京極夏彦『京極噺六儀集』

京極夏彦『京極噺六儀集』

(きょうごくばなしだいほんしゅう)

 京極夏彦の手によって書かれて上演された狂言・落語・講談の台本集。同時期に出ていた妖怪対談集はスルーしてしまったが、これはちょっと迷った末に買った。読んだらそこそこは面白かった。上演されているのを見ることができたらさぞ面白かったことだろう。

 以下、断片的な感想。
 「豆腐小僧」は『豆腐小僧双六道中ふりだし』を読んで豆腐小僧が何なのかを知っていないとあまり面白くないのでは。
 「狐狗狸噺」は狐と狸だけの化かし合いならありそうだが、それに山犬が絡んで三すくみ状態になるのが味噌。
 「新・死に神」「死に神remix」は元ネタはイタリア種を落語に翻案したものだがその流れをうまく踏んでいる。
 講談の「巷説百物語」はシリーズものとしての縛りがなく、百介が原作と全然違うキャラクターになっていたのが可笑しかった。

 狂言師の茂山千之丞による特別寄稿で、京極による新作は狂言の新たな発展の機会だと力説されていた。探偵小説ファンとしては、どうしても
夢野久作による能は室町期に成立したものを磨き抜いてきたから芸術として比類がなく、新作なぞはもっての他、という長文評論「能とは何か」を思い出してしまう。狂言は能とは違うのからいいのか。



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