山田風太郎『江戸忍法帖』

山田風太郎『江戸忍法帖』


 風太郎忍法帖の第二作。実業之日本社の<週刊漫画サンデー>に1959年8月号から連載され、講談社から1960年3月に初単行本化。

 前作とはがらりと変わって、舞台は徳川五大将軍綱吉の治世の江戸市中。前将軍家綱の御落胤、葵悠太郎は生まれ育った足柄の山奥から江戸見物に繰り出して、貧乏長屋に落ち着いた。ところが慌てたのは将軍家御側衆、柳沢吉保。配下の甲賀七忍に悠太郎とその家来の暗殺を命じる。
 家来三人を甲賀七忍の秘術に討たれても泰然としていた悠太郎。だが、彼の身を守って長屋の住人、角兵衛獅子のたあ坊が犠牲になったときには遂にまなじりを決した。たあ坊の姉お縫とともに甲賀七忍とそれを操る影に立ち向かう。
 ところが、柳沢の屋敷に乗り込んだ悠太郎は、ひょんなことから吉保の娘鮎姫をさらうことに。さらわれた鮎姫は悠太郎に一目惚れしてしまう。

 甲賀忍者の術がまたしても凄いものばかり。飄々とした悠太郎が、決死の面持ちのお縫がそれらを次々と破っていく。
 そしてまた若い三人の恋の行方も楽しく、また切ない。
 作者自身が「少年小説みたいだ」と評する、爽やかな勧善懲悪時代小説。


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