作者の三作目。前二作の奈津川家シリーズからいったん離れ、主役は少年探偵ルンババ12こと番場潤二郎とその相棒の西村友紀夫。もっとも本作自体が奈津川三郎が書いた推理小説なのかもしれないが。
先ずは彼らが中学一年生のとき、ルンババの姉涼子が自宅の屋根から飛び降りて死んだ事件。
続いては中学の修学旅行で上京したときに知り合った井上椿、榎姉妹にまつわる事件。
そして高校三年の夏に地元福井県西暁町の山奥で起こった大量殺人事件。
少年が主人公だから前二作よりは暴力描写は押さえ目。だがそれでもミステリをおちょくっているところと悪趣味なところは変わらない。第二の事件で母親と二人の子供の死体が血塗れのまま家じゅう引きずり回された理由にはのけぞったし、第三の事件の犯人が大勢の人間を殺してその死体でつくったのが四コマ漫画というのは凄すぎる。そんなことを臆面もなくやれるのはこの作家だけであろう。
テーマ的にはまたしても家族の問題が絡む。大テーマであることには異存はないがいささか飽きてきた。
私は自分が本格ファンとは思わないのでこういうのもOK。作者がこれからどこへ行こうとしているのかが気になる。