百瀬しのぶ『K−20 怪人二十面相・伝』

百瀬しのぶ『K−20 怪人二十面相・伝』


 映画を見てきてそのままノベライズも読了した。映画とノベライズは殆ど同じ話だった。

 第二次世界大戦が回避された日本は極端な身分制が敷かれ、華族と軍が庶民を圧迫する体制になった。そんな帝都に現れたのが怪人二十面相と名乗る怪盗。
 サーカス芸人の遠藤平吉は罠にかけられて怪人二十面相として逮捕されるが辛くも脱走する。彼は怪盗としての修行を積んで本物の二十面相と戦うことを決意する。そんな彼が二十面相に追われる令嬢を救った。彼女こそが羽柴財閥の令嬢葉子で名探偵明智小五郎の婚約者であった。

 原作である
北村想『怪人二十面相・伝』とは全く違う話になっていた。辛うじて平吉が修行を積んで怪盗になっていくあたりが原作の精神を残しているくらい。
 それでも映画は思いの他面白かった。時代設定がSF仕立てになっているのは旧軍のようなミリタリー色とオートジャイロの近代技術を共存させたかったのだろう。核となるのがニコラ・テスラの装置だったりするのもツボである。
 アクション映画であるが、結構笑えるシーンがあってそれを外してないのもポイントが高い。
 乱歩の原作、北村想の原作ともに忘れて何も考えずに楽しむのが吉であろう。



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