夏・匣・夢・檻……
ねたばれ注意
| 夏 | 匣 | 夢 | 檻 | |
|---|---|---|---|---|
| 角書き | ミステリ・ルネッサンス | 超絶のミステリ | 本格小説 | 小説 |
| 視点 | 関口 | 関口・他 | 三人称 | 関口及び聞いた話 |
| 事件日時 | 1952.07 | 08.15〜10.14 | 11.01〜12.15 | 1953.02 |
| 全ページ数 | 429 | 683 | 577 | 825 |
| 黒衣の陰陽師登場 | 296(69.0%) | 504(73.8%) 582(85.2%) | 449(77.8%) | 773(93.7%) |
| 謎解き開始 | 327(76.2%) | 585(85.7%) | 453(78.5%) | 777(94.2%) |
| 終了 | 409(95.3%) | 666(97.5%) | 568(98.4%) | 810(98.2%) |
| 区間 | 82(19.1%) | 81(11.9%) | 115(19.9%) | 33(0.04%) |
| 最後の惨劇 | 409(95.3%) | 666(97.5%) | - | 810(98.2%) |
| 後日談 | 418(97.4%) | 676(99.0%) | 568(98.9%) | 818(99.2%) |
もう一度整理してみよう。
京極夏彦がこの4冊の作品で繰り返し繰り返し投げ掛けているのは、次の問いかけである。現実とは何か。人間とは何か。自分とは何か。
『姑獲鳥の夏』では、仮想現実による密室。自由意思を阻害する幾世代にも渡る伝統的な呪縛。人間の発狂に至るまでの論理的な軌跡。
『魍魎の匣』では、肉体的にどこまで損傷されても人間は人間か。脳と肉体の調和または相克。彼岸の到達即幸福という超絶の原理。
『狂骨の夢』では、現実と悪夢の判別の不可能性。周囲によりつくりあげられた自己。深く重い執念とそれがもたらした帰結。
『鉄鼠の檻』では、脳を模した小宇宙の成立と崩壊。脳髄という蛋白質の檻に対しての禅という手法による戦い。豁然大悟という意識の不連続を脳が修正する一瞬。
昭和38年生まれにここまでやられて猛烈な嫉妬を感じる。それが今のいちばん正直な感想である。
今は京極夏彦の三十代の仕事をしっかり見守って行こう。来るべき日のために。