101年目の乱歩本

101年目の乱歩本


 近年の乱歩本について私が読んだ範囲で紹介しておきましょう。

<幻想文学>42号 特集RAMPOMANIA
 <乱歩幻想>の特集。乱歩の幻想文学というよりも、乱歩が登場する幻想文学という切り口。
 前々から一度読んでみたいと思っていた山田風太郎「伊賀の散歩者」の復刻。江戸川乱歩/平井太郎の先祖、平井歩左衛門は異形の一寸法師を駆り、藤堂藩の御家騒動に介入する。傑作乱歩忍法帳。
 その他『一九三四年冬−乱歩』の久世光彦へのインタビュー、須永朝彦による乱歩谷崎佐藤足穂の架空大正文士同窓会、北一輝と明智小五郎の相似に着目した浅羽通明「D坂の二・二六事件」などが印象的。

小林信彦『回想の江戸川乱歩』(メタローグ)
 信彦と弟泰彦の対談「もう一人の江戸川乱歩」、エッセイ「回想の江戸川乱歩」、小説「半巨人の肖像」を収録。私はこれの著者サイン本を手に入れることができました。「半巨人の肖像」では、主人公今野(小林)と探偵小説誌<真珠>(<宝石>)のオーナー氷川鬼道の交流が語られる。晩年の乱歩と編集というビジネスで接したもう一人の怪人の証言。後に長編『夢の砦』の原型となった作品だそうですが、『夢の砦』の評価はいかがなものでしょうか。 >五十嵐論外様

黄金髑髏の会『少年探偵団読本』(情報センター出版局)
 著者は東京創元社の戸川安宜他3名。少年ものに対する愛着がひしひしと伝わる。少年探偵団シリーズ全作品を詳説するとともに、二十面相の正体と中盤で消失した明智文代夫人の謎に迫る。

仁賀克雄監修『江戸川乱歩99の謎』(二見書房)
 典型的ハウツウ本。コンビニの書棚で見かけたときには目を疑ってしまった。私にとって目新しい内容は一切なかった。だが、95<小説をまねた犯罪事件が実際に起こった!?>において、玉の井バラバラ事件、人間コマギリ事件を解説し、「つい最近も、福岡での「美人美容師バラバラ事件」や、井の頭公園でのバラバラ死体遺棄事件が起こっている。まさか乱歩生誕百年を祝して、というわけ ではないだろうが。」と締めくくっている。95年の地下鉄サリン事件で私は最初に『帝都物語』を連想したが、帝都を恐怖のどん底におとしいれる魔人の元祖は乱歩『大暗室』の大曽根竜次だったはずだ。



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