映画レビュウ2本

映画レビュウ2本 −『屋根裏の散歩者』と『押繪と旅する男』


 4月26日(火)。都心に出張した帰り、新宿で映画2本見ました。シネマアルゴ新宿にて。『屋根裏の散歩者』と『押繪と旅する男』。

 『屋根裏の散歩者』は実相寺昭雄監督。成人指定映画だったが、もう何でもあり。正常位、後背位、緊縛、レズビアニズムと……。
 原作に結構忠実。犯人郷田三郎役は三上博史。人生に飽き飽きした遊民気質がかなりよく出ている。好演。
 明智小五郎役は嶋田久作(笑)。もっとへんなのを期待していたのだが、案外好青年を演じていてつまらなかった(笑)。
 宮崎ますみも出ていたけど、端役です。脱ぎません(笑)。加賀恵子の喘ぎ声が耳に残る(笑)。

 『押繪と旅する男』は川島透監督。
 原作の忠実な映像化を見たいものだと常々思っていたが、これは大幅にアレンジしてあった。
 兄を失う少年(藤田哲也)と、現代の浅草をさまよい歩く老人(浜村純)が複雑に交錯する。これはこれでとても面白かったが、乱歩世界とは別物、という感じがする。
 老人の人生に託して、戦前戦後という時代を決算するような意味の所も見受けられる。これはこれで一つの切り口だろうが、まだまだ切り込み不足。
 だが、ラストの魚津の浜辺のシーンが秀逸。
 予告編で砂漠のような場所に大正時代の服装をした群衆が佇むカットがあり、あれはいったい何なんだろうと思っていたが、蜃気楼を見に集まった人々だったのだ。蜃気楼発生を知らせるサイレンとともにいろいろな人々が集まってくる。
 少年、消え去った兄(飴屋法水)、兄嫁(鷲尾いさ子)、老人を詰問した男(多々良純)、老人の親友(天本英世)、……。映画に登場した全ての人物がここに邂逅し、蜃気楼を待ち望む。
 ふと考えた。自分の人生で出会った人物が全て登場するのにふさわしいのはどの場面だろうかと。



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