにする必要がある。ここでは経験則(あるいは先入観)と照合できないように具体的イメージを切り捨ててしまうことでただの大きな物体としてしまい、<だれにでもわかる>という状況をつくりだしている。そのため表面の扱いは、特にイメージの連続/不連続を定義するものと考え、単一な素材感や特殊な構造体とともにスケールを曖昧にするため、境界面である外壁を自由に切って開口としている。全体としては、敷地に建築可能な容量(規模)として表現され、内部はモノコックのように視線を自由に確保できる空間体験が得られている。 |