『江戸川乱歩執筆年譜』

『江戸川乱歩執筆年譜』


 『乱歩文献データブック』に引き続いて名張市立図書館が送る江戸川乱歩リファレンスブック第二弾。第一弾があちこちから絶賛を呼んだように今回も非常に丁寧なつくり。
 今回は執筆年譜。その名前の通り、年代順に小説を上段、それ以外の随筆・評論等断簡零墨に至るまでを下段に配置したもの。

 最初は勿論、「二銭銅貨」。大正12年<新青年>4月春季増大号。短編時代が始まり数々の名作が発表されていく。
 昭和2年、『一寸法師』『パノラマ島奇譚』完結の後に第一次休筆へ。耽綺社の合作が続いた後に昭和3年8月、『陰獣』で再起。そして昭和4年8月、『孤島の鬼』連載8回目から平行して、<講談倶楽部>に『蜘蛛男』の連載が開始される。
 昭和5年7月、『蜘蛛男』完結の翌月から『魔術師』の連載が始まる。これと重なって連載があったのは、『黄金仮面』『白蝙蝠』『吸血鬼』『盲獣』『白髪鬼』『地獄風景』『恐怖王』。なるほど、言語に絶した忙しさだ。昭和7年5月、『恐怖王』の完結とともにまたもや休筆へ。
 この時期の新潮社の新作探偵小説全集には岡戸武平による代作『蠢く触手』が上梓。
 昭和8年、『悪霊』で再起を図るが3回連載で中絶。同時に連載した『妖虫』『人間豹』『黒蜥蜴』の三作はどうにか型をつける。昭和10年5月、『人間豹』の完結とともにまたもや休筆。
 昭和11年1月、『緑衣の鬼』と『怪人二十面相』で復活。その後はそこそこ順調に書き継いでいたが、世の中は戦争に向かっていく。昭和15年4月、少年冒険ものの『新宝島』、昭和17年1月、小松龍之介名義で『知恵の一太郎』、昭和18年11月より防諜小説『偉大なる夢』。
 戦後最初の執筆は、昭和21年3月、<宝石>創刊号の「アメリカ探偵小説の二人の新人」という文章。小説は、昭和24年の『青銅の魔人』より。
 昭和32年8月から<宝石>の編集に携わる。Rの署名で書かれた詳細きわまるルーブリック。数々の新人作家がこれにより紹介された。昭和35年11月号で終了。
 最後の小説が昭和37年12月の『超人ニコラ』完結編。章題は「怪人二十面相」と「人間改造術」。

 ぱらぱらめくっているだけで、これくらいのことが簡単に読み取れる。とっても楽しい。


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