質問箱


[#0001] SRの会への入会連絡先は?
 『このミステリーがすごい!』(宝島社)の巻末に各ミステリーサークルの連絡先が記載されています。個人の住所なのでここには書きません。どうしても知りたい方は私にメールでお問い合わせください。 [1998.12.05]


[#0002] 海野十三の作品について
 ホームページに記したのは、執筆した1985年当時の情況であり、今は違います。その後のフォローを書いていなくて申し訳ありませんでした。
 1990年から三一書房より『海野十三全集』が発行され、今ではほぼ全作品が読めるようになっています。これの監修者は小松左京と紀田順一郎です。
 あいにく私は持っていませんが。大きな図書館なら入っていると思います。 [1998.09.01]


[#0003] 『ドグラ・マグラ』の映画について
 データはこちらに記しました。
 もう10年も経っていたのでいささかびっくりしました。
 ビデオ化されましたが既に絶版です。マニアックなレンタル屋さんに行けばまだ見ることは可能かもしれませんが。 [1998.11.16]


[#0004] 京極堂と関口巽の原形は?
 そうですね。本格物で、記述者役の一人称で、シリーズものという条件が付くから戦後になってからですね。
 すぐ思いつくのは島田荘司が『龍臥亭事件』を捧げていた高木彬光擁するところの神津恭介と松下研三のコンビですね。これが本邦初でしょう。
 単発ですが高木彬光自身が探偵役を務める『能面殺人事件』では、この関係をちょっとひねって使っています。 [1998.11.20]


 かなり以前に芦辺拓さんから、戦前にも浜尾四郎の藤枝真太郎と小川雅夫のコンビがあるとの指摘をもらいました。 確かにその通りですね。   [2003.04.29]追記


[#0005] 中井英夫のお墓はどこですか?
 <幻想文学>No.49[1997.03.01発行]に本田正一氏による手記「薔薇の不在 −中井英夫納骨記」が載っています。葬儀以来下谷の法昌寺にあった遺骨は、本田氏の手により1995年5月28日に山口県山口市の中井家先祖代々の菩提寺である浄土真宗本願寺派瑞亀山正福寺に納骨されたとのことです。法昌寺の方には小さな供養塔が設置されているそうです。 [1999.01.14修正]


[#0006] 『古畑任三郎』第三話の原典は? またはパリ万博綺譚について
 あいにくとTVは見ないんですよねえ。最近はアニメでもドラマでもミステリーブームのようですが。
 さて、このネタは古典中の古典で、再話に次ぐ再話のために何が原典なのかもわからない状態になっています。ヒッチコックにありましたかね。
 私が原型とにらんでいるのは以下のような話です。

 これを最初に読んだのは、少年時代です。学研(?)のジュニアチャンピオンコース(?)という図鑑形式のムックの中に『あなたは名探偵』(?)と『名探偵登場』(?)というタイトルの推理クイズの2冊本がありました。その後者の方の冒頭の口絵にあった話だったと記憶しています。
 後に大人向けの本でこれと同じ話を読んだような気がしたので、本棚をかき回してようやく発見しました。
 マーキー作「空室」(立風書房『新青年傑作選 第四巻 翻訳編』収録)という作品で、<新青年>昭和9(1934)年4月号に掲載されたものです。タイトルは、母親のいたはずの部屋が空室になっていたところから。中島河太郎先生(合掌)の解説によると、
とのことでした。いちおうはこれを原典としてもいいのでしょうが、本当のところは謎のようです。
 うーむ、今更ながら深い世界です。 [1999.05.18]


 小林晋さんよりメールをいただきました。 とのことでした。中島河太郎先生の解説にあった「この骨子で書かれた他の作品」というのがおそらくそれなんだと思われます。ご教唆ありがとうございました。
 パリ万博自体は1855年から1900年まで約10年置きに5回連続で開催されたようです。 [1999.06.08]追記


 何人かの方からヒッチコックの映画では『バルカン超特急』(The Lady Vanishes)(1938)ではないかとのメールをいただきましたが、私自身見ていないので判断できずにいました。ところが星導夜さんとやよいさんのお二人から情報をいただき、このほど確証も取れました。
 F.トリュフォー『定本ヒッチコック映画術』(晶文社)にて、ヒッチコック自身がインタビューに答えて、『バルカン超特急』は1889年のパリ万博で起きた実話(ほぼ上記の通りの内容)に基づいていると語っています。さらにアイリッシュ「消えた花嫁」もこれが原典だとも。
 情報を寄せていただいた方々、ありがとうございました。 [2000.03.31]追記


