『はだかの太陽』こき下ろし徹底レヴュウ

『はだかの太陽』こき下ろし徹底レヴュウ


 アシモフの古典的SFミステリである本書を徹底的にけなします。トリックや犯人を明かすことになるので未読の人はこれを絶対に読まんでください。

 まず人脈の問題。ソラリアの人口は二万人。ソラリア人は三次元映像を通じて大抵お互いに知り合っているという。理論上ソラリアに住みある程度以上のロボット工学の知識を持っている者は犯人の資格がある。それなのにベイリ刑事は彼が会ったたった六人の中から一番ロボットに詳しいリービッグを告発した。これを見込み捜査と言わずになんと言う。

 次に自白の信憑性。人を見るのがいやさに自殺してしまった男の言葉がどこまで信用できるか。手足可換のロボットも陽電子頭脳航宙艦もその実在が非常に疑わしい。

 そして凶器。ロボットが腕をグレディアに渡す。彼女は夫を殴りつけ失神する。さて、その後腕はどうやってロボットに取り付けられたか。当のロボットは問題にならない。第一条を犯され作動不能に陥る。グレディアとも考えにくい。彼女は心神喪失状態だった。考えられるのはリービッグが他のロボットにそれを命じ、忘却させた場合だ。だがその理由はない。凶器を隠すのはグレディアを庇うということだ。「凶器を死体のそばに残し、ミセス・デルマーに罪を着せなかったその犯人は、まったくの白痴ということになる。」とベイリ自身が述べている。
 凶器がロボットの腕ということで自分が疑われるかもしれないとリービッグが警戒したとしよう。でも、それは予めロボットに腕ではなく、手近な鈍器を渡すように命ずることで解決できる。

 以上のことよりリービッグを犯人とするベイリ刑事の推理はまるで信用できない。しかし、さらに許し難いのは、広所恐怖症の人類の宇宙進出が暗示されていた『鋼鉄都市』の感動的な結末がすっかりここでは忘れ去れれていること。これの結末でもまた同じことをやっているけど二番煎じで感動できるか!

 私は断言する。『はだかの太陽』は駄作だ。(と思う。反論お待ちします。)



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