オール・タイム・ベスト書評
フィルポッツ,E
(23)『赤毛のレドメイン家』
凋落しきったかつての名作です。恋愛と論理が完全に調和しているとか、風光の描写が非常に文学的であるとか昔は言われていました。でも、現在読んでみますと、犯人の行動はあまりにもざーとらしいし、メイン・トリックも割と単純でした。
それでもこれは今なお名作です。それは最後の二章、犯人の告白書があるからです。ここを読むときには異様な感動を覚えずにはいられません。俊英な頭脳の持ち主の語る殺人哲学。そして思うのです。彼と彼女はある意味で真の理想のカップルだったのではないかと。
69点。但し探偵役の悲惨さ97点。
マーク・ブレンドンはロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)の名刑事であったのに、犯人にはいいようにあしらわれるは、いい役は第十一章になってやってきた大探偵ピーター・ガンズにみんな取られてしまうは、犯人の手記にはヘマしたところを詳しく書かれ遂には警察を辞めなくてはならなくなってしまうは、もうさんざんです。
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