『江戸川乱歩と13人の新青年 <論理派>編』
『江戸川乱歩と13人の新青年 <文学派>編』
ミステリー文学資料館編のアンソロジー。江戸川乱歩が評論「日本の探偵小説」(『鬼の言葉』収録)で探偵作家を論理派と文学派に分けて論じているが、それに基づいて<新青年>収録作から作品を選定したもの。
戦前作家のアンソロジーは流石に既読率が極端に高くなるが、初読のものが一編切りというのはいくらなんでも効率悪すぎ。
唯一初読の角田喜久雄「現場不在証明」は、息長く活躍した大家のごく初期のころの作品(→作品目録)。
ある男が企んだ殺人の工作をまず描き、その後に捜査側がどのように犯人に揺さぶりをかけたかを描いた倒叙形式。犯人が仕組んだトリックは物理的だが、捜査側の攻めは心理的なもの。実に卒がない。