本格的SFミステリ論のための覚え書き
影の読書会レジュメまたは
本格的SFミステリ論のための覚え書き
海外編
黎明期
クレイグ・ケネディもの(アーサー・B・リーヴ)
アメリカのシャーロック・ホームズと呼ばれた科学者探偵。『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』3に「地震計の冒険」が収録。これはSFミステリじゃないが。
フラックスマン・ロウもの(E&H・ヘロン)、『幽霊探偵カーナッキ』(W・H・ホジスン)
前者は最初の、後者は最も有名なオカルト探偵。前者は『ライヴァルたち』2に「スパニアード館物語」が収録。この系譜は今もサイモン・アーク(E・D・ホック)、『事件記者コルチャック』等に。
その他
サンフランシスコのテイン(D・H・ケラー)、火星人探偵オスカー(J・ノーマン)、植物学者探偵ジョン・カーステアズ(F・B・ロング)(「月面植物事件」が『太陽系無宿』に)
SF作家
H・クレメント
(168)『二十億の針』 実はジュヴナイルでしか読んでない。
『一千億の針』 前作よりはかなり落ちるような……。
I・アシモフ
A・ベスター
R・ギャレット
ダーシー卿シリーズ
科学の代りに魔術が発展したもう一つのヨーロッパを舞台にした探偵譚。とはいっても、異次元で普通のミステリをやっているだけの話が多いので今いちおもしろくない。本当に感心したのは「藍色の死体」だけ。「シェルブールの呪い」もまあよしとするか。
L・ニーブン
『不完全な死体』
「ARM」は傑作だがあと二編はペケ(ミステリ的に)。
『パッチワーク・ガール』
あまりおもしろくなかった。
J・P・ホーガン
(40)『星を継ぐ者』
未読。なぜかミステリファンの間で異常に評価が高い。誰か本貸して。
ミステリ作家
J・D・カー
(8)『火刑法廷』
これをSFミステリだと言い切るには問題があるが、とにかく凄い話。
(106)『ビロードの悪魔』
カーの歴史物中随一の傑作。歴史学者フェントンは三百年前の殺人事件を阻止するために悪魔に魂を売って時を遡ったが……という話。
W・アイリッシュ
『夜は千の眼を持つ』
予知能力を持った男の話。ミステリ味もSF味も薄いがスリラーとしては最高。
E・D・ホック
『コンピューター検察局』
意表を突かれた。なんかアホらしくもあるが。
『コンピューター404の殺人』
未読。
国内編
戦前作家
日本ではSFは探偵小説の一分野として派生した。それゆえ戦前作家のSF的作品は大部分が即SFミステリ的作品である。
江戸川乱歩
「鏡地獄」「人でなしの恋」「目羅博士の不思議な犯罪」
小酒井不木
夢野久作
星田三平
南沢十七
海野十三
「振動魔」「赤外線男」「俘囚」 「人間灰」(未読)
『蝿男』
海野は周知のとおり日本SFの父である。彼の特異な作風は戦後ではせいぜい香山滋や佐野洋の一部の作品にしか受け継がれていない。残念なことだ。
戦後作家
香山滋
「オランペンテグの復讐」「海鰻荘奇談」「処女水」
近々国書刊行会から香山滋名作選(全七冊)が復刻されるらしいが高い。とても買えない。
佐野洋
都築道夫
「宇宙大密室」 未読。
『未来警察殺人課』 趣味に合わない。
『銀河盗賊ビリイ・アレグロ』 割とおもしろかった。
石原藤夫
堀晃
「時間礁」「暗黒星団」「骨折星雲」
僕はハードSFなんてろくに読んでないけどSFミステリとは浅からぬ仲のような感じがする。
石川喬司による日本長編SFミステリベスト8(順不同)
佐野洋『透明受胎』
なんか後半こじんまりとまとまり過ぎてつまらなかった。
安部公房『第四間氷期』
確かに前半はSFミステリ風だったが……。
広瀬正『マイナス・ゼロ』
レイ子さんの本棚にあった小酒井不木全集が非常にうらやましかった。
星新一『夢魔の標的』
星新一は好きだ。
小松左京『果てしなき流れの果に』
半村良『不可触領域』
光瀬龍『たそがれに還る』
筒井康隆『脱走と追跡のサンバ』
未読。この手の作家をいまさら読む気になれない。誰か解説して。
[影の読書会のお知らせ]
日時場所 未定
俎上作品 『不完全な死体』他諸々、「ARM」のトリック徹底分析など予定
[註]
この読書会は結局行われなかった(笑)。
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