北区Y邸

構造設計:構造設計工房デルタ
設備設計:櫻井エンジニアリング
設計:0305〜0312
施工:0405〜0412

<プランページ>





敷地の形状が特殊で小さいため、一旦プランを作成したのち象嵌するようにはめ込んだ結果、プランは平行四辺形となった。
ボリュームは道路斜線によって切り落とされて、全体の容積がきまっている。下部2層は横穴住居のようなアパートになっており、<棲みつく>という形容が正鵠を得る。最上階はオーナー住宅となっており、平面に対して天井高は4mほどに引き延ばされた空気量を持っている。

外形は、見る位置によって多少の歪みとそれによる誇張が期待できるが、問題は内部空間の認知である。伸びた対角と縮んだ対角の距離のズレが誇張されるために、感覚的な遠近感はわずかに狂って見えるだろう。
けして可動などのギミックはないが、視点の位置によって伸縮する空間、すなわち非ユークリッド的なものを期待できるのではないだろうか。本来の空間も一般相対性という観点から見るなら、元来歪みをもっているということが言えるだけでなく、視覚そのものも眼球の認知によるものと考えれば、空間そのものの幾何学的整合性を保証するものもないはずである。敷衍するなら、非ユークリッド的座標を、ユークリッド的に取り扱った時にうまれる経験と了解のあいだのズレといえるのかも知れない。

事実、内部においては意外に歪みを感じることはないが、ディテールによってその捻れが認識される。これはディテールを<見えるもの>、建物全体を<見えないもの>と置き換えると、認識の限界と可想的なものの関係が垣間見えるようにも思える。

また全体に彩度の高いカラーリングが施されたことで、周辺環境とのコントラストにより浮遊して見えることは、パラディオのバシリカや、ポンピドーセンターの持つ効果と同じ。



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