ブルース,L『三人の名探偵のための事件』

ブルース,L『三人の名探偵のための事件』


 サーストン家のハウス・パーティーの夜はひとしきり探偵小説談義で盛り上がった。だが、その居心地のよい雰囲気も闇を切り裂く悲鳴によりかき消された。駆けつけた人々は、女主人が密室状態の自室の中で喉を掻き切られて殺されているのを発見した。消え去った犯人は翼でも持っていたのだろうか。
 恐怖の一夜が明けたその翌朝、どこからともなくやっていきた三人の名探偵が早速の調査を開始する。その三人とは、貴族探偵ロード・サイモン・プリムソル、フランス人私立探偵ムッシュー・アメ・ピコン、神父探偵スミス師。それぞれのモデルは、セイヤーズのロード・ピーター・ウィムジイ、クリスティのエルキュール・ポアロ、チェスタトンのブラウン神父といった錚々たる面々。
 三人の名探偵の描写がうまく特徴を捕まえていて愉快です。快活なサイモン卿には有能な執事がついている。ピコンは男女の永遠の三角関係に目を付ける。スミス神父は夕暮れの風景の中に佇む。
 そしていよいよ謎解きの場面。三人の名探偵は各々別の解決を示す。いかにも彼ららしい見事な解決を。
 ところがなんと真相に到達したのは、村の警官ビーフ巡査部長だった。

 小林晋さんのお陰でレオ・ブルースは同人誌でも何冊か読みました。でも正直なところ、面白いものとそうでもないものとの落差がかなりあるという印象です。でも本書は最上の部類。楽しめました。


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