山田風太郎『死なない剣豪』

山田風太郎『死なない剣豪』



 先だって読んだ『ヤマトフの逃亡』があまりにも充実していたので見劣りはしてしまったが、それでも風太郎小説は面白い。

 「降倭変」は既読

 「幽霊船棺桶丸」では太平天国の旗印を付けた幽霊船の起こす怪異。海洋冒険物風。

 「お玄関拝借」は、大名の玄関前で切腹をはかり金子を得ようとする浪人者の珍商売と、武士の意地の葛藤。

 「国貞源氏」では、浮世絵師国貞の渾身の春画と、鳥居耀蔵や水野忠邦といった時の権力者たちの意外な関係。

 「慶長大食漢」とは、家康の金主である貿易商茶屋四郎次郎。質実剛健の家康には疎まれながらも、彼の供する豪華な料理が歴史を裏からつくっていく。そして徳川に対する誠に皮肉な因縁とは。

 「死なない剣豪」では柳生家と並ぶ小野家の師匠である伝説的剣豪伊藤一刀斎を扱う。歴史の闇に消えたはず剣豪がその長生を全うするまでの鬼気溢れる顛末。

 「お江戸英雄坂」は、英雄を目指して江戸に上がった若い侍と彼にまつわる人々。三人の英雄の中で歴史に名を残したものとは。


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