 また一つ見つけてしまいました。
 J・D・カーのラジオドラマ「B13号船室」について、ダグラス・G・グリーンの本に以下のように記述されていました。
 真相は全然違うけど、確かに状況はそっくりの話でした。探せばまだ見つかるかも。 [2000.04.10]追記


 浅井@漂泊旦那さんから情報をいただきました。
 学研ジュニアチャンピョンコースの推理クイズ本は以下の3冊でした。
 確かにそうでした。でもまさか藤原宰太郎や加納一朗の著書とは思いませんでした。
 そのうちパリ万博の事件の劇画が載っていたのは『名探偵トリック作戦』とのことでした。浅井さんも手放されてしまってタイトルや原作まではわからないのですが、藤原宰太郎の別の著書でこの話をベイジル・トムスン作「ブレイザー夫人の消失」、1889年のパリ万博の事件として紹介しているそうです。 [2000.08.05]追記


 成田さんから以下のような情報をいただきました。
 そうでしたそうでした。『続・幻影城』に載ってないわけがないですよね。乱歩先生の挙げているのは確かにSir Basil Thomsonの方のようです。
 ナチ娯楽映画にもあったのですね。この元ネタ探しはますます混迷化しています。
 みんながみんな実話だ実話だと言うわりには、実際の事件が影の欠片も出て来ないところがまさに都市伝説です。  [2000.08.14]追記


 浅井@漂泊旦那さんからまたも情報をいただきました。
 学研ジュニアチャンピョンコースの藤原宰太郎著『名探偵トリック作戦』を入手されたそうです。
 どうもありがとうございました。 [2000.10.02]追記


 第五類人猿さんからいただいた情報で、都筑道夫『やぶにらみの時計』の中で登場人物がこの類型について語っているとのことでしたが、このほど確認が取れました。
 ウールリッチ「突然アリスは消えてしまった」(「消えた花嫁」)と久生十蘭「女掏摸アリス芸談」(「妖婦アリス芸談」)の元になった事件としてこの実話を紹介しています。パリ万博と特定はしていませんが。
 さらにアントニイ・ソーンがこれを長編化し、ロバート・ブロックもこれに挑戦しているとの記述もあります。
 第五類人猿さんからは『死体を無事に消すまで』の中にもこれに触れた文章があったかもしれないとの情報をいただいています。ありがとうございました。 [2001.07.02]追記


 Moriwakiさんから以下のような情報をいただきました。
 どうもありがとうございました。 [2001.07.02]追記


 ヒッチコック映画『バルカン超特急』の原作であるエセル・リナ・ホワイト『バルカン超特急』を読みました。作中、女主人公アイリスが昔雑誌で読んだ実話らしい話としてこの話が紹介されていました。   [2003.04.29]追記


 もうひとつ見つけたのを書いておきます。
 朝永振一郎といっしょにノーベル物理学賞をとったR・P・ファインマンの自伝『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(岩波現代文庫:2000)の冒頭部、MIT時代のエピソードとしてダンスパーティーで聞かされた謎々をことごとく解いたというくだりに謎々の一つとしてこの話が出ています。   [2003.04.29]追記


 パイパー,E『バニー・レークは行方不明』は保育園に預けたはずの子供が消え、誰も見ていないというその子を求めて母親が一人さまよい歩く話ですが、途中で『パリ万博』の筋書きというのが出てきます。   [2003.05.02]追記


 『北村薫のミステリー館』にベイジル・トムスン「フレイザー夫人の消失」が収録されました。まさにこの話の原型の一つです。母娘はイギリス人でパリに入ったのはナポリから。母親がかかった病気は腺ペスト。
 同じく北村薫『ミステリ十二か月』でもこの話に触れているとのことです。   [2005.11.16]追記


 ホック,E.D.『サム・ホーソンの事件簿4』収録の「革服の男の謎」がこの変形で、パリ万博奇譚への言及があります。作中で以下のように述べています。アレグザンダー・ウォルコットの『ローマが燃えるあいだ』というエッセイ集の「消えた貴婦人」というエッセイでその伝説を扱っており、最後の脚注で、この話の出典は1889年のパリ万国博覧会中に発刊された<デトロイト・フリー・プレス紙>のコラムであると書いてあるとのことです。   [2006.11.03]追記


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