『金蠅』に続く第二長編。ジャーヴァス・フェン教授登場作。
作曲家のジェフリイ・ヴェントナーは、大聖堂で有名なトールンブリッジ滞在中のフェン教授よりオルガン奏者として来るよう電報で依頼され承知する。ところが、前任のオルガン奏者は何者かに暴行されて重態という新聞記事が載り、ジェフリイのもとにも脅迫状が届く。これもフェンの依頼で捕虫網を買いに立ち寄った百貨店で襲撃を受けるが、店員のフィールディングの機転で逃れ、二人してトールブリッジへ向かうことになる。
なかなかジャーヴァス・フェンが出でこない。やっと出てきたのは第五章になったからだが、いかにも奇人という有様。初期はこんな作風だったのか。
タイトルからしていかにもファースだが、大聖堂における奇怪な死や、中世の大司教が記した幽霊に関する日記、さらにはその土地での悪魔崇拝など、怪奇趣味もありあり。
そして時代は第二次大戦の真っ最中ということで、*スパイ事件*も背景になる。これだけ道具立てが揃ったらカーである。作者はカーがとことん好きなんだなあと思う。
でも、これだけ揃えば揃ったで、比較しての軽量感はどうしても拭い去れない。私が*犯人が組織である*ものが嫌いなのもあいまって、評価はどうにも辛いものになる。
[2004.08.12]
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